魚沼三山
越後駒よりパノラマビュー
2017/09/03-05
最近ワンゲルで踏み入れていない登山道。静寂かつ平穏な山、時に険しい崖と激籔しかしそれを乗り越えれば待ち受けるはオアシス。夜には町の夜景と満天の星空。こんな山を縦走したいと思い立った。
台風一過後の移動高気圧の張り出しによって、行動中はほぼ晴れ、さらに北風だった影響もあってか涼しく快適であった。哀愁漂う晩夏の風に包まれたが、それでも山好きにはたまらない充実した2泊3日であった。
9/3(日)晴れのちガス、夕方小雨。。。
東京=六日町=ロープウェイ山頂駅1050-四合半1110-1145女人堂1155-(水汲み10分)-1255八海山避難小屋1315-(たるみ10分)-日の池1415-1445大日岳1455-1510大日岳分岐-八海山避難小屋1558
アプローチはみんなバラバラで鈍行始発組は藤原さんとLのみ。無事六日町に時間通り集合。9:40発のロープウェイ行きのバスに乗り、ロープウェイで入山する。ロープウェイ入り口には「高校生団体が約200名八海山に入山」という旨の張り紙があった。出発初っ端から高校生団体女子パ-ティとであう。女人堂に着くと50人の高校生団体と出逢う。また、先に進んで八海山避難小屋につくとさらに多くの高校生団体とすれ違った。一部のパーティからすれ違い際にどこの大学か聞かれ、東大と答えると「えっ!東大!?まじかよ!握手してください!」といわれすれ違う5人と握手することに。流石東大ブランド。小屋につき早速sub装を作って準備し、さっさと八峰岩稜にむけて出発。今回は全員が強いということもあって岩稜は読みを縮めて全ピークを踏破できた(八峰の詳細は地蔵岳~日の池は岩トレ八海山FBを、日の池~大日岳分岐は末尾を参照)。すべてガスだったが。大日岳を出発した瞬間ポツっと肌に。これは雨!?なんともタイミングがいい。晴天予報の中この天気は想定外であった。さっさと降りてトラバース道を歩く。相変わらず面倒な道ではあるが、岩稜と比べればさして怖くない。それでも落ちたらただでは済まないと思うが。小屋につくと、越後三山を縦走されるというおじさん2人と出逢った。越後駒までは我々と行動日程が同じである。この二人とは最終日の中ノ岳下りまで何度か対面することに。夕方は雨であったが、明日は晴れると信じて就寝。
9/4(月)晴れのち夕方山頂はガス。。。
八海山避難小屋505-月の池535-555大日岳分岐605-625入道岳635-715五竜岳725-(たるみ10分)-857荒山907-オカメノゾキ941-(たるみ10分*2)-1145出雲先(八合目)1155-(たるみ10分)-1315御月山1323-1340秡川1415-(たるみ10分)-1510中ノ岳避難小屋
朝外に出てみると、そこには満天の星空と1万ドルの南魚沼の夜景が。待ちに待った晴れである。
トラバース道から見た八峰
大日岳。釣鐘型のピークが放つ迫力は越後三山で一番
トラバース道を素早く通過し、いよいよ本命の稜線へ。入道から五龍は荒れたガレ場で下りにくかった。五龍は45天二張張れるか程度の広さ。サイト適地といえなくもない。その先の五龍~御月山間はエアリア破線の難路である。五龍~オカメノゾキコルまでは左右そこまで切り立ってはいないのだが、植物が刈り払われておらず、踏み跡もあまりよく見えず歩きにくい。オカメノゾキは踏み跡明瞭ではあったが斜度は急で降りるときは少し怖いかも。オカメノゾキから出雲先の登りは先ほどとは対照的で左右が切り立った露岩稜線であった。歩きやすいので体力的にはつらくなかった。出雲先~御月山は笹主体。頭まで伸びる笹なので景色は見えない。しかもどんどん濃くなってくる。これはっ、、、藪っ!!藪好きが1人しかいないこの隊にはなんとも厳しい仕打ちである。赤テープもないのでトレースをたどりながら登る。この区間のトップは黒瀬だったが途中トレースを見失い、完全にワンゲルの藪漕ぎスタイルになってしまった。そのまま数m進んでしまったが、これは飽くまで道企画。黒瀬を止めて道を探す。Lの真横に倒木があり、そこから伸びていると思しきトレースを辿る。黒瀬「藪トップ日数1日ほしいですね。」まぁ、冗談ではなく此処の下りはRFが必要かもしれないし、稜線南側に落ちたら命はないので逆ルートは控えたほうが良いだろう。
二日目の稜線。本場で見たらもっと細く見える(多分)。
慎重に慎重に
慎重180cm以上もある方が撮った写真。藪の濃さが良く分かる。
御月山につくと今まで歩いた稜線、その反対には大きく構える中ノ岳が見える。この稜線を去年の俺は14人も通そうとしたのか。。。少し下ると秡川につく。そこには美しい緑の草原が広がっていた。秡川の水量は結構豊富。この時期ならばここの水が枯れる可能性は少ないであろう。まさにオアシスと呼ぶにふさわしい場所であった。
秡川の草原がこんにちは。
わずかだが、気持ちのいい草原の長を歩く。
秡川から1時間ほどで中ノ岳避難小屋についた。避難小屋の天水は外につけられている。この日は平日だが10人くらい小屋を使う人がいた。夕飯はハッシュドビーフ。ハヤシライスより甘ったるくないのでとてもうまい。食事を済ませたら中ノ岳を空身ピストン。片道5分もかからないだろう。夕日を期待したがガスのままであった。主峰でガスを引くとはまだ俺は神に嫌われているのか、、、?明日の朝にもう一度リベンジすることに決定。そうこうしているうちに17:30になったが、未だ昨日出逢ったおじさんたちが小屋に来ない。どうしたものか、秡川であきらめて幕営したかと不安になったが、日没直後におじさんたちは小屋に到着した。話を聞く前におじさんたちに「君たち藪に踏み跡付けたでしょ~(笑)。」といわれた。道迷いさせてしまい大変申し訳ありませんでした。TWVは人騒がせな藪漕ぎ部であることを改めて実感した。まあ無事に小屋について一安心である。來住は此処で靴擦れを訴えてきたがひどくはなく、明日の行動にはとりあえず支障はなさそうということで予定通り本ルートを進む方針とした。
9/5(火)限界上晴れ、午後限界下になって曇り!
