7月1週 和賀デポ兼偵察山行

7月の第1週に夏合宿へ向けて、デポ山行及びERの偵察へ行って来ました。山の記録は少なく、誰に需要があるかわからないような林道の記録が主ですが、どこかで役に立つと思ってアップします。

記:黒瀬

メンバー
4年会:勝木
3年会:H浦中、L黒瀬
2年会:EW今田、下平



ガッスガスの沢尻岳




デポ山行とは、十数日に及ぶ夏合宿に向けて、あらかじめ食料や燃料などを特定の場所に置いてくる(デポしてくる)山行のことです。ワンゲルでは、最近は、藪の中にデポできてかつ小さくして持ち帰れる一斗缶を使ったデポが主流になって来ています。今回は用意したデポ缶の個数が足りなかったので、一部缶詰は土嚢袋を使ってデポしました。


7/5(金)曇り

本郷=(車)=貝沢登山口▲0

出発前に急いでデポの残りを詰め込んで18時に本郷出発。車は最近はやりのタウンエース。5人ほどで行く時はこれが一番良い。ワンゲルでは珍しく途中のサービスエリアで夕食なんて食べちゃって、日付をまたいだ午前2時に貝沢登山口近く渡渉点前に到着。



前日だというのに優雅な夕食


実働7時間ほど、運転者のみんなには結構な負担を強いた。車で入れるのはここまで。駐車場は6台ほど停められるだろうか。登山届ポストはこの駐車場にあった。さっさか六天をたてて就寝、明日(今日?)は5時起き。


7/6(土)ガスのち晴れ

▲0駐車場5:536:02貝沢登山口〜6:36郡界分岐6:46〜(たるみ11分)〜8:13沢尻岳(デポ設置、水場偵察)9:049:54郡界分岐10:0010:26貝沢登山口〜10:33駐車場

人間の睡眠の周期が1時間30分だというのは本当のようで、就寝から2回目に目が覚めた時がちょうど5時だった。朝食を食べた後めいめいにデポ品を割り振って出発。渡渉点では勝木さんにノコノコついて行った下平が水没していた。残りの3人は少し上流から渡渉。上流から回るのであれば多少の増水では通行に問題は出ないだろう。とても広い道の真ん中に巨大ナメクジが2匹いた。



登山口前の渡渉
大きなヤマナメクジ


登りに入ると湿気のせいか汗が乾かないでとても暑い。9:20には名物どっしりブナの木を通過。郡界分岐で1回目のたるみをしているとブヨがたくさんよってきてウザい。小さな蚊柱ならぬブヨ柱がザックの上に出来ていた。

次のピッチではトップの今田がかなり速いペースで進んでいく。強くなったな〜。急登を登り切る。情報では前山分岐の先の稜線で森林限界のはずだったが依然森林は続いている。途中隊の前を動く物が通り過ぎたので捕まえてみると、どうやら何かの雛鳥だ。記念写真を撮ったのち放してあげる。沢尻岳の最後の登りの前で一回たるみを挟む。沢尻岳手前、1200mくらいが本当の森林限界だった。



ホオジロ?詳しくないんですけど…


たどり着いた沢尻岳はガスに巻かれて景色は何も見えなかったが、山頂は拓けており良いところ。テントは問題なく張れるだろう。



何も見えねえ


さて、いよいよデポ品の設置である。誰か他の登山客がいたらどうしようと思っていたが、早朝に登った甲斐もあって誰もいない。一旦山頂からモッコ岳へ続く稜線の分岐の方へ道で戻り、そこにあった看板から見て180°の方向に行った藪の中にデポ品を隠す。

とりあえず道からは発見されないことを確認したのち、今度は水場捜索だ。下平と勝木さんはデポって残りの3人で地図の沢線を探す。道伝いに少し下った後トラバースしていくとすぐに見つかった。雪渓が残っていてその下から水が豊富に出ている。本番はもう少し下らないと水は出ていないかもしれないが、とりあえずはしっかりした沢で安心である。危険箇所もない。



雪渓から、ジャバジャバでした。
水場に向かう草原


道に戻ってさっさと下る。デポ缶がなくなって体が軽い。途中数人の登山客とすれ違った。みなさん地元の方であるようだ。そりゃそうか。しかしブヨが多い。気温が上がってさらに多くなったように感じる。ブヨについて文句を言いながら歩いていたら、思ってたより短い時間で郡界分岐に着いた。普通にたるみを10分取ろうかと思ったが、ブヨが多いので早く出発させろと言われる。確かに。早めにたるみを切り上げて出発。ここら辺からだんだんと晴れてくる。貝沢登山口は、朝はわからなかったが晴れているととても気持ち良さそうな草原だ。朝見た巨大ナメクジは二匹揃って道の脇の切り株に移動していた。駐車場についたので下山連絡を入れる。



