2019年12月28日土曜日

雪訓乗鞍岳

頂は遠く

記 黒瀬

積雪と、胸踊るピークを求めて


メンバー OB1年会: 久保 中津 西山
3年会: 浦中sEsH 黒瀬L
2年会: 下平FsW
1年会: 中尾 中村H 西田E 原W 三田




1220() 晴れ
東京=(車)=休暇村乗鞍高原0

出発当日に須藤から、体調不良による欠席連絡を受ける。残念。その結果持って行くテントを変えたり色々ゴタゴタとしたが、EF共装ともにうまく再分配してもらった。

出発は授業やバイトの都合で2隊に分けた。一年会を多く載せた先発組は、久保さんの快走のおかげもあり11時すぎには現地について寝ていたようだ。

一方の後発組は、初冬の時に引き続き、またも松本ICで降り過ごす。まるで成長していない…。結局到着したのは1時前。さっさと寝る準備を整え、25時就寝。星空が綺麗な夜だった。


1221() 快晴
0休暇村乗鞍高原7:017:37レストハウス〜(たるみ10)8:15ゲレンデトップ〜(靴擦れ処置14分、たるみ10)10:02冷泉山荘10:1210:37位ヶ原山荘〜(たるみ30)12:02 2460mBC1

テルモスを作るために5時半に起きる。車の外は初冬の時よりずっと寒い。夜中、外に置いていたザックには霜がおりている。

ハイエースの向こうから、ヘッデンの光が漏れ出ている。もう誰か起きているのかと、近づくと、西田がいた。他の一年会ももう起きてるみたいだ。Lは早起きをしたつもりだったので、少しびっくりする。

対して寝坊助なOB一年会を起こし、お湯を沸かし始める。テルモスついでに作った、ぬるい味噌汁で、朝食を腹に流し込んだ。

デポを済ませて装備を整える。ビーコンチェックは中尾に、体操は中村にやってもらった。トイレとかの関係で、出発は日の出から少し遅れて7時になった。トップは下平。




最初はスキー場の斜面を登って行く。予想以上に雪が積もっているなと思っていたら、途中で全て消え、草付きの斜面があらわれた。どうやらさっきまでのは人工雪であったようだ。残念。


最初の斜面

雪が消える

下部に雪はないものの、行き先の遥かむこう、白く雪を纏う乗鞍岳が見える。




三本滝レストハウス

空は快晴、ペースは快調で、ゲレンデトップまで一気に登る。ここから切り開きのツアーコースを通ってBCに向かうはずだが…、あれ、ツアーコースにも雪ないじゃん。


奥の急登がツアーコース

濃いめの笹薮が生い茂っている。初めは藪漕ぎしてでも通過できないか…と思ったが、OBの方々に「流石に無理がある」と諭され、諦めた。しょうがないので、乗鞍スカイラインの車道をたどって、北からぐるっと大回りするコースで位ヶ原に向かうことを決意する。

車道に戻ったところで中尾の靴擦れ処置をしてから歩き出す。車道は所々凍結しているところがあるものの、うっすらと雪が積もっており、歩きやすい。車道をショートカットする道も、木道の上は氷で滑りそうな場所はあったが、それ以外はただの登山道と変わらない。



乗鞍岳が近づいてきた

今年の一年が体力的に強いこともあって、距離的には随分な遠回りだったが、元のルートと変わらないタイムで標高を上げることができた。


冬季営業中、位ヶ原山荘

位ヶ原山荘の先は夏道を利用して、直接位ヶ原に向かう。ここはトレースもわかりづらく、赤布もほとんどないため、夏道をしっかり辿るというのは難しい。途中、キジうちで時間を食ったため、雪訓をする時間も考慮して2460m台地をBCにした。

時間が惜しいので整地やテント設営はOBに任せて雪訓に向かう。雪訓には、近くの沢筋の斜面を利用した。斜度などは物足りなかったが、寡雪が叫ばれる本年度でも積雪量が1m以上あったので、CTやビーコン訓練ができて良かった。雪訓の細かなところについては後述。

