2018年5月4日金曜日

セドノ沢左俣


丹沢にこんな場所が隠されていたのか…。いくつもの滝を越えた先には洞窟があり、そこから水がこんこんと流れていた。別世界に迷い込んだようだった。
快晴に恵まれ新緑が眩しい沢登り。手の届くところにミソサザイの巣を見つけたが、どこかは秘密。シロヤシオが満開だった。
記:久保



参加者
4 梅宮、L久保、中津 3曾根田[]、今本[] 2嶋中[]


5/3(木)曇り→晴れ

東京20:30=(R246)=渋沢駅22:30=戸沢23:20
直前まで天気予報はころころ変わった。前線と寒気の動きがつかめないらしい。もともとGW後半は自分が沢を3本出す予定だったが、直前に自分の都合が悪くなってしまい、5/4だけにして、5/5は梅宮に出してもらうことに…。初心者には申し訳ないことをした。とりわけ3日間もの快晴を用意して準備してくれたお天道様には頭が下がる思いだ。
嶋中から体調がすぐれないと連絡あったので出発直前まで様子を見る。回復したので予定通り行く。下界訓練は部室で先に済ませる。今回は梅宮車とレンタカーの2台。車の流れは良く、2時間で渋沢駅。曾根田を拾って戸沢へ。未舗装林道が数km続くが状態は良く、一回も擦らずにたどり着いた。
戸沢の広場は10台ほど車が停まっていた。今本は沢が楽しみなのか寝る時もずっと鼻歌を歌っていた。電波は各社ほぼ入らない。

5/4(金)快晴、涼しい、水量は平常よりやや多い?

戸沢4:455:20[本谷F1]5:505:55[セドF1]6:156:15[F2]6:306:39[F3]6:527:20[F5大滝]8:379:02[5m]9:159:16[10m]10:0010:07[右沢出合,]10:1910:30[5m*2]10:4510:47[20m,]11:00,[高巻き]12:3012:45[1140m,]12:5213:25稜線140015:05戸沢=相模大野駅=新松田駅=(R246大渋滞)=東京
 雲なんぞ見当たらない。最高の天気だ。4:30と伝えたが、それ通りに準備できた。戸沢で沢装をつけて、体操は嶋中。前後屈を抜かした。曾根田先頭で進むが源次郎沢との出合に気づいてなかった。基本的に右岸を進み、堰堤は左巻き。2日前の雨が原因なのか右岸の踏みあとにも水が流れていた。
ずいぶん歩いたなと感じ始めたころに本谷F1。昨年9月の写真と比べてみたが、水量はほぼ同じだった。沢中でのトップは曾根田と梅宮の2人にし、基本的に曾根田にやってもらうことにした。F1は左に鎖がついているが、使わなくても登れる。曾根田が左TRで斜めにかかる鎖と同じルートを通そうとするがこれだと落ちれば振られる…。
セドF1

滝を越えればすぐにセドノ沢が合流しているので右へ入るとこれまたすぐにセドF1。曾根田が右から取り付くがあえなく釜にドボンした。全身が濡れたらしく、寒そうだったので着替えさせ、トップから降ろして中津に交代する。中津は右岸の鎖沿いにTR。工作が速すぎる。梅宮と自分は曾根田が行こうとしていた流芯右のルートをたどって上へ。残置スリングが落ち口にあったが、ホールド多く問題ない。初心者が登ったころにはF2右岸斜面のfixを梅宮が張り終えていた。速すぎる。曾根田もこれくらい速くしてほしい。
セドノ沢右俣の出合には看板があった。左へ進み、F4は梅宮が左TR。今回の初心者ならフリーでも登れただろう。
10m大滝 F5

7:2010m大滝へ。まだ日が高く昇っておらず薄暗かった。梅宮が右から取り付くが真ん中まで登ったところで降りてきた。リードトップを中津、ビレイを梅宮として同じく右から登攀。残置ハーケンがいくつか、中段に残置スリングがあった。新たにハーケンを一枚打って無事に通過できた。途中でドンドドン…と大岩が動くような音が何回も聞こえてきたので、みな岩壁の下で待機。なかなかに怖い。下で待っていると滝からの風が冷えて寒かった。セカンドの梅宮がクイックドローを回収、初心者のために適宜お助けスリングをつけて登る。流芯右TRT。初心者にTを放さずにつかんで登るよう伝えたが、2人とも途中で放してしまい、Tは流芯へと流され手が届かなくなってしまった。これじゃ意味ないよぉ…。案の定、上部で詰まったので中津から手がかりのスリングを伸ばしてもらう。曾根田も大事をとってTRで登らせる。最後に自分。皆が登っているのを見ていたからいいが、初見では躊躇していただろうという感じの滝だった。
 [1:2の分岐]を過ぎて5mくらいの滝は中津がTR。右が脆く、何も考えずに足を置いて登ろうとした今本が釜に落ちた。続く10mは梅宮が右巻き後、水流右TR。右巻きは“普通”だったらしい。嶋中が中盤で少し詰まった。冷たい水を浴びて寒そう。今本はさっきの反省を生かしてテンポよく登り嬉しそうな顔をする。
白竜の滝

