2018年5月26日土曜日

新人錬成 甲武信ヶ岳・雁坂峠

1泊2日でもガッツリ稜線を歩きたい!爽やかな稜線歩きを求めて奥秩父大縦走路へ。天気にも人にも恵まれ、とても楽しい新人錬成となった。景色もさることながら、人の暖かさも強く感じた山行だった。
記 黒瀬
西御殿岩でパシャり
素晴らしいピークでした!!

メンバー
3年会 CL今本 H sF sW武本  2年会 F請川 EW仲渡 sL黒瀬  1年会 井上 佐藤 伴 藤吉


 GWも過ぎ、ノーピーク山行はもうこりごりだと思ったsLはどうしたって山頂に到達できる山行を作りたかった。結果出来たのが、1泊2日ながら13ものピークと日本三大峠の一つである雁坂峠を繋ぐ今回の企画である。
 sLにとっては初企画であるこの企画、なるべく多くの人に来てもらいたかったのだが、火曜日の審議で佐久間さんが不参加になってしまい、さらに前日には関野からキャンセルの連絡が来たため当初11人だった参加者が9人になってしまった。残念。
 肩を落としながら塩山タクシーに人数の変更の連絡を入れる。すると、前日にもかかわらず快く対応してくださったばかりか、9人ならばジャンタク1台に収容できると提案してくださった。これなら交通費が安く抑えられそうだ、結果オーライである。
今回の地図①


地図②
地図③
 
5/25()晴れ
東京=(電車)=塩山=(タクシー)=三ノ瀬登山口▲0

 そんなこんなでアプローチ当日。駒場組は5限後の1840分に学生会館集合とした。デジカメと充電器を忘れたことに気づいたsLは家に取りに戻ったのだが、家の鍵を駒場に置いて来たザックの中に置き忘れていたことを家の扉の前で思い出し、無為な往復運動で4限をフイにした。4限が終わり、藤吉と井上が学生会館に現れる。聞くと二人とも地図を書き終えていないのだそう。まったく、2年会は下級生の指導がなっていない←。5限後には伴と佐藤と、家で寝てた仲渡が合流した。電車の発車時刻には余裕を持って集合したつもりだったが、水汲みに装備の確認、貸出などをし、また出発10分前に夕朝食の買い出しのアナウンスをしたため割とバタバタとした駒場出発になってしまった。また、結局伴は夕朝食を買い損ねたため、アプローチ中に買って貰うことになってしまった。申し訳ない。
 アプローチは、駒場東大前から塩山まで乗り換え4回かつ1本でも乗り遅れたら即帰宅というスリリングなもの。さらにはこの時間帯の京王線の特急の混み具合は殺人的なものであり、大きなザックを背負っている我々は肩身がせまいことこの上ない。手前のサラリーマン二人なんて今にも喧嘩を始めそうな様子でガンをつけ合っている。そんな車内を横目に満員列車に揺られていると、sLの後ろに立っていた老人がドアの脇のスペースをザック用に譲ってくれた。優しさが胸にしみる。話をしてみると、このご老人、55歳から本格的に登山を始め百名山を踏破、80代の今でも現役で山に登っている方であるそうだ。すごい。最終的に、この方とは高尾の一駅手前まで山についての話題でひとしきり盛り上がって別れた。
 その後、高尾でやっと一息つけたsLEFチェックを指示し、仲渡の提案で駒場組以外を探しに他の車両を探検しに行くことにする。すると、何の因果か高校の先輩である藤森さん率いる慶應ワンゲルさんたちと出会う。聞くと、藤森さんも初めてLとして出した企画であり、行き先は金峯瑞牆であるそうだ。被らなかったのはホッとしたような残念なような。。。藪トレなどについても少し話し、一緒に写真を撮った後別れる。藤森さんは別れ際、お土産にこんにゃくゼリーを持たせてくれた。いい人である。
 大月駅で今本さん武本さんと合流し、仲渡にEチェの結果を仲渡に聞くことにする。すると、何とヘッド忘れが発覚する。請川がリーチの連絡を仲渡にし忘れたようだ。サイトを山での大きな楽しみとしている武本さんはショックを隠しきれない様子。みんなで塩山駅周辺の山道具屋を探してみるが夜の10時に空いている店なんてあるはずもなく、また一番近い山道具屋はなんと富士吉田!よし、諦めよう。その後塩山まではみんなで談笑しながらアプローチ。井上はまだ地図を書いている。仲渡は電車の中でも勉強している。真面目だなあ。
 塩山駅で請川と合流した後は高橋さんに入山連絡を入れ、塩山タクシーで登山口へ向かう。タクシーに乗ってから他のメンバーはすぐに寝てしまったが、どんどん上がるタクシーの料金メーターを見ていたsLはまんじりともできなかった。一ノ瀬林道とかいうほとんど山道みたいな道を通り過ぎ、民宿みはらし前にタクシーがついたのは2310分。登山口を少し入ったところまで移動し、2320分、平らなところで翌日の起床時間を伝えて就寝。朧月の綺麗な夜だった。

