秋企画 中倉・皇海

秋企画が次々と潰れていく中、9月の13から15日に渡って足尾山塊の中倉山、皇海山に行って来ました。
中倉山はエアリアの中で最も美しいバリエーションルートと言われるだけの名稜線。
そして、皇海山といえば日本百名山が一座。ワンゲルでも企画は何度か出ていますが、こと最近にあたっては様々な理由からいずれも登頂を断念しているというまさにワンゲルの天敵。
そんな両者をつなぐ今山行、結果はいかに!?

記:黒瀬

 

*画像はイメージです
メンバー
sHsW梅宮 
CL今本 
sL黒瀬 sEsF仲渡 
FW井上 EW今田 HW藤吉
注意:このブログは審議で使われたFBを少しだけ加筆・修正しています。



今回使った地図①



今回使った地図②

今回使った地図③

9/12() 曇り時々霧雨
東京=(電車)=間藤21:25~22:10銅親水公園▲0(0.9p)

アプローチ当日、池袋を出たのは1515分。前日までにL装のロープを確保できていなかったsLは、隠匿者勝木さんとの綿密なコミュニケーションの末なんとか浦和駅でロープを回収、集合場所の間藤駅に向かう。

アプローチ途中で梅宮さん今本さん仲渡から地図忘れ、仲渡からポリ1つ忘れ、今本さんからヘッデン忘れ(故意)との連絡を受ける。故意ってなんだよ。







っていうか忘れ物しすぎじゃない?

じゃない

ゃない

ない






しばらく電車に乗っていても参加者の誰とも合流する気配がない。おかしいなと思っていたら、わたらせ渓谷鉄道(わ鉄)との乗り換え駅相老駅で藤吉、仲渡、梅宮さんと合流した。この三人は先に特急を使ってきていたようである。

ブルワン(*ブルジョワなワンゲル民の略)め。

それにしても、バスアプローチとの報告を受けていた今本さんは別として、井上と今田の姿が見えないのは不思議である。藤吉が、井上は特急の中で会いましたよとかなんとか。じゃあ何か、4人同じ特急に乗っていて井上だけ乗り過ごしたのか?

そうこうしていると東京方面の特急がやってくる。中には井上の姿が。あいつ…、本当に乗り過ごしてたのか……。でもこうしてわ鉄の時間には間に合ったから良しとしてやろう。


 特急が止まる。

ザックを背負い始める井上。

移動する井上。

扉が閉まる。

発車する列車。

…………。

……。


んん? 井上降りれてなくない???

ほどなくして、乗り過ごしましたという連絡が、藤吉(←なんで?)の携帯に。無情にもわ鉄は時間通りに駅に到着したのでとりあえず乗る。今田とはちゃんとわ鉄の中で合流できた(えらい)

1930分、間藤駅に着くまでの間、対策を練る。わ鉄は田舎の路線なので一本乗り過ごすと次の列車は約2時間後である。全員で井上を待つのはアホらしいのでsLと梅宮さんを間藤駅に残して、他の4人には先に銅親水公園まで行って寝ててもらうことにする

さて、2時間ほど間藤で待とう、ということになったわけだが、


間藤で待とう……。

ここは田舎の路線の終着駅、暇を潰せそうなものは何もない。何がカモシカと会える駅だ、なめやがって。あまりにも暇なので幕内さんに入山連絡を入れる。翌日さらに1時間車道歩きがプラスされることを考えなければ、間藤駅は駅カン適地である。

会えたよ!カモシカ(絵)!