 右沢が出合うところでたるみ。左沢の白竜の滝も美しい。ルートを左沢にとっておいてよかった。日が差してぽかぽかと暖かくなってきた。
 白竜は右から巻いて、すぐの5m*2は中津と曾根田で2TR。お日様を浴びながらコケの付いた滝を登るのは心地よかった。
すぐに言葉で表せるものではない

滝を越えて飛び出たところは、そうすぐに言葉で表せるものではない。瑞々しい草と可憐な花、20mに及ぶ崖にぐるりと囲まれた。雲一つない快晴の空からさんさんと陽光が降り注ぎ、崖の中程から白く輝く水が染み出して、それが小さなたまり場に集まって、セドノ沢へと流れていた。さらに冒険心を掻き立てたのは崖の真ん中に顔を出している洞窟である。眺めているとそこから梅宮が顔を出すものだから…。ヘッデンをメットにセットして準備万端の格好。洞窟の中を偵察していた。初心者も自分も待ちきれず洞窟の中へ。穴は水平に続き、下には水が流れていた。光が差し込むところがあるのでそこから顔を出すと下に中津たちが見える。奥の方は真っ暗なのでヘッデンが無いとよくわからない。浸食されやすい地層を掘り進めたようで、ちょうどそこから水が湧き出てくるらしかった。石灰岩が多く、水も白く濁っていた。
洞窟の中から見下ろす
 ここの20mは右から大きく高巻く。斜面には木が茂っているものの険しいのでフリーでは通さないとのこと。曾根田はまだ工作判断が揺らぎやすい。結局、こっちからfixで通すようにと伝える。上でもたもたしているようで、1時間以上も待たされた。同じ場所でじっとしているものだから、今本と自分にヒルが2匹ついた。嶋中はヒルが初めてで、血を吸われて気が動転していた。今本をfixで通し、中津にそばについて一緒に登ってもらう。途中で笛が2回聞こえたので、TRになったのかと思って嶋中にエイトノットを結ばせる。
満開のシロヤシオ

 巻き終わるとやはり水は涸れていた。1140m付近で水が出ていたので左沢で汲む。1185mのゴルジュで現在地を曾根田に聞くが、まだ1140mと思っていたようだ。沢の分岐の仕方は同じなので周りの地形で判断しよう。これを過ぎると落石が頻発するガレ場になってきたので右の尾根へ逃げる。ぐずぐずの斜面を登って稜線へ。
 帰りは登山道を使う。相模湾を眼下に快調に下る。富士山の残雪がかなり少ない。1時間で戸沢に着く。2台に分乗して今本嶋中久保は東京へ向かい梅宮中津曾根田は原小屋沢へ向かうが、途中で初心者装の受け渡し忘れに気づき、相模大野駅に寄って坂田に渡した(危ないところだった)。R246は激混みでうんともすんとも言わなかった。
 原小屋沢へと続く。

まとめ


初回者2名を連れて行くのは初めてで、新鮮味があった。沢自体も滝が適度にかかり、養成中盤向けと感じた。渓相もなかなかよく、左俣左沢の源頭は天国のようだった。当初やるはずの曾根田のリード訓練ができなかったのは残念だった。先週に続いて、2級と表記がある沢において、初心者同伴でも比較的余裕をもって遡行出来ているのは嬉しい。



■工作時間
今回、初回者が2人いたが、梅宮中津はすべての滝を15分以内で完了、曾根田は30分以上と工作のスピードが段違いなので、被養成者は速さを意識してください。工作に時間をとられていると、それだけ完遂が難しくなるし、危険も高まります。
■意思疎通
今回、滝の高巻き工作においてトップとの距離が開きすぎ、声が届きにくく意思伝達がうまくいかなかった。fixに笛の数を割り当てるなどして、双方の勘違いを失くすべきと感じた。
■遡行図
『東京起点』は枝沢の省略が多く、岩や石で埋まるなどして滝の表記も現在と異なる個所があった。『丹沢の谷200』は現況とよく一致したので、両方を参照しながら登るといいと思う。

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