新山で優勝だ! |
各人アプローチは様々であったが 20:18 新庄発秋田行きには全員が乗り込んだ。体調は松峯が少し風邪気味だそうだが、本人曰く問題ないとのこと。今本は調子が低そうだが問題はないそうだ。 21:01 院内駅に着くと仙秋タクシーさんがすでに待っているので、 2 台に分かれて乗り込んで出発した。 MT 車である。タクシーのおじさんに台風が怖いと話をしたら、この辺りはそうでもないんじゃないかという気の抜ける答えが返ってきた (下山後に知ったのだが運動会からは心配メールが来ていたようだ )。途中入山連絡を入れる。
真人橋 (2 番目の橋 ) の崩落により丁岳登山口への道が通行止めなのは知っていたが、採石場の方から迂回できるという前情報を頼りに、タクシーに無理して砂利道に入ってもらう。が、正しい迂回路を見つけられな
かったのか、橋の架け替え工事が進んだからかは分からないが、真人橋の所で車はそれ以上は入れなくなっていた。仕方ないので歩く。
奥へ続く林道が暗さで少しわかりづらかったが、程なく発見して出発。 1p ほどで丁岳登山口の近くと思われる広場に着いたので就寝することにする。
前夜泊の様子 |
9/7(土)晴れ 5:40▲0〜6:20たるみ6:30〜6:55たるみ7:05〜7:30たるみ7:40〜7:55水汲み8:07〜8:30たるみ8:40〜9:05たるみ9:15〜9:27丁岳10:02〜10:45たるみ11:00〜11:30たるみ11:56〜13:05たるみ13:21〜13:44 911Mp先▲1
20mほど戻ったところに登山口がある。橋が崩落して通行止めと書いてあるが、渡渉できるという前情報をもとにかまわず進む。橋の崩落地はすこし切り立っていたので渡渉地点は迂回して渡渉したが、勝木は迂回せず渡渉していたので、迂回しなくても大丈夫だったかもしれない。少し迷いそうになるが元の道に戻って登り始める。
とにかくこの日は暑かった。下界で30$^{\circ}$C以上の暑さは伊達ではない。嶋中曰く、夏合宿の時よりも、ほんの少し気温が低く、ほんの少し乾いているそうだが。想定外の暑さにたるみを多く入れながら進む。途中、水が足りなくなる可能性があったため、登山道が小沢を渡渉する所で水を2発ほど汲み足した。
ひいこら登って西側に伸びるお花畑に向かう道を分けた後、丁岳に着いたが展望はない。今田と松峯は暑さでしんどそうだ。一応元気なメンツで写真を撮った。丁岳からは今本のヤマレコのトレースから、お花畑に向かう道を少し進んだところから薮入りした方が良いことがわかったので、道を戻ってから藪入り、のはずがしばらくすると道に出てしまった。道の角度が目指す角度と一致したのでそのまま進むと、鳥海山がよく見える小ピークに着いた。どうやらこのピークまで新たに刈り払いがなされているようだ。
丁岳山頂、展望がなくて悲しい… |
気を取り直して再藪入りする。最初は灌木藪だが、やがて樹林下の笹薮となった。再藪入りして1pで松峯からやはり体調が悪いとの報告を受ける。少し熱もあるようだ。丁岳とこの先とでサイト地までの時間は同じくらいである。翌々日台風で、風邪のまま動けなくなるのはまずいと丁岳に戻ることも考えたが、そこまで天気は悪化しない予報だし、下りるにしても1日休めるので、本人的にもそれよりは進んだ方が精神的に楽とのことで進むことにする。荷物は抜いた。その後今本以外が現在地を少し勘違いしていたことに気づき、840M鞍部までは遠いことがわかったので、慶應が張っていた911Mピョコで張れないかトップに見て貰うが、張れないそうだ。結局911Mピョコから少し下ったなだらかな斜面にテント1張り張れるところがあったのでそこにテントを張る。翌日雨の可能性はないとして4人は強制オカンとした。
水は840M鞍部までLと勝木で取りに行く。往復で1時間以上かかった。サイト分の水が余っていたので、先にサイトしてて貰う。テント内が暑すぎて、藪中外サイトである。840M鞍部からは北2分で出ていた。丁岳登山道途中の沢の様子とも合わせると、水は情報通りに出ていそうで安心する。戻ると今本がオカリナを吹いていた。調子が戻って来たようで少し安心する。メニューは八宝菜。勝木は無事(白山では無理だった)白菜の歩荷を成功させたようだ。
