6月4週 小川谷廊下

 天気予報は怪しかったが、少しでも養成を進めるために小川谷廊下へ。丹沢一の美渓は…。

浦中大地

参加者

OB3 梅宮、OB1 L浦中

3 sW(89) sE西村 2 EWH(2N)

 


625() 曇り 

東京=(車)=玄倉▲0

直前まで天候判断に迷ったが、奥多摩よりも丹沢の方が良さそうだったので小川谷に決定した。結果、土曜の降水確率は20,10,10,20で悪くない。これはLの人徳の賜物である。

アプローチは浦中車(浦中・島)と梅宮車(梅宮・西村・原)で、浦中車は2130ごろ、梅宮車は2330ごろに玄倉に到着した。玄倉の駐車場は20台ほどは駐車可能でトイレもある。バス停の軒下がオカン適地で蚊さえいなければ快適な夜を過ごせただろう。

島の下界訓練は問題なかった。

526() 曇り時々晴れ 遡行図「東京起点沢登ルート120(東京周辺の沢)

0 4:355:25 入渓点 5:436:10 3m 6:256:28 5mCS 6:558:02 F4上~8:04 F5 8:258:26 F6 9:4510:00 大岩 10:1011:57 石棚下 12:2813:27 石棚上~14:20 F9 14:3514:50 終了点~16:10入渓点 16:3517:30 玄倉

睡眠時間の確保のために4:30出発。17時から雨予報だったので、16時には脱渓することにしてリミット判断としたため、時間的にはかなりシビアな山行になった。小川谷への林道はしっかりと整備されており歩きやすい。なんなら車でも余裕で入れそうである。5:25にケルンで分かりやすい入渓点に到着。沢装を付けてヤブ沢(コカイ沢)に降りる。堰堤4つを梯子で降りると小川谷の河原。そこから5分ほどで廊下の入り口に着く。

降りてきた堰堤

3m(2mの簡単な滝)は、原が水流右TR岩支点。なぜかロープを全部出しており時間がかかる。小さい滝なんだからロープは10mも出せば十分なのに…。続いて②5mCS(F1)は右の狭い隙間を原が空身ショルダーで(Lの肩を足場にして)無理やり突破。原のザックは投げ上げて右TR。後続は隙間のさらに右にある残置にスリングで鐙を作って突破した。残置を使わない場合は①3mの横から右巻きだろう。

5mCS、残置に鐙を作って

6m(F2)は原が右TR岩支点。左ルンゼも工作容易。その先の小滝は左巻きフリー。③22m5m(F4-25m)2m部分が埋まってしまったのか水流部分の見た目は4m滝。水流左からバンド状のところに上がり、そこから左上に。ここもTR原。ここからワナバ沢までは、水流の逆を行くと比較的楽に超えられた。今回の島の動きが良いのでロープも出さずに突破。ワナバ沢を過ぎて3m(F5)は右TR原。続けて6m(F6)は右巻き。トラバース部分に1カ所残置があったがルンゼ状の部分の通過はスリリング。ここは上の木から支点を取ってTR原、トラバース部分はハーケン2本と残置でfix浦中。滝の裏側をくぐれる3mの下に出る。この3mは素直に滝の下をくぐって右からフリー。へつりが楽しい。超えると大岩が見えた。ここまで原が動きっぱなしなので大岩の横でタルミ。
大岩の右下がぽっかり空いている

大岩は2年前とは様子が変わっており、下の空洞が広くなっていた。股下まで浸かるが容易に突破できる。一方で、大岩の反対がごっそり抜け落ちているので手掛かりを出して大岩を登ることはできなくなっていた。大岩の上の6m(見た目は3~4m)は左巻き。ヒエ畑沢横の尾根がエスケープ可能であることを確認してから核心の石棚のゴルジュに入る。まずは3m(4m)を右から残置に手掛かりを付けて突破。落ち口付近がやや怖い。続けて2mくらいにしか見えない4mをハーケン支点のボディビレイで水流TR原。久しぶりのボディビレイに手間取っていた。次の3mは見た目は5mくらい。原が右から取りつくが、落ち口で詰まり動けなくなる。クライムダウンできないというので、Lが急いで左から登ってハーケン支点のボディビレイで引っ張り上げる。トップで詰まると本当に危険なので二度とやらないで欲しい。トップはクライムダウンできる範囲で登ることを徹底すべきと改めて認識。後続もそのまま左をボディビレイで上げた。オオコバ沢の先の滝(遡行図の位置的には4m)は、もう一つ上の4mの上から支点をとった上で左の残置ボルトでランニングを取ってLがボディビレイ。石棚のゴルジュ最後の4mは右フリー。ここで後続のパーティーが追い付いてきたが、こちらが登っている最中にどんどん登ってきて危なっかしい。せめてフォールライン上には入らないでほしいのだが…。結局、15人ほどの山岳会のパーティーと3人パーティーが追い付いてきて計3パーティーが石棚下で渋滞。山岳会のパーティーに先に行ってもらい、自分たちは2番手で登ることになった。

石棚は左巻きで、ルンゼと滝の間のリッジを登っていく形になる。とりつき部分の6mほどが難しそうだったのでクライマー原、ビレイやーLでリード。ここで原のトップ装にヌンチャクが無いことが発覚した。梅宮さんの私物のクイックドローを借りて、上部も難しそうであれば懸垂を作って降りるという方針にした。幸い、残置支点2カ所でヌンチャクを使って上部の簡単な部分に出たので遡行を続けることができた。リードをした下部をTR原、上部はT浦中。トラバース部分も踏み跡がしっかりしていたのでロープを手掛かりにして通過し、沢床に降りる部分のみクレイムハイストを使用。残置ロープもついていた。

石棚の上は小滝が連続するが、どれもロープなしで容易に登れる。もともとはナメ床が広がっていたであろう場所はゴーロ帯に変わりつつあったが、それでも丹沢の中では美しいと言える渓相だった。しばらく快適に歩くと左から大小のデッチ沢が分かれて⑨8m(F12)。これも見た目は5mといったところ。右から釜をへつって水流右を登れないか取りついてみるが、上部はホールドが乏しいので撤退。おとなしく左巻きでTRした後に沢床にロワーダウン。ゴールの目印である半壊した堰堤が聳え立っていた。どうやって建設したのか想像もつかないほどの大きさと威圧感で、これを見るだけでも価値があるだろう。堰堤の崩壊箇所をくぐると開けた河原に出て、15分ほどで東沢出合いの終了点についた。

「文明の崩壊」とでも名付けようか…

作業道は荒れていることを覚悟していたが、想像以上に悪く、上部ではところどころ手掛かりやfixを出そうか迷う箇所もあった。一度間違った踏み跡に進んでしまい戻る羽目になったので次回以降はRFをしっかりして気を付けてほしい。また、この作業道は奴らの縄張りであり、パーティーの後ろの方にいると確実に餌食になるので適宜確認して発見次第殺すべきだろう。今回は原に大量にくっついており、入渓点で悲鳴を上げていた。発見したら慌てず騒がずディート入りの防虫スプレーを吹きかけよう。

いつも利用している桜の湯がコロナワクチンの接種会場になっていたため、風呂は無しでガキ大将で打ち上げをして解散。

総評

 丹沢一の美渓の呼び名にふさわしい渓相だった。が、かつては今よりももっと美しかったことが想像でき、少し悲しくなった。岩は比較的しっかりしているが、登攀ルートをミスると上部で詰まる可能性もあるので慎重に。ゴルジュの突破はそれほど難しくなく、初心者を連れて行っても楽しめる良い沢だった。原にとっても反省点の多い良い養成企画になった。


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