雪訓風景①
雪訓風景②
雪訓風景③

結局、日の入りのギリギリまで雪訓を行い、テントに帰ったらすぐにサイトを始めた。夕食はトマトカレー、普通の美味しさ。お腹いっぱいだ。

サイト後の水作りは方針の違いでジジ天に大きく差をつけられてしまった。確かに、これからは時間重視で行った方がいいかも、場合にはよるだろうが。

明日の準備を全て済ましたあとは、お待ちかねの宴会。出てきたのは各種ウインナー、麻婆春雨、水餃子、コーンスープ、カルパス、チータラ、ケーキ3種、シャンメリー。皆、こぞってたくさんの差し入れを持ってきており、ここ最近では一番の豪華さになったと思う。中村がOBのノリについていけていてすごい。たくさん食べて笑って、いい気分のまま就寝。



1222() 晴れのち曇り
1 2460mBC 6:45(ワカン着8)7:46肩の小屋口7:568:24肩の小屋8:389:40剣ヶ峰10:0710:47肩の小屋〜11:03肩の小屋口11:1511:41 2460mBC 11:5812:14位ヶ原山荘〜12:34冷泉山荘〜(たるみ10)13:41レストハウス〜14:23乗鞍岳登山道入口

5時起床。朝食はカルボナーラ。原は発熱(37.2)と頭痛、中村も軽い頭痛があるらしい。テントの酸欠によるものらしいが?特に原は朝食を食べきるのも辛そう。

まだ慣れていないのか、一年会の撤収はギリギリ。ビーコンチェックは原、体操は三田にやってもらった。天気は、雲があるもののほぼほぼ晴れ。中村・原の体調も良くなったというので、全員で乗鞍岳に向かうことに決める。

sub装で出発。今日もトップは下平。南へ進み、位ヶ原に出たところで、灌木の上に積もった雪に足を取られるようになる。このまま進んでも良かったのだが、せっかくなのでワカンをつけることに。

中尾のワカンは紐を短く切りすぎて使えないので、中尾にはLのワカンを渡す。Lはツボ足でついて行くことにした。ワカンをつけるのは、みんなまだまだ遅い。OBが早めに装着し終えてはしゃぎ回っていた。


北アルプスの朝焼け

装着格差

車道に合流してからは、そのまま車道をたどって肩の小屋口へと向かう。


近づいてきた乗鞍岳

肩の小屋口でたるみにして、中尾のワカンを試しにLが着けてみる。と、なんとかギリギリ装着できた。使えるじゃん、良かった〜。

出発!


肩の小屋までの道は思っていたより吹き溜まりっぽくはなく、雪も締まっていた。登りもゆるい。肩の小屋に着くと、空は全体的に高曇りになり、風も少しだけ強くなった。ここで全員アイピケに切り替えさせる。結局、体調は全員大丈夫らしい。


行きは雪の状態がわからないためトラバースはしないで、まずは朝日岳に向かう。一年会の歩行の監視のためにOBには隊の間に入ってもらった。途中、原のアイゼンが外れたので付け直してもらう。今回は、木〜金曜日にかけて降ったと思われる雪が積もっていたので歩きやすく、あまりクラストしていないので問題なかったが、次回からは気をつけよう。



朝日岳山頂に着くと、前方への視界が一気に開けた。太陽も雲間から顔を覗かせ、剣ヶ峰は陽光を受けてキラキラと輝いている。美しい。


朝日岳から、剣ヶ峰

さすがに稜線上なだけあってさらに風は強くなったが、それでも冬山にしては弱い方である。途中写真をたくさん撮りながら歩いていき、あっという間に剣ヶ峰についた。

雪訓なのに3000m峰に登ってしまった…。あっけない。風が弱いのは嬉しい誤算だった。

風除けのために頂上の社殿の裏に回り、テルモスを回し飲みしながら美しい景色と登頂の喜びを噛みしめる。さすが独立峰、北ア・南ア・八ヶ岳・白山と、全方位の山が見渡せた。集合写真を2箇所で撮り、下山する。




下山時は、斜面の凍結がなさそうだったので夏道通りのトラバース道で行く。最初はいいのだが、途中は、確かに、これは悪天時やクラスト時には通りたくない斜度である。足がしっかり入るかアイゼンの爪が十分に刺さらないことには行かない方がいいだろう。