5/26()薄曇り、晴れ
0三ノ瀬登山口04:37〜牛王院下05:01(たるみ1110、トイレたるみ7、道間違え22分有り)〜山ノ神土06:4607:09西御殿岩分岐07:1207:26西御殿岩07:4107:51西御殿岩分岐07:54〜唐松尾山08:18(たるみ1020)〜水干尾根分岐09:5710:13笠取山10:28〜雁峠分岐10:5711:05雁峠11:15(たるみ10、トイレたるみ13)〜古礼山12:41(たるみ14、トイレたるみ18)14:00雁坂峠14:2314:31雁坂小屋▲1

 4時起床。朝は冷えてはいたが雨は降らなかったようだ。一年生の準備を急がせる。井上と藤吉は準備が早い。さすが2、3回目なだけある。対して伴と佐藤は遅かった。佐藤は借りたポリが水漏れしていて手間取っていたようだ。早めに抜くことにしよう。04:30、体操は仲渡。体調、トイレの確認をして、04:37にトップ請川で出発。道は林道のような道。05:01に牛王院下に着く。0.6倍、なかなかいいペースだ。ただ、後のことを考えると、ここでペースを落とすよう言っておいたほうがよかったかもしれない。05:16地図読みも兼ねて、1611ピョコの北側コルでたるみをする。特徴的な地形だったため、全員難なく正解。ここから道が山道っぽくなる。
 05:55、トップの仲渡が分岐を何も言わずに右に進むのでsLに報告するよう注意した。道の傾斜がおかしい気がしたがsLも何も考えずに進んでしまった。10分ほど歩いて、やはりおかしいと気づいたsLは隊に引き返すように伝える。初っ端から道間違いである。仲渡に言い訳の機会を与えると、薄々気づいていたが、言わなかったとのこと。はいアウト。先ほどの分岐に戻り、再度左に進む。多分迷い込んだ道は将監小屋に続く道だが、地図では十字路になっているのに対してこちらは三叉路である。おかしいなと思いつつ50分経ったのでたるみ。今本さんとsLは近くの岩に登る。請川はなにやら資格系の本を読んでいた。再度出発すると、2分後に地図に書いてある十字路を発見!どうやらさっきの道はその十字路より手前から将監小屋へトラバる道らしい。しっかりした道だったが、1/25000地形図には書いていないようだ。ううむ。
 そうしてたどり着いた。牛王院平は疎林と草原で、駆け出したくなるようなきれいな広場。朝日に照らされて美しく輝いている。早くも神山行の機運が高まって来た。山ノ神土からの登りトラバース道の途中では崩落地の整備工事をしていたため、無駄にアップダウンさせられる。07:09に西御殿岩分岐に到着。空身で西御殿岩に向かう。途中、請川が少し道を間違えたが、すぐに気づいて復帰。07:26西御殿岩に到着。360°展望のある気持ちのいい岩ピークで、牛王院平や雲取山、富士山を一望できる。風も涼しい。さすがに長たるみ。ふと横を見ると仲渡がピーマンを生のままかじっている。斬新な行動食である。昨日藤森さんにこんにゃくゼリーをもらったおかげで差し入れのこんにゃくゼリーが4袋になったsLは、ここで2袋を解放。集合写真を撮って帰る。
西御殿岩♪
