1年冬山 大佐飛山

人がいなくて、静かで奥深い山に行きたかった。無雪期は藪漕ぎが必要だが冬になると山頂へ続く天空の回廊が現れる、それを知ったとき、これだと思った。この時期の情報が少なく企画を作り上げるのに苦心したが、待っていたのは願ってもない全行程での晴天であった。

大佐飛山へ


参加者 4藤原、3川原、L村田、2W西山、1F勝木、EH幕内
記:村田


1/27(金) 車アプローチ
東京=百村=18番巡視路口


19時過ぎに本郷を出発し、五霞から新4号バイパスを使って北上した。一人当たりの交通費550円也。この日は黒磯の道の駅で駅カンする予定だったが、登山口で寝ることができればそれが一番良いので、巻川林道まで行くことにした。林道入口は分かりにくく、事前に調べていかないと民家の敷地や寺の境内に入ったりしてしまうので要注意だ。道幅が狭くなり交互通行になる箇所で曲がるのが正解。林道は雪深く、車は18番巡視路口までしか入れなかったのでそこの車待避所にテントを張って寝ることにした。夜11時の気温は-3度くらいで、寒さは感じない。少し雪が降ったが、すぐにやんだ。明日はこの先にある19番鉄塔巡視路を登って直接新登山口に行くことにした。

1/28(土) 快晴
18番巡視路口~サル山~黒滝山~大佐飛山~サイト地⛺1


(18番巡視路口)5:48~6:43(新登山口)6:50~7:33(尾根合流点)7:42~8:32(三石山)~(たるみ1回)~9:40(サル山)9:50~10:43(山藤山)10:53~(たるみ1回)~12:10(黒滝山)12:19~12:58(西村山)13:10~(たるみ1回)~14:34(大長山)~15:03(たるみ)15:15~16:25(大佐飛山)16:30~17:00⛺1

暗闇のなか、ヘッデンをつけて林道を進む。19番鉄塔巡視路の取り付きには小さい黄色い札が立っているが、トップは見逃して通過してしまった。鉄塔までは踏み跡があり歩きやすいものの、鉄塔から新登山口までは多少藪っぽかった。尾根は明瞭なので暗くても外すことはまずないだろう。新登山口に着く頃には明るくなっていたので、もう少し早く出てもよかったかもしれない。尾根に乗った後は、黒滝山に向かってひたすら登りが続く。

南側に雪庇が出ている箇所が多くその上を歩くことになったが、雪庇は小規模で全く問題ない。山藤山から黒滝山への急登では何箇所か端によると危ないところがあったので、そこを気を付ければ問題ないだろう。雪は深いところで膝下程度で平坦なところでは問題ないが、急登箇所では結構しんどい。それでも先々週の上州武尊に比べれば大した事はないだろう。トップはL以外で順番に交代した。黒滝山の急登あたりで1年会の二人が結構疲れている様子だったので、途中から2年会以上メインでトップを回した。ここの急登を考慮してアイピケを持ってきたが、結局使わなかったので黒滝山にデポした。黒滝山は南側の展望が素晴らしく、眼下に広がる那須高原が見渡せる。
黒滝山下より東方向
とても天気が良い。天気が良いので何をしても気分が良い。北にある那須連山を見ると日本海の方からの雲に覆われていて、しかもこちらの山域からも分かる速度で動いているのが見える。向こうは凄まじい風が吹いているだろう。西からの雲はすべて那須連山の方に行ってしまっていて、こちらの男鹿山塊は雲一つなく風も弱い。
黒滝山から西村山へは地形が複雑なため要RF。山頂から北に伸びる尾根に進みかけてしまったが、沢状を渡って正解ルートに復帰した。西村山に向かって角度を切って進むと樹木の密度が濃く地形の見通しが悪くなるので避けた方がよい。正解は、黒滝山山頂から西へ下っていき、下りきったところで右に曲がり尾根に乗るルートだ。黒滝山~西村山の間は平らになっていて、サイト適地。大長山手前あたりからようやく風が出てきた。午前中の段階では大長山サイトも視野に入れていたが、予想以上に順調に進んできているので回廊を行くことにした。大長山から少し下りると、突然展望が開け天空の回廊が姿を現した。大佐飛山まで続く稜線が一望でき、場所によっては飯豊の方まで見渡せる。なるほど素晴らしいところだ。回廊に入るまでは回廊上で日没が来たらどうしようかという話をしていたが、稜線の脇にはずっと樹が生えているので、どこでも適当に幕営できそうな感じがした。
天空の回廊