2121分、井上到着。少し霧雨が降る中を銅親水公園へ出発。街灯すらまばらにしかないのでヘッデンをつけて歩く。道をまっすぐ行った後、左に下りダムの堰堤の上の橋を渡る。ゴウゴウと水の音がする。

「スズメバチがいるから入園禁止」とかいてある看板を無視して、入園。

展示棟の近くにはちゃんと水場がある。一人4発汲む。展示棟の軒下は寝れて8人が限界だろう。2230分就寝。翌日の晴天を祈る。


9/13()晴れのちガス
▲0銅親水公園4:405:27中倉山登山口5:42(たるみ10)7:35中倉山7:52(26)9:17沢入山〜(15)10:55オロ山11:1811:54 1745コル▲1(6.56p)

4時起床。藤吉から銀マ忘れの報告を受ける。425分、体操は井上。まだ全く覚えていない様子。440分出発。

公園から仁田元林道へ直で繋がる水道管の橋は、場所が正確には分からなかったので使わないことにした。結果的には、1/25000図にかいてある北西方向の橋と同じものだったのだが、渡ってから林道へ復帰するのもめんどくさそう。あれは横場山コースに行く人用のものだろう。

トップは今田。ゲートを越え、大回りして仁田元林道へ入るコースを行ってもらうことにする。道は地図にかいてある通りなので大丈夫だろうと思って見ていたら、あらら、松木沢コースに入っていく。他の人たちも何も考えずについていく。全員地図見ろよ。修正して仁田元林道へ。

林道自体は歩きやすい普通の道である。次のチェックポイントは中倉山登山口。ご丁寧にピンクテープまで付いていたが、一年会またもスルー。井上だけは気づいて止まっていた。たるみ。

中倉山登山口。奥にピンクテープも見える。

藪はないが急登なので、ここで軍手だけ付けさせる。

次のトップは藤吉。踏み跡明瞭に(少なくとも上級生は)見えたので、特に何も言うことなく出発させる、と、1歩目から間違えた所に進み出す。踏み跡あるじゃん。

藪に行きすぎた弊害だろうか?

気を取り直して再出発したはいいものの、この後も何度か踏み跡を外す。幾度も梅宮さんに修正していただいた。赤テープが少ないとはいえ、もう少し注意してほしい。沢状地形なので踏み外し即ガレ場&落石に繋がるからである。

急登も手伝ってか、ルート上ですらも滑りやすそうな箇所が散見された。尾根前でたるんだ後、トップ井上に交代。尾根に乗ってしまえば楽な道である。

尾根上は平和

1430m付近に分岐。井上左に進む。一見左が直登コースに見えたのでそのまま進ませたが、歩いているとこれは巻道コースであったことに気づく。右が正解の直登コースである。

中倉山までも巻きそうになっていたので流石に隊を止め、道を外して中倉山に直登させる。幸い藪は脛丈程度である。一気に駆け上って中倉山に着いた。

viva! 中倉山!

中倉山は素晴らしいピークであった。鉱毒煙の影響によるなんちゃって森林限界のおかげでどこまでも見渡せる。晴れていたこともあって奥日光、足尾の山々が全て見渡せた。

ここで仲渡からこんにゃくゼリーの差し入れ。ナイス^~。長たるみにする。

一通り景色を堪能した後出発。と、ここで藤吉が辛そう。急登でシンプルに疲れたのだと言う。とりあえず歩いて様子を見ることに。

道中の孤高のブナは周りに保護テープが貼ってある。

噂のキレットは左にしっかりとした道が付いており、難なく通過。

少し登るとトップの今田から、沢入山に付いたとの声が。ちゃんと地図を読んで気づいて欲しかったが、残念ここは波平ピークである。しかし、藤吉もだいぶ辛そうにしてたので、せっかくだからたるみ。

水計算をし直し、藤吉に水を3発捨てさせる。聞くと行動食もちゃんと摂れていなかったようなので、すぐにエネルギーになるものをと、仲渡の板チョコを藤吉に渡し歩けるようになるまで待つことにする。

その間、今田が波平ピークの波平部分を写真に収めていた。

25分後、藤吉トップで出発。足取りは幾分元に戻っていた。だいたい読みの等倍くらいのペースで進んでいく。

気持ちいい!

