2018年6月19日火曜日

藪トレ!佐武流苗場!!

復古の藪、佐武流。

 かの地は古来から最も登頂の難しい200名山と呼ばれている(とかいないとか)。四半世紀ほど前に登山道がようやく開通したが、その前からもTWVはこの山に馴染み。登山道が出来てからも変わらず馴染み。
そして、登山道が朽ち果てた今もなお、藪トレとして同地に登るのである。
 近年の、いわゆる登山道が荒廃した後、かの山は幾たびかのTWVの猛攻を退け敗退へと引導を渡してきた(とかきてないとか)。
果たしてこたびの'18年、遂にいきり立ったガチり気味のTWV、総勢19人を佐武流with苗場は撃退できるだろうか?

(※出来ました)

記:3年会 今本



白砂にて。みんな笑顔で気持ちいい!
後なんか佐久間くんやたら大きくない?


いきり立ったガチり気味の参加者
3 CL勝木 sL今本 曽根田 sW佐久間 sCL幕内 武本
2 H浦中 W橋口 F仲渡 嶋中 黒瀬 E武井
1 藤吉 今田 江崎 下平 宮島 柳沼 山際           計19人 



6/15()アプローチ小雨
東京=(電車)=長野草津原駅=(タクシー)=野反湖▲0

はじめに 寒りゅう、萎えば。企画が確定するにつれ、そうしたナメた発言が散見された(主に曽根田と黒瀬)。同地の気候、二日目最大17p、最大一人平均5,6発という想定を受けての物である。元々白毛門の予定だったが、大方完成した段階で慶応ワンゲルが同日同ルートを企画していると知った土壇場での変更だった。佐武流は資料が少なく、水場確保に苦労した。その為、水汲みトレやロープワーク訓練と合わせ、下界訓練をした上での水場探しを早々に決定した。ロープワークは去年の藪合宿白山を参考にした。ここは未開にして道が少なくER確保やアプローチに難がある。時間に余裕を持った完遂のため様々な工夫をした。
工夫3 アプローチは3隊に分けた。恐らくこの微妙な人数と制限にしては最も安く、睡眠時間が長い計画に仕上がったと思う。詳細はドライブで。ざっと書けば、隊は電車とジャンタクで早めに到着。隊は電車、エキカン、翌日レンタカーで到着。隊は夜遅く駒場からレンタカー。レンタカー運転手は久保さん。
藪中、二段階の補佐体制と間仕切りを考えた。養成を早め、即戦力を成して一人当たりの負担を減らす為である。sL以上をマンツーマンで補佐につけ、一段階目ではピッチ前半で補佐が前に出て完璧な手本を見せ、見聞きしたものや判断をリアルタイムで伝え、藪における理想や持てるだけのノウハウを全て叩き込む。ピッチ後半では補佐される側が前に出て、補佐は後ろから出来る限り多くの注意、指導をして、随時軌道修正を行う。交代は基本半ピッチ毎の号令で。補佐の判断で先に交代しても構わない。二段階目では補佐は極力干渉せず自由にやらせ、休みやたるみで修正点を伝える。また、本隊の長さに対応するため、間仕切りとして一年会3人程度ごとに上級生を入れ、積極的に技術の継承を行い、コミュニケーションを密に取らせる。前が空いた際や、変な道を誘導が通した時の対応も任せ、一年会の負担を減らして養成を早める。
水は徹底した傾斜分配を進めた。尋常の配分では体力の無い人のみが辛く、余裕がある人はトレにならない。そして律速がすぐバテる為遅い。この非効率を解消するため、今回は事前に各人の希望を聞いた上で、sLの判断で1発~6発で最初から水を配分した。割り振りは原則非公開。学年会に囚われず(多少は考慮)体力で判断した(一年会の最高は5)。バテてからの荷物輸送は手遅れの極みである。理想は全員が同程度に疲れ、各人の課題を熟したトレになっている状態。もちろん全員に荷物を軽量化するよう告知を繰り返した。宴会食の持ち込みも原則無し。体積は多発者に積極的にプラチパを回すなどで対処する。
当日 隊総勢8人で長野原草津口駅に20:45集合、ジャンタクで野反湖キャンプへ向かう。道中小雨が続き酷く濃霧が漂っている。明日のRFは辛くなるだろう。タクシーには下車地をキャンプ登山口前駐車場、と伝えたがキャンプ場奥の駐車場で降ろされた。5分程歩いて戻る。料金は14,000円弱。雨が強い。一応、3隊とも自隊の人数分入るテントセットが、隊内で完結するようEは割り振ってある。駐車場に着きテントを張ろうとすると、黒瀬が目の前のトイレ内で寝られると言う。そこは休憩所も兼ねているようで、詰めれば軽く2,30人は入りそう。そこで寝る。隊エキカン組は恐らく駅前の川原で雨中テントを張っているだろうと考え、若干可哀想な気がした。実際はバス停横の屋根下で快適に寝たそうだ。到着時刻の24:30になっても隊が着かない。ラインで道を誘導する。ここは電波状態が悪く苦労した。どの会社も3G弱で、GPSすら湖のど真ん中を現在地と言い張る始末。隊が着いたのは1時過ぎ。どうやらタクシー同様奥まで行って迷っていたらしい。1.国道405号線の終点、2.道真ん中に立ち塞がる看板前、3.橋は渡らない、の3つが同地の目印か。隊が到着したのに嶋中以外入ってこない。まさか外で寝る気なのかと様子を見に出てみると、ザックやシュラフを入れたケースが開かないらしく、幕内と久保さんが雨空の下奮闘していた。とりあえず関係の無い1年会を寝かせる。sLも加わって試行錯誤する。午前2時頃ようやく開いた。危うくザックが取り出せない幕内と柳沼(&シュラフのない仲渡と武井)が不参加になる所だった。その後、悪質なバス会社を思わせる25分の仮眠で、半徹夜の久保さんは隊を迎えに出発した。ごめんなさい。雨は止んでいた。

