秋企画北岐沢黒岩山

面子: 4N坂田*鈴木、3N大橋、L豊島、2*中村、1初新留、被深山
(L:リーダー、N:ニュートラル、*:L権者、被:被養成者、初:初心者)

片品川源流の北岐沢を遡行し、中央分水嶺の黒岩山~台倉高山の藪を漕いで田代帝釈の湿原を目指し、最後は会津の湯ノ花温泉へ下山するという変化に富んだ企画を作りました。しかし台風の接近により後半の藪区間が消滅し、ただの沢企画となってしまいました。景色が美しく充実していましたがやっぱり藪に行きたかったです。意欲ある後輩のリベンジに期待します


概念図


10/10()(ハプニングの多いアプローチ)東京=沼田=大清水~入渓点▲0
昼に村田から体調不良により参加できないと連絡があった。残念だった。装備の受け取りを1年生にお願いした。
1836分に坂田さんから学割を買う時間がないから一本後の列車ではどうかという打診が来たがタクシーを予約しているので断った。1853分に新留から列車に乗り遅れたので沼田到着が一時間遅くなると連絡が来たが、同じくタクシーを予約しているので新幹線アプローチさせた。199分に、今度は大橋が腹を壊して途中駅でトイレに行ったからこのままでは沼田到着が一時間遅くなると連絡が来た。まことに不運でかわいそうではあるが同じくタクシー予約があるので新幹線アプローチさせた。出発前から慌ただしい山行である。高崎で乗り換えると前に慶応ワンゲルの人達が乗っていて、少し話した。楢俣川のヘイズル沢に行くらしい。爽やかで感じの良い人達だった。今後とも宜しくお願いします。また飲みにでも。
沼田からはタクシーで大清水まで。タクシー中では慶応ワンゲルのヘイズル沢が羨ましいのか、坂田さんが北岐沢のことを北芋沢と言って馬鹿にしていた。優しい鈴木さんが、写真を見る限り良さそうな沢だったとフォローを入れてくれていた。大清水から月明かりの降り注ぐ林の中を90分入渓点まで歩いた。そして下界訓練をした。新留は慎重になって全体的に動作が遅く、FIXも非常に不安そうだったが間違いはなかった。一応大橋も復習をしていた。もちろん問題はない。0時半ごろ就寝。
10/11()快晴 ▲0 6:15~7:33大滝下7:438:20大滝上~9:10二俣~9:45たるみ10:0010:45 1790二俣▲1(⇔小松湿原)
前日遅かったので出発は遅らせた。初心者チェックをするも新留のハーネスがおかしい。それを見て中村が頭を抱えている。とりあえずもう一回やり直させると、きちんと装着できた。615分発。入渓点は問題なく出合の小滝はフリーで下りた。大橋の沢靴が新しい。春に買ったがこれまで出番がなかったらしい。もっと気軽に参加してくれて良いのに。一番初めの滝(遡行図の3mだと思われる)は右巻きフリー。
次の25mも右巻きフリー。深山は水流に近いところを登ってTRの判断をしていたが、少し手前から足場のしっかりした岩場が明瞭に続いているのでそこからフリーで巻かせた。8m滝も左壁にくの字型に大きなスタンスが明瞭に続いておりフリー。次の410mも右に小さく巻きザイル手がかり。非常に容易。ワンゲルだからTRを出すだろうと長めに時間を読んでいたのにあっという間に大滝に着いてしまった。

優しい渓相の流れがどこまでも続く
大滝は右巻きのルートを深山が見にいった。大滝の巻きなので声が届きにくく結局新留を一人おいて巻き道の途中まで俺が登って様子を見に行く羽目になった。深山はザイル手がかりで斜面を上げる判断だったが、もう少し下流側の小さく沢状になっている登りやすいところから登ると何も必要なかったのでフリーにした。深山は大滝に着く少し前から両岸をしっかり見てどこからなら巻きやすそうか見当をつけておいて欲しかった。大橋も少し変なところから巻いていた。落ち口に降りるところでザイル手がかり。新留はほとんど使わずに下りた。深山は手がかりにするザイルは必要分だけ出しましょう。坂田さん中村は大滝手前の右岸支流の2段滝を直登し、尾根を越えて北岐沢に復帰した。中村は声や笛の音が届かなかったので心配したが、上流に降りているだろうということで遡行再開すると沢がカーブした先で会うことができた。あっけなく核心が終わった。
大滝右岸支流の二段滝
1650二俣も迷わず右俣に入り、遡行図の言う「ナメの綺麗なところ」も一瞬で通過した。が、この辺りで新留が勝手にヘルメットを取っていたのは問題であった。11時前には1790二俣に着いた。予想外に何も無い沢だった。


