残雪企画 ナルミズ沢

2006年度山行No.51 残雪企画 ナルミズ沢(3/22, 23)
作成者:塚越
��:L安達
��:FH白濱、sL塚越、EW小松

ナルミズには近づけすらしなかったのに、企画名としてFBに「ナルミズ沢」とつけるのはどうかと思いますが。
計画では土合駅の裏にある赤沢山経由で丸山乗越まで縦走し、そこから翌朝白毛門・笠ヶ岳・朝日岳と打ってからナルミズ沢に降り立ち、さらにその次の日には布引・雨ヶ立を登って宝川に下山することになっていた。が、…




3/22(木)雨
小畑さんが赤羽に見送りに来て下さる。
この面子では土合駅の階段すらのんびり登れない。地上では雨が降っていた。
日本海型低気圧が発達して24日の夕方には前線がやってくるような予報だったので、2泊の予定を1泊に変更・デポ作成。隊のペースが速ければナルミズ沢を狙うことにした。夜中に車で来るような連中もいなかったので快眠。
3/23(金)快晴
��◎土合)5:25―(取り付き)5:40―(途中トラーゲン&ワカン装着に15分)―6:45(標高800m)7:00―7:45(標高1100m付近)8:00―9:10(赤沢山北西尾根、標高1250m)9:25―10:25(1391P南西コル)10:35―11:30(宵の越山南コル)11:45―12:35(宵の越山北西コル)13:05―13:40(丸山南コル▲1)
出発時に駅の上空は晴れていたが、谷川岳や清水峠の方は雲に覆われていた。雪がぱらつく。気温は高い。
「土合山の家」の裏にある林道を行く。沢の方まで行ってみたが、結局取り付きやすそうだった「山の家」のすぐ裏の、ワカンのトレースがあったところから藪に突入。雪はあるにはあるが、藪だらけ。スキーを履いたまま根性で何とかなるかと期待したが、すぐにあきらめてトラーゲン&ワカン。足を置いても雪がずり落ちるので歩きにくい。かなりの急斜で、イモい人は絶対に連れて行けない。この面子でよかった。800m付近で予定の尾根に乗る。その後1100m付近までトラーゲン。ところどころ赤布が打ってある。
1100m付近以降はスキーを履いたが、藪が出ていたり雪がでこぼこであったりして歩きにくい。地面が出ているところもあった。今年は雪が少ないから大したことなかったが、例年であったら南側に雪庇が発達していただろう。1200m付近はサイト適地。
赤沢山は北側から巻くことにした。1250m辺りからやや登り気味にトラバースして赤沢山北東のコルに出た。斜度が緩く明るいブナ林を快適に歩く。このときには既に快晴。谷川岳の険しい岩壁がかっこいい。ただ隊のペースを考えるとこの時点で23日中にナルミズを滑ることは無理のようだった。
ピョコを越えたところで1391Pも高度を上げながら西側をトラバースして巻くことにする。宵の越山(1482P)は急斜だったが、山頂付近東側に発達した雪庇を避けるようにしながら直登。山頂からは谷川連峰の急峻な峰々のほか、白毛門・笠ヶ岳・朝日岳の大斜面やナルミズ源頭、布引・雨ヶ立と計画のルートが一望できた。西には武尊・至仏・平ヶ岳が並び、その奥に燧ケ岳が姿を見せる。よい眺め。天気は最高。
宵の越からの藪だらけの急な下りにはかなり苦労したのだが安達さんや白濱はススイと行ってしまう。小松がやけに苦労していると思ったら、左膝の筋が痛むとのこと。ラジオも聞きたかったので、宵の越北西コルで長めにたるむ。小松の膝には湿布を張っただけで、特に荷物を抜かなかった(と思う。抜いたっけ?)。
そんなこんなで丸山南コルへ。湿布を張ったとは言え小松の膝がかなり痛むようだったので、この日はここで泊まることにした。小松の動きにいつものキレがないので分かりやすい。あとは少し休んでみて小松の膝の調子が良くなるようであればサブ装で広河原をピストンしよう、としたが痛みは引かないようだった。無理をしても仕方がないので行動終了。
安達さんと白濱は空身で丸山までピストン。sLは東側の展望を利用した、露天便所という素晴らしいものを思いついて製作に取り掛かる(途中で飽きた)。戻ってきた安達さんと白濱は近くの斜面で適当に遊ぶ。サイトは簡潔で宜しかった。たくさんの差し入れご馳走様でした。
3/24(土)曇り
��▲1)5:50―7:05(宵の越山南コル)7:15―(1391P北東コル)8:00―8:30(1391P南西コル)8:45―(小松の荷を抜く、15分)―9:40(赤沢山北東コル)9:55―10:25(赤沢山北西尾根1250m付近)11:00―(トラーゲン10分)―12:10(1100m付近)12:30―13:15(800m付近)13:35-14:15(取り付き)
注)小松の怪我もあったのでペースは遅め。
朝食はエスプレッソパスタ2食/人。多い。日の出からしばらくは晴れていたが宵の越を越えた辺りから雲が広がり始めた。
登りは問題ないのだが、シールをつけたままガリガリの斜面を下るのは疲れた。宵の越の南のピョコからはシールを外し、そのまま1391Pのトラバースに入った。行きとほぼ同じルート。落ちた雪はダマとなって斜面を下る。赤沢山を巻き終わったところで大休止。テルモスも出す。ここまで小松の荷物は少しずつ抜いてきたが、ここでほとんどすべて抜く。携帯(au)が通じたので緊急連絡先の小畑さんに電話。ナルミズには行けなかったこと、小松が怪我したこと、もしかしたら24日中に下山できないかもしれないことを伝える。天気図もダウンロードできた。このときには完全に曇り。
大休止か湿布かのおかげで小松はその後やや調子が回復。前日の陽気で雪解けがかなり進んだようだった。1180mくらいで早々にトラーゲン。1100mのたるみでアイゼン・ピッケルを出す。800mにもなるとほとんど雪がない。駒場でやる土の上でのアイピケ下界訓練も無駄じゃない、なんて話をする。800mからは往路の尾根よりも一つ北にあるやつを下った。「火」という文字の入った赤布がある。最後の最後でスリングの手がかりを出して、無事下山。雪がないせいか、登りに辿ったルートがやけに急に見えた。
まとめ
危険箇所があるとはいえ、土合からナルミズ沢に行きたいのなら一般的に使われている白毛門への夏道を辿ったほうがいいだろう。面子が確定した時点でルートを変更してしまえばよかったかもしれない。
今回のコースは全体的に南or東側に雪庇が発達するようだ。今年は記録的に雪が少ないので宵の越山頂意外にはあまり顕著な雪庇がなかった。武能倉沢ルートへは丸山南コルから入るのがいいだろう。雪庇が発達せず、沢状地形にも木が生えている。
やったことはただのピストンだけれどもやけに満腹感のある山行だった。この面子+αでまたナルミズに挑戦したいものだ。今度は白毛門から。

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