6/16() …曇り
4:45野反湖(0) - 5:05ハンノ木沢渡渉点 - 5:35地蔵峠5:47 - 7:00水場分岐7:46 - (水漏れ処置7) - 8:31堂岩山 -8:45たるみ9:00 - 10:25白砂山10:58  - 12:08たるみ12:27 - 13:50 1927コル▲1

出立 4:20体操開始と伝えていたが、その時刻になってもまだ半数がパッキングを済ませていない。さらにその多くが3年会。はぁ。4:25隊が到着し、体操する。隊のお寝坊メンツは朝食を取ってなさそうなので、5分ほど食事タイムを作った。その間に入山連絡する。4:30でも高橋さんは起きてくれていた。電波が弱いため送受信のやたら遅いラインで伝えた。曇天だが雨はない。台風のため前線が南下したらしく、白砂付近は先日から寒気に包まれ酷く寒い。今日は読み等倍(エアリア0.8)で楽にサイト地の赤樋山に着ける筈。計画では、基本読み等倍の体力温存体制で、白砂への急登では登り体力を使い果たし、下りメインの藪区間は熟練のsLが補佐につきイモり少なめって感じである。白砂前の急登まででバテて欲しくないので、トップをする2年会には読み1.0~1.1倍を目指し、決して、難所で後ろと間を開けて無駄に1年会等を消耗させないよう頼んだ。隊列が長いので1年会の間に適当に上級生を挟む。
1p目トップの浦中は忠実に先ほどの言を守ってくれている様子。道は基本泥でズルズル。ただ流石キャンプ地で、道は広く刈払いされ景観は良い。気にしていた2個目の渡渉前のトラバース道は見た目以上に歩きやすい。大雨の時は確保無しで通したくないけど。初めの区間は読み2倍。少し焦るが、次の区間で等倍になったのでこのまま様子を見る。浦中が地蔵分岐と報告してきたのでたるみ。水場までは上級生の数人が1発持っているだけの筈なのに、下平が水を全発汲んで来たそう。水に関しては前もってラインで伝えてはいたが、もっとしつこく告知すべきだったか。すぐに捨てさせた。水の消費量は0.3を下回っている。余裕分を除いてもこの先水を減らせるかもと希望が湧く。次のピッチは等倍で5分ほどロングピッチを切り水場で長たるみする予定。歩き始めるとすぐに本当の地蔵峠(だろう)分岐の看板がある。さっきの報告はなんだったのか。この分岐は1608かもとジジイで話が出たが、地蔵峠で間違いないようだ。どうやら予備地図のピンがエアリアにない道の交点を指していたらしい。反省。水分岐までは読み1.4倍。長い。しかしこれでも間を空けない限界の速さの様子。ここで急かしてバテさせては元も子も無い。3分ほど弛んでから水を汲む。往復2,3分ほどで豪勢な水場に出る。ジャバジャバ。水汲みは完全な分業制が取られ効率よく出来た。それでも発数が多いだけに時間がかかった。82発の水が広場に並ぶ。壮観の一言。下山後、上級生だけでも、もっと水を汲んで上がった方が時間を減らせたのではと勝木に指摘される。確かに。上級生の水割り振りはかなり重いため、バテたり思考力が無くなる不安はあるものの、水汲み後の上級生の余裕を思えばそちらの方が圧倒的に良さそう。反省。割り振り非公開の下、各人にあらかじめ伝達していた分の水を回収させたが一発余る。取り忘れを聞くも誰も心当たりないようだ。結局幕内が立候補してくれた。合わせて7発。恐ろしいジイちゃんである。聞けば財布すらも持ってこない程の徹底した軽量化に努めたそう。その精神、見習いたい。
