夏合宿道藪隊(朝日・飯豊)


 
面子:4鈴木、3H豊島、sW鳩貝(4)L茂木、2F宇田川(2)EW保田(4)1柏嶋、鈴木、長根、野原 ( )内は今山行までの藪トップ日数



「飯豊山 いいで!」と君が言ったから 8月半ばは飯豊記念日(笑)

ということで飯豊連峰に行きたくなり、朝日連峰と合わせて合宿にしてみました。

御西小屋と大日岳

 

8/6()曇りのち晴れ夜中雨強し 

-初日の雨は士気に関わるので勇気の小屋泊-

鶴岡=泡滝ダム1005-(タルミ3)-1315大鳥小屋

Lなどが乗ったバスは0728に鶴岡のウェストモールパル付近のバス停に着いた。電話でこの場所を指定したつもりがきちんと伝わっておらず、タクシーはちょっと離れたバス停に行ってしまったとのことで少し待つことになった。東北方面での電話による意思疎通は難しい。意味を把握できないうちに「はい」と言ってはいけない。ジャンタク+小型を予約しておいたが、会社側でジャンタクの手配がうまくいかなかったらしくマイクロバスが来た。鶴岡駅で鈴木さん、豊島と合流し、車内から入山連絡。泡滝ダムまで37800円。運転手さんはERで下山することになったら迎えに行くと言って名刺をくれた。蘇岡発電所から泡滝ダムまでの林道はかなり長いため、泡滝ダムまで車が入れなくなった際に歩いて行くというのはあまり現実的ではないと思った。雲行きが怪しいが、体操をして歩き始めると、蒸し暑く汗が止まらない。たった3.0pということで皆油断していたのか、大鳥小屋に着いたときには疲れ果てていた。初日に雨に濡れると士気が低下しモチベーション敗退につながるかもとの判断から小屋泊にした。管理人さんがいなかったので1500*10を箱に入れた。今回は上越隊オカン遂の鈴木さんも小屋の中に泊まった。大鳥小屋はラジオが入りにくい。場所をよく選ばねばならない。夕飯は昨年の上越隊でも出たタコライスだった。宇田川の味付けはすばらしい。今回は昨年のような切り口の茶色いレタス(犯人は筆者)はなかったが、扁平になったアボカド(犯人は長根)が見られた。食後、柏嶋が少し具合がよくないというので熱を測ると371分あった。暑気にあたったようなのでLの個人装の冷えピタをあげた。夜中は雨が強くなることもあり、藪入りしたくないなと思いながら寝た。