中ノ岳避難小屋540-四合目607-(たるみ10分)-檜廊下655-(たるみ12分)-天狗平819-(たるみ10分)-分岐905-915越後駒ケ岳953-1003駒の小屋1107-1148百草の池1158-1235小倉山1245-1347栗の木の頭1357-(たるみ10分)-1507駒の湯
朝外に出てみると、満(ry。上空は快晴である。飯は大雪でも大成功のトマトチーズリゾット。うまい。中ノ岳は当然リベンジ。越後駒、巻機、八海山、上越国境東部がきれいに見渡せ、朝焼けがとてもきれいであった。5:40に小屋を出る。
越後駒への稜線。(これは藪ではありません、ちゃんした道です。)
檜廊下までは腰から胸までの高さの笹原主体。やはりトレースもあまりついてなく、草や木の根が道中に張り出してとても滑りやすい。また朝露のせいで登靴が濡れ、靴下もびしゃびになる。いつかこの稜線も藪山と化すであろう。。。檜廊下はその名の通り木の根が道中に張り出した中を歩く感じだが、歩きにくくはない。この区間は若干読みが伸びてしまった。天狗平についてから越後駒ケ岳まではトレースがしっかりとついていて歩きやすい道であった。笹薮から徐々に草原へと変化する。まさに天国の稜線歩きであり、トップ黒瀬はこの区間をエアリア0.4倍で進んでしまった。越後駒ケ岳は最後のピーク。我々が3日かけて縦走した山々がすべて見渡せた。越後駒は美しいグリーンのなだらかな山で個人的には巻機よりも好み。
駒の小屋から、越後駒。きれいなエメラルドグリーンは我々を癒してくれた。
少し下り駒の小屋でL差し入れの冷麺を作るため長たるみ。黒瀬は麺を冷やすために水場でコッフェルを水に浸していたら女性登山客に5人ほど囲まれていた。黒瀬モテモテである。來住の靴擦れはここにきて結構ひどくなっていたが、本ルートモチベが全体的に高そうなので本ルートで降りることに。小倉山までは限界下まで下れば膝にやさしい階段歩きだが、小倉山から駒の湯までは急な坂のつづら折りを下ることになり膝に結構きた。最後のつり橋を渡って本ルートを完遂し、少し林道を歩いて駒の湯へ。駒の湯はどのキャリアも電波が入らないので、山荘の衛星携帯を借りてタクシーを呼ぶ。みんな疲れ果てたままタクシーで小出まで向かう。小出から鈍行で高崎に向かう途中、新前橋で下車してステーキのどんで打ち上げ、それぞれ帰路についた。
総評
露岩、ちょい藪、草原とバリエーションに富み、景色には下界の夜景や空気が澄んでれば日本海が見渡せ、人も少なく静か。天気にも恵まれたし十分に山を堪能できたと思う。ただ、八海山~越後駒の道は結構荒れ気味であり、歩行が安定していて体力があるものでなければ安全に通過できないであろうし、それでも二泊三日で登るならば人数は絞る必要があると思う。今はトレースがあるもののひょっとしたら何十年後かくらいにはこの山域は藪山と化しているかもしれない。。。
[八峰後半、日の池~大日岳]
日の池~大日岳手前はハシゴ主体で鎖の登りもあるが、これといって難しくない。ただ、今までの怖い怖いといっていた岩場の怖さを全て覆すほどの怖さを持っているのが大日岳である。大日岳は釣鐘の形をしている。上り下りとも不親切なことにステップがほとんどない。しっかりと鎖を頼らないと、滑ったときが大変である。クライミング技術がないうちは、鎖を使わないなんて言う変なプライドは捨てるように。特に大日岳の登りは落ちたら死にます。下りは2段合計17mの高さなので、足の置き場をしっかりと見つけながら鎖を頼りにして下ってほしい。合計30分かかった。大日岳再チャレンジを2日目にしようと思ったが、隊員はもうあの下りは御免だといわんばかりであった。
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