再出発 水がグッと増えたものの、この後から読み1.3倍、1.2倍と推移していく。理想ではないがまあまあ、と言った所。まだ律速らしい律速を出していないのが幸い。藪メンツは全員水を重度に振ったが、後で皆に聞くに、またsL自身も思ったが案外重くない。速度が遅いため慣れる。出発してすぐ江崎のポリから水漏れがあるという。少し止まって補強し、次のたるみで全部飲んだ。地蔵山は余りにもわかりにくい。堂岩山(どういわやま)を過ぎ少し降りると限界上に出る。そこは言葉に尽くせない程幽玄な風景が広がっている。笹薮となだらかな山容が濃霧の中に孤立している。高度感は覚えないのに、すぐ下に落ち着いた緑の棚が見えるのに、味わったことの無いふわふわとした変な浮遊感がある。藪経験のない一般人でも自然に藪漕ぎしてしまう気持ちよさ。道を歩いていると時折、普洱茶色の池や雪渓が道脇に見える。そんな中、そろそろ弛むかという頃、前触れもなく勝木がコテン、と横に倒れた。聞けば肩や頭に異変があると言う。すぐに弛みをとり、勝木には空身で適地へ向かわせる。ザックは幕内が持ってきてくれた。少し長たるみを取り、体調を尋ねる。頭の方は一時的に混乱しただけのようだ。どうやら肩に脱臼まがいのピリッとした感覚が(一瞬)し、驚いて倒れたらしい。外から見ると少しだけ腫れているだろうか。弛みで大分回復したようなので、分離下山も視野に入れ進む。1発水を移す。先に水を出していた佐久間が持ってくれた。たまに霧の断片断片から白砂(前の偽ピーク)が威容を見せる。天頂のあたりは雲が途切れ途切れになり太陽が現れる。坂の上の雲のopに使われそうな光景だと幕内と言っていた。最後の登り直前で曽根田が1年会に地図読みを出してくれた。正解率が高くて何より。
白砂につき長弛みをとり、藪装をつける。視界はピークを囲うようなガスで一切無いが、これまでの道が気持ち良かったので許せる。足早に今回の藪体制について説明する。とにかくも、まずある程度の経験者を先に指導側に立たせられるまでに鍛えたくて、浦中を中継にした。今までの藪トレでは中継がただの伝言役になっていた。しかし、中継は機動力こそ要さないものの、的確な判断能力、藪技術が必要であり強い司令塔でなければならない(と思う)。広範な藪経験を付けさせられるメリットもある。曽根田ならその辺を確実に伝えてくれると思い補佐につけた。仲渡は金巻である程度慣れてはいたが、行く行く人を牽引できるまで強くなって欲しかった。以上の理由から浦中、嶋中を第二段階から開始、仲渡、武井、橋口を第一段階から開始する。間仕切りとなる上級生も予定通り入れる。一年会が前3人、後ろ4人になるよう挟む。
薮入り 白砂から立ち入り禁止の看板を超え、藪入り、出来ない。トレラン用にほぼ整備された道が続く。しばらく進み上信越国境点から今度こそ藪入り。すぐに斜面を降る。植生は腰~背丈ほどの笹が濃く、潅木も少なくない。藪トレスタンダードの濃さだろう。斜面は尾根がわかりづらい。最初の尾根の取り付きなどガスってればかなり難しそう。この時ガスが遠くまで退き、見通しがこれ以上なく良かった。おそらく今日イモることはないだろう。最初の二重稜線地帯に着くまでに気づいた。めちゃくちゃ遅い。隊が長いのを考えても流石に掛かり過ぎである。それはゆっくりと二重に赤布を結び、周囲の地形をメモに取り、その間に開いた距離が2,3秒で詰められる程。加えて変な道ばかり通る。平気で1m隣に薄い笹原があるのに潅木の群に突っ込んだり、尾根を落ちては、メリットのないトラバースをしたりする。本体誘導補佐は勝木。こんな事になるはずがない。一応声を掛け修正するよう言ったが治らない。何が起きてるのかと、後ろを藪sLでない武本に任せ、度々隊を離れ前に出てしまった。反省。それでも原因はわからなかった。誰かがバテそうでも、律速が起きてるわけでもなさそうなので、体力は問題で無いと判断して弛み回数を減らすためロングピッチを切ってしまった。