夏合宿沢藪隊 和賀岳・南部ツル偵察(7/21, 22)
2007年度山行No.27
作成者:塚越
��年:W安達、LH工藤
��年:sLEF塚越
夏合宿沢藪隊の導入にして核心部でもある堀内沢マンダノ沢のER開拓。マンダノ沢出合から稜線上の治作峠へと続く藪尾根を偵察してきた。台風で潰れた山行No.25のリベンジ。
本来は夏瀬温泉から堀内沢に入渓し、マンダノ沢出合から尾根に取り付いて藪を漕いで和賀岳まで抜け、道で真木渓谷まで下る、という予定だったのだが、天気予報が芳しくなかったので真木渓谷からのピストンにした。合宿の追加資料に、草原の位置などを書いた地図を載せたのでそちらも参照のこと。
7/20(金)
各自アプローチ。大曲駅に集合し、田沢湖線の最終20:51田沢湖行きに乗って角館へ。角館観光タクシーは夜のうちには和賀岳登山口まで入れない、というので翌朝出発にする。角館駅は快適に駅カンできるのだが、蚊がいるのが玉に瑕。
7/21(土)曇り→霧雨→雨
【登山口】6:20-(40分)-7:00【滝倉水場】7:10-(55)-8:15【薬師岳】8:30-(50)-9:20【和賀岳手前1260ベロ】9:35-(40)-10:15【和賀岳】10:35-(55)-11:30【雪渓】11:50-(50)-12:40【治作峠手前コル】12:50-(50)-13:40【治作峠】▲1
小路又キャンプ場はただの広場。旧登山口(1/25,000地形図に書いてあるやつ)には新しいトイレが作られ、駐車スペースもある。そこから少し行ったところが甘露水登山口。水が汲める。
体操をして工藤さんトップで出発。なんだか個人山行に来ているような気分だ。高度を上げるとすぐにブナ林となる。ガクアジサイが美しい。のんびりペースだったが読みの半分であっさりと滝倉水場に到着する。小さな沢を渡渉するが、ここは雨でも特に問題はなかろう。
滝倉水場の渡渉点
避難小屋跡は快適そうな天場だった。ひと登りすると尾根に出て、やがて森林限界となる。ガスでほとんど何も見えない。薬師岳山頂から続いている踏み跡を道だと勘違いして行ったらすぐに藪になって焦る。本当の道は山頂を巻くように西側についていて、分岐が小さな祠?の手前にあった。
お花畑の中を行く。登山道ははっきりしているが、幅が狭く、草が登山道を覆っているようなところもある。ガスと言うか霧雨というか。眼鏡が右半分だけ曇る。そういえば今回の面子は全員眼鏡。和賀岳山頂には日帰り登山者が一人だけいた。
さて薮入り。といっても始めはニッコウキスゲが咲き乱れる草原の中の踏み跡を辿る。すぐに胸までの笹藪となり、踏み跡はなくなる。1412ピョコ先の雪渓は大きかった。合宿中になくなることはあるまい。水を汲む。周囲は草原。
雪渓で水を汲む
雪渓の東側の尾根を進む。二重稜線。西側を行くのがいいだろう。この辺りは灌木も混じる。しばらくすると雨が本降りとなってきた。しかもたった3人なのでこの上なく惨めな気分で黙々と藪を漕ぐ。尾根が一本になると東側が笹、西側が灌木という植生がはっきりする。時々草原。大岩は東側を巻くのがいいだろう。
治作峠手前コル(1284南コル)には池塘「ひょうたん池」。この辺も二重稜線。池塘から続く溝が東側に延びていて、その中を池塘に向かって歩き、池塘脇の笹の急登を登るのがいいだろう。まあガスっていてもRFは大して難しくない(でも工藤さんが面白い動きをなさっていた)。
1284の先も東側が笹。灌木の間の笹をつなぐ感じで北側から回り込むように南部ツルの尾根に乗る(GPS便利)。地形図の湿原マーク辺りでたるもうと思ったら「左足が上がらない」と安達さん。sLももういいやって気分だったのでここで泊まることにする。auの携帯で電波1~2本。緊急連絡先に報告。