8/7()雨のち晴れ夜雨稜線上は雷 

1400pで前進停止、撤退時道迷いで疲れたので小屋泊-

小屋0450-0510三角池-(タルミ3)-0850 1400p(前進停止)0910-(道に迷う、タルミ4)-1555三角池-1610大鳥小屋
 
柏嶋の熱は356分になっており、本人も大丈夫とのこと。34半の予定だったが、サイトがトロく遅れた。柏嶋さん、だから飯トレしてねって言ったのに…。また、鳩貝が藪メガネを忘れたとのこと。わざとだろうか?どれほど藪入りしたくないかよくわかる。保田にE装の予備を出せと言ったら忘れたという…。みんな藪入りしたくないんだな。しかし、保田は普通のメガネをしているのでそれで代用し、保田の藪メガネを鳩貝に渡すことで解決。アンチ藪派の陰謀を粉砕した。三角池から少し戻ったところから藪入り。4発持っての上りはつらい。昨年の化穴企画のFBの記述はなんだったのだろう。我々に余裕のムードはなかった。柏嶋にいたってはひっくり返ったきり亀のように起き上がれなくなる始末だった。直後のタルミでは藪軍手を片方なくして予備もないという。なくすとフェータルな装備は予備を持つこと。Lの予備をあげる。所々赤布・ピンクテープあり。途中誰かが落としていったブルーシートを見かけた。風も強く稜線上も雲の中なのでLは「稜線上悪天で化穴サイトが不可なのはわかっているが、そのまま藪入りしないのは政治的によろしくない」程度の気持ちで「とりあえずサイト分の水も持って藪入りし1446pまで進む」という方針でいたが、2度目のタルミで鈴木さんや鳩貝から「どうせ化穴でサイトできないならサイト分の水を捨てて高速化し、化穴を討って大鳥小屋に戻る」という案を示され、採用することにした。あなた方は天才か?自分では全くそんな案は思いつかなかった。1446pまでの前進リミットを0900とし行動を開始した。突然軽くなったのでかなり速いペースで上ったが、1400pに到達した時点で0850になっており、前進を断念し撤退することにした。最初からこの方針にしていれば…などとも思ったが、この潔い判断が後々効いてくることになろうとは…。下りは始めに角度を切って進むという方針を立てたらしいが、1p経って一枚もLが打ってきた赤布を見かけないのは少しおかしいと気づいた。左に行きすぎたと思い、トップは右の尾根に行こうとしたが、谷に阻まれて行けず、100m弱上り返すことになった。もろい地形だったので落石が多発し危なかった。トップの報告によれば、右の尾根に行くともっと右に尾根があるとのことで、どんどん右へ右へと伸びてもらった。豊島がかなり遠くに伸び、声も届かなくなったので宇田川や鈴木さんに中継してもらった。想像以上に左に寄っていたようだ。鈴木さんも仰っていたが、はじめから散開して赤布をたどる方針にした方がよかった。GPSも持ってはいたが、地図が出るやつを乗鞍隊に渡してしまったため、緯度経度しかわからないやつだった。それでも予め地図上にプロットしてきたルート上の緯度経度と照らし合わせると、やはり左に来すぎていることが明らかとなった。1200過ぎごろに豊島が大鳥池を確認し、上りで見つけたブルーシートを発見したとのことで、本隊もその地点に向かい合流した。ここからは赤布をたどればすぐに下りられそうだと思ったが、甘かった。トップはなぜか赤布のない方へと誘われていき、宇田川などは突如本隊の後方から出現し、先ほど通過した地点の赤布を見て「赤布ありました!」という惨状であった。地名から察するに狐やら狸やらに化かされているようで、Lは恐くなった。最後のタルミでは鳩貝がクロヒメスズメバチらしきものに手を刺され痛がっていた。まさに泣きっ面に蜂。このハチには高校時代や一昨年の合宿でもお世話になっており、それほど危ないものではないとわかっていたが、せっかくなのでHの豊島が新たに配備してくれたポイズンリムーバーを使ってみた。放っておくよりはやく痛みが引いたとのこと。ヘトヘトになって小屋に戻ったのは1610Wの保田には漁業気象だけ天気図に描いてもらった。彼の雨具はズタズタでもはやゴミと化していた。欲張って化穴まで前進していたらビバークだったかもしれない。疲れ果てたので今晩も勇気の小屋泊。鈴木さんも小屋泊。以東岳から来た人たちによれば、稜線上は暴風雨だったらしい。戻ってきてよかった。管理人さんが戻ってきていた。管理人さんは衛星携帯を所持しているため、管理人さんがいれば大鳥小屋を準末端にできるかもしれない。管理人さんによれば、数日前に慶応ワンゲルさんが茶畑方面に向かったとのこと(Lの聞き違いでなければ→慶応さんのHPで事実と確認、完敗であります)。敵わない。野原の靴擦れが酷そうなので手当てさせる。寝る頃には稜線上で雷が光っているのが見えた。下りてきてよかった。
 