夜は、今本、勝木、坂田、嶋中がオカンした。Lもテントの中が暑苦しかったので途中からオカンした。寝入り始めは虫が多かったそうだが、途中からはほとんどいなかったようだ。
9/8(日)晴れ 5:55▲1〜6:34 840M鞍部▲2(ほぼ終日停滞)\\
朝はカレー風フォー。松峯の体調が戻らなかったら下山も考えていたが、松峯の体温は下がっていたまだ体調はあまり良くないそうだが。一方、昨日の消耗からか嶋中も少し頭が痛いそうだ。熱はない。ここでLの中に、翌日は台風の予報だが、そこまで天気は悪化しなそうだし、むしろ曇りや雨になれば涼しくて快適で進めるのでは?という考えが湧き出て来た。よって、前日と同様暑いこの日は少し先の840M鞍部まで行ってほぼ終日停滞として体力回復することにした。
840M鞍部まで行き、二張り分じっくり開墾してテントを張って、自由時間。樹林下なので、運動していないと涼しい。話していた今本・勝木・Lとゴアマを縫っていた今田以外は寝てしまった。その後今本も寝たが、坂田が起きて、勝木・坂田・今田・Lでトランプをして楽しんだ。
水汲みの様子 |
水汲みには、今本・坂田・松峯・今田・Lで行き、その後サイトした。水汲みに行くだけで結構汗をかいたので、行動していたらまた消耗していただろう。メニューはサツマイモとキノコのシチューである。今本はオカリナを楽しんでいる。サイト後、坂田発案の勝木のサプライズ誕生日パーティーを行う。坂田のケーキを始め、4年会が皆様々なものを持ちこんでいた。
ケーキの全貌 |
誕生日ケーキの火を消す勝木くん |
明日は台風が接近する予報だが、朝はまだ雨が降らない予報なので、昨日と同じメンツはオカンした。
9/9(月)曇り時々晴れ・雨 5:15▲2〜6:05たるみ6:17〜(イモ)〜6:57たるみ7:12〜8:08たるみ(キジウチ込み)8:33〜9:11たるみ9:22〜10:00 741Mp 10:23〜11:11 730Mコル11:23〜12:05水無大森手前コル12:17〜13:05水無大森13:20〜13:30ベロ▲3
朝はアクアパッツァ風パスタ。雨が降っていないので出発することにした。途中天候が悪くなれば741Mpまで、行ければ水無大森先ベロまで行くことにする。途中850Mからの下りで右の尾根に引き込まれてしまったがそれ以外に大きなアクシデントはない。680M鞍部は笹の海で濃かったが、その他は樹林下の笹時々灌木という感じでそこまで濃いわけではない。ただツルが少しうざかった。天気は曇り時々晴れという感じで風はあまりない。
741Mpから先も進めそうなので進む。783Mp手前からは道があり、お地蔵さんの像まであった。道は水無大森手前コルまで続いていた。少し雨がぱらついて心配になる。
水無大森への登り150Mは辛かった。ピンクテープが所々にあるので人は入っているようだが、結構濃いのと斜度があるので苦しい。松峯は特に辛そうだが頑張って貰う。水無大森に着いた時は皆疲れた顔をしている。
水無大森から先はサクサク下ってベロについてサイト地とする。笹の気持ち良いコル状のところである。水は北10分。今田・下平・今本・Lで汲みに行く。今田は闇ポリを他の人に組んで貰うのが申し訳ないから水汲みに行くとのことで強い。下平は水汲みを一回はやって貰うからこの日と翌日と翌々日といつが良いか聞いたらこの日と答えたので水汲みに行くことになった。北10分で落ち葉の下から水が湧いているところが見つかった。水量はそこそこ豊富。
この日のサイト地 |
夜は鮭の酒粕汁、略して鮭粕汁である。翌日の天気予報が晴れ予想であったこともあって、この日もまた前日と同じメンツがオカンした。こうして台風の影響を微塵も感じないまま1日がすぎて行った。
9/10(火)雨のち晴れ ▲3(雨で待機)6:45〜7:55たるみ8:17〜9:21 840M鞍部9:34〜10:25たるみ10:35〜11:38たるみ11:50〜12:40三滝山手前で本隊ストップ12:55〜13:13三滝山13:32〜14:25 944Mp手前コル14:41〜15:09 944Mp〜15:35たるみ15:45〜16:08 830Mp▲4