 分岐に帰ってきた後は、やや遅れ気味になっていた伴をセカンドに移動させ、出発。すぐに気持ちの良い笹尾根に出る。08:18唐松尾山に到着、雰囲気のいいイモピークだったがすぐに通り過ぎ、先のベロでたるみ。正直この稜線だとどこでたるんでも気持ちいいもんね。この辺りからシャクナゲも咲き始め、稜線に彩りを添える。次のたるみでは、たまたま()黒槐山というピークの近くでたるんだため、道はついていなかったものの、みんなでプチ藪漕ぎ。頂上まで行く。枯れ木と笹で気持ちの良いピークだ。その次のピッチ、水干尾根分岐で仲渡がピンを報告しないで進む。はい、2アウト
 10:13笠取山でたるみ。東側のピークでたるんだが、後から考えると西側の方が広くて眺望も良かった。仲渡はおばちゃんに写真を撮るよう頼まれていた。笠取山からの下りはすごい傾斜、降りてきた道を振り向くとほとんど壁のように見える。雁峠分岐前には小さな分水嶺があった。ここから直接雁峠に向かう道もある。11:05雁峠でたるみ。みんな疲れているのかベンチの上で寝ていたが、5つ全てのベンチを占領するのはいかがなものだろう。後から人が来たので、ベンチで寝ている今本さんに地べたで寝るように指示してsLも寝に戻った。もちろんベンチの上に(sLですもん)。
 雁峠から登り、稜線の角度が変わったところで、今本さんがキジうちに行く。寝ててお腹を冷やしたらしい。ちなみにここの道標に燕山と書いてあったが、本当の燕山は稜線上をもう5分歩いたところである。この時点で隊はかなり疲れていて、ザックを背負い直す動作がだいぶ緩慢になっていた。その後一回たるみを挟んだ後、古礼山山頂に着く。広くて拓けていてとても良いピークだったが、時間の関係で通過。勿体無いっ。古礼山のコレイとは古くはギボウシのことをさした言葉だったらしいが、なるほど、この辺りからコバギボウシが可愛い新芽を覗かせてきていた。
 本日最後のピークの水晶山は残念ながらイモ。しかしそこから雁坂峠までの下りは素晴らしかった!まさにウィニングラン。奥秩父全体が見渡せる雄大な景色、縦横無尽の大パノラマを楽しめる。雁坂小屋までは10分の距離だったがあまりの素晴らしさに雁坂峠で長たるみ。皆で惰眠を貪る。その間sLは、峠にある立て看板にコバギボウシが美味しい山菜と書いてあったが、近くには間違えやすい毒草のバイケイソウも生えていたため、間違えて食べる人がいたらどうするのだろうとかそんなことを考えていた。
雁坂峠にて
笹原と山並みのコントラストが素晴らしい!
 ようようやっと出発し、雁坂小屋に着いたのは14時半。小屋の前にいた若夫婦とお話をしながら小屋の台帳を記入。テン場代一人800円とお高めだが、水場では水がジャバジャバ湧いているし、小屋の人が、他のテントをどかしてまでテント2張りを張れるスペースを空けてくれたりした。テントを立てた後は若者はサイト、ジジイ+sLは水汲みと同時並行で行う。サイトは、ヘッドが1台しかないため米を先に炊き、それを保温してる間に汁物を作る作戦に出たらしい。が、なぜか米をコッヘル特大で炊いていたのでそれをコッヘル大に移す作業が挟まり余計に時間を食っていた。不可解である。佐藤はジャガイモをなぜか薄い輪切りにしていた。ポテチでも作る気かな?夕食はトマト鍋、具沢山で美味しかった。仲渡の天気図は、もっと丁寧に書けと言いたくはなるが特にこれといった問題点は無し。仕方ないのでW贈呈。伴が一刻も早く寝たいというので、宴会は諦め19:00に就寝。だいぶガスが濃くなっていた。寝る前に仲渡が一年に朝サイトの説明、指導をしていた。なんやかんや頼りになる。