ずっとこんな感じの稜線が続く

後ろのジジイ達は余裕がだいぶあるので、キノコの話をしていた。今本さんがキノコを食べたくなってきたと仕切りに呟く。

沢入山を越え、1683ピークでたるみ。念のため長たるみとした。すると、不意に今本さんが近くに生えていたキノコを収穫。「これ絶対食えるって」とか言って大事そうにポケットにしまう。


CL選び、間違えたかな……。


もの思わせる1683p

コルから先は藪っぽくなっていたので藪陣形にしようとした。井上がコンパスの中の液体が半分近く漏れていることを今報告してくる。仕方ないので井上は本体入り。仲渡と今田をトップ、本体誘導を藤吉とし、梅宮さんに中継をやってもらうことにする。

踏み跡が不明瞭になったとはいえ、登るだけだったので問題なくオロ山に着く。ここで再度たるみ。井上に非常用パックのコンパスを出させる。

ペースや隊の消耗的に今日中に薬師岳(鎖場)を超え不動沢のコルに着くのは難しそうだったので、オロ山を越えたあたりでサイトをする方針とする。

トップは井上と今田と仲渡、中継は梅宮さんで本体誘導は藤吉。方針としては、幕営可能地点がその先にありそうな限りは進むが、その日中に進むとしても1745コルまで、尾根が広いのでトップには散開してテン場を探すのも並行してやってもらうということにした。以上を伝えて進ませてみる。

すると、張り切りすぎたのか井上が尾根の左にどんどん落ちていく。散開は声の届く範囲でやってね。

結果的には、尾根上はどこもかしこもテン場適地だらけだった。藪が濃くなってテントが張れなくなるんじゃないかという心配も杞憂に終わり、するすると1745コルに着く。

コル!だいぶ拓けている

まだ12時にもなってない。

コルにはおあつらえ向きなテン場適地があり、そこでサイトをすることに。今田が血が出る程度の怪我をしていたので一応Lポリで傷口を洗いガーゼを当てる。

サイトの時間まで1時間強あったので、sLと梅宮さんと井上はキノコ狩りに興じる。途中で形の良いイグチを見つけたが、電波が入らず種類がわからなかったので食べるのはやめておいた。

電波が入らない…

動物の骨も見つけた。

今本さんが前に拾ったキノコは今本さんのザックのポケットの中で粉砕されていたので食べずに済んだ。

13時外サイト。今日の夕飯はカレーライス。

1年会はワンゲル的野菜の切り方も、最初は火力MAXでサイトをすることも、茶飯の作り方も忘れていた。呆れる。

そうはいってもカレーは美味しかったし、米はいつも以上によく炊けていたし、茶飯はいつも通りだった。

藤吉がカレーを食べきれず、死にそうになっていた。

井上はF装の塩、胡椒、ラードを持って来ていないという。有罪。だが砂糖を小分けにして持って来てるだけ初Fの時の仲渡よりはましである。

サイト後は1年会に天図をとる準備をさせる。ここで井上のヘルメット忘れが判明。次の日の岩場どうするんだよ。sWの梅宮さんがわずかな電波から正解の天図を入手してしまったため、梅宮さんが天図を書く所は見れなかった。

気象通報が始まる。1年会はやはり書くのに手間取っている。練習はしてこなかったらしい。100点満点で80点を合格ラインとした時、今田は78点、藤吉は60点、井上は40点くらいの出来だった。

この日の天気図

次の日の朝は山テンで雨の予報だったので、7人で7天で寝ることにする。

だいぶ外がガスってくる。

寝る前に梅宮さんの差し入れのピリ辛わかめスープをいただく。

明日は朝だけ雨が降るらしい。六林班峠までは進むことを決めて、翌日の好天を祈りつつ19時に就寝。








このあとめちゃくちゃ浸水した。







9/14()曇り
▲1 1745コル5:306:09庚申山6:24(15)7:50薬師岳〜(12)10:00{sub装|鋸山10:1510:50不動沢のコル〜11:28皇海山11:5312:27不動沢のコル〜13:01鋸山}13:2114:20六林班峠14:55(水汲5分、テン図たるみ38)17:21 1482台地▲2 (10.62p)

