2017年8月24日木曜日

夏合宿北アルプス縦走

夏合宿として白馬三山から不帰・八峰キレットを越え、裏銀座から槍・穂高連峰に至る山行を企画しました。残念ながら前半は台風のために断念せざるを得ませんでしたが、後半の槍・穂高連峰は好天に恵まれすばらしい眺望が楽しめました。大キレットなど危険個所も多い山行でしたが、北アルプスの魅力を存分に味わえたと思います。
最終日、これまでの道のりを振り返る(奥穂高岳より)

面子:3年会 L飯沼、梅宮(不参加)、西山、根岸
   2年会 EH來住、W武本、F幕内
   1年会 仲渡

企画・記録 飯沼


8/1 デポ缶作り
この日は審議前の14:00に集合してデポ缶作り。生協で空の段ボールをもらい、幕内の用意した後半分のF共装を担当ごとに割り振っていった。F共装の割り振りは割と早く終わったが、箱詰めと発送は審議の時間にかぶってしまったので2年会に任せた。本郷郵便局で1箱ずつ計量し大町郵便局に局留めで送ってもらった。

8/5() 猿倉~白馬尻▲0 (山と高原地図:1.2p / 2.5km)
天気:
猿倉16:02(たるみ10)17:05白馬尻小屋 (1.06p)

睡眠時間を確保したいという理由でアプローチの日に白馬尻でテント泊することにした。集合はJR大糸線白馬駅に14:1013時過ぎに武本、幕内、仲渡の3人が、14時過ぎの特急で西山、根岸、來住の3人が到着した。ここで根岸がF共装のネギを忘れたというので近くのスーパーに買いに行かせた。白馬駅から猿倉まではバスで27分、15時ごろに到着し早めの夕食を摂った。猿倉荘のご主人は気さくな人で良く話しかけてくれた。猿倉荘のフードメニューはハンバーガーやパスタ、カツカレーなどがあり、どれも良心的な価格設定でしかも旨い。食堂は17:00まで営業しているので今後機会があれば使うとよいだろう。
猿倉バーガー(700円)

ハンバーガーを待つ間に入山連絡を入れようと、八嶋さんに5回ほど電話をかけるもつながらず、結局藤原さんに入山連絡することになった。この時点で台風が接近していたのと雪で天狗山荘の水場があてにならない()ことが判明したので、予定を変更して1日目に白馬岳頂上宿舎にテント泊し、白馬鑓温泉小屋で台風をやり過ごすことにした。
夕食を摂って体操をし、16時ごろに出発した。はじめ少し登山道を歩くと、すぐに未舗装の林道になる。やがて鑓温泉方面の道と分かれ、少しずつ高度を上げる。30分ほど歩くと唐突に林道が終わり、その先は登山道に変わった。L30㎏近い荷物で腰が痛い。小屋が近いことはわかっていたが、小屋少し手前でたまらずたるむ。他の面子のザックとも比べてみたが圧倒的に3年会のザックが重かった。
白馬尻小屋に到着してすぐにテントを張る。テン場は小屋前の広場だけなのであまり広くない。その後、根岸が冷凍した状態で持ってきたカツオを大雪渓を眺めながらいただき就寝した。
(※猿倉荘で確認したところ、結局天狗山荘でも水場は確保できたらしい)

8/7 0~白馬岳~白馬岳頂上宿舎▲1 (山と高原地図:6.6p / 4.6km)
天気:
白馬尻小屋4:555:06雪渓末端5:206:00(1920m付近)6:106:42雪渓上端~(たるみ40)9:20白馬岳頂上宿舎10:0010:25白馬岳11:0511:25白馬岳頂上宿舎 (4.92p)

前日に4:40撤収と伝えて就寝したのだが、勘違いしていたのか若テンは4:40には撤収が完了していた。そのおかげで予定の5:00より少し早く出発。白馬尻小屋の掲示ではひと月ほど前の大雨で一気に雪解けが進んだとのこと。大雪渓の末端まで10分ほど歩きヘルメットとアイゼンを装着して大雪渓に取り付く。
序盤はそれほど斜度はきつくないが、徐々に勾配が急になる。Lは荷物が重く非常にしんどい。結局大雪渓の途中にある土砂が堆積したところでたるみにした。さらに登っていくと徐々に斜面は緩やかになる。このあたりに来ると雪渓に大きなクレバスというか亀裂が一本走っている。これが雪解けの影響だろう。10年ほど前にLが大雪渓に行ったときには、こんなクレバスはなかったので年によってあったりなかったりすると思われる。
雪渓の上端でアイゼンとヘルメットを外し、石の転がる斜面登っていく。葛折りの道に息も上がる。後ろを振り返れば大雪渓を多くの人が行き来するのが見える。途中に岩室跡があるはずだが、跡なのではっきりとした位置がよくわからず素通りしてしまった。さらに登ると登山道脇に見晴らしの良い大きな岩があったので、しばし撮影タイムとした。
晴天の下、杓子岳をバックに集合写真

このあたりまで来ると白馬岳頂上宿舎が大きく見えてくる。みんな元気そうなので、小屋ハントしていいよと言うとすたすたと登って行ってしまった。Lはそんなスピード出るはずもなく、行きかう人々と挨拶しながらゆっくり登った。
小屋に着いてしばらくたるみ、白馬岳が晴れるタイミングをうかがうも晴れそうにない。あんまり引き延ばす意味もないので、空身で白馬岳の頂上を目指す。途中にある白馬山荘は山上のホテルの名にふさわしく、非常に豪華で規模も大きい。およそ25分で白馬岳の山頂に到着した。ここで根岸農園でとれた大玉のスイカ1玉を隊員でおいしくいただいた。結局ガスは晴れず景色は望めなかったが、スイカがおいしかったのでまあ良しとしよう。
白馬岳の山頂についた時には周囲は真っ白だった

