面子:4CL鈴木3*廣長、sL豊島2*中村1N深山、初新留、初八嶋
(CLチーフリーダー sLサブリーダー N ニュートラル 初 初心者 *L権者 文責:豊島)
渓相は良いのだが |
7/11(金)東京=奥多摩~倉沢橋
夏合宿乗鞍隊の審議に参加していた廣長が23時奥多摩着となったので、1時間前に駅に集合していた皆で先に下界訓練。八嶋は前回ウォールに来たのが大分前だからか、中村が教えたからかほとんど覚えておらず一から教えなおす。いつもの場所で寝ていた上智探検部を起こしてしまったのは申し訳なかった。廣長到着後、倉沢橋まで徒歩。途中から中村がペースを上げはじめたところから意地の張り合いがはじまり全員超速で進む。約70分で倉沢橋着。クソ暑い。新留が裸で就寝しているように見えたが目の錯覚だろうと思い自分も就寝。
7/12(土) 晴れときどき曇り
倉沢橋4:40~5:30地蔵橋手前(入渓点。体操及び準備)5:50~6:30全員懸垂終了。沢床~8:55地蔵滝高巻終了ゴルジュ内6m滝上~10:10CS上~12:208m滝上12:35~15:05一杯水15:20~16:05標高1100付近16:15~(イモる)~18:00地蔵橋手前林道~18:25倉沢橋
朝起きるとやっぱり新留は裸+シュラカバで寝ていた。ニヤニヤしながら「寒かったです」と言っているが当たり前である。4半出発が1年にちゃんと伝わっておらず10分遅れで出発。地蔵橋手前のヘアピンカーブの大崩壊地を過ぎ地蔵橋手前で沢装装着。1年会2人に120スリングの肩掛けを伝えて入渓。二俣を目指して懸垂。初心者2名は実地での懸垂が初めてでかなり苦戦していた。しばらくゴーロと小滝を越えて地蔵滝はまず仕事道まで左巻きTR中村×2豊島×1。フルに使ったザイルを手繰っている間、ひたすらブヨが俺の顔や耳をチクチクと集中攻撃してきて非常に鬱陶しい。しかし確保の手を弱めるわけにはいかないのでひたすら為されるがままにされる。苦行。しかもこれ以後もそうだが俺だけが集中的にやられてやるせない気分になる。ゴアマが青色なのと、確保の間無防備だからだろう。さらに一旦噛まれると情報が伝わるのか血の匂いに寄せられるのか俺の周りにブヨが等比級数的に増えてくる。TR後、しばらく仕事道を進み、ダブル懸垂豊島。ゴルジュ内の6m滝上に出た。最後少しハングしていたのでもっと良いルートがあったのかもしれない。CS滝は豊島が左から巻き、右クラック状をTR手がかり豊島で上げる。
クラック直登 |
初め取った支点が水流寄りを通す角度になっていたがそこは登れないので支点を付け替え少し時間を食う。はじめ巻いてL権者を直登TRで上げるというのは巻道の確保が難しい時に有効だが、自分が直登しない分、予めしっかりどこを登らせれば良いか意識した方が良いことを再認識する。ここでも確保中ひたすらブヨにたかられている俺を見て、中村が「豊島さんにもモテ期が到来ですねぇ。」とか言っている。生意気でけしからん奴であるがこの時にはその冗談にまだ笑える余裕があった。CS滝を越えると癒しの渓相である。滝は直登でき、釜を持った滝は全員ですべり台。1年会もこの辺は楽しかったかな。
滑る |
途中で廣長が「豊島、何かいるぞ。」と言うので斜面に目を凝らすと何と熊がいた。暑いから沢に水でも飲みに来ていたのだろうか。斜面を逃げていくのを確認し、笛を吹きながら進む。8m滝は左巻TR×2中村廣長FIX豊島。八嶋のFIX通過は、俺の教え方が上手かったからかスムーズにできていた。TRで1回上げる場所から滝上までの巻きルートを見た中村が、「そこを通すのは怖い」と言い、実際そのように見えたのでもう少し上部から高巻くためTR2回にした。8m滝から先は小滝が連続し、TRを計3回豊島中村豊島で出す。いずれも問題ないが、途中で今度は大型犬くらいのサイズの小熊を発見。まさか奥多摩の沢で熊に2回も遭遇するとは。この辺りの渓畔や山岳斜面は植林帯が途切れ天然林が広がっているので、熊の生息適地なのだろう。
最後の8m滝はフリーで問題なく通り、以後長いツメ。勾配が急になってきてL装+ザイルの重みが堪えてくるが、それはそれで良いとしてとにかく同時にブヨが大量に攻撃してきて不快極まりない。歩行を休めるとブヨの集中攻撃を受けてチクチク噛まれるので進み続けるしかない。顔が火照ってきて熱いのは気温が高いからかあるいはブヨに噛まれまくった故の症状のか。息をきらしバテながらも適宜ブヨを潰したり振り払ったりしながら進む。八嶋も結構やられていてキレ気味である。鈴木さんも虫のせいで楽しさが半減だと言っている。俺の中では半減どころか-200%くらいまで来ているのだけれど。やっとのことでたどり着いた一杯水。その先に続く登山道は天国に思えた(が、まだ地獄が待っていたのは後述)。一杯水で沢装解除。