8/8()雨一時晴れ 

-なんだかんだまだ疲れているようなので今宵も小屋泊-

大鳥小屋0450-(タルミ3)-0828以東岳-(タルミ2)-1040狐穴小屋

昨日準備が遅かったので34半にしたのに結局出発は0450。なぜだろう?宇田川とLは目の上を虫に刺され、仲良くお岩さん状態。宇田川の方が酷そうだった。雨の中出発し、ER2から以東岳を目指す。保田は大鳥小屋にサンダルを寄付してしまったという。他のやつよりもハイカラなサンダルを見かけたらそれは保田のものであろう。誰か回収してあげてくれ。本日から1年にもトップをやってもらう。速度はちょうどよい。少し歩いて気づいたが、豊島、鈴木さん、Lの周りだけブヨが異様に多い。腹が立ったので防虫ネットをつけたまま歩いた。途中の地面に蜂の巣があったのに誰も気づいていないようだった。わろし。注意力散漫。限界上は風が吹いていて寒い。しかし、ブヨが少ないのはよい。本当は以東小屋の様子などを偵察したかったが、Lは寒すぎて余計なことをしたくなかったので通過。ずぶ濡れで風に吹かれるのはその状況を受け入れたくなくなるほどつらい気分であった。次のピッチで突然晴れた。きれいな草原と雪渓があったので、化穴山に行った気分で記念撮影。そのまま晴れればよかったが、すぐに降ってきた。早い時間に狐穴小屋に着いたが、皆の歩き方を見ているとヨタヨタしていて昨日の疲れが残っているようだったので行動はここまでとする。何の迷いもなく小屋泊を決断。1500/人。もちろん鈴木さんも小屋泊。管理人さんは2010年夏合宿の茶畑隊を覚えていた。木道の果てに「名湯狐の湯」が用意されていた。管理人さんに言わせれば「湯」らしいが、悟り浅き沙弥のLからすれば「水」だった。心臓の悪い方は入ってはいけないそうだ。もちろん今日は心臓が丈夫でも、とても入る気になどならない天気であった。時間があったのでL以外は保田が持ってきたカードゲームをやっていた。サイト後天図大会。どうもずっと悪いようだ。明日はとりあえず大朝日の小屋まで進んでその後の予定を考えることにする。我々の他には昨日大鳥小屋で一緒だったおばさんと単独行のおじさんが泊まっていた。鈴木はシュラフの防水に失敗したようで、湿ったシュラフを悲しげにいじっていた。
北寒江山より北側を望む


8/9()雨時々曇り 

-大朝日は晴れたけど翌日から天気悪いようなので即下山、楽しいネカフェ泊-

0430狐穴小屋-(タルミ1)-0530寒江山0600-0646竜門山-(タルミ1)-0740西朝日岳-(タルミ1)-0910大朝日小屋0925-0940大朝日岳-(長ダルミ、方針会議など)-大朝日小屋1150(下山開始)-(タルミ3回、小朝日巻く)-1555古寺鉱泉=1745山形駅