スイカを食べ終わり、山頂標識で集合写真を撮ってテン場に戻った。テン場の受付が13時からなので、しばらくテントを張らずに待っていた。しかし、12:00前くらいから突然雨が降り始めたので、急いでテントを建てる。中に荷物を突っ込んでしばらくテントの中に退避していると、間もなく雨は止んだ。この後しばらく雨は降ったり止んだりを繰り返す。ちなみに、ここのテン場はどのケータイも入らないが、宿舎の表側に出れば割と電波がよく入る。
14:00からサイトを始める。また俄雨があるかもしれないので若テンの中でサイトをした。來住はテントの入り口から早大山研の女の子を見つめながらサイトをしていたが、どうもあまり元気がない。聞くと白馬岳に登っているあたりから高山病のような症状が出てきたらしい。夕食は食べられたが、徐々に症状が悪化していき茶飯や差し入れの善哉には手を付けなかった。
サイトも終わり天図をとる。この日の天図はとても簡単だったのだが、肝心の台風は思っていたよりずいぶんと進行が遅い。当初8日中には台風は通り過ぎると思っていたのだが、どうやら9日にも台風の影響が残りそうである。來住の体調もすぐれないので、ここで不帰キレットを諦め翌日下山することにした。ヤマテン先生も7日は遅くとも昼前には森林限界下に下るようにとおっしゃっていた。
その後各々テントに入ってグダグダしていると17:00を過ぎたあたりから激しく雨が降り始めた。最初はすぐに止むだろうと思っていたが、なかなか弱まらない。それどころかどんどん雨脚は激しくなりテントの一角が浸水した。テントの下にも水が流れ込み、ウォーターパッドに寝そべっているような感覚だった。それからは外に出ようにも出られないのでそのまま就寝した。

8/8 1~杓子岳~白馬鑓ヶ岳~鑓温泉~猿倉(山と高原地図:12.0p / 12.7km)
天気:
白馬岳頂上宿舎4:304:50白馬岳5:155:30白馬岳頂上宿舎6:026:48杓子岳の肩7:007:15杓子岳7:307:40巻道分岐~8:18鑓ヶ岳8:509:07鑓温泉分岐~(たるみ13)10:41白馬鑓温泉小屋11:10(たるみ33)13:22小日向のコル~(たるみ10)14:54猿倉 (8.46p)

前日に35と伝えておいたのでその時間に起床。外に出てみると昨日の大雨が嘘のような快晴だった。來住も体調が回復したらしい。ただ、台風だけは相変わらずの予報なので、朝サイト後白馬岳に再アタックし、その後鑓ヶ岳まで稜線を歩き、鑓温泉経由で猿倉に下山することにした。4:30には空が明らんできたので空身でテン場を出発。白馬岳山頂で日の出を拝んだ。眼前に広がる絶景に誰もが息をのむ。北アルプスはもちろんのこと、東には上越の山々、西には剱岳越しの日本海、南に目をやれば中央アルプスや南アルプス、更には遥か富士山までを望む。台風云々でいろいろと悩んでいたが、ここに来てよかったと思えた。
白馬岳山頂にてご来光を拝む

テン場に戻りテントをたたむ。これからの稜線歩きに胸を躍らせ支度をする。テン場から杓子岳の肩までは楽しい空中散歩だった。ここを過ぎ杓子岳に取り付くと道は赤みがかった石が転がるガレ場となる。一歩踏み出すたびに足を取られ非常に登りにくい。杓子岳の頂上は東側が断崖絶壁になっていて、山頂部もそれほど広くない。みんなこぞって崖下を覗き込んでいるが、よくそんなことできるなあ。ここで西山のこんにゃくゼリーの差し入れをいただく。登りと同じようなガレた道を下る。巻道との分岐を過ぎて再び登り返す。鑓ヶ岳の山頂は開けていて眺望もよい。この先行こうとしていた五竜岳や鹿島槍ヶ岳を眺めながら、ここで下山しなければならない悔しさをかみしめる。しかし同時に南西の空には、台風外縁のものとみられる灰色の雲が徐々に迫っている。最後の絶景を目に焼き付け下山の途に就く。
この先は1700mの標高差を下ることになる。はじめは歩きやすい道でぐんぐん高度を下げる。なかなか快調だ。1ピッチで高度を500mほど下げた。この調子なら割と早く降りられるのではと期待していたが、そう甘くはなかった。白馬鑓温泉小屋に近づくと、鎖のかかる露岩帯を通過することになる。Lが小学生の頃に登った道であまり心配していなかったが、この露岩帯がなかなかの曲者だった。露岩の表面を沢が流れ靴が濡れると非常に滑りやすい。まだ晴れていたから良かったが、雨の日にはさらに下りにくくなることだろう。また、露岩帯以外でも何本か沢を越えなければならない。所々崩落している箇所もあり通過には十分注意する必要がある。白馬鑓温泉小屋に着くころにはカンカン照りでめちゃくちゃ暑い。靴を脱ぎ無料の足湯でリフレッシュする。どうも幕内が足を軽く捻挫したようだが、自分でテーピングを施し普通に歩けていた。ここの水場は登山道と交わる沢から取水しているため少々砂が混じるが、飲用にしても問題ない程度であった。長めにたるみ水を汲んで出発。出発後すぐに大きな沢があり、そこには簡易的な橋が架かっている。構造的に大雨増水時には橋自体を取り外せるようになっていそうだ。大雨時にはここは通れないかもしれないので、事前に確認しておくべきだろう。地図ではいかにも簡単に斜面をトラバースして高度を下げているように書いてあるが実際には全然違った。小刻みなアップダウンや雪渓・沢の横断が随所にあり、非常に歩きづらい。さらに、刈り払いをしたは良いものの、刈った草を石の転がる登山道上に放置したままで足元が見づらい。本気でブチギレそうになりながら歩いていると、小日向のコル手前でいきなり道が高度を下げ始めた。どうやら、トラバース道が崩れたらしく、コル手前でいったんテラスに下りそこからコルに登り返すルートに付け変わったらしい。このコルへの登りがダメだった。途中で日が差してきて暑いうえに風もない。坂を登って汗をかいても全く乾かず、体温がどんどん上がる。挙句坂の途中で立っているだけで息切れする様になり、たまらずたるみにした。明らかに熱中症になりかけている。水をガブ飲みして塩飴を食べる。西山にTシャツで扇いでもらい20分ほど休憩した。少し回復したので再び歩き出す。小日向のコルを越えると道は幾分まともになった。しかし今度はガスってきて雨が降り出した。途中でザックカーバーを付けるが、小雨でしかもそれまで暑かったので誰もゴアマは着なかった。ある程度道が整っているのでペースも上がり、思ったより早く初日に通った林道に出た。ここまで来れば猿倉まであと少しである。Lは安心すると同時に、今まで抑えられてきた(?)熱中症の症状が出てきた。目の焦点が合わず足元がおぼつかないのでスピードが出ない。声を張る元気もないので、すたすた歩いてゆく隊員を目視でとらえられるように必死でついていった。猿倉荘に到着しベンチに腰を下ろすと、一昨日声をかけてくれた猿倉荘のご主人がまた声をかけてくれた。しばらく話し込んで荷物を整理していると、昨日と同じようにいきなり大粒の雨が降ってきた。急いで食堂に荷物を退避する。帰りのバスまでは時間があったので、また猿倉荘で食事をいただくことにした。
食事をとりながら翌日以降のことについて話し合った。おそらく9日も天気があまりよくないので、10日に後立山の100名山に日帰り登山しようかという話もあったが、日帰りで行けそうにないことが判明し結局ボツになった。最終的に前半の部はこれで終了し、8/10に信濃大町で集合、デポ品を回収してから後半の部に入ることになった。猿倉から白馬駅行き最終のバスで白馬駅に戻り、そこで解散とした。西山、根岸、來住は高速バスで東京に帰り、残りの面子は松本まで行きネカフェで一夜を明かすことにした。

