2009年度山行No.27 沢sL認定 西丹沢悪沢
企画者:大城
面子:3初伊佐、L大城、広瀬 2H鈴木、被W長崎 1NEF松崎
遡行図:「東京周辺の沢」
日程:2009/10/24
sL認定ということで、やや難しめの沢を選んだ。西丹沢はワンゲルでは企画されることが少ないが、アプローチは悪くないし渓相の良い沢が多いので、もっと出されても良いのではないかと思う。長崎は無事sL取得となるか?
10/23(金) 曇
松田22:05=(御殿場線)=22:17谷峨22:30=(中川ハイヤー)=22:50大滝橋▲0
新松田改札外に20:50集合としていたが、渋沢辺りで伊佐から「1時間ほど遅れる」と連絡が入る。もうちょい早めに連絡ください…。結局22時過ぎの御 殿場線に乗り谷峨駅へ。御殿場線は意外と人が多かった。タクシーを呼び大滝橋へと向かう(中川ハイヤー、ジャンボあり)。大滝橋には広く快適な駐車スペー スがあり今日はここで寝ることにする。尚、ここはソフトバンクなら電波が入るので、持っていれば末端として差し支えないだろう。松崎が軍足を忘れたらしい が、そのまま入渓することにする。伊佐の下界訓練と平行して鈴木が松崎にザイルのたたみ方などを教えていた。なかなか熱心に指導している。それも終わって 「さあ寝ようか」という時、大滝キャンプ場の管理人がやって来て、「ここはキャンプ場の敷地だから、本当は有料なんだよ。まあ今回はいいけどね。」と告げられる。…はい、すみません。23時半ごろ就寝。
10/24(土) 曇のち雨
▲05:51—6:08割沢橋—6:30F4下—8:50F4上9:05—10:40F5上—11:05F6下—11:45F6上12:00—13:30F5下—14:30F4上—15:15割沢橋—15:35大滝橋
大滝沢右岸に付けられた林道を少し入ったところにデポを置く。出発前の初心者チェックで、長崎は次の3点を見落としていた。①ハーネスのねじれ、②セルフ ビレイ用のスリングが掛かっていない、③ナイフが肩掛けでなく首から掛かっている。これらの確認で手間取りやや遅れて出発。林道を15分ほど歩くと割沢橋 (悪沢出合)である。右岸から入渓すると、すぐにF110mが現れる。直立した滝で不気味に黒光りしている。左右とも登れるとの事だがフリーではあまり登 りたくない滝である。結局ここは右岸の仕事道を利用して巻く。仕事道は明瞭で、ご丁寧に階段や梯子なども付いている。F2、F3も兼ねてからの予定通り仕 事道を利用して巻く。仕事道からF2の上部とF3が見えたが、かなり難しそうとの印象を受けた。仕事道からF3下に懸垂している記録もあるが、F3上から ザイルを出さない限り、一度ここに下りると脱出するのは厳しそうである。F3上で仕事道から沢床に下りる際ザイル手がかり。
この後すぐに現れるのが F425mである。風 格のある滝で、花崗岩質のため全体が銀色に光って見える。今回はここでリードを行う。長崎クライマー、鈴木ビレイヤー。高さがあるので、万一に備えて広瀬 が仕事道から巻き、滝上でTR確保。滝の下部はバンドを容易に斜上出来るので、少し登ったあたりからリード開始。もろい岩質のわりに比較的すんなりとハー ケンが打てているようである。打ったハーケンは3枚(長崎)+セルフビレイ用の1枚(鈴木)。ここで、長崎の打ったハーケンに掛かっていたランナーのうち 下2つのビナの向きが逆だった。後で本人に確認すると、知ってはいたが後半になって思い出したとの事。リードを終えて、初心者をTR +手がかりで上げる。F4を過ぎるとしばらくナメやナメ滝を交えた穏やかな渓相が続く。3mナメ滝と2m滝でザイル手がかり。