2009年度山行No.31 2年雪訓巻機山
企画者:大城
面子:OB1L木村、塚越 4山岸 3sL大城、高橋、塚田 3E菊池、F鈴木、H長崎、W三谷
日程:2009/12/5-6
史上最低とも思えるほど雪が少ない中行われた2年雪訓。どうかこういう事態が今年に限ったものとなるよう願いたいものだ。そうはいっても、なんだかんだで例年とそう変わらない内容の雪訓が出来たということに、豪雪地帯新潟の凄さを感じずにはいられない。
12/4(金) 快晴
東京=六日町22:10=(taxi)=22:30雲天22:40—23:10TWV小屋▲0
出発直前まで、今日の出発を中止すべきかどうか迷っていた。事前に雲天に問い合わせたところでは、巻機の積雪は8合目までゼロ、山頂付近で5〜10cmと のこと。これではまともな雪訓はまず出来ない。木村さん、塚越さんに電話して方針について話し合う。はじめは中止する気でいたが、その場合雪訓を一週間延 ばすことになり、塚越さんの情報では今後しばらくは充分な積雪があるという保障は無い。また予定がずれ込めば、今後のスケジュールがかなりハードなものに なることは間違いない。一方、2年冬山を出すにはそれまでに相応の雪訓を行う必要があり、もし2年冬山が正月に行えないとすると、1年冬山企画者のL権取 得問題が発生するなど長期的な冬山計画への大きな影響が出てくるものと考えられた。これらのことを考慮し、新たな降雪がある可能性が無くはないし、最悪冬 山の気象条件などを経験できれば多少は意味があるだろうということで、予定通り出発することに決定。伊佐・広瀬の不参加によるデメリットは承知の上であ る。
sL含む5人は小屋列車で六日町へ、残る5人は三谷の車で直接雲天へと向かう。電車の中では、塚田と、高崎からは木村さんが加わり、雪訓が 出来ない場合の今後のプランについて話し合う。今週に加え来週も雪訓が出来なかった場合に備え自分が再来週末に八方尾根を出すなどの案も考えられたが、結 局来週雪上泊が不可能なほど雪が無い場合だけは正月に2年冬山返上で雪訓を行い、それ以外は12月合宿で補おうという方針になった。
さて、六日 町で降りる事にしていたのだが、目的地直前になって木村さんから何故塩沢にしなかったのかとしつこく言われる。正直に書きますが、面倒でした。それはおい ておいて、予約しておいた銀嶺タクシー(中型)で一路雲天へ。鍵を借り、緊急連絡先に連絡を入れると、タイミングよく三谷の車が到着。車に全員分の荷物を 載せてもらい、他は空身で小屋へと向かう。リニューアルされた小屋の周りは当然積雪なし。でも月明かりに照らされた山の上の方を見ると思いのほか雪が付い ているように見えた。台所の水の出はイマイチ。明日の方針について執行・上級生と話す。あまり調べていなかったが塚越さんの情報で避難小屋は使えるらしい ので、7合目付近で雪上泊が不可能なほど積雪が無い場合は避難小屋泊とした方が良いという話になる(雪が無ければ7合目では水が得られないこと、山頂付近 での雪訓がかなり行いやすくなること、悪天を凌げる事が理由)。ただし、その場合避難小屋泊で積雪がほとんど無いとはいえ悪天時の限界上サイトとなってし まう可能性が高く(準則では悪天時の避難小屋泊を許可する項目を設けていなかった)、上部では赤布・竹竿を密に打ち安全への配慮を特に行うとして、このこ とを緊急連絡先に伝える。
話し合いをしていたために就寝時は12時をとっくに回っていた。それにしてもやはり小屋泊は駅カンとは違っていいものだ。気持ちの良い布団に入ると、あっという間に眠ってしまった。
12/5(土) 曇のち雪
▲06:42 —7:23 Co1000 7:33—8:23 Co1340 8:33—(6合目8:35)—9:10 7合目(テント設営)10:00—(わかん5分)—10:45 Co1720(弱テ)11:12—11:30 7合目11:50—(雪訓)—15:35▲1
ほとんどが5時半起床。ラーメンを作る人多数。6時半出発。明るいが、空はどんよりしている。 1000m付近からわずかに雪が出てくるが、「積雪」とは呼べない。5合目付近で1〜2cmの積雪。去年も寡雪であったが、今年はそれを大幅に下回ってい る。6合目まで来ると5cm程度は積もっている。問い合わせで聞いた内容よりは雪がある感じだ。実際7合目手前まで来ると20cmくらいはあって(もちろ ん夏道は明瞭に辿れる)、少なくとも雪上泊は問題なく出来るレベル。これなら無理して避難小屋まで行くこともないと判断し、ここを本日のサイト場とする。 一年前と同じ場所にテント設営。テント設営中に若天のポールが折れたため、修理筒で応急処置を行った。風が出てくる。天気の崩れは結構早そうだ。サブ装を 作り、今日の訓練メニュー(アイピケ&滑落停止、ビーコン)を行うためニセ巻の登りの途中の適当な場所を目指す。視界は良いのだが風がかなり強い。途中で わかんをつけピッケルも出させる。相変わらず夏道は容易に分かる。傾斜がゆるんだところで訓練に適した場所があったのでここでアイピケをすると伝える。こ こはまだブッシュがたくさんあって雪崩の危険はまず無いが、もう少し行くと無木立の雪崩危険斜面が控えているはずなので(翌日視界が出て、積雪が少なく ブッシュが多いので雪崩の危険はほぼ無いことが判明)、訓練がてら弱テを行う。すると、15cm及び18cmの位置に手首の弱さの弱層を発見。とにかくこ れより上の斜面には近づかないことにする。ところが、風が非常に強くなっており、この頃には視界も悪くなってきたので、結局ここでの雪訓を断念。7合目ま で戻って、アイピケの代わりに支点作成とSAB搬出を行うことにする。菊池がややシャリバテ気味だったよう。