4時起床。起床コールはしっかりしていた。

雨の音が聞こえる。

みんなの証言を合わせると、昨日21時くらいからずっと降っていたようだ。

朝食はカルボナーラ。仲渡は体調が優れないらしく、朝食を食べきるのが辛そうだ。

でも、それと朝サイトの参加を渋るのはまた別の問題だと思います。

朝サイト完了までのタイムは20分。これだけ見ると悪くはないが、一年の手際はまだ良いとはいえない。一年会だけでこの早さを出せるかは疑問である。

一応テントのたたみ始めを5時としたが外はまだ雨がぱらついているため誰も外に出たがらない。そんな中、圧倒的なスピードで朝食を食べ終わり最初にテントから出たのは梅宮さん。きちんと行動で示すあたり上級生の鑑である。そのおかげでみんなゆっくりではあるがテントから出始め、無事、時間通りに撤収は完了した。

出発は530分、この頃になってようやく雨は止んでくれた。

庚申山に着くまでの1ピッチは藪のため、藪陣形を作る。トップは1年会3人、中継は仲渡、本体誘導を梅宮さんにやってもらった。

藪というより道がないだけ

藪と言っても極薄で登るだけ、ルーファイの必要もあまりなく簡単だと思われたのだが、どうも一年会の動きが遅い。ルートどりが悪いのもあるがとにかく鈍い。一年会だけでトップをやらせるのはまだ早かったか。遅い代わりに地図読みをしっかりしてるのかと思いきやそんなこともない。庚申山手前のピョコを勘違いしていたし何やら右往左往が多い。

もう少し頑張ろう。

庚申山に着いたらたるみ。どこから岩場が出てくるか分からないのでここでヘルメットをつけさせる。井上にはsLのヘルメットを貸した。梅宮さんは腹の具合が悪いようである。

薬師岳までの道は、一部踏み跡不明瞭なところもあったが、道の範疇ではある。ただ赤布が乱立しているので間違った赤布を見抜くリテラシーが必要となる。油断したトップはぐんぐん尾根から落ちていく。もっと頑張って。

朝日が差し込んできた

一回のたるみを挟み薬師岳に着く。


ここから少し進むとトップの今田から鎖場ですとの声が。この時まだsLはどんな岩場か見ていなかったので、行けそうだったら行っていいよと言ってしまった。追いついて見てみると、かなり落差のある(10mくらい?)下りの岩場であった。

慌てて今田を戻そうとするが、もう随分降りて行ってしまっている。下部にスタンスが少ないらしく、また傾斜も垂直に近いのでかなり苦戦している。ハラハラしながら見ていたが、なんとか下降成功。

上部にもあまりスペースがなかったので、ここはとりあえず今までの並び順で下ろした。

途中、井上が鎖じゃなくトラロープを掴んで降りたり、仲渡が調子に乗って落石したりとあった。もっと慎重になろう。今回初の岩場だけあってsLも結構降りるのは怖かった。

コルに降りると、目の前には高さ30~40mの上りの鎖場。遠目から見るとほとんど崖のようだ。後ろからおじいさんが一人来たので、その人には先に行ってもらい、その後隊の並び順を変える。仲渡がトップはやだと言うので、4年会に心苦しいが、梅宮さんにトップ(兼偵察)をやってもらう。一年会も挟んだ。

目の前に見えるのが問題の崖

いよいよ崖に突撃である。

この崖は、10mごとくらいに休憩ポイントがあるので、上級生と一年会を二人一組ツーマンセルにし、時間はかかるが順番に登って行ってもらった。上からロープが2本ほど垂れていたが、ロープの通っている通りに行くと変に登るのが難しくなる、いやらしいロープである。

上りきった所がひらけていたので、核心部も終わったことだしここでたるみ。慎重に行ったとはいえ、ここの下り登りだけで80分もかかってしまった。前のたるみから考えると100分のロングピッチだ。

眺めは良かったんだけどね

この後も道は険しそうだが鎖があるかはわからず、登り基調であることも加味して梅宮さんにL装のロープを渡しておく。

核心部から先も岩場の登りくだりは続く。鎖もロープもハシゴも要所要所にはきちんと存在してくれていた。

最初と同じような10mくらいの鎖場下りもまたあった。ここも垂直に近かったが。トップの梅宮さんが下から一年会をサポートしてくれたのでだいぶ安心できた。

鎖場②

そんなこんなで鋸山になんとか到着。読みの2倍の時間がかかったが、着いてくれてかなりホッとした。鋸山は、張ったらダメだけど45天は張れるくらいの広さ。

鋸山!景色は見えないけど!

