夏合宿北アルプス東稜線隊:その3



(6~10日目はその2へ)


8/16(金) 11日目

15.0km / 11.1p [山と高原地図11.2p]
10烏帽子小屋3:304:25三ツ岳(北峰)4:35(頭痛吐き気対処25)6:25野口五郎小屋6:436:58野口五郎岳7:097:44真砂分岐7:47(水漏対処5)9:08東沢乗越9:1810:10水晶小屋10:2010:50水晶岳南峰10:5511:00水晶岳北峰11:0511:35水晶小屋11:5212:23ワリモ北分岐〜12:30岩苔乗越〜(20)13:30祖父岳13:4013:57祖父庭園〜14:36雲ノ平キャンプ場11
【記録】
行動時間が長く、遅くなると雨に降られる心配があったので23半で準備。1分間誕生日スピーチはM田で、ワンゲルと勉学どちらにも力を入れたいという話。M田がヘッデンを腹にも装着しているのでトップを任せると、やっぱり速い。巻き巻きで三ツ岳北峰到着。野口五郎岳手前の鞍部に向けて下っている途中で日の出。左を見れば常念山脈、右を見れば水晶〜赤牛の稜線が見える。

常念山脈と日の出

次のたるみでK妻が頭痛と吐き気を訴えるので、ヘルボを動員して様子を見ることにした。標高は2800mほどで、前泊地は2500mだから、高山病も考えにくい。前日雷から退避するために体を濡らしたのがまずかったかもしれない。それからこの隊は連日朝が早くてごめん。
野口五郎の登りは「五郎」の名にふさわしいゴーロ帯で、大岩が多い。小屋に到着すると、例のアミノバイタルパトロールの人がまたいらっしゃって、当然分けてもらえた。水は1L200円。おそらく北アルプスの信州側稜線では水の相場はこんなもんだろう。

野口五郎小屋

雲ノ平までの水を汲んで出発。山頂付近でピークハントをかけたらT谷がコケたらしくて少し痛がっていた。野口五郎岳は大展望のピークで、ここで初めて西鎌尾根が全貌を現す。満足して出発。縦走路は真砂岳を巻いているが、O高さんとM田は行きたいらしいので行ってもらう。その間に本隊は進む。真砂分岐で本隊がたるんで待っているとわずか3分ほどで2人が戻ってきたので、本隊のみんなは少しがっかりしていた。東沢乗越付近は強風地帯と聞いていたが、風は弱かった(同じことをtwv2013も書いていた)。東沢乗越に到着すると複数人がK妻と似た症状を訴えた。もしかして七倉山荘で汲んだトイレの水が…?とも思ったが、やはり昨日の雨のせいだろう。幸い症状は軽いらしいのでそのまま進むことにする。

東沢乗越付近の雷鳥

水晶小屋までの登りは岩場歩きになる。頑張れば滑落できるかもしれないぐらいの岩場で、危険ということはない。この辺りだけ岩が赤茶けていて、水晶が黒いのとは対照的だと古谷がつぶやいていた。最後の階段登りを終えると水晶小屋到着。水晶コールは活気がなかった。K妻の体調が回復していない上にM下も気分が悪そうなので、2人を小屋にデポして、残り9人で山頂を空身でピストンすることに。ここの稜線まで上がってくると体感10m/sほどの東風が吹いているが、雨でないのは幸いである。登山道は稜線の西側についているのでさほど問題はなかった。水晶岳南峰手前には短い梯子がある。岩場歩きには違いないが危険ではない。水晶岳南峰につくも完全にガス。なんと11日目にして、初めてピークでガス。この合宿はどんだけ天気に恵まれているんだと思う。雨具の色が赤黄青の3色(若干1名黒)だったので信号機っぽい写真を撮る。山頂標がしょぼすぎると誰かがつぶやいていたが全く同感である。三角点がある北峰もピストンする。三角点があるだけで、特に眺望がよくなるとかいう奇跡は起きず、そそくさと山頂を後にする。誰だったか忘れたが北峰で大きめの落石を落としてしまい、赤牛方面の登山道に転がっていった。危ないので気を抜かないようにしよう。

