夏合宿乗鞍隊の偵察に行ってきました。乗鞍隊は中央本線奈良井駅近くの鳥居峠から中央分水嶺を縦走して乗鞍岳を目指す予定です。文中の「踏査報告書」は日本山岳会の中央分水嶺踏査報告書を指します。
乗鞍隊偵察FB 立峻
面子 3 L立峻 大橋 2 EH大西
7月4日(金)
ドライバーの二人はレンタカーの営業所がある飯田橋に集合。Lは偉いので自宅前まで迎えに来てもらうことができる。調布ICから中央道に乗って初狩PAで入山連絡を入れ、塩尻ICで降りる。1時間ほど走って本沢林道。普通の林道だが借りものの軽自動車だと気を使う。ゲートを右手に見送った先の駐車適地に停める。弱い雨が降っているので全員車内泊。ライトをつけたままドアを開けて就寝準備をしていたため車内が羽虫だらけになって不快だった。
7月5日(土) 雨のち曇り
一晩中ボンネットを叩く雨音がうるさかったが、明け方には多少弱まっていた。それでもこの雨の中を歩くのは気が進まない。昨夜の羽虫といい、偵察というのはもう少し楽しいものだと思っていたが。体操をして林道末端に向け出発。しかし林道の先に道がない。昨日通り過ぎたゲートの前にからたきの峰を指す道標があったのを思い出して、そちらを当たってみることにする。帰ってから調べたところ、僕が予備地図に書いたルートは間違いで、今回登ったのが正しい登山ルートだった。
ゲートを過ぎて登山口まで長い長い林道歩き。雨中の林道歩きとはいえ、2人のペースが速すぎてLは音を上げかけた。ゲートの鍵さえ開けられれば登山口まで車で入れるだろう。登山口から稜線まで、トラバースを交えながら歩きやすい道が続く。稜線上は時折左右が開けていて、晴れていれば眺めが良さそう。
からたきの峰で換装して藪入り。予想通り、植生はそれほど濃くない一面の笹で上越東部の後半(丹後山~巻機山)を思わせる。高さは肩までの所が多く見通しが利く。アカモノ、境界見出標、市境を示す石柱など人工物多数。恐らく天然林で植林された様子はないので、アカモノは登山者によるものだろう。ひょっとすると日本山岳会によるものかも知れない(この区間は分水嶺踏査で秋と春の2回歩かれている)。普通に藪を漕いで普通に三村界に着いた。意外にも三村界であることを示すオブジェクトは見当たらなかった(探せばあるかも)。一息ついて水を探しに行く。三村界から南西へ10分で水が出た。雨が降っていなければもう少し降りなければならないかも知れない。水場から三村界西のコルまで7分。コルから往復15分と言ったところか。
松本市・朝日村・木祖村の境
写真を撮ってさっさと帰る。三村界からの下りは赤布を大量に打ち足しておいた。あれだけ赤布があれば迷うに迷えないだろう。からたきの峰に帰りつく頃には雨が上がっていた。
車に戻って着替えを済ませ、ER1に向かう。途中どこかで昼飯を食べようということになっていたが、19号線沿いには碌な店がなくいつの間にか奈良井についてしまったので行動食で済ますことになった。
橋戸沢林道はなかなかの悪路で、時折車から降りて石を除けたりしながら進む。ゲートは事前情報通り標高1100m付近にあり、しっかりと閉ざされていた。ゲート脇の駐車スペースは一台分。再びサブ装を作って歩きだす。歩きだして5分ほどで大橋が車の鍵をかけ忘れたのに気づいて戻って行った。先程までの梅雨空が嘘のように晴れ渡っている。
20分ほど歩くと橋が2つ連続する箇所があり、その先で右岸が大崩壊していた。元々林道がどこについていたのかも定かでない。右岸の沢沿いは切り立っていてとても進めない。広い左岸に移るには2m程脛までの渡渉をしなければならない。沢靴を履いていればなんてことはないだろうが、登山靴だと少々勇気がいる。左岸右岸ともに巻こうと思えば巻けそうなものの、ERとして適当かは甚だ疑問。ここから先へ行くのは諦めてORから入山することにする。今にして思えばもう少しアグレッシブに先へ進んでも良かった。引き返す道すがら、乗鞍隊が潰れたらどこの隊に吸収してもらうか話し合った。
緊急連絡先にOR入山する旨を伝えて橋戸沢を後にする。「塩沢沿いの林道」(仮)は鳥居トンネルを抜けて直ぐ。しかし県道との分岐から僅か100m程度でゲートが現れる。カーナビによれば林道末端までは残り6km以上。どうしたものかと考えていると、大橋が地形図上で送電塔下(北)と塩沢沿いの林道が繋がっていないことを指摘。よく見ると確かにそうだった。帰ってから踏査報告書を読みなおしたところ、踏査報告書はp1708へのERである塩沢沿いの林道と送電塔下(北)へのERである塩沢藪原林道(塩沢沿いでない、味噌川ダムの奥)を両方とも塩沢林道と表記していることが分かった。僕はそれを混同して、二つとも同じ林道だと勘違いしていたらしい。その時はとりあえず味噌川ダムの奥にあるもう一つの塩沢林道に行ってみることにした。
実際に送電線が横切っているのは塩沢藪原林道だが、塩沢藪原林道は地形図で見るとかなりの難路のようなので、北側の「池の沢沿いの林道」を伝って迂回することを考える。しかし奥木曽湖を周回する観光道路が尽きた地点で、きっちり施錠されたゲートが現れた。ご丁寧に「施錠の徹底」と大書された札が掛けられている。ならばと塩沢藪原林道入口に回るも、こちらも施錠されていた。諦めて帰ることにする。無念。
日はまだ高い。ダムで下山連絡を済ませて、僕たちは次の偵察地へ向かった。
まとめ
ER1のことは残念だったが、ER2ではいい水場も見つかったしそれなりに手ごたえのある偵察だったと思う。偵察そのものよりドライブと温泉とからあげセンターの方が印象に残っている。
今回の偵察はドライバー二人の献身的な働きがなければ成り立たなかった。Lが後部座席でシュラフを出して寝ているのに文句も言わず、安全運転をしてくれてありがとう。
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