これも反省。二重稜線の谷は時折落ち葉に水が溜まっただけに見える沼がある。深いので注意。二重稜線地帯もガスっていればRFは難しそうだ。谷の植生は笹ばかりで濃くはない。隊後ろの方の藤吉と宮島は元気そうで、コルの意味とか地形の読み方とかを積極的に上級生に聞いている。えらみがえらい。最初の曲がり角あたりで弛み。たるみ中、補佐全員にトップ等の様子を聞き、次の割り振りを考える。人ごとに補佐はローテーションするようにした。嶋中が道を外しがちだというので、微小なスケールでのRF力を磨いてもらうため本体誘導につけて第一段階にするなど、それぞれ必要な課題だと思う配置につけた。本体が遅いので、トップは層が薄くても何とかなるだろうと曽根田を第一段階の武井につけ、実質仲渡(withM)と合わせトップ2人体制にした事が後で混乱を産んだ。説明不足によるものだった。反省。この時点で藪の読み2倍弱と推定した。過去の記録はイモり有り、今回はその等倍で読んでいる。イモり無しでこのスピードか。無念。ぼんやり先行きが見えた。
2p ピョコについてからはずっと降り。前半は尾根が広く右の切れを確認して進む。後半は微妙に二重稜線っぽくなっているが、相変わらず右側がわかりやすい。佐久間が宮島相手に色々教えてくれている。ありがたい。メモをとる間佐久間にも赤布を打ってもらったりした。しかし遅い。流石に遅い。ただ今回は理由がはっきりしている。下りで前が見えるため、本体誘導が律速になっているのがわかる。もしかして道での体力温存傾向を引きずっているのかと思い、改めて早くするよう伝えた。でも遅い。基本二重稜線の谷を通しているため潅木が左右から生えてくる。尾根上が通りにくいのかと佐久間が上がる。普通に漕ぎやすいらしい。後で聞けばトップ中継も尾根上を行っていたそう。補佐の黒瀬は注意しているのだろうか?佐久間と二人で、黒瀬は藪を漕ぐ能力があるだけに変な道でも許可してしまっているのではないかと話していた。本体誘導に落ちているとは伝えたものの、あまり変化ない。たまに尾根に登ろうとしても自然に落ちてしまっている。途中江崎が藪メガネを落としたが1,2分で見つかった。メガネバンドはしておこう。当初請求するまでトップからの情報が殆ど来なかったが、注意して以降はちゃんと届けてくれるようになった。1p目からここまで、2,30分置きに必ず3張は入る天場がある。代わりに予想していた程踏み跡、赤布は無かった。厚い曇天のせいか普段よりも暮れが早く思える、昼も終わりになる頃1927コルについた。
テン場着 1927コルは少し起伏があるものの開拓すれば天場適地である。主にsLCL3年会でこれからの方針を話し合った。藪区間は読み2倍。ここから沖の西沢の頭に行くのも不安がある。加えて、ここから先は赤樋まで天場記録がない。地形的にはいくつか候補はありそうだが。航空写真を改めて見直そうとしたがsoftbank,docomoとも圏外。テン場をアテにはできない。読み2倍かつ今日あまり先に進めないとなれば、明日前進した場合ERでも脱出できない。水の減り、体力回復を考えても終電には間に合わないだろう。ここにて撤退を決断。今日か明日にsub装有志で少し先のピョコを偵察する案が出たが、メリットが薄そうなのと、沢偵察の時間を残したいため採用せず。明日のため少し手前の天場に行く案も出たが、偵察する沢にほど近いためここでサイトをする。邪魔な木を切り倒し、隣り合わないまでもそこそこの近さで笹の上にテントを張る。めちゃくちゃ傾いているのはご愛嬌。一年会よ、これが藪サイトだ。沢偵察は予定していた通り二年会は黒瀬、浦中、武井、仲渡。武井は藪入り後かなりきつそうだったが、偵察は来てくれるようだ。それでもテント設営中は棒立ちで死ぬ寸前の様相だった。申し訳ない。3年会は前もって沢を航空写真でしっかり下調べしてくれていた勝木と、記録をとるためのsLの二人が行く。その間にサイトを頼む。今回はジジ天でもサイトする。小雨が降って来た。ロープ、赤布、確保用具を持って出発。
