薮トレ 幻湿原






            幻湿原にて



記 川辺


メンバー(敬称略)

4長藤、古田

3朝比奈H、川辺L 

2加納F、加茂E、松尾W、道下

1池田、河原、小谷、下川、豆田

係・権利:加茂N4、松尾N8、道下N3




6/9(金)小雨

東京=(車)=TWV小屋▲0

本郷車と駒場車にわかれて出発。小屋の手前の駐車スペースはハイエース2台くらい。小屋ではauの電波はかろうじて入る。仕方のないことだが、睡眠時間は4時間ちょっとしかとれず申し訳ない。


 

6/10(土)晴れ時々ガス

▲0 4:50〜5:15堰堤〜5:40たるみ(体調不良)5:55〜6:52たるみ7:04〜7:57たるみ8:10〜9:18 1450m 9:32〜10:12水くみ 10:22~11:00幻湿原▲1 11:40〜12:27たるみ12:41〜12:50 1809p〜13:30たるみ13:38〜柄沢山13:50たるみ14:05〜15:16幻湿原▲1


<幻沢まで>

2年会の4人を育成するため朝比奈を加えた5人で、トップ、中継、本体誘導を、2日間を通して回し続けた。特に、RF箇所ではトップと中継を2年会にやってもらった。他の箇所でも2年会中心で動いてもらって、朝比奈に頼らないようにしてもらった。

堰堤の手前で渡渉。渡渉というよりコンクリートの上を歩くだけ。この日も前日雨だったが、余程増水しない限りはERを使うことはなさそう。取り付きは急だが、取り付いてからは最初は楽。途中、朝から体調が優れなかった池田が気分が悪くなりたるむ。荷物を抜いて、吐き気がおさまるのを15分くらい待つ。本人に体調確認後、池田をセカンドにして出発。踏み跡明瞭。1030露岩はたいした大きさではなく、右巻き。1150露岩も右巻き。ナナカマド台地(1380のあたり)から散開して幻沢を探す。

<幻沢から>

尾根から南の沢に降り、偽沢を2つくらい越えて幻沢に着く。トップがわりとすんなりと見つけてくれた。幻沢は明らかに他の沢と区別可能なので、偽沢に惑わされないように。水は焦らず上流の方にいってから汲めば、担ぐ距離が短くなって楽。今回は1600のあたりで水汲み。雪渓は1年会も軽アイゼンなしでいけるくらい。下りなら必要。沢床は、水量があり靴が濡れ、雪渓を歩いても踏み抜いて落ちる可能性があるので、適宜、沢の脇の薮を行くのが得策。

幻湿原は、雪が溶けている箇所が1、2割。さらにその中でぬかるんでいない面積はちょうど7天3張りくらい。加納はアイスバーを差し入れで持ってきていたが全部溶けてしまった様で萎えていた。どんまい。夕焼けがきれいで湿原の雰囲気と相まって幻想的。やはり幻湿原はめちゃめちゃいいところ。

<OR>

テントを張ってサブ装を作ってからORを目指す。角度を切って30分くらいラッセルすれば尾根に乗る。斜度がえぐいので薮を掴む腕がきつい。帰りをスムーズにしたいなら、尾根にでたタイミングで、Lは赤布をうつのを忘れないように。自分は、急なラッセルが終わりやっと尾根着いたーってなって忘れた。柄沢山までの稜線は踏み跡明瞭、薮は薄い。尾根上は灌木が多いので東側を歩くのがよさそう。帰りは横着せず、1809pまでいってから角度を切るのがよい。1809pから威守松尾根にのって、ベロについたら角度を切って幻湿原まで進む方針。晴れていたので下りつつ幻湿原を視認しながら進むことができてイモりようはない。ガスっていたら幻湿原までもう少し時間がかかっていそう。


Fの量が多く、シチューがコッヘルにぎりぎりでかき混ぜづらかった。大(特大大)は小(大中)を兼ねるので、コッヘルのサイズには余裕をもった方がよかった。古谷メソッドを習得したという豆田と小谷に米を任せた。結果、2つとも全体的に悪くはなかったが下の方は焦げていたので、古谷メソッドは成功すれば美味いが他の人がやるには従来のワンゲルメソッドよりも再現性が低い(?)という意見がでた。宴会では朝比奈のメロン、🦆のポップコーン、加納の卵などの差し入れを楽しんだ。小谷シェフがいくつもの卵料理をふるまってくれた。