まだブヨは攻撃の手を休めてくれないがさすがに登山道を進めば減るであろうことを期待して進む。棒杭尾根を目指して稜線を歩き、道標のある場所から棒杭尾根を下降。尾根が広くなってしばらく進む1100m地点くらいで一回たるみ。そこから稜線を進むと岩場が出てきてそれを巻いて進むも、崖のようなところに出て進めない。事前にちらっと見たヤマレコのGPSログや記録で、最後は地蔵橋の少し北側に出ることはわかっていたので870mから880m付近の小谷を挟んで角度150度から160度くらいに平行して伸びる進行方向左側の尾根の方へ廣長と俺とでトラバースして偵察に行く。が、廣長が見た方も俺が見た方も結局しばらく進むと崖になり本体へ引き返す。偵察している途中に一旦減っていたブヨの数が俺の周りだけ一気に増え、養蜂家のおじさんのようになってくる。目、鼻、口、耳といったあらゆる感覚器官に入り込んできて、(4匹くらい食べる羽目になった)地図を読もうと立ち止まるたびにブスブス刺してきて発狂しそうな状況である。なんとか冷静さを保ちつつ廣長とこっちも無理そうだねという話をして本隊へ戻る。この過程の中で本隊は止めたほうが良かったが、結局途中まであまり良くない斜面を一旦トラバースさせることになったのはよくなかった。俺がブヨにやられすぎてあまり周りに気が回らなくなっている時に中村や鈴木さんが適宜「本隊はそのまま進みますか」と聞いてくれたのは助かった。本隊に戻ると見るに見かねた鈴木さんが俺に防虫ネットを貸してくれる。ようやく顔があまり刺されなくなり、服にブヨが一杯張り付いてきていることを気にしなければ大分楽になる。この時点で時間もヤバいので鈴木さんの提案通りGPSを使うことにする。現在地は概ね予想通りだが周囲に道は見つからない。とりあえず主稜線復帰の後、再び進行方向左側緩斜面を廣長が伸びる。しばらく伸びた廣長が下部に林道と地蔵橋を見つけるが、そのまま降りるには垂直な崖になっている。懸垂下降で降りることに決定。ハーネスとヘルメットを付け直し懸垂廣長。俺は降りた後棒杭尾根の登山道入り口を探して林道をしばらく歩いていくと300mほど上部くらいで入口を発見した。実際は棒杭尾根標高910地点くらいからそこへ左に谷沿いに降りていく道があるはずであったのだが、俺が書いた地図の記載が間違えていたので無用な混乱を招いた。地図が合って入ればもっと早い段階で間違いに気づきGPSを出す必要はなかっただろうし、GPSを出したにしてもすぐに尾根を登り返して標高910くらいで谷に折れる分岐を探しに行っていただろう。結局林道に降り立ったのは18時。下山リミットには間に合うが緊急連絡先等の在京には心配をかけているに違いないので高速で林道を倉沢橋まで下る。下山連絡リミットは19:30。初めてMaxの余裕60分の意味が何たるかを知った。倉沢橋はsoftbankの電波が不安定で下山連絡に手こずるが無事終えることができた。長い長い一日が終わった。
中盤は楽しかった |
最後の8m滝はフリーで問題なく通り、以後長いツメ。勾配が急になってきてL装+ザイルの重みが堪えてくるが、それはそれで良いとしてとにかく同時にブヨが大量に攻撃してきて不快極まりない。歩行を休めるとブヨの集中攻撃を受けてチクチク噛まれるので進み続けるしかない。顔が火照ってきて熱いのは気温が高いからかあるいはブヨに噛まれまくった故の症状のか。息をきらしバテながらも適宜ブヨを潰したり振り払ったりしながら進む。八嶋も結構やられていてキレ気味である。鈴木さんも虫のせいで楽しさが半減だと言っている。俺の中では半減どころか-200%くらいまで来ているのだけれど。やっとのことでたどり着いた一杯水。その先に続く登山道は天国に思えた(が、まだ地獄が待っていたのは後述)。一杯水で沢装解除。まだブヨは攻撃の手を休めてくれないがさすがに登山道を進めば減るであろうことを期待して進む。棒杭尾根を目指して稜線を歩き、道標のある場所から棒杭尾根を下降。尾根が広くなってしばらく進む1100m地点くらいで一回たるみ。そこから稜線を進むと岩場が出てきてそれを巻いて進むも、崖のようなところに出て進めない。事前にちらっと見たヤマレコのGPSログや記録で、最後は地蔵橋の少し北側に出ることはわかっていたので870mから880m付近の小谷を挟んで角度150度から160度くらいに平行して伸びる進行方向左側の尾根の方へ廣長と俺とでトラバースして偵察に行く。が、廣長が見た方も俺が見た方も結局しばらく進むと崖になり本体へ引き返す。偵察している途中に一旦減っていたブヨの数が俺の周りだけ一気に増え、養蜂家のおじさんのようになってくる。目、鼻、口、耳といったあらゆる感覚器官に入り込んできて、(4匹くらい食べる羽目になった)地図を読もうと立ち止まるたびにブスブス刺してきて発狂しそうな状況である。