水晶岳南峰

水晶小屋に戻るとK妻には笑顔が戻っていたが、M下はあまり回復していない。少し長めにたるみをとって出発する。水晶小屋を出るとすぐにガスから脱し、風も弱くなる。ガスがかかって天気が悪かったのは2800mより上だけで、基本この辺は晴れていたようだ。ワリモ北分岐を西に分けると地形はなだらかになり、雲ノ平の接近を感じさせる。祖父岳の登りは100mほどだが、皆ヘトヘトなので辛そう。山頂手前の小ピークは短い梯子が一箇所あった。山頂手前のコルでたるむとみな顔が疲れている。23半での11pなので当然である。10pを越える行動は今日で最後なので、雲ノ平からはゆるゆると進めそうだ(フラグ)。少し長めにたるむ。山頂まではハイマツが高く周りが見通せない箇所が多い印象だったが、山頂は素晴らしい眺め。水晶、鷲羽、黒部五郎、薬師、そして雲ノ平に囲まれた素晴らしいピークであり、M田が景色に対して感動するというレアイベントが発生していた。景色が良いのでここでもたるみ。

雲ノ平目指して下る。薬師岳が大きい

あとはガレ場を分岐まで下ってすぐに雲ノ平と思っていたが、祖父庭園の分岐からが地味に長い。キャンプ場にダイレクトで下りるルートは植生回復中のため長らく通行止めらしく、北側から大きく回っていくしかない。皆不満タラタラである。やっとキャンプ場が目前に迫り、雲ノ平コールが開始される。人とすれ違うたびにコールが止まるので、恥ずかしいならやらなくていいのにと思いつつ到着。木道の分岐点近くに幕営。Lはテント場受付のため小屋までひとり向かうが、これがなかなか遠い。しかし湿原の中に付けられた美しい道なので憎めない。

まさに楽園

山荘では充電が1100円で、これは大変ありがたいサービスである。文明人は電気なしでは生きられないということを実感する。ついでに祖母岳(神ピーク)に寄って電波を取得する。天気は良さげなので安心してテント場に戻った。種池で昼サイトをして1日分、さらに高瀬ダム経由で1日分多く消費しているので、ここは予備食を使う。もう合宿11日目にもなると皆胃袋が拡張されていて予備食2食分では足りなそう。ここは「水じゃばじゃば」なのでスープをじゃばじゃば作って飲みまくる。サイト後、半分くらいのメンバーは小屋に行き、本を読んでゆっくりくつろいでいたらしい。明日は分離隊が出ない真の停滞日なので少し遅くまで宴会をする。オカンしようとしていると、近くにテントを張っていた人から夜は雨だと忠告される。命拾いした。
雲ノ平山荘と日没
 
 
 
 

8/17(土) 12日目

0.0p
11雲ノ平キャンプ場(終日停滞)12
【記録】
周りが明るくなったので67時ごろには皆起き出して、予備食を食べる。FのN村は朝っぱらから「ほーや」で起こされて大変そうだ。カンカン照りとはいかないまでも日が差しているので、シュラフやら服やらを色々干す。小屋に行って美味しいものを食べたり、トランプをしたり、昼寝をしたり、皆思い思いに過ごす。大高さんと中谷は小屋で普通にご飯を食べていて、「やってしまった感」。あとケーキも美味しかった。なんかもうずっとこの小屋にいたいなあとか思ったが、予備食を食べなければならないので16時ごろにはテントに戻る。LはK西とM田が小屋の自由帳に記していた文章を読んでひとり感動していた。この合宿を出してよかったなあと心から思った。宴会ではM田の誕生日会が開かれており、M田は結構嬉しそうだった。よかったね。テントの割り振りは大富豪で勝った者から順に決めていったが、定員を設けなかったせいでK妻とT谷は仲良く12天で寝ることになった。
 




