北岳・間ノ岳

 自らの、初の道企画ということで、日本第二位の標高を誇る北岳を目指すことにした。ルートはあまり使われていない道がいいので、池吊尾根から入ることにした。

北岳頂上にて

記録:梅宮

◎メンバー
3川原、CL鈴木、2sL梅宮、sWsEsF根岸、1EFW今本、H曾根田、初豊島
◎計画
10/14() 波高島駅=(タクシー)=奈良田▲0
10/15() ▲0=(バス)=あるき沢橋~池山御池小屋~八本歯ノ頭~北岳山荘▲1
10/16() ▲1~間ノ岳~北岳山荘~北岳~肩ノ小屋~小太郎分岐~白根御池小屋~分岐~広河原
◎実際の行動
10/14() 波高島駅=(タクシー)=奈良田▲0
10/15() ▲0=(バス)=あるき沢橋~池山御池小屋~八本歯ノ頭~北岳山荘▲1
10/16() ▲1~間ノ岳~北岳山荘~北岳~肩ノ小屋~小太郎分岐~二俣~分岐~広河原




10/14(金)晴れ
 今回は、豊島がワンゲル山行に初参加、今本が初EFだったので、余裕をもって終電アプローチとした。sLは本郷で用事があったので、駒場での豊島の装備チェックを根岸に任せ、終電アプローチした。駒場では今本が確保していたコッヘルからお玉がなくなっていたようだが、今本が自宅から持ってくることで間に合わせたらしい。駒場組は終電の一本前に乗った。甲府駅で先についていた駒場組、同じく終電アプローチをしていた三年会と合流。曽根田以外がそろった。曽根田は別ルートでアプローチすると聞いていたので、とりあえず一安心。身延線の車内では、鈴木さんの切符が逆ルートになっていた以外は特に問題なし。波高島駅には23:15くらいについた。曽根田は先についていたので、これにて全員集合。トイレで水を汲み、23:30に来たジャンボタクシーで奈良田へ。奈良田には0:30頃に到着した。月がとてもきれいだ。奈良田にはバス停のところに待合所、トイレ、そしてそれらに付随する形で東屋がある。奈良田のトイレもきれいで、水も汲めた。東屋は最大で5人くらい寝れそうだった。月は満月に近く、とてもきれいだった(二回目)。

10/15()快晴
 今日のスタートは5:30奈良田発のバスである。大体が5時に起きており、sLもそれくらいに起床した。するとすでにバス停に数人の登山客が並んでいた。意外と利用する人もいるのだなあと呑気に準備していると、続々と人が並び始め、バスが来て我々が乗るころにはバスの中は立ちも含めてほぼ満員だった。次のバス停でも多くの人が待っており、この混雑を想定していなかったことを反省した。乗れて本当によかった。あるき沢橋には6:20に到着した。バスに乗っている人はほとんどが広河原入山の人で、あるき沢橋で降りたのは、我々ともう一人だけだった。あるき沢橋で着替えやら、体操をして入山した。根岸の服が暑そうだった。

