6月3週 藪トレ檜倉山


藪トレ3週目として上越国境稜線の檜倉山に行ってきた。第2週幻湿原も第4週荒海山も好天に恵まれたのに、この企画だけ見事に雨を引いてしまい、OB1のU氏から「西田は仲間だと思ってたよ!」という大変遺憾な歓迎まで受けてしまった。土曜日の入山に迷ったが、結果的に2日かけて檜倉山頂をピストンすることができ、雨ながらも充実した企画になったと思う。
記・西田(2021年6月28日)

檜倉山頂にて 池塘と共に

山域:上越国境 檜倉山
行程:巻機小屋⇄檜倉山 檜倉尾根経由のピストン
日程:2021年6月19日〜20日
山行形態:藪山登山
メンバー:
OB1 CL黒瀬
3年 sW重城 sF中尾 sL西田 sE原 三田 W吉原
2年 WF久島 W長藤 福家 H古田 EW
1年    石田 鴨田 谷

618()アプローチ 曇り

東京=()=巻機小屋▲0

先週に続きハイエース2台で巻機小屋までアプローチ。sLが当日にGPSに地図を入れるなどしたため、予定より少しだけ遅れて19:10に本郷車出発。共装リーチなどはE堀を中心に上手くやってくれた、と思ったら堀から赤布130を丸々忘れてきたと報告が入る。コンビニにも代用品になりそうなものはなかったので、トップのRFトレの名目で赤布なしで行くことにする。

車中sLはずっと天候判断に迷っていた。誰の差し金かは知らないが土曜日は終日雨予報なのである。SCWでは午前3時頃から雨雲がかかり続けて特に正午のピーク時には3段階目の青色〜4段階目の水色に覆われており、浦中さん黒瀬さんからも土曜の入山判断を慎重にするように助言があった。ずっと限界上で逃げ場のない本ルートはリスクが高いのでなし。選択肢は土曜に逆ルートで檜倉山頂まで上げ日曜にそのまま下山or土曜を停滞とし日曜にサブ装で檜倉日帰りピストンの2つがあったが、日曜の日帰りピストンでは山頂に立てる可能性が低いことと、そうは言っても藪「トレ」なので停滞という軟弱な判断をしたくないということで、結局土曜朝7(一番やばい12時頃を限界下でやり過ごすため)に天候判断し土曜日中に檜倉山頂まで上げることにした。小屋には本郷車駒場車ほぼ同時に11過ぎに到着。

 

619() 終日雨かつガス(cf.新潟県湯沢における降水量14.5mm)

0巻機小屋7:05=()=7:12林道ゲート7:208:03十五里尾根分岐〜(タルミ10、渡渉7分)8:52ヒノキクラ沢分岐9:02(尾根取り付き23)(タルミ1015)12:29 1460mベロ12:4014:24 1650m森林限界14:3414:10檜倉山頂▲1

7時前の時点で想定よりも小降り(パラつく程度)だったため出発することにする。林道ゲート左手の鎖で封鎖された分岐道前に2台止める。ゲートからヒノキクラ沢分岐までは小さな落石が所々あるが普通の車道で車両待避所もしっかり整備されていた。巡視路との分岐は林道渡渉手前の一か所だけで、トップからの報告がなかったので分岐は報告するように言う。林道渡渉は沢の水が林道上に溢れ出している感じで増水のせいか靴が多少浸かるが、どうせこの後の藪で濡れるので気にせずジャブジャブ行った。ヒノキクラ沢の渡渉はこの雨での増水を心配していたが、渡渉点がちょうど堰堤の下にあるからかほとんど増水が見られず、堰堤下のコンクリートの部分を歩けば靴も浸水せずに渡れる程度だった。念のためにトップに3年会を出すが、ここでsLCLから隊全体を見てきちんと指示を出せとの注意を受ける。sLは今山行がリーダーとしての初山行なこともあり、序盤はトップ本体への指示出しや目配りなどsLとしての隊運営がままならない場面が多々あった。反省。

渡渉が終わると藪装をつけてトップに取り付きを探させる。結局尾根の先端から取り付くことになったが、急な細尾根で一人ずつ通過させたため取り付きだけで23分もかかった。明日の下りではここを通りたくないなと考えていると尾根上を横切る形で鉄塔巡視路が通っていた。実はTWV2018でもこの巡視路を使っており、渡渉点からも見えていたし地図にも載っていたので、sLとトップのリサーチ不足で無駄骨を折った形だ。