夜オカンしていると予想に反してポツポツ来る。しばらく耐久レースしていたが、雨が強くなり、全員テントに入った。初めからテントに入っていた賢明な諸氏には申し訳ない。
晴れで暑くなると思い、朝は3半5で柚子胡椒風味のツナマヨそうめんを食べるが、線状の強い降水帯が(全国でここだけ)近づいていることがわかり1時間ほど出発を伸ばす。昨日お地蔵さんの頭を叩いたバチだろうか、テントが浸水するような雨が降って来た。
気を取り直して6時過ぎに出発する。雨はやがて上がり晴れ間が見えて来た。RFポイントは坂田が上手く正解尾根を見つけてくれた。ここまでは良かったが、そのあとは晴れてなかなか暑い。松峯は辛そうで、なかなかペースも上がらない。藪は登りが少し灌木が混じって濃く、下りはブナ笹主体で薄い。登りが風下の東向きで雪が吹き溜まり、下りは西向き斜面で雪が少ないからではないかという結論になった。
そのあとも数十mの登り下りが繰り返され、一つ一つのピークを越すのになかなか時間がかかる。トップは松峯以外で均等に回していたつもりである。
三滝山の登りでは、トップは三滝山についていたが、松峯を途中休ませた。下りは一面笹で気持ちが良い。トップは疲れの色が濃くなり、944Mp登りのラッセルでは勝木に後ろを任せてLも前に行ってみたりもした。そして、なんとか目標の830Mpについた時は16時を回っていた。
急いでテントを立てるが、傾いていてあまり良い場所ではない。そのあと志願してくれた今田・坂田・嶋中とLで水汲みに向かう。北の小尾根を伝って15分で一枚岩に出るという情報通りに、350度の尾根を下ると15分ほどで崖の上に出た。仕方がないので、Lがロープを使ってクレイムハイストで3往復した。そうこうしているうちにサイト場に戻るのが日の入りギリギリになってしまった。今後ここの沢を使う時は素直に沢線を降りて行く方が良いだろう。
メニューはポークビーンズ。Lはヘッデンを紛失して真っ暗で食べづらかった。明日は雨予報だが、朝6時くらいから降るらしいとのことで、今本・坂田・Lは懲りずにオカンした。
9/11(水)雨 ▲4 5:51〜6:37たるみ6:47〜7:57たるみ8:07〜8:17 860Mベロ〜9:03たるみ9:19〜10:00たるみ10:15〜11:08たるみ11:18〜12:02たるみ12:12〜12:56 901Mp〜(サイト地探しながら)〜13:30北西ベロ▲5
朝起きた時点では雨は降っていなかった。しかし雑炊を食べて、出発すると1ピッチも経たないうちに雨が降り出して来て、すぐに結構な本降りとなってしまう。903Mpではトップはそのまま320$^{\circ}$で行って落ちてしまう。少しだけ10$^{\circ}$方向で行くべきだった。
そのあと、4年会トップにしてみるが、予想通りというか、サクサク先に行きすぎてしまう。まったくしょうがないんだから……。
それにしても雨が強い。風はなくとも雨だけで寒いほどである。あとでレーダーを見ると瞬間的には30mm毎時ほど降っていたようだ。この日は901Mpで張って、明日ER5を行く予定であったが、一部のメンツが今日頑張ってER5を降りてしまえば、林道は夜でも歩けるから、この日のうちに大清水山荘まで行けるのではないかと話していたので、それが出来るのなら本ルートの坊主森先コルまで行って完遂を目指せるのではとLが提案すると皆首を横に振ってしまう。
藪の濃さは934Mpの登りの900M付近〜880Mベロまでは灌木で濃かった他、最後の900Mベロへの登りが太い笹で辛かった。
雨のたるみ① |
雨のたるみ② |
雨のたるみ③ |
901Mpまであと1pほどのところでたるみを取る。Lはまだ坊主森先に行く希望を捨てていなかったが、皆は嫌そうだ。天気予報ではまだ雨が降り続く予報なので、901Mpで泊まることにする。下平はマップケースをなくしていたので、坂田のものを借りてトップしてもらった。