このうち3m滝の手がかりは 流木支点であったが、この流木はあまり安定しておらず、少し上に上ったところに生きた木があるのでこちらから取るべきだった。「狭いゴルジュ」はじめの 2m滝でザイル手がかり。支点が取りにくいので、ハーケンを打つ。ゴルジュ出口に立ちはだかるのがF5(2条10mと書かれているがどう見ても1条)。 のっぺりしたスラブの滝で、直登するとすれば水流右だがホールド・スタンス共に細かくあまり容易ではなさそう。水流左も不可能ではないらしいが、さらに厳 しいと思われた。ここは鈴木が何とか右側を直登。長崎、広瀬、松崎は左岸を高巻いたがこの巻きもかなり悪かったらしい。初心者はTR+手がかり。長崎は支 点を右岸立ち木から取り水流右を登らせようとしたようだが、それでは角度が悪いので結局水流左を通すことに。確か豆焼でも同じような注意をした気が…。結 局Lがゴボウで登ってから初心者を水流左から上げる。すでにMax通過リミットを過ぎているのでF6の前後まで行って引き返すこととする。続く2条3mは 水流中TR。別に難しい滝ではなくどこでも登れるが、気を抜くと滑るので注意。F6(8m滝)は2条3mのすぐ上に見えている。時間的にはまだ少し余裕が あるのでF6上まで行くことに。F6は直登するとすれば水流左だが、最後の2mがハングっていて難しいとの情報。巻く場合は右のルンゼから取り付き適当な ところでトラバるということだが、過去の記録によるとどちらもあまり簡単ではないらしい。今回は鈴木が水流左、長崎が右の巻きを見る。二人とも思っていた よりあっさりと滝上に出る。初心者はTR+手がかりで水流左を上げることに。松崎→伊佐の順に登るが、やはり最後の2mはかなり厳しそうである。最後にL が水流左をフリーで直登、と書きたいところだが、Lはこのハングの部分をどうしても越えられず、15分ほどハング手前であがいた末敢え無く撤退。ここから 下降に切り替える。(ルンゼからのトラバりは結構簡単という事だった。難度はルートによるのだろう。)
F6は懸垂。その下の2条3mも懸垂。 F5はやや上方の立ち木からダブルで懸垂。松崎は懸垂がまだ苦手のよう。ゴルジュ出口でやはりハーケン支点の手がかり。下の2mとその前後の小滝を纏めて 手がかり+巻き結び。3mも手がかり+巻き結び。ここら辺で小雨がぱらついてくる。今日は夜から雨、明日も昼過ぎまで雨という予報だったので明日の遡行を 諦め今日中に帰ることにする。F4は今度は左岸仕事道を使って巻く。上部が崩壊しておりFix(残置Fixロープはかなりしっかりしたものがある)。あと は行きと同じく仕事道をたどり入渓点へ。林道をだらだらと歩いて大滝橋まで戻る。サイトだけしようかという話も出たが、昨日の事があるので駐車スペースで サイトするのはまずそうだし、第一天候が悪いので新松田まで行って普通に打ち上げすることにする。新松田行きのバスに乗るが、伊佐が谷峨で携帯を落とした らしく途中の谷峨で下車。探すが見つからず。中川ハイヤーに連絡したらジャンタクの中にあったとさ。届けてもらって(伊佐は結構な料金を請求されたようだ が)、電車で新松田に向かい、打ち上げ&解散。
帰宅して天気予報見たら、30%だった今日夜から明日朝にかけての降水確率が90%になっていました。
・まとめ
悪沢は一つ一つの滝が難しく、仕事道を使うかそうでないかで随分難度が変わるものの、的確なルート選定とある程度の登攀力が要求される。また全体的にゴル ジュっぽく支点が取りにくいので、養成終盤向きと言える。花崗岩の美しい沢で、水無川や四十八瀬川とは一味違った丹沢を味わうことが出来る。
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