 

8/18(日) 13日目

10.2km / 8.0p [山と高原地図8.4p]
12雲ノ平キャンプ場4:335:11祖父庭園〜(15)5:49祖父岳〜6:24岩苔乗越〜6:36ワリモ北分岐6:487:07ワリモ岳〜7:37鷲羽岳8:008:50三俣山荘9:059:42三俣峠〜9:55三俣蓮華岳10:1310:55中道稜線分岐11:0511:30双六岳11:4512:11巻道分岐〜12:25双六小屋13
【記録】
34半で準備。今日は8pでそれなりにあり、午後は発雷確率が高いのであまりのんびりできない。祖父岳登りはトップが速く(速すぎ)、M下が辛そうなので少し早めにたるみ。過呼吸気味なので荷物を抜いて再出発。ここまでM田がセカンドに出てたのは何か違うので後ろに下がってもらい、M下をセカンドにつけて等倍でゆっくり進む。2900mあたりにガスがかかっていて、鷲羽は隠れてしまっている。水晶で一敗しているのでここは晴れを引きたい。50分で1たるみを入れることを徹底していると、M田に「僕とたるみの入れ方が似てますね」と言われる。歩行ペースは全然似てないけどね。K妻とM下が昨日行けてないので、今日もう一度水晶ピストン案も一時浮上したが、流石に午後雷雨に遭いそうなのでボツ。ワリモ北分岐を南に進む。
ワリモ岳のロープは山頂通過後にあって、エアリアの記載はちょっと間違いかも。某HGみたいなトレラン集団とすれ違い、鷲羽山頂を目指す。

鷲羽岳へ

いつの間にか山頂のガスは取れ、気持ち良い鷲羽コールがかかる。コールをするとマダム集団が「若いっていいわねえ」みたいな視線を向けてくるので個人的には嫌だが、隊の士気的にはぜひやってほしいところだ。鷲羽山頂は晴れで、裏銀座を見通す絶景。鷲羽池の先に見える槍は、穂先だけガス。O高さんとN谷の推しメンタオル写真を撮っても今度はガスらなかったが、思えば双六小屋に着いたらガスっていたな。ガス発動能力は遅効性なのかもしれない。

鷲羽岳山頂にて
三俣へ下る

鷲羽の下りは急だが、ゆっくり下りているので誰もコケない。素晴らしい。伊藤新道の吊り橋損傷の看板を見て肩を落としている登山客を横目に見つつ、三俣山荘着。小屋の水場は出ないらしく、テント場で汲んでほしいとのこと。みんな今日はあまり飲んでないので汲まずに進む。登りだすとカンカン照りで暑い。三俣峠までは微妙な登りが続く。O高さんは前の方に行ってM下の様子を見てくれている。山頂が近くなると相変わらず三俣蓮華コール。文字数多いよ。山頂ではドローンを飛ばしている家族連れがいて普通に迷惑。コールが嫌だから双六は巻こうか、と冗談で言うと、N村が絶対登りたいという。大丈夫、登ります。再出発して稜線上を行く。昔のFBにも書いてあったが、稜線ルートから見る巻道は「高速道路のよう」。しかし意外とアップダウンがあるコースらしい。綺麗なカール地形を見つつ双六手前でピークハント。K原がM田との一騎打ちを制して1着。年長者景色を楽しみたい人はゆっくり登る。地図に書かれた「強風注意」の文字とは対照的に、無風状態の中汗ダラダラ。一昨年の暴風雨が嘘のように、一面緑のカール地形が広がっている。こんなに綺麗な場所だったとは知らなかった。山頂ではN村が双六Tシャツ(小屋には売ってなかった)と共に記念撮影。