34半。一応時間通りに出られたが、本当はあと30分短縮したい。出発時に管理人さんに「祝瓶は行かないんだよね」と言われたので、「とりあえず大朝日小屋まで行って、必要があれば今日中に古寺に下りることも考えている」と伝えた。雨具を着て出たが、暑くなったのですぐ脱ぐ。鈴木に「その先のてっぺんに着いたらタルミ」と言っておいたら着いたときに「てっぺんです」と返してきてかわいかった。復唱は大切である。豊島にずっとブヨがたかっている。本隊の後ろに防虫ネットをかぶった人がついてくる。防虫ネットの中でニコニコしている。不審者っぽい。タルミの時みんなにたけようと近寄ってきて恐い。この日は比較的よい天気で周囲の景色が見られて楽しい。大朝日小屋近くに来ると突然ブヨが消えた。うれしい。途中ガスが出たが、大朝日岳はガスが晴れてよかった。豊島のゼリー・ようかんや鳩貝・Lのみかん缶などもう出す機会がないであろう差し入れを放出した。1年の鈴木は部員紹介の写真が“No Image”になっているのでそれ用の写真を撮る。ついでにラーメン屋さん(4年鈴木さん)も記念撮影。小屋に戻って1030ごろ。この時点ではここに泊まって明日本ルートに行くかER5で古寺に下りるか判断することにしていたので12年に金玉水に水汲みに行ってもらう。待っている間に小屋前にいる人たちに今日どこまで行くか聞いてみた。白石工業高校さんは竜門小屋に行くとのこと。おじさんおばさんの団体も竜門小屋へ行くとのこと。3040代のグループはすぐに下りるとのこと。この人たちの「当然下りるよね」的な発言に心動かされた。昨日19時の予報では10日夕方から11日にかけて台風が接近するとのことだったが、本ルートは11p以上になり、途中に小屋もないので明日採る可能性は低い。ER5で下りる可能性が高いのにここにとどまる理由はないように感じられた。上級生はこのように感じていたようだが、大っぴらに撤退を主張したくなかったので、下級生が帰ってきたら意見を聞くことにした。上級生も含めて宇田川、鈴木以外即下山を選択したので1150に下山を開始する。小屋の管理人さんも「寄り道せずに下りな」と言ってくれた。泡滝ダムまでお世話になった運転手さんに電話してみると、前日に夜勤だったため来られないとのこと。せっかく名刺までもらったのに残念。月山タクシーに予約を入れた。下り途中より雨。ブヨ多し。豊島曰く「ブヨって何のために存在しているんだろう」。彼は塩地谷での経験からブヨ対策を強化しており、たかられるわりに食われた箇所は少なかった。Lはずっと手を振り回すのに疲れ果ててしまった。つらい下山路だった。小朝日を上る元気はとても無かったので巻いた。1555に古寺鉱泉の駐車場に着いた。濡れた靴のせいで靴擦れになった者が多かったようだ。前半戦終了。後半戦の好天に期待する。山形駅までジャンタク33420円、普通22290円。駅で途中連絡を入れたが、化穴に行ってないことを伝え損ねたので化穴に行った感じに捉えられてしまったようだ。鈴木さんのズボンの濡れ方が大変なことになっていた。徒歩10分強の風呂に行って、夕飯はハンバーグを食べた。大多数は2kmほど離れたネカフェに向かったが、豊島は山形駅周辺でオカン。
 
大朝日岳にて


◯8/10()曇り夕方より風強し 

-下界で停滞は手痛い敗退のもとか?でもとりあえずネカフェ泊-

終日山形市内で停滞
 
朝の山形市内は曇りで風が少し吹いている程度。111148に小国集合として自由行動。Lは洗濯の後駅で濡れた装備を乾かすためにお店を広げていた。下級生に発見され写真を撮られる。多くは山形市内を歩き回っていたようだが、宇田川は山寺まで行ったらしい。Lは夕方から風が強くなると予想して1800には件のネカフェで籠城体制を整えたが、哀れな下級生の中には風の中駅カンになった者もいたらしい。適地探しが大変だったそうだ。Lはずんだ餅を食い過ぎて腹を壊す。ちなみに鈴木さんもネカフェ泊。柏嶋、野原の麻布コンビはリッチにビジネスホテル泊。
 
◯8/11()曇り時々雨夜風雨強し 

-今山行で一度もテント泊していないことに気づきテント泊-

山形=小国=天狗平ロッジ(飯豊山荘)
 