7/22(日)曇りのち晴れ
【▲1】4:50-(60分)-5:50【1170m】6:00-(20)-6:20【1100m】-(25)-6:45【1170m】6:55-(55)-7:50【1260m】8:00-(20)-8:20【1270ピョコ】-(15、うち沢偵察など10分)-8:35【▲1】9:00-(50)-9:50【雪渓北1270m】10:00-(50)-10:50【雪渓】11:10-(35)-11:45【和賀岳】12:20-(55)-13:15【小杉山】13:30-(40)-14:10【薬師岳】14:25-(55)-15:20【滝倉水場】15:45-(35)-16:20【甘露水登山口】
夜のうちに激しく雨が降ることが何回かあった。朝はガス。草原は1270ピョコのすぐ手前まで続いている。やや北の尾根に引きずられつつも正しい尾根に乗る。正解尾根と北の尾根との間の沢状地形には溝があった。トトロの溝。
灌木が次第に密になっていくなか、笹と草原をつなぎながら下っていく。やがて灌木だけになり、すぐに森林限界。本当の森林限界は1150m付近だった。ブナが生えてくると下草が膝丈になり歩きやすい。1100mまで下ったところで、この先も同様だろうということで、事前の打ち合わせどおりここで切り上げる。
登り返し。意外と楽だった。灌木も結構素直。太陽が見え隠れし、視界も晴れてくる。眼下に八瀧沢、辰巳沢が見える。和賀岳はまだ雲の中。なんかわくわくしてきた。
灌木が密で通過しにくいときは、尾根の南よりの笹を行った。すぐにサイト場。
サイト場付近の草原
のんびりした後帰る。もう完全に晴れ。少しすると羽後朝日岳にかかっていた雲が消えてその威容がよく見える。行きたい。その東が大荒沢岳。根菅岳、高下岳も見える。奥に見えるは秋田駒か。田沢湖も見えた。昨日とは打って変わって気分が宜しい。
ひょうたん池。南向きに撮影。
爽快な草原
帰り道、振り返る。左奥が治作峠から伸びる南部ツルの尾根。
和賀岳山頂付近のニッコウキスゲ
和賀岳にはたくさんの登山者がいた。その中でこの山域に特に詳しそうなお二人にゆで卵などを恵んでいただいたり、大荒沢岳~羽後朝日間のコルはRF注意だと教えてもらったり。
あとは道。安達さんがお疲れの様子。そしてsLはマタズレータ。細く溝のような登山道が恨めしい。薬師岳山頂でタクシーを登山口まで呼ぶ。au、電波2本。というか稜線はずっと下界が見えたので携帯は通じる気がする。和賀岳山頂でお話したおじさんによると薬師岳の下の倉方まで携帯は通じるらしい。トンボが飛び交っていた。
どっしり構える和賀岳(中央)。薬師岳から。
のんびり下る。甘露水登山口まで下りると「合宿並に疲れた」と工藤さん。お疲れ様でした。角館駅から10分のところにある温泉に入って解散。
まとめ
ピストン、ということは藪尾根をわざわざ下り、その分登り返さなければならないわけで、なんとも自虐的な、精神的に試される山行になってしまった。でも二日目の草原、太陽、展望はなかなかなものだった。あれほど気持ちのよい藪はなかなかないかもしれない。多くの先人たちがひと夏を捧げるだけあって、和賀山塊はいいところだ。
今回は視界不良のなか、少ない面子でもさくさく進みたかったのでGPSを大いに活用した。たまにはいいでしょ、許しておくれ。練習にならないからRFがイモいやつは真似するなよ(σ・∀・)σ
かかった時間についての考察は合宿の追加資料参照。
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