これは最初の方

アイピケそのまま、肩の小屋を通過して肩の小屋口まで降りる。その後そこでワカンに履き替え、BCまで戻った。BCで本ザックを作り直し、トイレを潰してから、今度は下山に入る。7天本体を持つ西田はパッキングが大変そうだ。


名残惜しい

下山は、昨日通ってきたコースを引き返すだけということもあって、かなり良いペースで進んだ。

危険と思われる箇所は一箇所だけ。2300m付近の、車道から登山道に降りるところが、階段に雪が微妙に積もっているような場所で、登りでは問題がなかったのだが、下りでは滑り落ちる危険性が上がっていた。ここでは、少しだけ車道を進んだ、斜度の緩い吹き溜まりから少しだけ藪を漕いで、登山道に合流するようにして通過した。

途中下平が、持ってきたソリを使って、車道を犬ぞりのように荷物を引っ張って進んでいた。結局、そっちの方が疲れやすく、早々にザックを背負い直していたが、そういうふうに遊べる余裕があるのは良いことだと思った

そんなこんなでレストハウスまで戻ってきた。ここでスキー場は二方向に分岐する。

看板に、休暇村は右のゲレンデと書いてあるのに下平は左へ進む。他の人間も気づいていないのか、何も考えずについていった。唯一、中村はこれで良いのかみたいな感じでLの方をチラチラ見てきている。Lと浦中は、トップか周りの一年が自発的に気づき指摘するまで放っておこうと合意して、その場では注意しなかった。


問題のコース分岐

結局、トップはなかなか気づかなかったので、次のコース分岐で隊を止め、復帰するルートを探すように指示する。しかし、時すでに遅く、休暇村への道は完全に分かたれた状態だったため、そのままMt.乗鞍スノーリゾートのリフトに沿ったゲレンデを下りて、本来の下山口の北にある、乗鞍岳登山道入口に下山した。

この後は、久保さんと浦中に、休暇村乗鞍高原まで空身で車を取りに行ってもらい、道中の竜島温泉「せせらぎの湯」で風呂に入る。駐車場が満車で驚いた。

車の返却に間に合うかビミョーだったため、本郷に戻って車を返してから、やよい軒で打ち上げして解散。お疲れ様でした!


雪訓について
ワカン着脱:5-6回行った。中尾は間違ったワカンのつけ方で紐を切って調節したため、正しい付け方だと紐が足りなくなっていた。他の人も、着脱が思ってたより遅かった。三田はコンスタントに2分半で装着できていて良かった。

アイゼン着脱:5-6回行った。これも、みんな遅い。1分半を切れるように頑張ろう。ワカンもそうだが、家で着脱の練習をしよう。

アイピケ歩行:ダイヤモンド歩行を30分ほど。歩行は基本的に問題なし。耐風姿勢をとるまでが遅い。

SAB:下平にだけ行ってもらった。ちゃんと覚えていたようだ。

滑落停止:初めての中尾と原は、アイゼンを地面から浮かせるのが甘かったが、最後の方はみんな様になっていた。あくまでもこれは訓練なので、これを実際に行えるかどうか、後は各人の心構え次第だろう。

CT・積雪断面観察:一回のデモンストレーションののち、二つのグループに分けて一回、実際に作ってもらった。手順をしっかり反芻して、今度はもっと素早く作れるようにしておこう。

ビーコン訓練:時間がなかったので1グループ1回しかできなかった。十字法の結果がみんなコロコロ変わっており、また、氷とベニヤのゾンデの感触もまだ見分けられないようで、ビーコンを探すのにとても苦労していた。これでもまだ積雪は1m。実際は2-3m下に埋まっているのもザラなので、もっと精進しましょう。プローブも、もっとスパイラルプロービングを意識して。ベルトコンベア法も、もっと速く掘れるはず。

総評
 
乗鞍岳に登頂できて嬉しい!山頂はとても美しかったし、達成感もこの上ない。雪訓ついでに3000m峰に登れるのだから素晴らしい企画だ(自画自賛)。

しかし、これは実際のところその年の一年会の体力次第だと思う。今回の登頂も、隊の中で登りで誰もバテなかったというのが大きな理由だろう。

雪が遅い今年でも積雪が1m以上あり、また、ツボ足、ワカン、アイピケ歩行、直登、斜登下高、トラバースと様々な歩行を実践できるので、雪訓として来る価値は十分にあると言える。



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