豊島は現地で集合になったが、他は0900山形駅集合。小国まで学割使っても1550円。Lの帰省(渋谷=本庄)よりかかる。1148小国着、豊島と合流。狐穴小屋にいたおじさんもいた。ER8を五味沢に下りてきたらしい。天気はそれほど酷いものではなかったという。小国郵便局でデポ品回収。不要品は本郷郵便局宛てに返送。空き時間に鳩貝にハッカ油調達に行ってもらう。対ブヨ最終兵器である。小国から飯豊山荘のバスは700円。天狗平ロッジでテン場代500/人を払おうとすると成人の分だけでよいと言われる。ありがたい。ゴミも分別してあれば引き取ると言ってくれる。ありがたい。ザックも雨に濡れない炊事場に置いていいと言ってくれる。ありがたい。2年会二人が雨に濡れない炊事場でオカンしてもいいかと問えばロッジ内のロビーにすだれを敷いてここで寝ろと言ってくれる。ありがたい?これはオカンとは認められない。なんて厚かましい奴らだ。2年会+豊島がロッジで寝て、鈴木さんは雨の中オカン。2年会の誘いも断ったという。漢の中の漢。ブヨ対策はしたが、ここでは普通の蚊が凄まじかったため被害が出た。この日稜線上は20m/s超の風が吹いていたという。飯豊山荘に風呂をもらいに行った人もいた。
 
◯8/12()曇り時々晴れのち雨のち晴れ夜暴風雨 

-風雨だったので小屋泊を選択したが、晴れて後悔。でもやっぱり正解だった-

天狗平ロッジ0445-(タルミ3)-0836丸森峰0850-0936地神北峰0950-(タルミ1)-1045扇ノ地紙-1105門内小屋1120-1215北股岳1225-1245梅花皮小屋
 
34半。ほぼ予定通り。テントでサイトだったが、コンロの周りにたくさん蚊が落ちていて恐ろしい。暗いので0445まで炊事場の掃除をして待機。計画では門内小屋まで進むことになっていたが、水場があんまりよくないとの情報をいただいたので、梅花皮小屋まで進むことにする。狐穴小屋にいたおじさんは梶川尾根から梅花皮小屋に向かうとのこと。丸森尾根ははじめ急。四つん這いで上る箇所もあり。道に木が覆い被さっており実に不快。ブヨも不快。ハッカ油の効果はそれなりだが、持続時間が短い。タルミごとにつける。ブヨブヨブヨブヨ。Lは遂に発狂した。L「お菓子を寄越せ!」鳩「おかしいじゃないか!」。絶好調。上りの間豊島が歌を歌い続けていた(豊島ラジオ略してとよラジ”)。歌い出し数秒で諦めたり、高音部で詰まったりすることも多いポンコツである。歌のセレクトがちょっと古い。そのポンコツっぷりに鳩貝から批判が出た。とりあえず校歌を歌わせておけばよい。森林限界は1400mくらいかと思っていたが、丸森峰まで限界下だった。読みよりかなりはやく地神北峰に到着。1年会から水を抜き、上級生を疲れさせる戦法がうまくいったらしい。はじめは霧が出ていたが晴れた。保田の差し入れのジュースがうまい。液体の差し入れは評価が高い。地神山まですぐだったがタルミ。日本海が見えた気がした。いつもこのくらい天気がよければどんなに楽しいことか…。しかし、門内小屋に着く頃にはまたガスに包まれていた。風も吹いて寒い。後半こそは好天を期待していたのだが…仕方あるまい。嵐を呼ぶ男(高市)が北アに入山しようとしているのだから。悪魔め!保田の雨具はゴミではなくコンビニのレインコートに変わっていた。文明を感じた。門内小屋のテン場は良さそうだった。北股岳では雨のせいで皆生気が無くなっていた。20分ほど下り梅花皮小屋に着く。後半こそは全部テント泊にしようと意気込んでいたが、管理人さんも「門内小屋のほうがテン場よかったのに…」と認めるようなテン場だったし、雨が降っていて風も吹いていたので小屋泊にした。1500/人。やはり快適。ちなみに、誰かの話では御西小屋以南は小屋泊2000/人だそうだ。サイト時に長根が米に芯が残ったと言っていたので、すかさず「新米の作った芯米」。宇田川さんから銀マ三枚いただきました。鳩貝はサイト中ずっと寝ていた。今回の天図大会は読み手が下手くそだったらしく誰も完璧に聞き取れた者がいない。仕方が無いので第一放送の天気予報を聞く。ここで豊島「小缶はもう使わないから召還しておこう」。ややうけ。外が明るいので見てみると晴れていた。小屋泊の判断は間違っていたか?遠くの斜面に熊がいると誰かが言っていた。最後の晴れかもしれないので記念撮影。きれいな景色だった。宇田川は小屋前オカン。鈴木さんは小屋泊。夜中は風がビョービョーになり小屋泊組の勝利。できれば明日切合小屋まで進んで日程を一日縮めたいと思いながら就寝。
 