皇海山までピストンするので、ここでsub装を作らせる。

一年会を挟むのはやめてトップは藤吉で出発。

ここから先は迷いやすいという記録が多かったが、なんのことはない普通の道である。

普通の…道…

しばらく歩くと藤吉が分岐ですと言う。が、どう見たってそこはコルである。分岐だけど、それだけ?と聞いても頑なにただの分岐と言い張るのでそのまま進ませた。そこから歩いてだいぶ経った頃、皇海山中腹でやっと藤吉が、さっきのところ不動沢のコルでした、と言う。気づくのが遅い&地図を見ろ。

73分のロングピッチを切って、ようようやっと日本百名山が一座、皇海山に到着する。長たるみ。梅宮さんから差し入れのカルピス(ぶどう)が出る。美味しい。たるみ中はめいめい好きなことをしていた。

ついに到着皇海山!

山頂直下にはパワースポットの青銅の剣があるのだが、梅宮さんは天気図をとってくると行って山頂を飛び出し、そこで10連ガチャを引いていた。SSRが出たらしく、霊験あらたかであるようだ。

パワーに満ちた青銅の剣

今本さんのカメラで集合写真を撮って元来た道を帰る。今度は井上をトップにする。

下りは問題なく過ぎ、再度不動沢のコルに着く。今度は大丈夫だろうと思っていたら、分岐です、と井上。


……あのさあ。


前のピッチでロングピッチを切ってしまったので、今度は50分で適地たるみを指示する。が、一年会の止まる気配がない。スルスルと登っていき、鋸山についてしまった。結局68分のロングピッチになってしまった。

一年会に理由を聞いて見た所、一年会の総意でそれを望んだのだという。sLに一言伝えておいて欲しかったが、その姿勢は素晴らしい。

鋸山頂で本ザックに詰め直す。と、今度は仲渡からカルピス(ぶどう)の差し入れが。さっきも飲んだ気がするしタイミングも謎だが、カルピスはカルピスである。美味しい。

この後は六林班峠に向かう。

六林班峠に向かう道は笹が濃く、ともすれば踏み跡を全くわからなくさせてしまうような道だった。急なアップダウンと足場の悪いトラバースもある、いわゆる悪路である。

途中で井上が朽木を砕いてサルノコシカケを剥ぎ取る。そのまま抱えて歩いていた。持って帰るのだろうか。

本ザックになったせいか一年会の歩きぶりは芳しくない。

読みの等倍くらいで六林班峠に着く。たるみ。さっきの残りのカルピスも出る。

ここで一年会にアンケートを取ることにする。六林班峠でサイトをするか、今日さらに薮入りするか、だ。

日没まではあと3時間ほど。水場は六林班峠から往復で1時間かかるとして歩けるのは残り2時間程度である。次の日が雨天になることがヤマテン様のおかげで分かっていたので、明日の行動時間を抑えるためには藪を少しでもこいでおいたほうがいいが、1年会がだいぶ疲れ気味に見えたので一応聞いてみた。要はあと2時間歩けるかどうかという質問だったのだが、一年会はウンウン悩んでいる。すると、今本さんが、今日中にER2の庚申山荘への道をできるだけ進むという案を押し出して来た。このままだと無限に悩んでそうなので、一年会にその案も含めた三択で考えさせる。すると、今本案にすぐに決まった。