1p目(6:35-7:17
 トップは今本。早い。何度か「もっと遅くてもいいよ」といったが、あまり変わらなかった。「遅くしろ」と伝えたほうが良かった。道ははじめ急であったが、途中で一度、平坦になった。平坦な場所は道が不明瞭だが、赤布やらピンクテープがこれでもかというくらい打ってあるので迷うことはない。トップは通りやすい道をうまく選んでください。平坦な道もやがて終わり、また急な登りになる。大きな岩を巻くように九十九折している箇所が何回かあり、多少の高度感があった。ペースが早めだったので、40分ほどでたるみとした。たるみなると今本が「あー疲れた~」と言ってザックを降ろした。川原さんから「最初のピッチから疲れるくらいとばしてんじゃねーよ!」とツッコミが入った。根岸は「暑い暑い」と言いながら、上裸になった。さすが根岸ニキ。
2p(7:30-8:20)
 トップは曽根田。やっぱり早い。急な登りも続く。倒木がここにきて量、サイズともにパワーアップしてきた。通るのに苦労するような場所もいくつかあった。疲れてきたころに平らな場所が出てくる。曽根田は尾根を左巻きするルートに引き込まれそうになったが、尾根上を行くべき。倒木をまくとしても、一回降りて上がるのは疲れるので、越えていくのも場合によってはありだろう。このあたりで根岸が「ハッカイサン、ハッカイサン」と言い始めた。ここもペースは速かったが、50分で切った。
3p(8:30-8:50池山御池小屋(通過)-9:20)
 ここまで一年会のトップが早すぎたり、変なルートを通ったりしていたので、満を持してトップは根岸ニキ。一年会のお手本となってくれるらしい。ペースはゆっくり目でよいが、途中で道が平坦になったところでもゆっくりのままだったので、少し上げてもらう。そうはいってもさすがの(?)トップであった。池山御池小屋は開いていなかった。根岸によるトップをよく見ておいてほしかった一年会は、縛りが謎のしりとりをしていた。ここら辺から寒くなり、それまで半袖だったsLはワークマンのゴアマもどきを着た。たるみでは現在地チェック、曽根田・豊島は地形図と今いる地形を照らし合わせて、上級生が想定していた答えを言ってくれた。今本はかかった時間と距離が感覚的に合わないと言って、違う場所を指していた。そのあと、普通にたるんでいたら、根岸が突然、「今回の企画で俺が北岳いいなあと思ったら梅宮の勝ち、やっぱり八海山行きたかったなあとおもったら俺の勝ち」と言ってきた。意味わからん。
4p目(9:32-9:50(根岸のコンパスを変える))
 今本、やっぱり早い。根岸がこの調子で読みの0.5倍で行こうと言いだしたので、sLは今本にペースを落とさせた。道は途中からまた急になる。登り終えると、尾根に出たので、再度現在地チェック。すると、実はここがさっきチェックした時に上級生が想定していた場所ではないかということになった。今本の感覚はあながち間違っていなかったようだ。ここで、根岸が「あれ?コンパスが、」と言い始めた。コンパス内の気泡が大きくなりすぎて、つかいづらいらしい。どうせなら変えてしまおうということで、一度ザックを降ろし、根岸の非常用パックからコンパスを出して、変えさせる。すると根岸が「あれ?コンパスが、」と言い始めた。デジャビュである。聞くと、なんと代えのコンパスが非常用パックの中で割れ、オイルが漏れていたのである。コンパス自体も針が動かない有様だったので、3年会の非常用パックを出していただく。じゃんけんの結果、川原さんに出してもらう。川原さんは鈴木さんがフルグラを手に持っていたのでグーしか出せないということを見抜けなかったようだ。交換した後、三年会と非常用パックのあり方が問われる。皆さんも確認しておきましょう。ちなみに、sLが帰宅してから自らの物を見てみたところ、固形燃料の一部が砕けて、中が燃料の粉末だらけになっていた、恐ろしい。ここは長く止まっていたので、たるみとして、もう一度ピッチを切り直すことにした。
5p(10:02-10:36)