双六の滑走路

双六の通称「滑走路」は槍が見えてなくて残念だが、開放的な道で心地よい。小屋へは長い激下りの印象があったがサクッと到着。テント場にはすでに中央大ワンゲルが張っていて、我々はちょっと離れた区画を使う。小屋のカレーとかケーキとかの誘惑を振り切ってサイト。中央大は立ち入り禁止の双六池で遊んでいる。だめだこりゃ。M下が小耳に挟んだ話では、中央大の方で我々が本当に東大かの疑念がもたれていたらしい。関係ないけど大缶潰しとかいう野蛮な行為をやってたな、我々。
発雷確率…

ヤマテンの予報を見ると明日が意外と悪化していて、午後から雨、発雷確率80%とかいう終わっている天気。これは日の出前確定だが、この天気で槍ヶ岳山荘にテントで泊まりたくはない。ということで13!?)で出発し、明日中にババ平(12p)、余裕があれば横尾(14p)まで下ってしまうことにした。この合宿は突然の長時間行動が多かったが、ここまで来てもそれは変わらない。K原なんかは「もう面白い」とか言っている。宴会のために色々準備してくださった大高さんには申し訳ないが、宴会なしで速やかに就寝。
 
 
 
 
 
 
 

8/19(月) 14日目


15.1km / 11.6p [山と高原地図13.5p]
13双六小屋3:103:41樅沢岳〜(10)4:29硫黄乗越〜(15)5:28左俣乗越〜6:44千丈乗越〜(8)7:46槍ヶ岳山荘7:538:15槍ヶ岳8:439:00槍ヶ岳山荘9:309:53殺生ヒュッテ分岐()10:22ヒュッテ大槍分岐10:3210:38槍沢グリーンバンド〜11:05氷河公園分岐11:1511:53大曲12:0312:30ババ平〜12:55槍沢ロッジ13:0513:35二ノ俣〜13:52一ノ俣14:0214:40横尾山荘14
【特記事項】
・西鎌尾根は強風時は通行を避けるのが賢明。ただの雨天なら問題なく通行可。
・槍の穂先は上り下りでルートが別。
【記録】
1:30起床。朝サイトは蕎麦で、案の定うどんの再来という結果になった。7天は蕎麦湯の処理に難儀したらしい。粘性が高くて美味しくない。捨てればいいのに。トイレなどに時間がかかったので3:10出発。お忘れかもしれないので一応書いておくと、日の出は5時台です。九十九折り急登の樅沢岳はなぜかスイスイと登っていき、だいぶ巻いて進む。
未明の西鎌尾根

山頂標が2箇所にあって、あとに出てくる方が山頂に立っているっぽい。M田はボナ湯でお腹を壊したらしい。かわいそうに。硫黄乗越あたりで明るくなってくるが、東の空に大きい積乱雲があってピカピカ光っている。真下の住民は最悪の寝覚めだろうな。左俣岳近くのたるみは断崖上でちょっと怖かった。左俣乗越まで来てもまだ読みの0.8倍くらいで来ていて、この隊のスローペースぶりを考えればこれは異常である。実質最終日でみんな全てのエネルギーを解放しようとしているのだろうか。あるいは西鎌尾根のエアリアが長めに読まれているのか。一口に西鎌尾根といっても実際には序盤はあまり、というか全く、険しくない。日の出前行動は余裕でできる。2600mあたりから岩っぽくなる。2600m2700mの間に鎖のかかった岩場が2ヶ所あるがどちらも難しくない。ただ両側が切れ落ちているので強風時は注意が必要そうだ。

左俣岳付近

千丈乗越(千丈沢乗越)からはいよいよ西鎌尾根の本格的な登りになり、ガレ・ザレの道。しかしただの急登で、手を使って登っていく感じではない。槍ヶ岳山荘はずっと見えているがなかなか着かない…。この絶望感はやばい。K妻は「ヤッホー」を試していたが2回とも普通に人力で返ってきてかわいそう。