 


6/11(日)ガスのち雨

▲1 4:17~5:10たるみ5:24~6:23たるみ6:40~8:15たるみ 8:33~9:27たるみ9:38~10:45たるみ11:00~12:14 威守松山12:27~13:02治療開始→

<先発隊>13:21出発~14:11 TWV小屋

<後発隊>14:08出発~14:42 TWV小屋


<威守松山まで>

415発。サイト地から、前日のORと同じ様にラッセルして尾根にのる。1600mくらいから1450mくらいにかけては、藪が濃く、尾根が広いので植生に流されてトップと中継が全員右に落ちた。1480mくらいはRFポイント。尾根が広く、現在地が把握しにくい。トップからの情報が錯綜していて、2年会以上も現在地について意見がわかれた。本体も尾根から落ち上り返した。その結果、1時間20分くらいのロングピッチになってしまった。このあたりは、加納などはトップをやりたがっていたが、尾根が不明瞭な時の本体誘導こそ大事な役割だと思い、朝比奈ではなく2年会に誘導をやらせた。1340のベロについてからは尾根が明瞭でトップはずっと1列。特にRF箇所はないが薮はあいかわらず濃い。威守松山で藪抜け。

<威守松山から>

登山道は急な箇所がおおい。860mくらいに小屋への分岐がある。わかりやすいので見落とすことはなさそう。


<松尾の滑落による怪我>  

・滑落状況:道トップの松尾が10mくらい、横向きに回転しながら落ちていった。その途中で、おそらく出っ張っている木の根や石に頭をぶつけた。道は、雨の後でぬかるんでいて、急。ロープはなかった。

・傷の状態:生え際の少し上のあたりに、縦3cmほどの裂傷。深さは数mmくらい。皮膚の中のものが見えていた。意識は明瞭で、自力歩行も可能。それほど強い痛みもなく、血が止まらない以外は問題ないとのこと。

・傷の処置:

  1. 歩けそうなので、急斜面から平らなところまで数m下ってもらってから傷の確認。

  2. 流れる血をキジぺで止血しつつ、血を拭いて傷口の特定

  3. キジぺやガーゼで強く圧迫してもらった。

  4. この後、40分くらい圧迫しても血が止まらなかったが、その場にとどまっていてもしょうがないのでガーゼを包帯とタオルで強く巻いて下山を開始。この間にLが病院に電話をかけた。

・診察:傷口をホッチキスで縫った。その他検査では異常なし。

・原因:藪抜け後、小屋までの最後のピッチで雨も降っていたので、早く下山したいという気持ちがみんなにあったのではないか。トップや中継として動き続けた疲労、本人の不注意、打ちどころの不運が原因だろう。


松尾の処置をはじめて10分後くらいに、雨が降っており止まっていても身体が冷えるだけ、小屋まであと1pくらいということで、長藤さんをLとして分離隊を作り下山させる。松尾、L、古田さん、朝比奈が処置のため残った。傷の処置中、松尾の荷物の分配を行い、ザックもLのザックに確保用具でくくりつけて、怪我をしてから1時間後くらいにゆっくり下山開始。分離隊の方は1pかからず小屋に到着し、先に帰京して貰った


<下山後>

後発隊は小屋をでてすぐに側溝に脱輪。運が悪い。10分くらい人力で持ち上げようと頑張ったが、結局、側溝にハマったまま無理やり前進したらうまく抜けられた。その後、魚沼基幹病院に向かった。車で40分くらい。先発隊の車は関越道が事故で1時間くらい通行止めで動けなかったらしい。またまた運が悪い。後発隊の車は、車内に蟻が大量発生し、非常に不快。我々の体から出たか、車内に巣があるかだと思うが、後者だと思いたい。

色々あった山行だった。みんな頑張ってくれたのに打ち上げもできずに申し訳なかった。Lも帰宅できたのは日付が変わったくらいだった。


特記事項

・RF難ポイント

幻沢、威守松尾根の1480あたり

・虫が多い。特にブヨ、アブにさされると痛痒いのが続いて結構うざいので対策必須。さらに、発熱を伴うことも。


総評

おそらく、薮の濃さ、最大斜度、RFの難しさに関しては今年の薮トレの中では上位の方だと思う。幻湿原はやはりいく価値がある場所。1日目は晴れていて薮の魅力、幻湿原の魅力を

堪能できた。2日目は一変して終始雨、いろいろあって大変だった。


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