◯8/13()ガス強風のち晴れ時々曇り

-朝は強風その後晴れ。出発判断はよかったか?今山行初のまともなテント泊-

梅花皮小屋0500-0545烏帽子岳0555-0635御手洗ノ池0650-(タルミ1)-0815御西小屋0850(サブ装)-(タルミ1)-1000大日岳1045-1145御西小屋(サブ装解除)1210-1255駒形山1312-1345本山小屋1400-(タルミ1)-1530切合小屋
 
起きると外は強風と霧。宇田川は夜中に1分間くらいヘッドライトを照射されたらしい。遭難者だと思われたのか?とりあえずCHP(クリームハヤシペンネ)を食べる。文明的なメニューの多い今山行で唯一といってもよいワンゲル的メニュー。ペンネの代わりにマカロニを持ってきたやつがいた()L個人としてはこのメニューに対する評価は高いのだが、1年は食うのに苦労していた。出発時、「この状況は悪天に含まれるのか」の判断に迷った。視程は3050mくらい確保できているが、風が強い。ただ、雨はほぼ降っておらず、待機しても好転はしないと思い、特筆すべき危険箇所がないのでとりあえず御西小屋まで前進ということで出発する判断を下した。歩き始めて相当風が強いことが判明した。時折体が煽られるほどであった。鈴木はザックカバーを飛ばされていたがすぐ回収。ちゃんと固定しておくように。戻るべきかどうか考えているうちに烏帽子岳に着いてしまった。ここまで来てしまうと前進した方が稜線の風下側を歩けるので比較的楽ということで前進を選択。山頂は風が強いので風下側でタルミ。フラフラである。もし雨が降っていたら体温が奪われてよろしくない状況であったろう。豊島はブヨが吹き飛ばされるならどんな天気でもいいと元気だった。烏帽子岳以降は道が風下側だったためか風は気にならなくなった。御手洗ノ池でタルんだ時保田が腹痛を訴えたため正露丸を飲んでもらう。Lが参加する山行では何かと食中毒が発生するような気がするので心配したが、なんとか平気だったようだ。御西小屋に着いたときには風は普段通りになったが、ガスが出ていた。電波が入ったので野原に天気予報を見てもらうと、どうも今日が一番マシなようなので大日岳に行ってしまうことにする。御西小屋は宿泊者以外小屋内に入ってはいけないし、荷物を入れておいてもいけないそうなので、今後は不調者デポなどはできないと考えて計画を立てる必要がある。サブ装を作り残りの荷物は小屋の横に置く。時々ガスが晴れる。「天つ風雲の通ひ路吹き閉ぢよ」では困るのだ。そんなことは下界で言ってくれ。乙女の姿をしばしとどめることも大切だが、我々は切実にお天道様が拝みたいのである。大日岳までガンガン飛ばす。途中より晴れる。うれしい。大きな谷がきれいに見えるところでタルミ。宇田川に好展望地点恒例の宮田さんポーズをやってもらった。頂上は風が吹いていて寒かったが長ダルミ。鈴木さんの蒟蒻畑やLのニセ蒟蒻畑、豊島のぜんざい・羊羹など差し入れの放出を行った。大朝日に続き、メインピークではなんとか天候を味方につけられてよかった。寒いのでなるべく早く発ちたかったが、宇田川のコーヒーを待ったり、鳩貝の靴に針金を巻いたりしていたら45分もタルんでしまった。御西小屋に戻る途中で狐穴小屋から縁のあるおじさんとすれ違った。悠々と大日岳を目指していた。我々もあと1時間出発を遅らせればもっと悠々とできたのかもしれない。天候は完全に回復し主稜線がきれいだった。こんな景色が毎日続くことを想定して計画を立てたんだがなあ…。少し日が照っただけで日に焼けて痛い。日焼け止めは早めに塗ること。75分読み(エアリアは100分読み)のところを60分で歩いて疲れた。御西小屋で荷物整理をしていると金ぴかの大きいカメムシを発見した。この土地の王に違いあるまい。
大きな谷がきれいに見えるところ