切り株に二人仲良く移動していた。


次に、夏合宿で使うERの取り付き偵察に向かう。まずはER5から。取り付きまで車で問題なく進める。土管橋はLの勘違いで探すのに手間取ってしまったが、普通に地形図上で橋がかかっているところである。秋田新幹線のトンネルすぐ左が取り付きやすそうだったのでERの出口もそこに変更する。

途中で秋田新幹線が通った。せっかくなので手を振ってみたが、誰も手を振り返してはくれなかった。目はあってたと思うんだけども。



秋田新幹線線路
トンネルのすぐそばである。


お次はER3,4だ。下もぐりまでは車で入れる。そこから先は浦中黒瀬今田の3人で向かう。勝木さんはお留守番兼臨時の遭対とした。17時になっても帰ってこなかったら遭難対策してもらうことにする。下平はぐうぐう眠っている。



下もぐり


カラノ沢の道は最初こそ広い道だったが、だんだんと道幅が細くなってくる。奥もぐりの少し前では登山道が崩壊している場所もあった。この時点でこの道はERに使えるのか?となっていたが通れないこともなかったので進む。



1アウト

2アウト


その先も歩きづらい道が続く。奥もぐりを超え左岸へ。奥もぐりもこの登山道もどのみち一回大雨が降ったら使用不可能になりそうだ。そしてER4取り付き少し前の堰堤で、登山道は完全に崩壊してなくなっていた。はい、スリーアウト。左岸を高巻きすればさらに先の道に出れるかもしれないが、ERにはもう使えないだろう・ここまで片道1時間30分。帰ったら審議資料を作り直さないと。気分が重くなったが、今田がコクワガタを見つけたのでこれと記念写真を撮ったら多少回復する。



Lとコクワガタ、奥は崩壊した林道


と、今田がもう一つ、ヒルに噛まれましたと報告する。エ゛、ここヒルいるの?しかも丹沢にいるやつよりはるかに大きい。ハーー、やってられるかこんな道!ERがなくなることによって深くなるMaxをどう対処するか浦中と話し合いながらさっさか歩いて帰る。車に戻ってヒルチェックをすると、浦中0匹、L1匹、今田5匹だった。3番手を歩いていた今田が一番多くのヒルを引き連れていたらしい。かわいそうに。

今日はまだまだやることがある。お次は2つ目のデポである。ヒヤ潟へ続く道は車で行けるとの情報だったが、自治体が規制を強化したのがゲートがあって入れなかった。



ヒヤ潟までの道は最近通行止になったらしい


しょうがないのでこの際だからデポは笹森山に向かうことにする。確か国見温泉から直接向かう道があったはずと国見温泉石塚旅館のおばちゃんに聞いて見たら、とても親切に教えてもらえた。

世間話も少々、東京からわざわざ笹森山に何しに来たの?と聞かれて返答に窮してしまった。心配だから降りて来たらまた教えて、それまではうちの駐車場使ってていいよとも言ってもらえた。笹森山へのデポは車に寝ている下平を残して4人で向かう。

15分も経たずに山頂に着く。最近反射板が撤去された山頂は景色も良く絶好のサイト地になっていた。缶をデポして下山。戻っておばちゃんに報告をする。おばちゃんは旅館の真ん前に鎮座するこの笹森山に特別思い入れがあるらしく、そこにわざわざ登りに来た我々の印象もとても上がっていた。おばちゃんの中では我々は反射板マニアの団体ということになっていたらしい。

そのあとは国見温泉森山荘さんに日帰り入浴して、スーパーで買い物したのち道の駅でサイトをした。今日の夕食は豆乳鍋。シメにはカルボナーラまで作った。お腹いっぱいになって就寝。「出来るだろう→出来ない」が今日だけで何度もあり、そのたびに対応を考えていて疲れた。濃い1日だった。



夕焼けと岩手山


7/7(日) 晴れ
朝は5時とかに起きる。暇だったので、八幡平アスピーテラインをドライブ。途中、松尾鉱山跡に入って廃墟を探検したりする。そのあと、松川温泉近くで柱状節理を見たり、岩手山の焼走り溶岩流を歩いたりしてから帰る。とても楽しかった。



無人になった社宅?
廃墟の中
八幡平山頂レストハウスの県境碑 
柱状節理
焼走り溶岩流と岩手山



まとめ
道は全部普通の道。林道の方が歩きづらかった。ER3,4がなくなったことはかなり辛い。今年は時間がなくて昔のERを採用したが、次に和賀を出す人はぜひ、ERをしっかり偵察してほしい。


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