雪訓は2班に分かれて実施。支点作成(バー、フルーク、ズタ袋、スノーボラード)、SAB搬出ともわりとスムーズに出来た。時間が余っているのでビーコン訓練も4回ほど行う。範囲が狭いうえ積雪が少なくすぐに見つかる。風が強く寒い。
4時前にテントに引き返す。晩飯はキムチ鍋。単にキムチ鍋の素を使ったものとは違いなかなかの逸品である。ちなみに長崎は鈴木に作らせたペミカンを小屋に 忘れたらしい。怒っていいよ。天図を見るとどうも冬型が強まりそうである。明日は残りの雪訓を優先して行うことを伝える。差し入れなどをいただいてから就 寝。夜、ジジ天は酸欠気味で皆苦しんでいた。
12/6(日) 曇時々晴れ
▲16:10—6:40 Co1720 (雪訓)8:12—(8:32ニセ巻)—9:00巻機山頂9:16—9:30避難小屋(雪訓)11:45—(11:54ニセ巻)—12:18 7合目12:40—13:28 Co1000 13:38—14:10TWV小屋14:50—15:20雲天
今朝は4半6。撤収の遅れを見込ん でこの時刻にしたが、それはおかしいことを指摘される。考えれば当然だ。テントはたたみ、サブで雪訓場所に行くことにする。サイトは早いがそのあとテント の撤収に取りかかるまでに時間がかかる。それでも6時にはビーコンチェックも全て完了。まだ暗いので少し明るくなるのを待って出発。今日ははじめからアイ ピケ装着。昨日とはうって変わって穏やかである。谷川も見え隠れしている。また昨日引き返した場所まで行き、アイピケ&滑落停止を行う。長崎の靴とアイゼ ンが左右逆だったことが判明。きっと足も左右逆に付いているのだろう。アイピケ訓練自体は皆ポイントを抑えており問題ない。滑落停止はやや滑りが悪いが、 こんなものだろう。ガスってくるが、風も無く天候があまり悪くないので、先に巻機を打ちビーコンの残りは山頂付近で行うことにする。登りはじめると、ガス が晴れ頭上に青空が広がり気分が良い。やはり雪山には青空が似合う。避難小屋まで来るとまたガスって来る。途中視界がかなり悪くなったので一瞬隊を止め る。それでもなんとか巻機ピーク(聖地)にはたどり着いた。記念撮影&テルモス。稜線上にもかかわらず無風に近い。
避難小屋まで下るとまたガス が晴れる。避難小屋入り口には板がはめ込まれているが、ずらせば使用可能。2階の入り口も確認に行ってもらうがよく分からなかったとの事。塚越さんがゾン デで積雪を測ったところ110cm。5〜10cmとの情報は一体…?とりあえずここでビーコン訓練を行うことにする。弱テをすると20cmほどの場所にひ じの強さの弱層あり。左の傾斜の強いところには近寄らないように範囲を決めて訓練開始。昨日とは違い範囲も広いので、それなりによい訓練になったと思う。 最後に学年対抗で行ったところやはり執行がダントツ……に遅い。あちゃー。1年雪訓でリベンジしなければ。時間的に目いっぱい出来るところまでやったので 下山開始。やはり下りは速い。あっという間にサイト場着。6合目付近からの下りは雪が融け最悪の状態。転ばないように慎重に下る。帰りはさらに雪が無く5 合目で完全に積雪0。結局サイト場から小屋まで2ピッチかからなかった。あとは雲天まで適当に下る(荷物は三谷の車に搭載)。雲天ではビールと山の幸をた くさんいただく。トーチャンの予約してくれたタクシーと車で六日町に向かい駅前で反省会。電車組と車組に分かれて各々帰途についた。
・まとめ
少しでも雪訓が出来ればよいという思いで実施した今回の山行であったが、蓋を開けてみれば意外にしっかりした雪訓の出来る山行であった。2日目に天候が崩 れなかったことも雪訓をする上で好都合であった。
総じて見ると2年雪訓としての目的は十分に果たす事が出来たと思う。ただしラッセルが全く出来なかったこ とは、やや気になる部分である。また、7合目で雪上泊が出来ない、あるいは水が得られない可能性があるという事態は事前に想定していなかったが、今後暖冬 傾向に拍車がかかればこれはなにも今回に限った問題ではなくなるのかもしれない。将来のワンゲルの冬山活動に不安を感じさせる山行でもあった。
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