8/10 信濃大町=(タクシー)=高瀬ダム~不動沢キャンプ場▲0
天気:
高瀬ダム16:4616:56不動沢キャンプ場 (0.2p)

後半から参加予定だった梅宮が体調不良で不参加となった。かなり巡検の疲れがたまっていたらしい。前日に連絡を受け、急いでE表とF表を修正してもらった。
当日は12時に信濃大町の駅に集合とした。Lが到着するとすでに全員集結していた。駅の近くのとんかつ屋に昼食を食べに行き、その後、郵便局に送ってあったデポ品を回収した。デポ品は相当な量あったので、郵便局の人も苦笑いしていた。駅前で荷物を整理し、不用品は郵便局から送り返した。
出発の準備を整え、16時に予約してあったジャンボタクシーで信濃大町を離れた。高瀬ダムに乗り入れることのできるタクシー会社はアルプス第一交通とアルピコタクシーの2社だけなので、予約の時は気を付けよう。信濃大町の駅前にアルプス第一交通の予約窓口があるので、そこで直接頼むと良い。また、七倉ダムを通過する際に必ず登山計画書の提出を求められるので、すぐ出せるように手元に準備しておいたほうが良いだろう。高瀬ダムからトンネルをくぐって吊り橋を渡ると、程無くして不動沢キャンプ場に到着。ここは、沢の一部を整地してキャンプ場としている。綺麗に整地されているので寝やすいのだが、大雨時には土砂崩れの危険があるため幕営禁止とのこと。また、管理人が常駐しているわけではないので、キャンプ場の使用料は烏帽子小屋か高瀬館で支払うことになっている。簡易トイレが橋の袂に設置されているが、小便器はともかくとして大便器の方は汚過ぎて使う気が起きない。また、キャンプ場には水場はなく、ここから10分ほど進んだ登山口の脇の小沢が水場として指定されている。さすがに17時では寝るには早すぎるので、18時半ころまで談笑してから就寝した。
不動沢キャンプ場のテント場は平らで寝やすかった


8/11 0~烏帽子小屋▲1⇔烏帽子岳(山と高原地図:8.3p / 6.7km)
天気:
不動沢キャンプ場5:055:18登山口5:25(たるみ25)6:45権太落シ6:45(たるみ46)9:04 2208.7m地点9:08(ザック修理・たるみ80)11:40烏帽子小屋12:3012:52烏帽子岳分岐13:0013:20烏帽子岳13:4514:00烏帽子岳分岐14:00(たるみ15)15:00 (6.7p)

朝、隣でテン泊していた親子が出発準備をする音で目が覚めた。前日に買っておいた朝食を摂り、テントを撤収する。合宿後半初日ということもあってパッキングに手間取り予定より5分遅れて出発。
初めのうちは白い石の転がる不動沢、濁沢の中を進む。キャンプ場から10分か15分くらいでブナ立尾根の取り付きに到着。ここが北アルプス裏銀座登山口である。登山口の脇に沢が流れており水場として利用できる。このブナ立尾根は北アルプス3大急登に数えられるだけあって非常に急な坂道が続く。登山道の高低差は約1200mで、下から約100mおきに12番から0番の番号の振られた札が建っている。このうち、12番が登山口、9番が権太落シ、6番が中休み、4番が三角点のある2208.7m地点(槍見台というらしいが槍は見えない)0番が烏帽子小屋となっている。番号札の建てられた辺りは平らになっていてたるみ適地である。というかほかの場所は道幅が狭くグループでたるめるほどのスペースが確保できない。
登山道を登り始めてすぐに西山が腹が痛いと言い始めた。急いで少し平らになっている場所を探しキジウチ。さらに、そのあと來住も西山からもらい腹痛を起こしてその先でまたキジウチに行った。キジウチ後は二人ともすっきりしたらしく、登るペースは悪くない。ところが、4番の2208.7m地点を越えたあたりで問題発生。西山のザックがぶっ壊れた。右肩の肩ベルトとザック本体との縫い目が荷物の重さに耐えきれずちぎれてしまった。エキボに入っていた縫い針とテグス糸で縫い合わせ何とか修繕した。実は、この縫い針とテグス糸は去年の合宿の時に柏嶋さんに言われて今山行のLが用意したもの。結局去年は一回も使わなかったが、こんな形で役立つとは・・・。今後も長期山行の時にはテグス糸と縫い針を何本か用意するべきだろう。ザックは生地が固く、縫い針が案外簡単に折れてしまうので、たくさんあってもいいと思う。西山のザックはうまく縫い付けられたらしく、山行中に再び壊れることはなかった。ザックの修復に1.6pほどかかり、予定より遅れて烏帽子小屋に到着した。烏帽子小屋のテン場は小屋から南側に少し行ったところで、階段状に区画整理されている。テン場内ならどこでも好きな場所にテントを張れるのだが、45天以上の大きなテントを並べて張るとなると、小屋から一番遠いひょうたん池のあたりにしかスペースが取れない。小屋へは片道5分以上かかり水汲みやお手洗いに行くには不便だが仕方ない。テントを張ってからsub装の準備をして烏帽子岳に向かった。
烏帽子岳への最後の登りは岩をよじ登ることになる。よじ登るといっても大した高度感はなく、ロープやクサリもつけられていて比較的簡単に登れる。ただすれ違いにだけは要注意。烏帽子岳の山頂からは針ノ木岳や野口五郎岳、鷲羽岳が望める。烏帽子岳自体の標高が低いため圧倒的なパノラマが楽しめるわけではないが、そこそこ展望も良く、頂上部が意外と広いのでのんびりできるピークである。
烏帽子岳から望む野口五郎岳・鷲羽岳・水晶岳