草月平から伸びている稜線を外れ県境に沿ってついている道は通行不可。駒形山はタルミ適地。宇田川の差し入れカルピスをパウ代わりに使用。贅沢だ。飯豊本山周辺にはトンボが大編隊を組んで飛び回っていた。豊島とLは彼らが飯豊山域のブヨを抹殺してくれることを心から願った。本山小屋では飯豊山神社に参拝。賽銭は野原が大量に所持していた5円玉を使わせてもらった。きっとよいご縁があるでしょう。御西小屋までと違い人が多い。皆大日杉や弥平四郎からの往復なのだろう。本山小屋からの下りではマウンテンバイクを押している人とすれ違った。どこで乗るのだろう。御秘所はそれほど危険とは感じなかったが、やはり雨の時通るのは1年会の技量的に危ないかもしれない。3年会くらいになると通るべきルートは当然の如く見えるのだが、まだ慣れないと難しいようだ。2年会をトップにしておいたが、彼らのルート取りもあまり上手くなかったのでさらによくなかった。とはいえ場数を踏めば自然に慣れるだろうから大丈夫でしょう。それよりも、先ほどのマウンテンバイクの人はどうやってここを突破したのかが気になる。草履塚からは燧ヶ岳が見え、関東文化圏に戻ってきた感覚が得られ、感無量である。1日を通してF-15戦闘機の2機編隊が低空で訓練しているのを3回くらい見られた。すごい爆音である。切合小屋は混雑していた。テン場も同様。天気は悪くないのでテント泊。結局まともなテント泊は最初で最後となった。電波はなんとか入る程度。会津交通にタクシーの予約を入れるときにも途中で切れた。サイト中に鈴木がスプーン曲げしたという報告を受けたが、結局何だったのかよくわからない。一応帳面には記録しておいた。最後の晩餐はアクアパッツァ。合宿のフィナーレを彩るすばらしい料理であった。鈴木さん、宇田川の差し入れのなめ茸も放出。しかし、なめ茸2瓶は多かった。日没頃からブヨの気配を感じ始める。明日の彼らとの最終決戦に備えハッカ油の準備をしておく。鈴木さん、豊島、宇田川がオカン。保田は若天が狭いのでジジ天で寝ることになった。早めに起きてサイトに参加するという。
御西小屋の横


 
◯8/14()曇り時々晴れ、下界は晴れ 

-ブヨ戦争最終章。やはり奴らは一筋縄ではいかない。下山したのでネカフェ泊-

切合小屋0500-(タルミ1)-0625三国小屋0640-0712疣岩山0740-0745?疣岩山先分岐-(タルミ1)-0850?上ノ越-(タルミ1)-1000登山口=野沢駅=会津若松
 