要するに、今日追加で2時間歩くことはできるが、次の日雨の中を9p+林道2pを歩くようなコースには行きたくないということなのだろう。しかし、一年会に楽をさせるのも癪である。体力の限り爆速で歩き続けることを条件とした。

決まったとなれば即出発。井上は拾ったサルノコシカケをここに置いていくらしい。

出発してから12分、ルート上の最初の沢状地形は水場適地であった。水場までは片道30分と聞いていたが、こんなに近いのならアンケートを取らずに問答無用で前進していればよかったかもしれない。

水量は豊富

水汲みはその次の沢で行った。結果的にER2上で地形図で沢状になっているところはどこも水がドバドバ出ていた。

ER2は悪路との評判だったが、全体を通して、綺麗な沢をいくつも渡渉する少し倒木の多いだけの道だった。爆速で歩かせたので進みもよく、時間に余裕がありそうだったので途中でテン図たるみを行わせる。

ひょっとして今年初?
テン図たるみ

気象通報が終わったら即出発。

進みは良かったが庚申山荘に日の入り前に着けるかは五分五分だったので、目星をつけていた1482台地でサイトをすることにする。十分にテン場適地。

大きなサルノコシカケが生えていたのでみんなで腰掛けてみる。
おっ

どうだ

いけるじゃん

その後テントを立ててすぐサイト。仲渡は気分がすぐれないそうで、サイト不参加。ここで梅宮さんから飲みポリとしてカルピス(ノーマル)の差し入れ。今日3発目のカルピス。

これじゃあカルピス山行(←?)になってしまう。

今日の夕サイトは石狩鍋。sLはキャベツ半玉を差し入れたがなぜか不評だった。汁がいっぱいできたのでお代わり制になる。

藤吉は今日も完食に苦戦していた。井上は果敢にお代わりをしててえらい。

食べ終わったらもう19時を回っている。

昨日のこの時間はもう寝る準備を整えていたが、次の日の行程には余裕があるので、今から一年会に天気図を書き上げさせる。一年会が書き上げている間、仲渡と今本さんは寝てしまった。sLと梅宮さんはお腹に余裕があったので、差し入れのソーセージを茹でてつまんでいた。

始めに今田の天気図が書き上がる。綺麗、見やすい。二、三注意して欲しいところはあったが大きな問題は無し。次に藤吉。安物のラジオを使っているせいか聞き取り間違いが目立つ。次やったら取れるんじゃない。最後に井上。昨日のものからの伸び率は素晴らしい。もう少し練習したら普通に取れるだろう。


この日の天気図

各自に注意点を指摘したあと2130分就寝。寝る直前まで自分の書いた天気図を見つめていた井上が印象的だった。

9/15()曇りのち雨
2 1482台地5:306:01庚申山荘6:126:16猿田彦神社跡〜6:37鏡岩〜(14)7:12一の鳥居〜7:59銀山平 (2.48p)

4時起床。

マテンの予報どおり雨が降って…

いない!

なんてこった!昨日藪に突撃していれば良かった。

朝サイトはCHP。昨日より一年会の動きは良くなった。今本さんはコンタクトをつけるのがどうこうとかで、二日間の朝サイトを通して全く働いていない。梅宮さんがこんなにも働いているのに。

20分で食事ができる。

撤収は昨日どおり。みんな手際が良く、527分に体操をして530分に出発できた。

良いテン場だっただけに名残惜しい。

さよならテン場

30分ほどで庚申山荘に着く。水汲みをしようかと思って止まったが、みんなからもう一度よくヒアリングしてみるとその必要はなさそうだった。ここで今本さんから差し入れ!カルピス(ぶどう)、だ。もう見たー。

気を取り直して出発。足尾山塊特有の巨岩、奇岩群が目を楽しませてくれる。二子山行ってればもっとすごいの見れたのに……。顔ほどの大きさのオオイチョウタケの群生を通り過ぎる。
夫婦蛙岩
目を細めてみれば確かに……?