5/27()晴れ
▲1雁坂小屋04:4504:58雁坂峠05:0105:32雁坂嶺05:4206:45西破風山07:00〜笹平07:29(たるみ10)〜巻き道分岐08:3008:45甲武信小屋08:5609:10甲武信ヶ岳09:3110:01三宝山10:1110:15三宝岩10:3010:59甲武信ヶ岳〜11:11甲武信小屋11:30〜戸渡尾根分岐11:52(たるみ10)〜新道分岐13:13(たるみ1010)〜車道出会い14:57〜西沢渓谷入口バス停15:18

 今日は3時起床のはずだったが、sLは若テンが朝食を作る音で目がさめる。これがジジ天の素晴らしさか。朝食は味噌ラーメン餅のはずだが、作るのに40分もかかっていた。前日のカス缶を使っていたらしい。朝サイトは速さが命なのでもっとしっかりしてほしい。出来上がった朝食には水を取り込みまくった餅でひどく粘性があった。その後茶飯を作り、撤収は04:10。ジジ天の撤収の速さを若テンに見せつけようと意気揚々と45天をたたみにかかると、45天のポールが外れない。四苦八苦していると、なんとポールが折れてしまった。もともと古いポールではあったが、無残。体操を請川に任せようとしたがまだ覚えてないとのことで、今日も体操は仲渡。トイレを済まして4:45に出発した。
 最初のたるみは雁坂嶺で。そこまでは昨日の疲れは何処へやら、眺望の良い緩やかな登りでとても楽しく歩けた。昨日と変わって広瀬ダムの湖面も見えるので、テンションは嫌でも上がる。
 次のピッチでは今山行初めてのロングピッチを切って西破風山まで行く。今本さんが近代の北欧とロシアの関係性について熱く語ってくれていた。西破風山山頂は広かったが展望は皆無。東破風山山頂や稜線は花崗岩と風景がとても気持ちよかったので、そこのどっかでたるんだ方がよかったかもしれない。例えるならば、稜線上に広がった日本庭園。山頂では鶏冠尾根を登って来たという中年の一団と出会う。いいな〜。その先の鞍部にある笹平はその名の通り笹の平原が素晴らしい!避難小屋は簡素ではあったがここにも泊まってみたかったなあ。ここからは甲武信ヶ岳への長い登りが続く。途中、巻道分岐からの道で、間違って降りてくるお兄さんがいたので、降りて行った先で正しい道と合流できることを教えてあげたら感謝されてしまった。sLは武本さん今本さんにギボウシとバイケイソウの違いをレクチャーしていたら、気持ちあっという間に甲武信小屋に着いてしまった。甲武信小屋の人に荷物をデポっていいか聞いたら快諾してくれたので、sub装を準備させそのまま出発。
 山頂までは急登ではあったが、なかなかのペースで甲武信ヶ岳に到着!。仲渡が頂上で「こう…ぶ…しん…がたけ?」とか言っていたが、まさかね。去年と違いガスってもなく、南アルプスもしっかり見える!百名山にふさわしい好展望が楽しめた。ここで今本さんからカルピスの差し入れ。sLはパイン缶を差し入れたが、缶切り係に任命した井上、藤吉はともに缶切りを使えないらしい。哀れ。仕方がないのでsL自ら缶を切った。
 程よくまったりした後、今度は三宝山に向かう。三宝山山頂はテント3張は張れそうなくらい広いピーク。景色はないが、来る価値のあるピークといえよう。山頂付近で、あるはずの三宝岩への道が見当たらずsLが右往左往していると同じように右往左往しているお兄さんが。一緒に道を探すことにする。すると、山頂から2分ほど降りたところに踏み跡らしいものを発見したとお兄さんが教えてくれた!わざわざ戻って教えに来てくれたらしい。優しい人だ。早速隊を率いて三宝岩に向かう。三宝岩への道は赤布も打ってない道。さて、肝心の三宝岩は、端的にいうととても素晴らしいところだった。展望よし雰囲気良しで岩場だけ見ると北アルプスを彷彿とさせる。sLは最後のこんにゃくゼリー2袋を解放。景色を眺めながら束の間の昼寝。いや〜、いい山行だった。後は帰るだけである。
三宝岩の図
伴の持って来てくれた全天球カメラが大活躍!
 甲武信岳からの下りで、雁坂小屋で昨日あった若夫婦とすれ違う。「荷物デポしないで来たの?偉いね〜」と褒められた。すいません、デポしてます。甲武信小屋に着いてから、さっきの若夫婦にバレないようにそそくさと本ザックを整え出発。今山行ラストを飾るピークである木賊山はまあイモだったが、直前の白砂の登りが気持ちよかったので許そう。ここからはひたすら長い下りである。皆無心で降りて行く。新道分岐直下は特に急坂であった。道中のシャクナゲのトンネルは確かに綺麗であったが、そんなことより足がキツい。下りの最後の方は、杉ではなくメタセコイアの植林だったので、陽光が差し込み、奥多摩のような陰鬱な雰囲気もなくsL好み。途中1340mあたりで地図読みを挟みつつ、西沢渓谷入口バス停にゴール!無事終バス2本前のバスに間に合った。
 バスを待つ間sL含む上級生が適当にまったりしていると、なんと請川が一年生にアイスを奢っていた。偉い。人として、先輩として色々な差を痛感させられた。バス停からはバスに揺られること1時間、塩山駅に着く。お風呂は塩山温泉郷にて。一人400円でタオルまでプレゼントしてもらえる、かなりコスパのいい温泉だった。打ち上げは駅前の菊よしというお店。そばうどんはプラス240円で2人前になるのでこちらもかなりコスパがいい。反省会をして解散。お疲れ様でした!

まとめ
楽しすぎた山行。神山行との誹りを免れないだろうが、甘んじて受けるつもりである。
割と緩めの企画かと思いきや、思ってたより1日目がハードになりびっくりした。事前にイモだと言われ続けたがそんなことはなく、素晴らしいピークがたくさんあったのでまたどこかの年で同じ企画が出てくれたら嬉しいです。また、今回は天候にとても恵まれた山行でもあり、初回者も楽しみつつ、一年生の錬成もできたいい山行になったのではないかと思います。奥秩父の方々の暖かさも感じた山行でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