ラストスパート

途中短くたるんで一気に登りきる作戦に出る。3000mが近くなってくると、ここは鷲羽の標高、ここは白馬、ここは水晶…、などとこれまで踏んできたピークを思い出しながら最後のつづら折を詰める。みんな辛そうで無口だが、ついに山荘に着くと笑顔が戻る。ガス予報のはずが、晴れのまま来てしまった。百名山は水晶以外全部晴れで、三百名山以上13座のうちガスったのは唐松・水晶の2座のみ。雨ピークなし。素晴らしい。
ガスる前に山頂に行きたいので、すぐにヘルメットとグローブの準備。トップは「K原が浮ついている(?)」らしいのでM田。山頂に一番乗りしたいんだよね。穂先は登り下りが分かれていて快適。ただのハシゴ登りで、特に難しくもない。小槍を登攀しているパーティーを見て岩メンツは羨望の眼差し。梯子登りの連続はそれなりに高度感がある。

穂先の梯子

最後に長い梯子を登り切ると槍ヶ岳山頂!ついにこの合宿のラストピークにして長年憧れ続けてきた頂に立つことができて感無量。周りはひたすら山で、登った山もいつか登りたい山も、全てを視界に収めることができる。北を見やると、はるか遠く、霞んでしまいそうなほど遠くに、東に傾いだ尖峰が見える。この合宿の出発点であるピークを遠望して、自分の中で達成感というよりは驚きがまさった。2週間前、我々は確かにあの山頂に立っていた。ここまで歩き通したこの隊の強さが信じられなかった。白馬まで連なるピークは全て見えている。その全てのピークにそれぞれの思い出があったが、その思い出に浸る時間はなかった。ただ見えている景色と踏んだ山の名前を頭の中で一致させていくだけで精一杯で、ここまでの道のりの遠さを改めて実感した。

山頂到着!

集合写真を撮り、名残惜しいが山頂を後にする。ここまで巻いてきて時間には余裕があるので、槍ヶ岳山荘で各自買い物をする。たっぷり30分滞在した後、北アルプスの主稜線に別れを告げる。槍沢カール内につけられた道はひたすら景色がよいが、激下りになるので膝には優しくしなければいけない。膝が怪しい、あるいは怪しくなりそうなN谷やF谷をトップにして等倍〜1.1倍くらいでゆっくり下っていく。

槍沢カールを下っていく

グリーンバンドはモレーン地形で、すなわちここを過ぎると傾斜が急になる。一旦槍の穂先も見納め。トップのN谷は「×曲れ」と書かれた岩を見て大曲と報告するミス。流石にトラップすぎる。
正しい大曲でたるみ、時間に余裕があるので今日中に横尾まで行く旨を伝達。明日4p、魅力的だよね。出発時にチラッと見たが、ここから東鎌に上がる道、ボロボロじゃね?樹林帯のゆる下りを辿っていくとババ平。ババ平は意外と狭く、土曜日などは河原に張ることになるかもしれない。槍沢ロッジではもうみんなヘトヘト。O高さん、M田、F谷あたりは最後までザックが重い。トップは志願制にしてみる。N村が志願したので任せる。ここを過ぎれば傾斜は林道同然だが、路面には凹凸がかなりあって、その点ではやはりまだ登山道。途中、先月の豪雨で流されたと思しき箇所が複数あったが、しっかりと迂回路が設けられていてさすが槍沢ルートという感じ。一ノ俣のたるみで、K原がN村のペースが早すぎるのではと指摘したが(Lも思っていた)、実は読み通り。みんな疲れているのである。みんな気づかず素通りしていたが、槍見河原は槍の穂先が見える最後のポイントで、Lはしっかりと目に焼き付けてから進む。