ナメが綺麗なところ

時間を持て余し、体力の有り余った新留は黒岩山往復を希望していたが翌日行こうという話になり、結局小松湿原まで往復してちょっと遊んで帰った。
小松湿原に憩う。
14時よりサイト。スープの具は普通のソーセージに変更したはずなのに魚肉ソーセージをがっつり入れられた。何か恨みでもあるのだろうか。スープは胡椒の味も効いて細部にこだわりがあり美味しかった。食後Wの新留に天気図をとらせると、書き終えたのは17時だった。遅すぎる。が、時間をかけた分綺麗に書けていた。


サイト地

その後焚き火を起こし酒を飲んだ。1年会を中心に掘っていたが皆口が固く、そのまま就寝した。
10/12()快晴 ▲1 5:386:08小松湿原 (沢装解除)6:146:33稜線登山道6:45~7;17黒岩分岐~7:50黒岩山8:109:05稜線登山道9:1510:03たるみ10:13~11:03鬼怒沼湿原中央11:15~0:06観瀑台
朝。黒岩山に行くので早めに出発しようと4時起床。この日から天気が下り坂に向かうのだろうと懸念していたが、空は快晴で月明かりと満天の星空が綺麗だった。嵐を呼ぶ男と巷で噂されているT市が入山しなかったからであろう(by大橋)。朝食のうどんは非常に美味い。510分過ぎにはだいたいの人がパッキングを完了させ少し寒い中出発を待つことになったが遅れるより良いだろう。先に体操と合図確認を済ませ530分に明るくなったので出発しようと思ったら坂田さんがパッキングをしておらず、7分待ってから出発した。1790二俣から昨日と同じように小松湿原へ入り、湿原左の沢を詰めて稜線に出た。1年会二人は詰めは少ししんどそうだったが、稜線に出ると一瞬で回復していた。強い。黒岩山までは分岐まで本ザックでそこから山頂まで空身の方針を伝えたがメンバーの半分くらいは各自で判断してサブ装にしていた。実際歩く距離を考えるとそっちの方が正しかったが隊の統率をしっかり取れず良くなかった。少したるんで出発。


黒岩山を目指す

黒岩山分岐に到着した後、新留は赤安山の方へ行こうとしていたので戻してから黒岩山頂へ向かった。藪が茂っていて少し苦労した。新留は自らにトレを課し本ザックで山頂に来た。なかなか気合が入っていてよろしい。山頂は快晴で四方の山が見渡せ、わざわざ藪を漕いだ甲斐があった。中村の差し入れのなっちゃんがおいしい。


黒岩山山頂から燧ヶ岳、至仏山、上州武尊方面 


長たるみ後、先ほどの遡行終了点に行き荷物を回収。
さて鬼怒沼に向けて新留トップで出発、と思ったら、あろうことか新留は再び黒岩山の方向へもと来た道を歩き始めた。慌てて止める。コンパスの使い方をイマイチ把握できていないようなので皆でしっかり教えた。誰も1年会にちゃんと教えてないようなので各企画者はチェックしてください。樹林帯の道をだらだら歩いて草紅葉が綺麗な鬼怒沼湿原でたるんだ。深山が日焼け止めをわざわざ貸しに来てくれた。優しい。


草紅葉最盛期の鬼怒沼湿原


たるみ後急な坂道を降りた。途中の日光沢温泉は雰囲気抜群だったのでいつか再訪したい。ここの分岐で新留は日光方面に登ろうとしていた。悉く道を間違えないでくれー。


日光沢温泉

ほどなく加仁湯着。下山連絡後、八丁の湯に行ったが女夫渕までの送迎バスは宿泊客だけだと断られたので入ったのは俺と大橋だけだった。風呂は滝見風呂になっていて良いところだった。
送迎バスは断られたし、直接タクシーで帰っても良かったが金もかかるので各自で女夫渕まで遊歩道を歩いた。風呂に入った俺と大橋より先に女夫渕に出たはずの新留が女夫渕に着いておらず、少し心配したが道路に出たところの分岐で逆に行ったらしくしばらくして到着した。女夫渕はバスより安い料金を提示するタクシーが待機していたのでそれに乗り鬼怒川温泉駅へ行った。駅近くの定食屋で打ち上げ後解散。
まとめ:沢は渓相や周囲の森林は美しいが全体的に単調すぎた。下降向きの沢だろう。とはいえ、ワンゲルでは何故か行かれていない尾瀬の沢を開拓した意義はあると思う。尾瀬は適度な難度の沢が多く、源頭の湿原が綺麗で山麓の温泉も良く、かつ首都圏からのアクセスも良い。花沼湿原に続く沢もあるし、鬼怒川源流にも魚沢赤岩沢をはじめ良い沢がたくさんあるし至仏山方面の沢も岳人で時々紹介されている。今後この山域に来る人は是非色んなルートを試してみて欲しい。

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