沢偵察 沢は1927コルから東に伸びている。航空写真でもかなりコル近くまで迫っているらしい。勝木先頭で、sLは仲渡と二人赤布をベタ打ちしながら降りる。すぐに如何にも水がありそうな沢地形になる。落差はあって1,2m程。良い感じのスピードで200m強は降った。水が出ない。所々に雪渓が残り、ここ一週間気温も低く、前日から雨も降っている。これだけの好条件が揃っているのに水無とは。リミットを切り、引き返す直前、耳をすませば遠く水の音が聞こえる。ただ小雨の葉を打ちつける音にも、また伏流の音にも思える。この沢は使えないと判断して良い。いざ登り返そうとしたその地点が、間違い沢との分岐点だった。赤布は目に見える範囲にはない。やらかした。反省。黒瀬、仲渡、sLの三人は右から来たような気がしてそちらを登る。後から来た勝木は左に見覚えがある木を見つけ、浦中を登らせる。左側が正解だった。幸いほど近いため、浦中の声を頼りにすぐにトラバースする。その後登って16時前にコルに着いた。西沢も見る予定だったが、暗さ、寒さと疲労のため断念。飯も出来上がりつつあった。
サイト 夕飯は石狩鍋。曽根田からはナメタケの、幕内からは久保さんのイワシの甘露煮(ペースト?)の差し入れがあった。甘露煮は見た目と出し方が完全にアレだがとても美味い。仲渡は頼んでた通り生姜とニンニクチューブを持って来てくれた。満足。その後ジジ天で反省と方針会議をした。予め用意してたピッチ読み加算表と交通機関表が少し役に立った。参考までにどちらもドライブに上げてある。藪区間の遅さは結局1p目、2p目どちらも本隊にあることを皆認識していた。1p目の補佐をやった勝木は、始め下平が遅くなったのでセカンドにつけたが、それ以降はRF含め目立った問題は無いと言う。どうやら前と間が空いた際、一年会が微妙に前の人と違う場所を通り、それが積み重なった結果に加え、間仕切りの上級生が修正役として働いていなかったようだ。そのため、明日は養成が終わりかけの際、積極的にフリーにして、本隊に補佐だった上級生を密に入れる事にした。2p目はやはり黒瀬が同年会に注意しづらかったのだろうとして、明日は黒瀬を本隊に戻して嶋中には上級生をつけ、徹底して楽な道を通させるよう指導しようと決定した。他にも色々話していたが、その最中缶潰しをしようとした宮島が指先を深く切ってしまった。深さ1cmほど肉を抉ってしまったらしい。出血が酷くジジ天内で処置する。佐久間がこの辺に長けていて色々指示を出していた。何度か再出血があったが、次第におさまっていった。明日はしっかりテーピングをした上で軍手を二重にすれば藪は漕げるらしい。宮島は悪化した時のためにジジ天に入れ、代わりに曽根田が若天へ行く。水計算も終え、明日の準備をして寝る。予定通り宴会はしない。これまでの記録から明日は藪2倍、道1.2倍で計8.2pと推定。水は一人1発強。改訂版の読み通りでギリギリ12:19のバスに間に合わない。乗れれば下山後の温泉、打ち上げも見えてくる。次点で15:12なので、明日は急ぎ目で行く。夜間、両隣からめちゃくちゃイビキが聞こえてうるさかった。叩くとしばらくはおさまるので何度かどついてしまった。起きなかったようだけどごめんなさい。