写真撮影などをして烏帽子小屋に戻った。途中、ニセ烏帽子岳のピークで差し入れのジュースをいただき景色を満喫した。テン場に戻り天気が良かったので外でサイトをし、翌日35として就寝した。

8/12 1~野口五郎岳~水晶岳~鷲羽岳~三俣山荘▲2(山と高原地図:11.5p / 14.3km)
天気:
烏帽子小屋5:02(たるみ12)6:27三ッ岳6:27(たるみ22)8:10野口五郎小屋8:108:26野口五郎岳8:479:19真砂分岐9:19(たるみ・ゴアマ40)11:47水晶岳12:0012:25水晶岳12:4213:07水晶小屋13:1713:42ワリモ北分岐13:5214:40鷲羽岳15:0015:52三俣山荘 (9.7p)

朝起きると來住が軽い高山病のような症状を訴えていたが、本人曰く歩けないわけではないので進むことにする。はじめのうち曇っていたが、徐々に雲が晴れて日が差してきた。霞のかかる烏帽子岳もまた良いものである。しばらくは眺望を楽しみながら稜線を歩く。三ッ岳は山頂に道がついていないため、山腹をトラバースする。その後、一旦登山道はお花畑コースと稜線コースに分かれる。今回は眺望を期待して稜線コースを選んだが、ガスってきてしまい結局景色は楽しめなかった。どちらのコースを選んでも所要時間はさほど変わらないだろう。二つのコースが合流してからしばらく進むと稜線の脇に野口五郎小屋が建っている。野口五郎小屋はいかにも昔ながらの山小屋といった雰囲気で、あまりきれいではない。たるめそうなテーブルなども設置されていなかったので素通りした。この野口五郎小屋には2004年までテン場があったらしいのだが。強風でテントが吹き飛ばされる事故が多発したため廃止されてしまったそうだ。小屋から少し登り返すと野口五郎岳のピークである。野口五郎岳の頂上はなだらかで広い。たるみにはうってつけの場所だったが、徐々に雲行きが怪しくなる。そして、真砂分岐を過ぎたあたりから雨が降り始めた。慌てて雨具を装着する。このあたりでLがすっかりバテてしまい、他の3年会に荷物を少し持ってもらった。
今日はこのまま雨模様かなと思っていたが、水晶小屋に着くころには雨も上がり、時折青空が見えるまでに回復した。水晶小屋から水晶岳までは空身でピストンした。水晶岳まではあまり登らないし危険個所もないが、水平距離はかなり長い。空身で行ける限界の距離だろう。水晶岳の頂上ではこの日も差し入れのジュースをいただいた。
時折晴れ間も見えた水晶岳の山頂

水晶岳の山頂でもっとゆっくりしていたかったが、この日の残りの行程が3p近くあることを思い出し、急いでジュースを消費して出発した。また、黒部五郎岳登山を優先するため高天原温泉ではなく三俣山荘に行くことにした。そのため、ORでとっていた鷲羽岳に登り、そこから一気に下って三俣山荘に行くことになった。水晶小屋に戻り荷物を整理し出発。鷲羽岳はワリモ岳側から登ればそれほど登距離は大きくない。ワリモ北分岐から仲渡をトップにしてサクッと1pで鷲羽岳の頂上に立った。この時間になると標高の高い山は雲に隠れてしまっていたので、眺望はそれほど良くなかったが、雲ノ平などは見ることができた。天図も鷲羽岳山頂でとれたので、急いで降りる必要もなくなった。山頂でのんびりしてから下山の途に就く。
鷲羽岳山頂にて、すっかり曇ってしまった

ここまで来ればもう後は降りるだけと思っていたが、9p歩いた足には鷲羽岳の下りは強烈すぎた。400mの急坂を下るうち足が棒になるのが手に取るようにわかる。気合いで何とか三俣山荘に辿り着くも、すでに立っているのがやっとだった。
この日は3連休の中日ということもあって三俣山荘は大盛況で、テン場もほとんどいっぱいに近かった。隊員に何とか張れそうな場所を探してもらった。この時点で16時半近かったのでテント設営後、急いでサイトをして就寝した。

8/13 2~黒部五郎岳~三俣山荘▲3(山と高原地図:11.0p / 12km)
天気:
三俣山荘5:075:54三俣蓮華岳西分岐6:056:57黒部五郎小舎7:15(たるみ12分・稜線コース経由)8:52黒部五郎岳9:4510:00黒部五郎岳の肩~(たるみ12)11:15黒部五郎小舎11:3012:08三俣蓮華岳西分岐12:2012:53三俣山荘 (6.66p)