なんとか冷静さを保ちつつ廣長とこっちも無理そうだねという話をして本隊へ戻る。この過程の中で本隊は止めたほうが良かったが、結局途中まであまり良くない斜面を一旦トラバースさせることになったのはよくなかった。俺がブヨにやられすぎてあまり周りに気が回らなくなっている時に中村や鈴木さんが適宜「本隊はそのまま進みますか」と聞いてくれたのは助かった。本隊に戻ると見るに見かねた鈴木さんが俺に防虫ネットを貸してくれる。ようやく顔があまり刺されなくなり、服にブヨが一杯張り付いてきていることを気にしなければ大分楽になる。この時点で時間もヤバいので鈴木さんの提案通りGPSを使うことにする。現在地は概ね予想通りだが周囲に道は見つからない。とりあえず主稜線復帰の後、再び進行方向左側緩斜面を廣長が伸びる。しばらく伸びた廣長が下部に林道と地蔵橋を見つけるが、そのまま降りるには垂直な崖になっている。懸垂下降で降りることに決定。ハーネスとヘルメットを付け直し懸垂廣長。俺は降りた後棒杭尾根の登山道入り口を探して林道をしばらく歩いていくと300mほど上部くらいで入口を発見した。実際は棒杭尾根標高910地点くらいからそこへ左に谷沿いに降りていく道があるはずであったのだが、俺が書いた地図の記載が間違えていたので無用な混乱を招いた。地図が合って入ればもっと早い段階で間違いに気づきGPSを出す必要はなかっただろうし、GPSを出したにしてもすぐに尾根を登り返して標高910くらいで谷に折れる分岐を探しに行っていただろう。結局林道に降り立ったのは18時。下山リミットには間に合うが緊急連絡先等の在京には心配をかけているに違いないので高速で林道を倉沢橋まで下る。下山連絡リミットは19:30。初めてMaxの余裕60分の意味が何たるかを知った。倉沢橋はsoftbankの電波が不安定で下山連絡に手こずるが無事終えることができた。長い長い一日が終わった。
まとめ
中流部ですべり台したりして楽しくて、一瞬来て良かったなぁと思ったけれど、後はただの地獄だった。夏の沢は防虫ネット必携であることを思い知ったので今後は沢一般装に追加するべきだろう。工作の問題はCSでの支点付け替え。最後の下山路は13年に何の問題も無く下降できており、油断していて事前の情報収集が不十分だった。最新のエアリアで破線表示の道が表示されていたがそもそもそれを確認しておらず、ヤマレコをちらっと見て、最後まで主稜線沿いに書かれた過去の12年13年の審議資料地図が少し間違っていることに気付いたが「まぁこんな感じだろう」と多少林道の北側に降りるように適当に破線を引いたのは否めない。そもそも塩地谷の下山路は12は山行自体が中止になり通られておらず、11はER下山しており使われず、実質的に13くらいしか踏まれていないことを考えるともっと主体的に情報を収集するべきだったと思われる。今回は沢の下山ということで全員がハーネスとATCを持っていたから懸垂という形で無事帰還できだが、正しい道から少しずれるだけで、無理矢理降りようにも絶対降りられないので今後藪企画などでよくわからない下山路を取ることになる人は反面教師にして下さい。翌日みんなでワイワイとはしゃいだ海沢での泳ぎや登攀があまりにも楽しくて記憶が上書きされているのだけれど、ダントツで今年最悪の一日だったと断言できる。個人的に同じ時期に再訪する可能性は限りなく0に近い。ブヨとの戦いは夏合宿朝日飯豊へと続くことになる。
(追記)ブヨレポート
ブヨ。水が綺麗な清流に多く生息する。外見は蟻に羽を付けたような感じ。吸血する時に皮膚を噛みきってくるためチクッとする感覚がある。刺す(噛む)際に毒素を注入してくるため、しばらくするとプツプツした出血点の周りに腫れが広がってくる。刺された(噛まれた)直後は痛いだけであまり痒みはないが、翌日以降猛烈なかゆみが襲ってくるらしい。しかし痒いからといって掻くと腫れが一向にひかなくなり跡が残ることがあるので要注意である。また、大量に刺されると風邪や頭痛のような症状が出ることがある。
性質
①黄色やオレンジなどの明色系の色の服には寄り付きにくく、紺や黒などの暗色系の色の服に寄り付きやすい。→ゴアマは明色を推奨。ちなみに俺のゴアマはくすんだ青色です。
②じっとしていると刺されやすい。→当たり前。よく動きましょう。
③風の強い場所には少ない。
④エアーサロンパスにより防御できるとの例がネットにあるが持続性は薄いらしい。
⑤ハッカ油は効果あり。ただ、こちらも効果は薄い。頻繁に塗り直すこと。
噛まれたら以下のようになる。顔も首も同密度でやられたがグロテスクなので見せない。
体中に吸血痕・・・・。許さん。 |
感想
今すぐ絶滅してほしい。
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