6/17()…快晴
4:42 1927コル(1) - 5:39たるみ5:54 - 7:05たるみ7:19 - 7:54白砂山8:14 - 9:17堂岩山9:27 - 9:44水場分岐 - 10:18たるみ10:28 - 10:42地蔵分岐 - 10:58ハンノ木沢 - 11:13野反湖

1p 3時に起床。ジジ天でもサイト。ヘットが一つ壊れておりジジイ分の茶ハンは無い。その内カルボナーラの素が6人中2人分しかない事が発覚した。探しても無い。1,2年会の誰かが出してないのでは?若天にあるのでは?とジジ天内はイラつき始める。加えてコッヘルを抑える幕内以外、ジジ天内の動きは果てしなくトロい。そのうち宮島が再出血したり、sLがシュラフの袋を探したり、ニンニクチューブが破裂したり、銀マの下に足りない食材を求めたり、若天をせっついたりとテントは混乱の一途を極める。しばらくしてジジ天内からあっけなくカルボナーラが5人分見つかる。どころかパスタも2束ほど見つかる。さすがに酷い。若天に謝罪。後で聞けば、前夜のうちに食料を確保し、コッヘルに入りきらなかった分を隣に固めて置いていたが、それに気づかずコッヘル内ので全てだろうとサイトを始めた後、余りの食材の上に荷物が雪崩れたのが事の顛末らしい。猛省。宮島はベーコン塗れのカルボナーラに大苦戦していたがなんとか食べ切ったよう。空は澄み切り満点に星空が見える。快晴である。3:50には撤収を済ませ、水を捨てさせた。何故か上級生の大体はトレと称してそのまま隠し持ってたらしい。往路と違い帰りはしっかり尾根上を進む。間に挟まった武本や勝木が、一年会に指導したり本隊誘導を急かしたりしていた。左手の切れた先は雲海がどこまでも広がり、朝日に照らされ全面金色を放っている。夜半の雨が笹の葉先に降り溜まり、漕ぐたびに飛沫を上げて涼しげだ。藪としては最高級の環境である。金と緑と青空に支配された世界。そんな中、昨日より早いスピードで登りが続き、橋口がバテかけた。佐久間とsLの間に挟む。振り返れば苗場が見える。超ド級の単独峰を根元で切ったような形で、雪渓で斑ら模様になっている独特の山容。行きたかった。ピョコまで着いてたるみ。早くはないが良いペースだ。先に着いた黒瀬や嶋中が木登りしている。楽しそう。藤吉も続こうとして落ちかけた。方針会議は浦中がいつも先に決めてしまうので、武井と仲渡にやらせる。ふわっとしていて少し頼りない。仲渡ばかり話すので武井にも振る。たどたどしい。方針会議で発言するのが初めてならこんなもんか。結局浦ちゃんが全部持って行ってしまった。少しでも藪の技術を高めてもらうのとペース管理のため、本隊誘導を橋口、補佐を幕内に。トップは黒瀬を除く2年会藪メンツ。トップは誰かを先頭に突っ走らず、できるだけ横並びで連携を取り合うように伝えた。
藪抜けまで 昨日とは微妙に違う道を辿る。高度を上げるほど視界は広がる。薄くはないのに気持ち良い藪。空は全くの快晴。トンボを掛けたような厚い雲海上に、山頂が諸島然として浮かんでいる。そのまま歩いて行けそうだ。中には山にぶつかって急速に落ち込み、ナイアガラの滝見たくなっている箇所もある。久しぶりに曽根田が本隊後方に来た。話していると突然後ろ藪漕ぎなるものを始めた。急斜面のせいで苦戦している。何度か滑ってやめた。しばらくしてトップの武井がバテたそうなので本隊に入れる。変わって独立できそうな嶋中を中継に残し、補佐の勝木がトップに上がる。勝木はサブに徹してくれたそう。橋口は割合声がしっかり出せている。幕内が補佐をしてるために本隊誘導として機能していると考えていた。しかし、気がつけば幕内はsL後方の尾根反対側を漕いでいる。橋口が快調なので抜けてきたらしい。自由か。