朝キジウチに行こうとすると三俣山荘のトイレに長蛇の列。この渋滞に巻き込まれて來住の戻りが遅くなったため、出発も少し遅くなった。ルートは三俣蓮華だけの巻道の方に進む。巻道といっても意外とアップダウンのある道である。最初の方に雪田があるが踏み跡&紅ガラがついているので歩きやすい。この雪田は小さいので、雪が少ない年や遅い時期になると消えているかもしれない。三俣蓮華岳の北側斜面に出ると一気に展望が開ける。ここで初めて目的地の黒部五郎岳を拝むことができた。他にも雲ノ平を挟んで奥に薬師岳も見えた。このあたりは他の北アルプスと違って比較的穏やかでゆったりとした山容の山が多い。早朝時間帯は人も少なく、まさに景色を独り占めしているような感覚だった。三俣蓮華岳西分岐を過ぎると黒部五郎小舎に向けて徐々に高度を下げる。この日は黒部五郎から三俣蓮華方面に向かう人が多く、途中の下りではすれ違いで待つことも多かった。いくつか小ピークを過ぎると、黒部五郎小舎まで200m近く一気に下る。この道はぬかるんでいて少々歩きにくかった。すれ違いのため読みより少しだけ伸びて黒部五郎小舎に到着した。
黒部五郎岳への登山ルートは稜線コースとカールコースの2つある。山と高原地図ではカールコースのみ正規ルートとして扱われ、稜線コースは視界不良時のエスケープルートとして記載されている。ただ、小屋前の案内標識にはカールコースも稜線コースもどちらも同列に書いてある。せっかくなので稜線コースで登りカールコースで下ることにした。
清々しい黒部五郎岳の稜線を歩く

途中、親子連れの雷鳥を見かけたが、トップの仲渡が追い立てるように歩くために一家バラバラになってしまった。しばらく進んだところで仲渡が岩場でマップケースを踏みつけて破損。時間も時間だったので、そのままたるみにしてガムテープで応急処置を施した。このたるみ中、武本が開放的な景色にほだされてか、自分のイチモツまで解放してしまった。この先頂上までは危険個所こそないものの、細い岩場や急な岩場の登りがあってなかなか登りごたえのあるルートだった。登りの時には程よく感じる岩場も、下りや雨天時にはやや危ないかもしれないので通行時には十分気を付けよう。順調に岩場を詰め、予想よりも早く黒部五郎岳の山頂に到着した。頂上では丁度ジジババ団体が到着したところらしく、写真を撮りながら騒いでいた。邪魔にならないようにザックを下ろし、差し入れのジュースを作る。雲海の向こうに藪隊のいる白山を眺めながら、いろいろと藪隊をdisりつつ優雅なひと時を過ごした。三俣山荘にテントは張りっぱなしで急いで帰る必要もなかったので、山頂で1時間近くたるんだ。
どっしりとした薬師岳、奥には立山も見える

だんだんと雲が上がってきたので10時前に撤収し、カールコースから下山した。カールコースの途中には大きめの沢が流れていて、今回は使わなかったが水場として利用できる。山と高原地図には視界不良時道迷い注意と書かれているが、歩いた感じではそれほど道迷いしやすいようには思わなかった。マーキングもしっかりしているし、道幅が広い箇所でも高山植物帯に踏み込まないようにさえしておけば道迷いはしないだろう。稜線ルートに比べ、クラシックルートなだけあって歩きやすかった。
黒部五郎小舎に戻って一旦たるみ。行きに下った急な坂道を仲渡をトップに一気に登った。この登りのペースが異常に速い。前を行くトレイルランナーっぽい人の後ろにぴったり付いて登っていく。バンバン他の登山者を追い越して下りに52分かかった坂を38分で登り切ってしまった。途中から仲渡がハアハアいいながら「いつまでトップやるんですか?」と武本に聞いていたらしい。そんなに辛いなら飛ばすなよと思ったのだが、話を聞けば幕内にあおられたらしい。この後トップをやった來住もそこそこのペースで、結局13時を前に三俣山荘に着いてしまった。
12年会がサイト中、3年会で今後の方針を話し合った。高天原が遠すぎる(往復14pとか)こと、北アルプスの天気が今後下り坂で17日にしか大キレットを通過できそうにないこと(山小屋で週間天気を確認)から、翌日を停滞日にして17日に大キレットを通過することにした。サイト後時間があったので仲渡にも天図を描いてもらった。初めてだったのであまりうまく描けていなかったが、去年幕内が描いたデコポン高気圧に比べれば数百倍マシだった。
この日は西山、根岸、幕内がオカンした。L45天を独り占めしてゆっくり眠れた。

8/14 3(終日停滞)~▲4
天気:
5時に起床し朝ご飯を食べた。オカンはどうだったかと聞くと、西山は寒くてほとんど眠れなかったらしい。しかも、星もほとんど見えず雨まで降る始末。ざまぁ(笑)。後半に入りそこそこ歩いたのでこの日はのんびり小屋で過ごした。小屋の売店でジュースやお菓子を買い、小屋の中の談話室で本を読みながら過ごした。小屋のテレビでアンパンマンが始まると、武本が食い入るように見ていた。時間を見計らって小屋の食堂で昼食をいただいた。フードメニューはどれも10001300円ほどで、ラーメンやカレー、オムライスなどがある。他にも名物のサイフォンコーヒー(700)もあった。槍ヶ岳を眺めながら優雅な時間を過ごす。藪ではできない贅沢であった。
オムライス(1300円)と名物のサイフォンコーヒー(700円)

夜サイトを済ませ天図をとる。Wではない幕内や仲渡も天図を自主的にとっていた。できた天図を見せてもらうと、なんと日本の西に秋雨前線が出現していた。これから23日は天気がぐずつきそうだなと思い、小屋で週間天気を確認してみるとやはり翌日からしばらく雨だった。こんな天気なのに根岸は懲りずにまたオカンするという。あほか。翌日は槍ヶ岳山荘に早めについてテン場を確保したかったので34半とした