気を取り直して尾根上を行く。1460mベロ手前(1350m付近)までは藪は薄い笹藪程度で踏み跡も明瞭なところが多いが、本体は遅々として進まない。特別バテている人もいないのだから本体誘導はもっとペースを上げてくれてよかった。3ピッチで1460mベロに着く。1460mベロは尾根上に北から沢状地形が深く食い込んでくるような地形をしている。ベロからの明日の下りはRF難なのでトップにはよく周囲の様子を予習してもらうが、藪に阻まれ間違い尾根はほとんど確認できなかったようだ。ベロ手前から森林限界線までは木と笹で、笹の密度、背丈が徐々に増していくような感じだった。そういえばすでに12時を回っているが、藪に守られているからかここまであまり雨を感じない。

1460mベロから山頂までは尾根が広く不明瞭なので、トップは角度を80度に固定して登っていき、徐々に背丈を増す笹に苦労しながら本体もついていく。とは言っても密度自体は笹を踏まずに足が置ける程度で、本体誘導のルート取り次第ではそれほど「濃い」とは感じなかった。バテている人もいないし、山頂に早く着きたいので、森林限界までロングピッチを切る。森林限界はちょうど斜度が緩む1650mが正しい位置。本体が追いつくと、トップは雨の中30分近く待っていて寒さで震えているので、配置そのままにさっさと出発させて先に山頂にテントを立てておいてもらう。限界上は背丈程度の笹の中に灌木密集帯がある感じで、上手く笹を繋げば比較的楽できる。本体も30分程度で山頂に出る。笹原から開けた山頂に出ると12年会から歓声が聞こえる。ガスって眺望がないのが残念だが、それでも開けた山頂と池塘は気持ちが良い。

濡れて寒いので急いで写真を撮ってサイトを始め、Wにはサイト中に天図を取ってもらう。天図用紙の幅目一杯にのびる前線に加えてたくさんの気圧配置が読み上げられ、描くの大変なやつだね、とsLと三田は苦笑いしていた。吉原と長藤にはOKを出したが他の人はまだ練習が必要。夕サイトは塩レモン鍋だが、レモン汁を使うのではなく分厚いレモンの輪切りが乗っていて皮の処理に困った。宴会は黒瀬さんの小玉スイカはじめ各テントごとに楽しんで19時就寝。

620() 出発時霧雨かつガス、途中雨強まる、下山後好転(cf.新潟県湯沢における降水量1.5mm)

1檜倉山頂4:346:13 1460mベロ6:347:57ヒノキクラ沢分岐8:079:14林道ゲート=()=巻機小屋

 34半で昨日登ってきた尾根を下る予定。朝サイトはきのこうどんだが味付けが用意されておらず、片方のコッヘルではかろうじてカレー味に仕上がったが、sLの食べた方は無味だった。今日は1ピッチ目からRF難なので体操前に方針会議を済ませ、体操後は山頂で集合写真をさっと撮り出発。天気は辺り一面ガスで霧雨によってすでに体が濡れている。土曜朝の時点の予報ではすでに抜けているはずの雨雲がしつこく残り続けているのだ。RF難所が続くのでガスでさらに難易度が上がることを懸念していたが、トップはイモることなく1460mベロまで一気に下る。実際のところ、RF難ではあるがトップの方針としては山頂からずっと角度固定で下りる以外になく、したがって数十メートル先のターゲットさえ見えれば正確に進めるはずである。この点トップと本体誘導は優秀で、角度をずらすことなく1460mベロまで連れて行ってくれた。1460mベロからもRF難なのでベロでタルミ。ロングピッチあと1ピッチで藪抜けするつもりでいたが、ここで昨日からトップで働きづめだった福家を本体誘導に下げる。ご苦労様。代わりに古田、長藤、重城、吉原と今山行が初トップのメンツに頑張ってもらうが、このRF難所もさっさと突破してくれてありがたい。ここも角度を頼りに、所々切り直すタイミングさえ間違えなければイモることはないだろう。ここからは藪も薄く踏み跡も明瞭なのでひたすらに下るだけなのだが、雨で濡れた藪を踏んでみんなよくコケる。途中トップの長藤が落ちて中尾が回収に行くとの報告が来るので、ついに滑落でもしたかとビビったが、どうやら尾根を外しただけらしく安心。いいペースで下り、鉄塔巡視路のところで藪抜け。sLは当然土下座で藪抜け。黒瀬さんまで土下座していて申し訳ない気持ちになった。巡視路を12分下るとヒノキクラ沢の渡渉点に出る。ここにきて晴れてくるのはまじでなんなのか!昨日今日の雨でも特に増水は見られないので余程の土砂降りでない限り渡渉できるだろう。あとは林道を1ピッチ歩いて林道ゲートに到着。みんな元気があるので色々話しながら歩いていた。1年会3人と話していると、楽しかったと言ってくれてsLとしてはとても嬉しい。小屋で片付け後、おなじみ金城の里で温まり、食堂関山という定食屋で打ち上げ。18時の車返却にも余裕で間に合った。お疲れ様でした。




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