橋口はまだ色々教える事がありそうなので戻って欲しかった。ロングピッチを切っても良かったが、藪抜けの儀式などいくつか伝えることがあったので最後のコル手前で弛み。その後の割り振りは前ピッチ始めと同じ。浦ちゃんに写真係を頼む。経験を積ませるため、最後の登りはラッセルさせた。ラッセルトップは3人とも体験できるように伝えた。始めて見ると意外と濃く、笹主体でラッセルっぽい感じにはなった。遅いけど。先頭がトレランコースに出ると揃って皆がおーと感嘆の声を上げる。藪抜けってそんなに感慨深いものだっけ?と思いながらsLが着くと思わず同じような声をが漏れてしまった。この一生で一番雄大な雲の海がどこまでも広がっていた。遥か遠くに富士も見える。先の島々、ナイアガラの滝も一つの景色に収まっている。感動。そのまま本当の藪抜けに白砂山頂に向かう。物足りないとかで幕内は道脇の藪を空中漕ぎしていた。濃くて気持ち良いらしい。しかし藪抜けの順番も近づいているので、途中で道に出てトレランコースを急いで来てもらった。不意に曽根田がレッカーしてくれと迫ってくる。怖い。逃げると追ってきた。結局白砂までsL、曽根田、幕内の順に山道を本ザックで走った。疲れた。藪抜けで黒瀬が立ち入り禁止の看板を壊したらしい。悪質な登山客の天然色見本である。宮島の怪我を洗浄する。痛々しいが血は止まっていた。ここまで230分読みを130分で来た。とりあえず一安心。黒瀬はたるみ中に看板を直していた。
帰路 徐々に暑くなる快晴の中、限界上を進む。今日は霧も無い。雲海のため昨日と違った浮遊感はあるが。幕内曰く北アの稜線によく似ているらしい。一日目もだが登山客とのすれ違いが案外多い。二日目は晴のせいか特にそう。全然進まない。道中、30分程で武本がたるみを催促してくる。暑いらしい。しかし風が吹き始めると満足してくれたそうだ。トップの武井は後ろの一年会の事を考えているのか、トップの疲れが残っているのかゆっくり目。登りでもないのにこの区間は1.2倍を上回ってしまった。余裕が欲しかったので、次のピッチは黒瀬にしようとジジイで話していた。同岩山から黒瀬トップ。早い。そんな黒瀬に対して聞こえるはずもないが、幕内らが物騒なことを言っている。モンスターグランドペアレンツ(略称モングラペ)だ。モングラペってスタバにありそう、とか話してたらもう前が見えなくなっている。しかし難所の後やすれ違い途中でロケットダッシュするのは流石に頂けない。武本と佐久間がマジギレしていた。その辺は注意された後治ったが、ジジイを省みない姿勢は続く。別にジジイは置いて行ってもいいんだけど、やりすぎないでね。途中のコルで曽根田が地図読みを出した。一年会が地図を見ることでの速度低下を図ったらしい。策士である。涼しい以外は真夏のような風景だ。山並み、晴空、笹合い道。あるべき夏の風景とはこんな感じだろう。半ばおいていかれた勝木、幕内と三人でぽかぽか陽気をのんびり下る。結局余裕を持って野反湖に着けた。昼間の野反湖はキャンプ場を名乗るだけあると行った所。あまりにも心地が良い。バスが来るまでに反省会をした。感想では皆二日目の光景を褒めてくれる。sLが突くと苦し紛れに一日目を褒めてくれる人もいた。バスは助手席を使ってギリギリ乗れた。長野原草津口駅で調べた感じでは周辺は飲食店に恵まれていない。途中下車も渋い。結局、原町赤十字病院に行った宮島と付き添ってくれた佐久間、黒瀬以外で、隣駅にある川原湯温泉王湯へ行き、打ち上げせずに解散。入浴中地震が起きてびびった。電車も少し止まったようだ。温泉自体はいい所だった。後で聞くと宮島は5針も縫うことになったらしい。色々あった今山行、佐武流にも苗場にも行けず、敗退という結果に間違いないが、やることはやったという感覚を確かに持って帰路についた。