1813mでまた樹林帯に入り、その先の平坦な場所にザックをデポして空身で山頂を目指した。回廊の途中から膝が痛みはじめていたLは、最後だいぶ遅れてしまった。大佐飛山山頂に着いたとき、トップは言葉にならない歓声をあげていた。ピークはあまり展望がなく見ようによってはイモピークだが、この日の長い行程から山頂に立った達成感は格別である。今日1日で登山口から標高にして1300m弱登っているのだ。
山頂

山頂の東側にテントが張れそうな平らな場所があったので山頂でもサイト可能だ。先ほどザックをデポしたところまで戻り、サイト開始。幕内が雪袋を忘れたり、たわしがなかったり色々と問題があった。勝木が前回使った雪袋を持っていたのでそれを使った。米を1合入れ忘れたのでクラムチャウダーに入れたところ、リゾットのようになりとてもおいしかった。

1/29(日) 午前中 快晴 午後 曇り
⛺1~黒滝山~18番巡視路口


(サイト地)6:53~(途中写真撮影5分)~7:55(大長山)8:05~9:10(西村山)9:22~9:53(黒滝山)10:15~10:45(山藤山)10:58~11:39(サル山)~(たるみ1回)~12:39(三石山)~(たるみ1回)~14:04(新登山口)~(林道で30分長だるみ1回)~16:00(18番巡視路口)

稜線上から少し外れているのでテントに風が当たることもなく、快適な夜だった。昨日ピークを討ったので今日は下るだけだ。Lは膝が痛いので、装備を隊員に分担して持ってもらった。このFBを読んでいる人は、この日の行程はLのペースにあわせてかなりゆっくり下っていることを考慮に入れてもらいたい。
昨日来た回廊を戻る。昨日のトレースが回廊の上をきれいに伸びている。昨日も天気が良かったが今日は那須の方の雲も取れていて、より展望が良い。昨日と同じところでもう一度集合写真を撮ったりした。
雲海に浮かぶ那須連山
黒滝山

西村山からのRFポイントも昨日通っているので全く問題ない。黒滝山でアイピケを回収して、ひたすら下る。昨日苦労した急登も座って一瞬で滑り下りた。黒滝山を超えてからだんだん曇ってきたが、高曇りで視界は良い。ひたすら下って新登山口に下りる。最後の方は雪が重く団子になって歩きにくかった。気温も0度を上回っていた。新登山口からはLの膝を考慮して林道経由で帰ることにした。林道の途中でテルモスを飲んでいないことに誰かが気付いたので、藤原さんの差し入れの甘酒を昨晩消費していなかったこともあり大休止をとった。テルモスと甘酒を飲んで回復したからかここから急にペースが上がった。18番巡視路口で車を回収し、塩原のかんぽの宿の温泉に行った。西那須野塩原IC近くの定食屋で打ち上げをして、勝木・西山・藤原さんを大宮でおろしてから東京で解散した。


まとめ


あまり人が入らず名の知れた山域ではないが、静けさ、奥深さのある良い山だった。全区間限界下なので張れる場所は多い。限界下だが、天空の回廊の展望は素晴らしい。ただ標高差・水平距離ともに長いので、雪の締まっていないこの時期だとある程度の体力が要求される。

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