 トップは今本のままで再スタート。道はまた急登となる。城峰は地図だと巻いているが、実際は頂上をいく踏み跡が明瞭だった。そのまま、30分くらい歩いたところで根岸がたるみまだあー?と聞いてきた。つらいから休みたいというように聞こえたので、急登が一時的でも収まったら適地たるみとした。たるみ時に聞くと、根岸は足がつりそうだったらしい。
6p目(10:50-11:55
 次のトップは曽根田。だんだんと限界が近づいてくる。岩場が所々でてきて、sLのテンションが上がった。オベリスクが見えてきて、川原さんのテンションが上がった。そのまま進むと、岩場が一帯に出てきたところで今本も「足をつりそうになってきた」と言うので、ペースを落とさせる。30分くらい歩くと完全に岩場となり、砂払いのピークにつく。さらに15分行くと、ボーコン沢ノ頭手前のピークとなった。ここから道はマツだらけ、踏み跡がいたるところにあるので、トップは通りやすいところを選びましょう。今回は何回かへんな道に入ってしまった。足がつりかけている人もいるが、ゆっくり行けば問題ないだろうということで、隊全体に聞いて、ボーコン沢ノ頭までロングピッチを切ることにした。なんとかついた。
 ボーコン沢ノ頭では当然ながら長たるみ。今日はボーコン沢ノ頭に泊まり、明日は藪漕ぎしながら広河原に下山するというおばちゃんに会った。ボーコン沢ノ頭からの景色は最高である。ほんとうに雲ひとつない快晴といった感じであった。北岳はでかい。
7p(12:22-13:00根岸つりそう13:03-13:11八本場ノ頭)
 八本歯ノ頭の頭までは単調な岩場で、飽きてくる。それに加えて、アップダウンがあるので足にも来る。隊は静かになった。途中で根岸がつりそうだとのことで、ストレッチのために一度止まる。八本場ノ頭はすぐそこなので、たるみはそこでとることにする。
8p目(13:25-13:50コル(通過)-14:05sLが岩場の隙間にポカリを落とす)
 八本歯ノ頭からの下りは危険個所としていたところ。トップを念のため根岸にしておく。確かにそれなりの高さを下る。ただ、岩自体はしっかりしていて、ホールドも多数あるので、焦らなければ特に危険はない。浮石による落石が怖いので一人ずつ通したが、特に問題なく通れた。一か所梯子があった。頭からの下りが終わると、コルとなる。急に人が増えた。北岳山荘へと続く、トラバース道への分岐は、コルから少し行ったところにあるのだが、そこまでの登りがつらく、とても長く感じる。途中の岩場でsLがザックのペットボトルホルダーに入れていたポカリが、岩戸岩の隙間にはいったので、たるみにしてしまい、救出した。分岐はまだかまだかという感じだったので、たるみ中に曽根田に数メートル上がって偵察してもらうが、まだ見えないらしい。
9p(14:20-14:25トラバース分岐-14:40トラバース終わり-14:55小屋着)
 トラバース分岐は視界に入らなかっただけで、すぐのところにあった。ここまでもいくつか梯子があった。トラバース道は思っていたより、梯子や鎖による手すりのついた場所が多く、疲れ切った足では少し不安のある道であった。雨でも使いたくない。ようやく小屋につく。
 小屋で受付を済ませ、サイト適地を探す。受付の人曰く、皆が張っているところに適当にということだったが、人が多く、452式を同時に張れる場所がなかなか見つからない。スペースのど真ん中に張る一人用テントにうんざりしながら探すこと10分、あきらめかけていた頃に、上の方で川原さんが見つけてきてくれた。すぐさま張り、サイトの準備に入る。サイトが始まったのは15:45頃であった。16:40くらいに今本の天図ができる。とくに問題はなさそう。sLは、少しだけ「ここはこうしてもいい」などと偉そうにアドバイスした。17時に分配出来、「いただきます」。
 食べ終わった後は、宴会をして就寝。宴会では川原さんの差し入れにより、おしゃれなものが出た。sLは気づいたら寝ていた。風が強く、テントの中でも寒かったが、甲府市街の夜景と星空がきれいだった。ちなみに、小屋では水道管が凍結していて、自由には汲めないということであったが、自分たちの分を調達することはできた。

