三月合宿の翌日、比較的楽な企画として作られた接続企画。うまくいけば三月合宿で通った稜線を眺めることができるはず…
予想天気図:寒冷前線は許さない |
2年会 sL浦中
1年会 W今田、E下平、H関野
遂に積雪期(残雪)の企画を出すのか、という意識だけはあったものの、審議日程を把握していなかったsLは、苗場山で青くなった。冬道九重連山に行くsLは苗場山下山の2日後までに企画資料を作らねばならなかったのだ。その時点では三月合宿の場所すら決まっておらず、接続企画なんぞ立てられるわけもなかったのだが、ここで漸く三月合宿を八幡平にするとの決断がなされた。
苗場山の下山後、新幹線でワープして帰宅したsLは必死になって接続企画の資料を作った。早く作らねばならない。でも妥協はしたくない。そんな葛藤の末、結局妥協して作られたのがこの企画だった。
その後、熊本から審議に参加し(審議についてはTWVホームページを参照)、プレツアーで39度の熱を出し、と壮絶な3月上旬を乗り越えられなかったsLは、三月合宿には参加せずに、接続企画に向かうことになったのであった。
計画では、アルパこまくさから男女岳に登頂し、八幡平や岩手山を眺めて三月合宿の思い出に浸るはずだったのだが…。
以下、前日・当日の記録を記す。
3/25(月)7:30東京〜21:00盛岡駅
三月合宿で予備日を使用したため、後発組は25日に盛岡まで移動。三月合宿最終日は9ピッチほどの予定だったのだが、なかなか下山連絡が入らず「ワンチャンもう一日遅れるかも…」とか考えていた。結局17:30近くなってから下山連絡が入り、喜び勇んで18:13盛岡発で田沢湖に向かうが、なぜか三月合宿組がいない。連絡を取ってみると、なんと盛岡にいるとのこと。なんでやねん。
しょうがないので田沢湖でエキカンして翌朝の電車で来る奴らを待とうとしたのだが、ここで駅員さんに「駅で寝ることは許されない」と告げられる。交渉しようとしたが、sLの戦闘力はたったの5。話にもならなかった。流石に雨が降る中この時期のオカンは不可能。宿を探すも満室。止むを得ず新幹線で盛岡に戻ることになった。まだ入山すらしていないのに敗退するとは…。しかもこの新幹線、鈍行と大して時間が変わらない。車内の快適さのためだけに1200円も払ったのかと考えると悲しかった。
盛岡で三月合宿組と合流するが、何か様子がおかしい。下平が黒瀬の靴を履いており、黒瀬が中津さんのヤッケを着ている。そして、中津さんは既にホテルに行ってしまっていた。中津さんは既にホテルに行ってしまっていた。中津さんとホテルという言葉の組み合わせにsLは戸惑いが隠せなかった。
ここで、三月合宿における装備の破損、紛失を記しておく。
関野:シールがつかなくなり、予備シールを使用
下平:スキーのビンディングが破損
黒瀬:下山後の温泉にゴアマを置いてくる
この時点で、中津さんを除いた人間7人に対して装備は6人分。中津さんが残してくれた板の調整をすれば7人全員で入山できるが、自力での調整ができなかったため、明日は誰かを盛岡に残さなければならない。一年はスキーの練習が必要。3年は監督者としていなければならない。当然、sLが参加しないなどあり得ない。盛岡に残るのは黒瀬、お前だ。
明日は下平が黒瀬の靴と板を使い、黒瀬が中津さんの板を下平の靴に合わせて調整ということになった。
盛岡駅では東西自由通路の下の変電設備の陰に寝床を見つけ、23時就寝。
3/26(火)5:20盛岡駅~6:07田沢湖駅~6:30アルパこまくさ7:15~8:05 950m 8:15~8:30ゲレンデトップ~9:05 1100m 9:15~10:20駒ケ岳八合目11:10~11:37 1100m 11:50~12:00 1180m 12:10~12:32 1300m 12:47~13:17 1100m~13:30ゲレンデトップ13:40~13:55アルパこまくさ
4時頃起床。変電設備の陰でコソコソとモスとカップ麺を作る。ビンディングの調整のために盛岡に残る黒瀬と別れ、5:20盛岡発の始発で改めて田沢湖へ向かう。6:07に田沢湖駅に着くと前日に手配したジャンタクが待ち構えており、すぐに乗ることができた。6:30にアルパこまくさに到着。タクシー代は¥7000。この時点で天気は入山できる程度の小雨。