901Mpは張れないことはないが狭い。どうせER5を降りるならばとその先の北西ベロまで、勝木に後ろを任せて今本・坂田・Lで伸びて偵察すると、適地があったのでそちらへ移動する。雨の中全員がテントに入るので、それなりにしっかり切り開いた。勝木はノコギリを使うのが楽しいらしくノッていた。
この日のFはハッシュドビーフ。Lの中では今山行で一番美味しかった気がする。夕方になると雨は止み、夕焼雲が綺麗だったが、さすがにオカンする猛者はいなかった。水は、この日行動中に一発しか消費していないので、汲み足す必要はなかった。
9/12(木)曇りのち晴れ ▲5 5:49〜7:32 ER5林道末端7:43〜8:33 ER5・6分岐8:43〜(林道)〜(たるみ1)〜10:13大清水山荘10:52〜11:40大倉11:50〜12:28タッチラ坂12:38〜13:10屏風岩13:25〜14:00唐獅子平避難小屋▲6
朝は棒ラーメン。どこかで入れ忘れた海苔を加えると美味しかった。今日はER5を下るだけと喜び勇む。2,3年会&松峯でトップをやってもらう。800Mからの下りの等高線が詰まっているところは非常に急で少し岩も出ており、後ろ向きで下らなければならないほどであった。灌木がたくさん生えていてそれを掴めるのでめちゃくちゃ危険かと言われるとそうでもないが、要注意である。前方には雲を被った鳥海山が見え、涼しい風が吹いていた。
一度急なところを過ぎれば、あとは危険はない。サクサク下って沢に出た。沢を少し北上したあと、藪化していると思われていた古い林道に出る。ここは、車こそは入れないが、普通の登山道としては十分であり、人の手も入っているようだ。藪抜けするタイミングを逸したので、車の入れる本当の林道に出るところで藪抜けとする。
ER5の林道は泥々だった。林業関係の車が結構出入りしているようで、轍が前日の雨で泥まみれになっているようだ。手代林道に出るところでたるみ。
手代林道に出るところで |
大清水山荘へ向かう手代林道は、皆思い思いのペースで歩いたので、差が開いてしまった。今本&勝木が早く、最後尾は松峯とL、途中から坂田の3人で歩いた。ここでも林業関係者と何回かすれ違う。林業が生きているのは喜ばしいことである。
大清水山荘で長たるみ。ここからは水一人基本3発で重い。この日、Lは藪抜けまで2p、藪抜けしたあとは大清水山荘まで3p、そこから唐獅子平まで3pというように、細切れにしてピッチ数を伝えていたら、詐欺扱いされてしまった。まあいいけど。また、翌日、本ルートを進むとしたら11pくらいあることを伝えると、特に今田が愕然とした顔をしていた。最終日は3pくらいだと思っていたらしい。なんかごめん。
松峯は、翌日2000Mの下りに膝が耐え切れるか心配であるということをLに伝えて来た。選択肢としては、全員でER下山するか、分離下山するかであるが、タクシー代節約のためにも分離下山だろうか。
大清水山荘からは1合ごとにたるんだ。途中屏風岩は気持ちの良いところであった。なお、この時期は水場としては全く使えないようだ。鳥海山頂はガスっているが、登山道は晴れて暑かった。
気持ちよき屏風岩かな |
唐獅子平避難小屋は2階建ての小屋で、東北地方の避難小屋にありがちな構造をしている。予備食のアルファ米を食べたあと、今まで歩荷して来たものを放出して大宴会とする。
避難小屋に乗り込む |
避難小屋の中(出がけに掃除しました) |
宴会の後、外を見ると虹が出ていた。明日は良いことがあるに違いない。今本のサイト軍手や嶋中の藪軍手を使ったキャッチボールを楽しんだ後、就寝する。気持ちの良い小屋泊であった。
雲と同じ高さでキャッチボール! |
9/13(金)快晴 ▲6 5:08〜5:53霧ヶ平6:03〜6:48分岐〜6:53七高山7:00〜7:02分岐7:09〜7:26神社7:40〜(西回り)〜7:53新山山頂8:25〜(東回り)〜8:43神社8:59〜(たるみ10分)〜10:24七五三掛〜10:40御田ヶ原分岐〜10:52たるみ11:09〜11:18鳥ノ海分岐11:23〜11:35蛇石流れ分岐〜(たるみ10分)〜13:05万助小屋13:24〜14:12たるみ14:25〜14:28渡戸〜14:33万助道十字路〜14:59一ノ坂15:09〜15:33中村