総評 
ざっと挙げただけでも、隊に分けた複雑なアプローチ、水の能動的な傾斜配分、二段階の指導補佐体制、間仕切り、軽量化の徹底、加算ピッチ読み表、下界訓練を伴った水場偵察、努力無しでは達し得ない本ルート、そしてOR。模倣を含め、自分にとっての様々な新しい試みを含んだ企画だった。そしてそれぞれが、成功失敗の如何に寄らず経験になったと思う。藪区間自体はある程度短縮されてしまったものの、各人にとって良いトレになったと信じたい。アプローチさえ除けば、この山域自体は蓋し満足感も兼ね備えた、藪トレ適地である。

(参考)TCHS 
但し、 T:トップ、C:中継、H:本体誘導、S:指導補佐、空白:本隊
小文字は補佐者名、先頭数字は段階

一日目
二日目
上四人が藪L/sL
1P
(白砂
~ピョコ手前)
2p
(ピョコ手前
~1927コル)
3p
(1927コル
~ピョコ)
4p
(ピョコ
~最終コル手前)
5p
(最終コル手前
~白砂)
勝木
S
S

S → T

曽根田
S
S
S


幕内
S
S
S
S
S
黒瀬
S
S
T


佐久間
T




浦中
2Cソネ
2Cカツ
T
T
T → ラッセルT
嶋中
2Tマク
1Hクロ
1Hソネ
2Cカツ → C
C
橋口



1Hマク
1Hマク
仲渡
1Tクロ
2Tマク
T
T
T → ラッセルT
武井
1Hカツ
1Tソネ
1Cマク
T → 本隊
T → ラッセルT


個評
一年会元気たっぷり。パッキングの精度、速さはこれから意識して高めていこう。
藤吉参加してくれてありがとう!藪中でも明るさを失わず元気をもらえました。
今田参加してくれてありがとう!あの重量で疲れを見せないのは流石です。
江崎参加してくれてありがとう!両日とも景観を楽しんでくれて何よりです。また藪来てください。
下平参加してくれてありがとう!1p目は隊中最重量でした(多分)。体力等成長も感じられます。
宮島参加してくれてありがとう!一年会で最も積極的に学ぶ姿勢を見せてくれました。
柳沼参加してくれてありがとう!経験者だけあって、体力技術とも問題なしです。
山際参加してくれてありがとう!常に余裕さを失わず、一緒にいて安心感があります。


二年会各々しっかり向上が見られる。同年会内でも教えられる事は教え合って行こう。  
浦中既に藪技術の大体を習得していると思います。これから積極的に後輩とコミュニケーションを取りサポートして行って下さい。
 橋口体力の向上を感じられました。本隊誘導は補佐無しでも割合しっかりできてます。特に声の大きさが◎。天気図は下界でも練習してから挑みましょう。
  仲渡金巻から確実に強くなってます。情報の整理や他のトップ中継との連携など、まだ課題はありますがこの調子で頑張って下さい。
嶋中正しい道を選ぶ精度は二日目で大分良くなりました。このまま完璧を目指して下さい。体力は十分。
黒瀬藪区間は補佐か本隊ばかりになってごめんなさい。技術体力共に頼れるsLなので、是非同年会だろうと構わず引っ張って行ける存在になって下さい。
 武井今回が二年会としての初藪でしたが色々体験、習得できた事と思います。体力をつければ機動力だけでなく判断力も向上するので、積極的にトレに励んで見て下さい。


三年会皆年長者らしい言動をしてくれた。ただサイトは今期一の酷さだった。
勝木…CL&補佐ありがとうございました。企画作りから進退判断の補助や水場探しなど、運営面でも色々助かりました。山行中、肩が悪化しなくて何よりです。
曽根田補佐ありがとうございました。あまり藪中で自由に漕がせられずすみません。安定感が抜群で、指導でもとりあえず任しておけば大丈夫感がありました。
佐久間…sWありがとうございました。相変わらずのボヤき指導で一年会に様々な技術を教えてくれてました。怪我の処置の手際の良さは流石です。欲を言えばもう少しWをサポートして下さい。
幕内…sCL&補佐ありがとうございました。満足に藪を漕げる状況を作れなくてごめんなさい。ただ補佐の職務放棄は止めて下さい。様々な面でめっちゃ頼りになりました。ないす。
武本一二年会問わず叱るべき場面で後輩を叱れるのは大事。思った事をはっきり言ってくれるので、ジジ天での話し合いではかなり参考になりました。

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