35。案の定保田はサイトに遅刻。何をやっている。にもかかわらず時間に余裕を持って出発準備完了。合宿中に1年会のサイトの手際がよくなったようでよろしい。Lが便所に行くと小屋で医者か看護師を探していた。昨晩準備しておいたハッカ油を吹きかけて出発。今までの経験から1ピッチ目はブヨに囲まれることはないと思っていたが…甘かった。行動開始早々豊島は防虫ネット行動、Lは手ぬぐいほっかむり行動を余儀なくされた。こちらも対抗するためハッカ油の原液を手ぬぐいと衣服にしみこませた。日焼けの部分に手ぬぐいがふれると非常に痛い。しかしブヨが消え失せるなら苦でもない。豊島は昨晩ブヨに襲われる想定をしながら寝たそうで、これでもその想定より少なくて喜んでいた。パウがたくさん余っているのでダブルパウにする。リッチな気分だ。ブヨの少なさにとよラジも絶好調。しかしハシゴなどで隊が停止するとブヨが寄ってくるらしく、歌いながら同じ場所を行き来している。恐い。三国小屋はきれい。テン場はない。管理人さんによると切合小屋で子どもが虫垂炎になったらしく街からヘリが来るそうだ。山下りたらデマンドバス使うのかと問われたのでタクシー使うと答えたらリッチだねと言われた。デマンドバスなら300円である。リッチなのですと答えておいた。タクシーは1100に予約したので時間が余るということで疣岩山にて長ダルミ。件のヘリが飛来するのが見えた。1年会からおいしそうな行動食を恵んでもらう。物乞いは一日やるとやめられなくなると魯長老が言うようになかなか面白い。特に干しマンゴーとグミがよい。トップの1年会は下界が近づいたからかはやい。柏嶋は疣岩山先分岐と勘違いして獅子沼に突撃。セカンドにいた宇田川は道sLチャレンジ中なのに…あと1回ミスでアウトー。しかし、その後はミスなく進んだ。途中に新しげな熊の糞と木の幹に引っ掻いた跡があったが、熊スプレーは小国から送り返してしまっていたので恐かった。最後のタルミをとっていると野原が左前方からスズメバチみたいなやつが飛んできていると報告してきたのですぐに出発。たしかにそれっぽいやつがしばらく我々についてきたようだった。1年会も周囲に注意が払える余裕ができたようでよろしい。登山口には1000に着いてしまった。人気も少なく時間もあったので天突き。ピッチ数を数えてみたら50ピッチ弱になってしまいちょっとなる過ぎたかなと反省。カウンターは雰囲気が一山っぽいとの理由で柏嶋。これで1年会も一度は天突きを経験したということで、ちゃんと儀式の継承ができたと思う。野沢駅までタクシー1時間弱。ジャンタク14080円、普通9620円。デマンドバスの何倍だ?駅では列車まで時間があったのでまたお店を広げたりテントを干したりできた。SLばんえつ物語号も見られた。会津若松では駅から徒歩5分ほどの入浴施設に行った後、焼き肉食べ放題で打ち上げをした。Lのいたテーブルでは色々過ちがあって飯トレになってしまった。申し訳ない。柏嶋はその日中に帰途につき、大多数は駅から3kmくらい離れたネカフェに向かった。豊島が鶴ヶ城で城カンするというのでついて行き、天守閣前で別れの杯を酌み交わし、解散となった。
 
◯実働ピッチ数
1日目:3.2p
2日目:11.0p
3日目:6.0p
4日目:8.8p
5日目:0p
6日目:0p
7日目:7.5p
8日目:8.6p
9日目:4.4p
合計:49.5p
 
◯まとめ
昨年一昨年と比較的天候に恵まれ、本ルートを完遂した夏合宿が続いたが、今回はそうもいかなかった。Lの人徳のなさを恨むばかりである。藪区間を切ったり、ER5で下山したりとなるべく無理の無いように行動したつもりだが、藪の下りの道迷いや梅花皮小屋での出発判断などやや危ない面もあり反省が必要である。我々が下山した数日後に我々が通った隣の尾根で亡くなった方もいる。どのような結果が訪れるかは紙一重であり、どうにもならないこともあるということを頭の隅に置き、今後の山行でよりよく立ち回れるように訓練していただきたい。また、テント泊が少なかったので1年会の技術向上の機会を奪ってしまったかもしれない。少し残念な部分である。

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