8/15 4~双六岳~西鎌尾根~槍ヶ岳山荘▲5(山と高原地図:10.1p / 10.6km)
天気:🌁時々
三俣山荘4:455:17三俣蓮華岳東分岐5:175:30三俣蓮華岳5:406:18中道分岐6:186:35双六岳6:457:13巻道分岐7:137:23双六小屋7:408:12樅沢岳8:12(たるみ10)8:47硫黄乗越8:479:22左沢乗越9:35(たるみ10)10:37千丈乗越10:37(たるみ12)11:39槍ヶ岳山荘 (6.64p)

朝から霧がかかって今にも雨が降りそうな天気。霧のせいでなかなか明るくならないので、テントを撤収してからしばらく待つ。ヘッドランプなしで行動できるくらい明るくなってから行動開始。三俣蓮華岳の山頂に着くころには、霧雨が振りはじめ風も出てきて寒い。山頂でのんびりしていると低体温症になりそうだったので、水を飲むだけ飲んで早々に出発した。双六岳でも天気は好転せずほぼ素通りしたが、双六山荘への下りの途中で一瞬だけ槍ヶ岳が顔をのぞかせた。
雲の切れ間から一瞬だけ槍ヶ岳が見えた

しかし、この日の眺望はこれだけ。この後はずっと霧の中での行動だった。西鎌尾根では景色がつまらないので隊の進行も早い。結局この日は読みの0.8倍くらいで槍ヶ岳山荘についてしまった。西鎌尾根は険しそうな名前のわりにやさしい登山コース。途中数箇所クサリもあるが、槍ヶ岳方面に向かうなら使わなくても十分登れる。最後の千丈乗越から槍ヶ岳山荘までは、激しい上り坂を登らねばならない。ただ、山と高原地図の読みからは大分縮むので、めげずにがんばろう。途中から小屋ハントしてもいいよというと、來住だけがありえん速さで飛んで行ってしまった。Lは息も絶え絶えになりながら、後のおじさんとしゃべりながらゆっくりと登った。このおじさん曰く、自分は槍ヶ岳に34回登っているが、たいていガスで何も見えないらしい。まあ今日は登れそうだから今のうちに登っておくといいよとか言っていたが、あんたが雨男なだけじゃないの?
結局この日は終日晴れず、槍ヶ岳に登るのはやめておいた。あのおじさんは結局登ったみたいだけど。槍ヶ岳のテン場は番号制で、受付をしてからしかテントを立てられない。また、狭い稜線上を区画整理してテン場にしているため、大きなテントを張れるスペースは少ない。幸い、この日は平日でしかも雨だったのでテン場は空いていたが、ハイシーズンに登る際には早めの到着を心掛けるべきだろう。もし、槍ヶ岳山荘にテントが張れないと、小屋泊するか殺生ヒュッテまで下るしかなくなる。我々のテントの向かいには某アウトドアサークルのT..A.がテントを張っていた。こいつら、昼はおとなしいのだが、夜は凶悪だった。21時ごろまで酒を飲んで騒ぐ。これだけでも十分Fランなのだが、会話がもっとひどい。男「ヒュッテとかコッヘルってドイツ語由来らしいよ」女「へぇ~そうねんだ、良く知ってるね」。よくそんな足りないおつむで山に登ろうとしたな。
翌日以降の天気予報は16日が終日雨、17日は午前中のみ晴れ。よって、16日は終日停滞として17日に槍ヶ岳を討って南岳小屋まで移動することにした。

8/16 5(終日停滞)~▲6
天気:
雨のため終日停滞。やることもなく暇だったので麻雀をやることにした。さすが歴戦の猛者だけあって仲渡は強い。昼食を挟んで2局ほど打った。ジジ天では西山と根岸がずっとイチャついていてLは怖くては入れなかった。昼食は槍ヶ岳山荘併設のレストランでいただいた。メニューは11000円でラーメンや牛丼、カレーなど。レトルトではなくちゃんと作って出してくれているようだ。食後、小屋ノートを見ているとT..A.の書き込みがあったので、横にいろいろと書き加えておいた。そういえばあの雨男のおじさんはもう帰ったのかな?そんなことを思いつつ、いつも通りサイトを終え床に就いた。この日はT..A.連中が小屋泊に移動してくれたので頗るよく眠れた。
結局この日も槍ヶ岳は姿を見せてくれなかった


8/17 6~槍ヶ岳~南岳小屋▲7(山と高原地図:4.8p / 3.5km)
天気:🌁
槍ヶ岳山荘4:505:05槍ヶ岳5:405:57槍ヶ岳山荘6:306:35飛騨乗越6:356:47大喰岳7:057:31中岳7:458:18横尾尾根分岐8:188:31南岳~(所要時間4)~南岳小屋 (2.5p)

ついに雨男おじさんが帰ったらしい!!朝から抜けるような青空で絶好の登山日和だ。明るくなるのを待って槍ヶ岳に登る。槍ヶ岳はハシゴとクサリが連続するのでどうしても隊が間延びしてしまう。特に山頂直下の2段の長いハシゴは渋滞しやすいので要注意。登山道自体は岩の隙間を縫うように付いており、山容のわりに高度感はあまり感じない。三点支持さえしっかりしていれば初心者でも容易に登ることができるはずだ。ちょうど山頂に着いた頃に日の出を迎え、美しい御来光を拝めた。あまりに美しい光景に写真を撮りまくる。気づけば30分以上山頂からの景色に見とれていた。だんだんと山頂から人が下りてゆき、最終的にほとんどワンゲルの貸し切り状態になってしまった。
念願かなって槍ヶ岳に登頂!!