オオイチョウタケ、いっぱい生えてた

庚申七滝についた。たるみ。

滝から出ているマイナスイオンで体内の疲労が還元された。

今本さんがカルピスを勧めるがみんななかなか飲まない。稀少性を失ったカルピスはもはやパウ水と変わらないのだ。

そこからは銀山平まで長い林道歩き。

伝説の残る天狗の投石とか、

同じ大きさの岩がゴロゴロしてる


悲話が残る坑夫滝とか、


悲話の中身を教えて欲しい

記憶に残らない今本さんの話とか。

悲しい〜

銀山平に着くと、急に雨がザザ降りになる。慌てて近くの四阿に避難する。

エアリアで確認すると一番近くの原向駅まですら歩くと1時間45分かかるという。本当にここは下界なのだろうか。

思わずエアリアを二度見

雨の中林道歩きはさすがに渋かったのでタクシーを使うことにする。ダメ元で今本さんに運賃を値切ってもらったら、タクシー代5800円が5300円になった。やったぜ。タクシー代は梅宮さんが全額持ってくれた。ありがとうございます!

タクシーを待っている間、幕内さんに下山連絡を入れる。だいぶ朝早かったからか明らかに寝起きの声だった。

あとは打ち上げして帰るだけ。

しかし、本当の敵はこのあと待ち構えていたのだ。

原向駅まではタクシーで10分くらい。ここも駅カン適地である。というかわたらせ渓谷鉄道の駅は全部そう。

この駅の周辺には何もないが、sLは大間々駅周辺には銭湯がたくさんあるという情報を事前に入手していた。ということでみんなで大間々駅に向かう。

下調べは万全である

10時45分。ついた。早速銭湯に向かう。が、

ん?

あれ、銭湯、



まさかの、

な、なんだって〜

営業時間外いいいい〜〜〜〜(開業16時〜)

やばい。これじゃ風呂に入れないしL権も危うい。みんなのお腹もだいぶ空いている。

ここで上の学年会で緊急会議。侃々諤々の議論があったが、最終的に太田駅でお風呂に入ることに落ち着く。

後続のために言っておくと、今回は行けなかったが、わ鉄の水沼駅には駅に併設された大規模温泉施設があり、1030分から営業している。また、食事も提供されているのでそっちに行こう!

閑話休題

相老駅で乗り換え、途中少しエキサイトしつつ、そんなこんなで太田駅に着く

やっと太田駅に着いたがここから温泉まで歩いて30分かかると知って軽く絶望。みんなで無心で歩きやっと温泉に着いた。

ここ、安眠の湯は、6種類のお湯と2種類のサウナが楽しめる広々として素晴らしい温泉。あまりに良かったので40分も温泉に入っていた。レストランも併設していたのでこの場所で打ち上げも行うことにする。結構品揃えはよく、めいめい好きなものを頼んで食べ、その後反省会をする。

帰りもまた30分かけて太田駅まで歩いたあと解散。

反省点が多く出たいい山行だった。お疲れ様でした。



今回わかったこと
・中倉山稜線に乗る前の1430mでの分岐は右。
・中倉山稜線は基本電波が入らない(auならかろうじて入る)
・オロ山頂から1745コルまでは全部テン場適地。
・不動沢のコルは7天は厳しい。6天ならいけるかな。45天2つも厳しいかも。
・六林班峠から水場までは片道3012分、水量豊富。
1482台地にテントが張れる。道中の1611ピョコもいける。



総評
結果的には足尾山塊の上半分しか行けずに終わったが、この企画を立てるきっかけとなった中倉山稜線は前評判に違わず素晴らしいものだったし、本命の皇海山も打てたので結果的には満足のいくものとなった。この山域は全体的に登山客が少ないので、エアリア実線のルートであっても踏み跡外し注意である。鋸山手前の鎖場については、整備されているのかは定かではないが、結構信用に足る鎖であった。一年会にとっては反省点も多く見つかったし天図の腕もなかなかに上がったので得るものの多い山行であったと思う。ワンゲルでの皇海山登頂は17年ぶり、sLの要望に付き合ってくれたメンバー全員に感謝




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