槍見河原。見納め

相変わらず林道のようなほぼ平坦な道を歩いて、まだかまだかといいながら進むと、ヤマレコを見たM田がニヤニヤしている。何かと思うとすぐに横尾山荘の建物の前に出た。自販機がありもはや下界。とりあえず全員テント場にぶっ倒れる。これぞ合宿。水場は蛇口だしトイレは超綺麗だし、下界要素が強すぎる。最後のテント割は、全員が希望のテントをグループLINEに一斉送信して決める。12天に4人とかいう波乱の展開を期待していたが、122人、454人、75人という平和な割り振りになってあまり面白くない。最後の夕サイトはカレーで締め。うまうま。カレー茶飯は相変わらず飲めたものではない。河原に遊びにいったり橋を見に行ったりしてのんびり過ごす。最後に全ての差し入れを放出する大宴会を開いて、合宿最後の夜は終わり。

横尾の橋
 
 

8/20(火) 15日目

11.3km / 3.0p [山と高原地図4.2p]
14横尾山荘5:426:18新村橋~6:29徳沢6:397:25明神7:358:34上高地(河童橋)
【特記事項】
・横尾〜上高地間はさすがに林道扱いにしても問題ないと思われる。
【記録】
風呂の時間があるので45半。最後のサイトは餅クッパで美味しい。1分間スピーチが溜まっているので残り全員分やって出発。T谷は暴力をやめた話(!?)、F谷は日本とドイツの戦闘機の話、M下は「にんにくさん」の話、O高さんは最愛の妹の話。Lはこの合宿の振り返りを話す。横尾から上高地までの道はTWVでは登山道としているが、今後は普通に林道判定で良いのでは?道が歩きやすいので読みをかなり巻いて進む。横尾、徳沢、明神と徐々に下界度が増していく。明神には夏合宿中の明学のワンゲルがいて、このあと蝶ヶ岳に行くらしい。なおTWVと同じ日に飯豊に行っていたらしい。なんか縁があるのかもしれない。明神から河童橋の間の梓川左岸歩道が土砂崩れにより通行止めらしいので、距離は伸びるが橋を渡って右岸歩道で上高地を目指すことにする。

岳沢湿原。あと少し

最後のピッチで隊列がバラバラになってしまうと締まりが良くないので、後ろを見ながらゆっくり歩いてもらうことにする。右岸歩道は左岸歩道より明らかに景色がよく、小川を何度も渡りながら木漏れ日の中を歩く美しい道。だいぶ観光客が多くてすれ違いが面倒。雨予報のはずが最後までしっかり晴れで、全員揃って河童橋到着!右岸からきたので橋を渡ってゴールになるが、合宿の終わりにはふさわしい演出だろう。明学ワンゲルに集合写真を撮ってもらい、長い長い合宿は終わり。出発時にはあんなにも遠く思えた上高地だが、今こうしてそこに立っていることを思うと、この隊は本当に強かった!こんなにしょぼいLだったけれど、ここまでついてきてくれたみんなに感謝です。達成感を味わいつつ、バスターミナルの裏で天突き(のようなもの)。2週間前のLポリは「出汁の匂い」がしていたがこれすらも趣を感じる。

河童橋到着。お疲れ様でした!

温泉は「上高地アルペンホテル」で入る。ほぼ貸切状態で嬉しい。K西がバスを予約してくれたので、発車時刻までに反省会をしたり荷物を送ったりする。新島々駅の乗り換えシステムがよくわからず戸惑ったが、無事焼肉会場に到着して打ち上げ後解散。意外と疲れていなかったので2次会組も誕生。一昨年使ったネカフェで一夜を明かし、翌日K西の案内で松本観光をして帰宅。





総評

長いようで気付けばあっという間の縦走だった。雨天だと通行できない箇所が多いルートではあったが、幸運にも晴天に恵まれ大きな支障なく(ほぼ)完遂することができた。1年会を始め各メンバーの体力が十分だったことも完遂の主な要因だろう。北アルプスの広大さと峻険さを同時に味わうことのできる魅力あふれるルートだったと思う。今後もこの経験を活かし、実りある夏合宿が行われることを期待したい。

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