槍ヶ岳からの光景に満足してテン場まで下る。槍ヶ岳は登りと下りでルートが分かれているので、ほとんどすれ違いを気にせずに下れる。このころになると大喰岳方面にかかっていた雲も晴れ、より一層視界がクリアになった。テントをたたみ6時半に槍ヶ岳山荘を出発。この日はもともと南岳山荘までしか行かない予定だったので槍ヶ岳に連なる大喰岳、中岳、南岳のピークでそれぞれ長だるみして、ゆっくり景色を楽しんだ。
大喰岳付近から見た槍ヶ岳、よく見ると頂上にたくさん人が立っている

このあたりの稜線は険峻な槍ヶ岳と対照的に比較的なだらかで幅の広い尾根が続く。中岳の山頂直下にハシゴがかかっているが、ここも特段危険というわけではない。大喰岳山頂ではほかの人がいないタイミングを見計らって隊員で上裸の集合写真を撮った。順調に進み9時ごろには南岳小屋に到着。小屋のすぐ近くには獅子鼻と呼ばれる大キレット展望台があり、そこから大キレットと穂高連峰を一望できる。
獅子鼻から大キレットを一望する

ここまでは天気も良く、この日のうちに大キレットを越えてもいいのでは?という意見もあったが、ヤマテン曰く12時過ぎから天気は崩れるという。翌日は終日雨予報なので丸1日停滞として、南岳小屋にテントを張った。時間が早かったので南岳小屋で昼食をいただく。メニューは槍ヶ岳山荘とほとんど一緒だが、ラーメンはなく代わりにハッシュドビーフがある。この後は小屋においてある漫画を読んだりして時間を潰した。この時点で翌日は停滞確定だったので、予備食を食べることにした。予報通りだんだん雲が湧いてきたのだが。結局日没近くなるまで雨は降らず、結論としてはこの日に大キレットに行っても問題なかった。ただ、翌日の天気を考えれば動かなくて正解だっただろう。

8/18 7(終日停滞)~▲8
天気:
今日も今日とて麻雀日和。雨の中やることもなく暇なので、6時半には当日のテン泊申請をして、山小屋の土間のテーブルで麻雀をする。テン泊申請に行くと、今日も昼ご飯を食べるか訊かれたのでそのつもりであることを伝えた。すると、わざわざ大盛りのご飯を用意してくれた。ほんとうにこの日は麻雀漬けで昼食をはさんで半荘を4局やって、2局目からは4100円で売っている手作りドーナツをかけた。
麻雀に勤しむワンゲラー達

3局目には仲渡が珍しく満貫を放銃しまくって1年会が23年会にドーナツをおごる羽目に。根岸は常に3位か4位という謎の安定感を発揮した。昼食の大盛りご飯に手作りドーナツの食べ過ぎで夜サイトを満腹のまま迎えることになった。サイトも終わりヤマテンを確認してみると、翌日も翌々日も晴れ予報。思惑通り合宿をいい形で締めくくれそうだ。翌日の晴れを期待し眠りに就く。

8/19 8~大キレット~北穂高岳~涸沢岳~穂高岳山荘▲9(山と高原地図:7.2p / 3.2km)
天気:
南岳山荘10:00(たるみ10)11:10長谷川ピーク11:1011:30A沢のコル11:40(たるみ10)12:45北穂高岳南峰13:1514:20最低コル14:30(たるみ10)15:45涸沢岳15:5516:15穂高岳山荘 (5.7p)

朝目を覚ますと一面のガスに雨。ヤマテンが大外れで北アルプスは雨雲の中だった。予定通りサイトを終わらせるも、出発判断は先延ばし。小屋に入って空を見ながら天候の回復を待つ。1時間、2時間と時間が過ぎてゆく。8時を過ぎると大キレットをあきらめて撤退するという人も出始めた。まだ撤退ということは頭になかったが、この日も停滞かなと思い始めた。しかし、山の神は我々を見捨てなかった。9時頃になると雨もやみ雲間から薄日が差すようになる。岩も徐々に乾き10時頃には出発できるまでに回復した。相変わらず少しガスって入るが、小隊を見渡すには問題ない程度の視界は確保できる。急いで出発準備を整え南岳小屋を発った。
初めに隊を3つの小隊に分割した。幕内・根岸、武本・西山、仲渡・來住・飯沼を各小隊として、それぞれのペースで隊を進めることとした。トランシーバは数が足りないので、ラインでA沢のコルと北穂山頂から到着連絡を入れることとした。
大キレットは初め南岳北斜面を下る。ここは斜度こそきついが危険な箇所はそれほどない。途中長いハシゴが2箇所ほどかけられている。ここを下りきると大キレットの最底部となる。このあたりは一般的な登山道と変わらない至って歩きやすい道が続く。休憩を取っておくならキレット最底部がおすすめだ。やがて、平坦だった道が上り坂に変わる。この上り坂も初めこそなだらかで道幅も広いのだが、徐々に岩肌を登るように急峻になり両側が切れ落ちた箇所を歩くことになる。
ここまで来ると最初の難関、長谷川ピークはもうすぐである。とはいえ、南下ルートの場合には長谷川ピークまでそれほど高度感はない。ピークにはHピークと白ペンキで書かれているのだが、書いてある場所が分かりづらく見逃してしまうことも多い。ただ、見逃してしまっても、いきなりナイフリッジをまたぐことになるので、長谷川ピークを過ぎたことはすぐにわかる。長谷川ピークを過ぎるとしばらくはナイフリッジの上を岩に掴まりながら歩く。この辺は手がかり足がかりを探すのに必死になっていたので、あまり高さを感じなかったが、後からビデオを見返すとガスっていてもとんでもない高度感である。晴れた日はなおさら高度感が増すと思うので気を付けよう。またこの区間には鎖は取り付けられていないので、しっかりとした手がかり足がかりを見つけるまでは動かないこと。岩のくぼみや出っ張りはたくさんあるので落ち着いて探そう。このナイフリッジをしばらく進むと一旦飛騨側に大きく高度を下げる。ここが長谷川ピーク周辺で1番怖いところだろう。コの字型ステップに手を掛け足を掛け慎重に下る。ここさえ抜ければA沢のコルまでは安心して歩ける。最後にクサリ伝いに飛騨側へ少し下り、木製桟橋の上を歩いてA沢のコルに到着だ。とあるブログでこの桟橋を休憩用のテラスだと勘違いし、のんびりと休んでいる写真をアップしている人もいたが、これはあくまで登山道なので桟橋ではたるまないこと。A沢のコルは十分広くザックを下ろして休憩できる。飛騨泣きに向けてしっかり休憩しておこう。
ここから第2の難関、飛騨泣きが始まる。しかし、今回は南下ルートのため飛騨泣きは基本的にすべて登りとなり、難易度はかなり下がる。必要な箇所にはクサリやステップがついているので、それを使って登るだけ。飛騨泣き核心部もしっかり手がかりも足がかりも打ち付けてあるので、それに従って登れば難なく通過できるだろう。最後にステップとクサリのついた岩をトラバースすれば飛騨泣きの難所は終わりである。ここからは北穂に向けてひたすら登る。ここがなかなかしんどい。
北穂高岳に突き上げる滝谷