朝、日の出前 |
3半5で早々出発する。日の出が美しい。最初のたるみで分離隊を募集する。松峯の他に下平と坂田が応募した。朝は、凡そ鳥海山を登るに当たって絶好の日和であった。七高山に着くと今まで辿って来たルートが全部見えた。反対側には日本海が開ける。飛べば届きそうなほど海が近い。空の青と海の青がまざって、境目がわからなくなりそうだ。ポツンと浮かぶ飛島は、緑の磨かれた翡翠が浮いているみたいだ。
七高山 |
松峯は、祓川に下りた方が良いとのことで、本ザックと空身が混ざるという不思議な隊で神社まで向かう。
神社の小屋に泊まったという人はいるのに、小屋は閉まっていた。朝は休みなのだろうか。神社にザックをデポって、新山へ向かう。手足を使って岩場を行くのが楽しい。
新山の登り |
新山から向こう |
新山は2236M。出羽国一の高峰であり、燧ヶ岳は実質関東と思えば、奥羽一と言って良いのではないか。360度の大パノラマ、貸切なのがまた素晴らしい。男鹿半島や、うっすらと黄金色に色づいた秋田平野、横手盆地、新庄盆地、庄内平野などが一望できた。麓の森の緑も麗しい。
神社へ戻って分離隊と別れ、七五三掛の方に向かう。今田の他に嶋中にもトップをやってもらいつつ進む。わずかに残った雪渓を渡って尾根へ上がった。ハシゴがある方の道は通行止になっているみたいであった。なだらかな稜線をしばらく歩いて、鳥海湖をちらっと見た後、万助道に入った。
祓川へ(分離隊) |
鳥海湖(本隊) |
最初の方は、草原が周りに広がっていて綺麗だったが、そのうち沢状地形に入って展望がなくなる。今本曰く、「小沢を刈り払って道と言っただけ」という感じで岩が浮き出て歩きづらかった。若干日差しも暑い。勝木は靴のソールがはがれかけてアロンアルファで補修していた。
万助小屋の手前から樹林下になって涼しくなった。万助小屋でたるみ。Lのザックの肩ベルトが豪快にちぎれたので、確保用具を使って補修する。持っていてよかった。
万助小屋からは爆速ゲザニストを自称する今本氏をトップにして、緩やかな斜度の道を走るようにして進んだ。渡戸をへて一ノ坂に出たあとは、林道を普通のペースで歩く。
末端の中村に着いたあと、バスの時間にぬか喜びするが反対側のバスだったので、遊佐駅まで1時間強歩いた。分離隊のメンツとは吹浦駅で待ち合わせし、風の吹きすさぶ砂浜で特別に天衝きしてもらったあと、温泉へ向かう。分離隊は、祓川からタクシーで矢島駅へ行ったようで、電車の接続が悪く、吹浦駅に着くのは、本隊の方が早かった。彼らは、矢島駅の待ち時間で、東大生と知られるやおばちゃんに社会の厳しさについて説教を食らったらしい。
秋という感じ(本隊) |
日本海へ沈む夕日(分離隊) |
温泉は「あぽん西浜」というところ。鳥海山Tシャツが売っていたので、嶋中・松峯・Lが買った。温泉から出たあと飲食店は閉まっていたので、20分ほど歩いたファミマのイートインで打ち上げと反省会をする。その後終電で酒田のネカフェに向かった下平を除いて、花火を買って海岸に向かい、酒を飲みながら花火をし、流木で起こした焚き火で温まった。
吹浦浜で花火だ! |
缶で風を防いで焚き火を作りたい→ |
火起こし成功だ |
午前1時半頃に吹浦駅に戻って駅カンしたあと、翌日の始発で南へ帰って行った。
朝の吹浦駅 |
さらば鳥海山 |
○藪の様子まとめ
樹林下のブナ笹が多く、所々に灌木の濃い区間がある。ただ、笹が多いと言っても、所々濃いところがある他、笹に絡みついたツルが厄介だった。また、一般的に西側斜面の方が薄く、東側斜面の方が濃いと言えると思う。水は、雪渓に頼ったものでないので、沢を下れば過去の記録通りの時間で出ることは期待できそうである。標高が低いので暑さには要注意。
○総評
藪中4日の行動計画で、結果的には6日間藪中にいた。ピッチ数も約48pに及び、L以外のメンツにとっては予想以上の辛い山行となったようだ。とはいえ、台風の影響も大したこともなく、最後一点集中した鳥海山が晴れたので、辛いことは全部チャラになっただろう。
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