10/16()快い晴れ
 朝は465時には完成していたので、サイトの手際としては良い。コールは豊島だったが、遅れずにきちんとやっていた。出だしはsub装なので、撤収を5:30としていたが、5:40には準備が終わっていた。体操したり、トイレに行ったりしてから出発。
1p目(5:50-6:23中白根山(通過)-7:07間ノ岳)
 朝の1p目とはいえ、sub装なので、間ノ岳までロングピッチを切ることにした。日の出とともに歩き始める。周りの景色は素晴らしい。中白根山のあとに小ピークがあったが、トップの今本はこれを間ノ岳だと勘違いした。間ノ岳までは稜線の西側を行く。思ったよりも時間がかかったので、この辺で小太郎山へは行かないかなと思い始めていた。間ノ岳では長たるみにするも、風が強くて寒い。
2p(7:32-8:13中白根山(まく)-8:33)
 帰りもテン場までロングピッチを切る。帰りは人が増えて、すれ違いで時間を取られる。中白根山は東巻きできる。トップは豊島だったが、ここは念のため川原さんが先行してくれる。途中も人とのすれ違いを回避するために行きとは別のルートを通る。そこでは鈴木さんが先行してくれた。何やかんやでテン場に予定より少し遅れて到着。水計算をし直して、小太郎は切ることを決断する。sLは高度計をなくしたことに気付いた。鈴木さんが自分用のものを持っていたので代用した。
3p目(9:11-9:31トラバース道との分岐-9:51吊り尾根分岐-10:10北岳)
 北岳頂上までは急な登り、熱くもなってきたので、途中でゴアマをぬぐ時間を設ける。岩場であり、鎖の手すりや梯子が出てくるが危険個所はない。北岳山頂では景色もよく素晴らしかった。鈴木さんが桃缶をだしてくれた。根岸はまたもや上裸になった。ほかの登山客もいるのですぐにやめてほしかったが、そのまま3分くらい上裸だった。
4p目(10:31-10:45両俣分岐-11:00肩の小屋)
 下りは通りづらい岩場で疲れる。両俣分岐からは急に落ち込んでいるので、通行注意。肩の小屋では長たるみにし、方針を決めた。小太郎山はカット。OR6を通る。根岸がコーンポタージュを出してくれた。
5p目(11:25-11:33根岸がスリップ-11:37たるんで様子見)
 肩の小屋からも嫌な岩場の下り。途中で根岸がスリップした。急なところで止まるわけにはいかないので、開けたところまで降りてから様子を見る。膝を打ったが、打撲のような痛みはないらしい。両ひざを切る形で出血していたのでばんそうこうを貼って、休ませてから出発する。
6p目(11:50-11:56小太郎分岐-12:04OR1との分岐&根岸の様子見)
 OR1との分岐で根岸に様子を聞くとばんそうこうがはがれそうとのことなので、いったんたるみにして、テーピングにより補強する。小太郎分岐は二か所あった。
7p目(12:15-12:55二俣)
 二俣までは沢状の地形を進んでいく。根岸に途中で様子を聞くが、問題なさそうなのでそのまま進む。途中で沢が見えてきて、sLはテンションがあがった。
8p目(13:16-14:02
 二俣からの下りは増水時用なのか、沢の中にも横の斜面にも道があり、トップは迷う。結局度を行っても最終的には合流した。そのあとはいくつもの橋や支流の渡渉を繰り返して進む。晴れの日でもこんな感じなので雨の日は絶対にとってはならないレベルだろう。
9p目(14:13-14:40広河原)
 このピッチも前のピッチと似たような道が続く。分岐からも川の渡渉があった。ようやく広河原につき、バッチを購入して帰宅の途につく。帰りは乗る予定の特急が鹿とぶつかったりしたが、問題なく帰れた。

まとめ
景色がよく、sL企画として素晴らしい山行になった。根岸のけがも大事に至らなくてよかった。一年会はついてきてくれただけでありがたい。豊島もぜひ入部してほしい。
(→※数週間後、根岸のケガはまあまあのものだったことが判明した。)

個評
鈴木さん:CLありがとうございました。計画段階からお世話になりました。
川原さん:全体へいろいろ指導していただき、ありがとうございました。おしゃれでした。
根岸:けがはしょうがないので今後とも気を付けて、一年会への指導、フォローありがとう。
今本:トップ飛ばしすぎないように。EFWといっぱい振ってしまってごめん。はやくsLとれるといいね。
曽根田:もうsLをとっているということで、係についていうことはありません。トップで飛ばしすぎないように。
豊島:初回ながら、水を持ってくれたりして頼もしかった。多分してくれるだろうけど入部待っています。

sL:計画段階で調べ切れていないところがあったので気を付けたい。行動中も記録に夢中になってしまうことがあったので隊の状況にも目を配れるようにしたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