ここを登り切れば、北穂の頂上直下に建つ北穂高小屋に到着。北穂高小屋は頂上まで標高差約6mの所にある。他の小隊は先に北穂高岳に到着していた。山頂でジュースを飲んで支度を済ませ早々に北穂の山頂を離れた。
北穂高岳を過ぎると涸沢岳までは難所が連続する。最低鞍部までは岩稜のトラバースが連続する。大キレットに比べ高度感こそないがクサリがほとんど付けられていないため慎重に進む。最低鞍部からは非常に長いクサリ場とハシゴの登りとなる。この登りを最低鞍部から見上げると人が登るものとは思えないような断崖絶壁に見える。
涸沢岳に向けて剥き出しの岩壁をクサリとハシゴでよじ登る

このあたりから韓国人のツアーと一緒に登ることになった。この韓国人ツアーの人たち、基本的にいい人なのだがマナーが悪い。クサリやハシゴで前の人を待たずにどんどん取付いていく。掴んでいるクサリを後ろから引っ張られるとバランスを崩しかねないので非常に危ない。クサリ場の韓国人はさながら蜘蛛の糸に群がる囚人のようだった。最後のクサリ場の下で韓国人グループが登り終わるのを待ちながら涸沢の頂上を眺めていると西山たちの話声がする。先に穂高岳山荘まで行ってテン場を確保しておいてもらうことにした。Lの小隊が涸沢岳山頂に到着すると、ちょうど雲が切れて槍ヶ岳まで見通すことができた。ここまで歩いてきた道を眺めて、仲渡も満足そうだった。
今日歩いてきた難所を振り返る

穂高岳山荘を挟んで奥穂高岳とジャンダルムも見えた。一通り写真を撮って急いで下山すると穂高岳山荘のヘリポート脇にスペースを確保してくれてあった。すると、ここにきて突然激しく雨が降り始めた。大急ぎでテントを建てる。立ててすぐにサイトをした。サイト後には穂高岳山荘の談話室で旅の思い出を語らい、20時ごろ就寝した。

8/20 9~奥穂高岳~前穂高岳~上高地(山と高原地図:8.6p / 7.8km)
天気:
穂高岳山荘6:036:48奥穂高岳7:158:23紀美子平8:358:50前穂高岳9:209:41紀美子平9:50(たるみ20)12:08岳沢12:2013:00風穴13:1013:43上高地 (6.8p)

前日の到着が遅かったため、この日は46としておいた。朝目が覚めて外を見てみると美しい雲海に抜けるような青空が広がっていた。まさに旅の最後にふさわしい天気であった。せっかくなのでヘリポートの脇に座って御来光を見ながら朝食をいただいた。
最終日のご来光、あな素晴らしきかな

朝サイトが早めに終わったのでのんびりテントを撤収。6時にテン場を出た。しかし、タイミング悪く韓国人グループの出発とかちあってしまった。おまけに奥穂から下る人とも重なって最初のハシゴの所で10分くらいずっと待ちぼうけを食らった。それでも、読みから少し延びただけで意外と早く山頂に到着した。山頂からはこれまで通ってきた道のりがすべて見渡せる。またしても写真を撮りまくり感動に浸る。富士山や八ヶ岳、白山も見えた。
ついにここまで来たのかと思うと感慨深い

奥穂から前穂までは吊尾根と呼ばれる稜線を歩く。ここは楽しい空中散歩が楽しめると思っていたのだが、そう甘くはなかった。足元がザレていて歩きづらいし所々クサリがかかっている。道も細くてたるむ場所もないので一気に紀美子平まで行ってしまった。紀美子平に荷物をデポし前穂に登る。トップを幕内にしたら、アスレチックで遊ぶチンパンジーのようにぴょんぴょん登っていく。ここでも大幅に読みを縮めて15分くらいで山頂についてしまった。山頂に着いた頃には残念ながら曇って来て奥穂しか見えなかったが、差し入れのジュースを飲みながら最後のピークを満喫した。
最後のピーク(前穂)で集合写真、皆満足そう


前穂から紀美子平の下りは落石を起こさないように慎重に下った。結局20分かかってまたしても下りの方に時間がかかってしまった。紀美子平から岳沢に続く重太郎新道は危険個所ほど少ないが、クサリやハシゴが続く急坂を下らなければならない。特に紀美子平直下のクサリ場は雨の日は滑り台になるだろうかあら十分気を付けるべきであろう。あとは、膝を壊しやすいのでゆっくり焦らず膝に負担がかからないように下ろう。岳沢まで来れば、あとは整備された歩きやすい道になる。この先は読みを大幅に縮め、上高地の散策路まで一気に下った。するとここで梅宮がわざわざ迎えに来てくれていた。ありがと~!!しかも、ジュースとスイカの差し入れまで。さすがワンゲルのママである。あとは河童橋まで散策路を歩く。もうここまで来ると完全に観光地化されているので、長期縦走から帰ってきた我々は奇異な目で見られる。とりあえずバスターミナルで荷物を整理し、河童橋の上流側に天突きをしに行く。なるべく人のいないところを探したが結局河童橋から丸見えの場所でやることになった。天突き後は温泉に入りたかったが上高地温泉の外来入浴の時間が終わってしまっていたので、小梨平キャンプ場に併設されているただのお風呂に入った。17:25のバスで新島々まで行き、そこからは電車で信濃荒井まで移動した。打ち上げは信濃荒井駅の近くにある焼肉食べ放題の店いちばんで行った。打ち上げ後は、隣の自由空間で三年会は徹カラ、12年会はネカフェで一夜を明かし翌朝帰路に就いた。


0 件のコメント:

コメントを投稿