アルパこまくさの軒下でサブ装を作り、シールを貼る。適当なツリーホールにシュラフなどをデポし、ビーコンチェック、体操を済ませて7:15出発。途中今田の指から出血があってヘルボを出したりしていたが、それでも準備が遅い。幾ら何でも45分はかかりすぎでしょ。
出発してからしばらくはゲレンデ歩き。真っ直ぐなゲレンデが続いているので迷いようがない。斜度も緩い。登り始めにパラついていた小雨は、徐々に雪、霰に変わり、下部はガスもとれてくる。ほんの少しだけ、田沢湖の向こうの山々が見えた。
ゲレンデトップでは奥まで突っ込まずに少し手前で林道に出るはずだったが、トップの下平は1番奥まで行ってしまう。もうちょっと地図を見て欲しい…。結局、小さな沢状地形を超えて角度を切って進み林道と合流する。林道に入ってからも1100mの沢を超えるところまでは基本的に道に沿って進むだけなので、迷うことはない。sLも練習程度に赤布を結びつつ進んだ。
1100mで沢を超えると道は蛇行し始める。角度を切り、カーブミラーなどを確認しながらショートカットする。と、1200mぐらいから視界が悪くなり始める。最初は「少しガスってるな〜」ぐらいだったのに、みるみる視界が白く染まる。赤布・竹竿をベタ打ちしなければ太刀打ちできない。視界は20〜50mほどか。1200m~8合目までは所々に灌木が出ているので、積雪量が少ない時なら赤布だけでもいいかもしれない。
1270m付近から8合目小屋へ向かおうとするが、1363mピョコへ続く一本西の尾根に乗ってしまい、沢を超えることになった。視界不良時のRFは鬼のように難しい。沢床が完全に埋まっているため、渡渉点探しをする必要はなかったのは幸い。8合目は案内標識と立派な小屋がある。上部はガスがひどくて進めそうになかったのでとりあえず小屋に入る。入り口は左手に回ったところにあった。
小屋に着くと視界はだいぶ良くなった 良くなったんだよ… |
午後3時ごろに寒冷前線に伴って荒れ始める予報だったので、視界が回復する可能性にかけるのも微妙ということで、1100mまで一度降って、男女岳の北西斜面を登って滑走することにする。小屋を出てシールを剥がし出発するが、1年会はまだ少し遅い。15分ほどかかって出発。トレースと赤布をたどって滑る。斜度が緩いこともあり、1100mまではサッと滑れるが、いかんせん上部の視界が悪い。簡単にトップが見えなくなる。なんとか前の人を視界に収めながら滑るという感じだった。
1100mで沢を超えてから取りつきやすい斜面で男女岳北西面を登る。積雪量がそれほど多くないためか、どこからでも取り付ける。雪は湿雪の上に少しパウダーぐらいでシールも効きやすく、グングン高度を上げる。結局、30分程度で200mほど高度を上げ、限界上に少し出たところで視界不良のため滑走開始。斜度がきついこともあり、スキー合宿後初のスキー山行である今田はかなり転んでいた。地図に出ない沢状地形などもあり、大斜面の滑走という感じではなかったが、斜度も適度にあり楽しめた。3年会の2人は楽しくなってしまったらしく、道に出てからはトップを抜かしがちだった。というか完全に抜かしていた。隊から離れるわけでもないし危険な場所でもないので、そのまま放置してゲレンデトップまで滑って最後のタルミ&モス。ゲレンデトップからは滑走でもルーファイでも難しいところは全くないため、今田をトップにする。ゲレンデは斜度が緩すぎてターンすると止まりかねないので、ほぼ直滑降。アルパこまくさまで一気に滑ってSchi Heil。
バスと電車の時間の関係で、アルパこまくさで2時間半ほど待たなければいけなかったので、のんびり温泉に浸かる。入浴料は¥520。建物内には秋田駒ヶ岳に関する展示もあり、なかなか楽しめた。夕飯は盛岡で熊本ラーメンを食べた。「おっぺしゃん」という店で、三月合宿組は盛岡ではこれしか食べてないらしい。実際量も多く、美味だった。
総評
視界不良でノーピーク山行になってしまった。あれだけ苦労して企画を作ったのに悔しい。ただ、天気が良ければ最高の滑走ができるポテンシャルは感じたので、是非また出して欲しい。乳頭山の方の稜線から繋ぐコースも良いだろう。
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