プレツアー 秋田駒・乳頭山


プレツアー 秋田駒・乳頭山
OB1菊池 4蓜島 3L成田 松尾 2 sW鈴木 sH松岸 水野 sE宮崎 sF三宅 1W大橋 H陳 E廣長 F村瀬

山小屋を利用した東北のスキー縦走がしたくて出した企画。しかし、天気には勝てず田代平往復となってしまった。東京では暖かい日が続いていたが、東北北部はまだ冬と春が同居していた。
最終日はなかなか雰囲気の良いツリーランが楽しめた。



2013/3/9() 晴れ。黄砂&PM2.5の影響なのか空はかすんでいる。
上野駅=山形駅=田沢湖駅
3/10()に発達した低気圧が通過し限界上では行動できないことが明らかだったので、出発を一日遅らせる。
7:58の快速ラビットで上野を出発。忘れ物を取りに戻った宮崎は、盛岡まで18切符で行って盛岡から新幹線リカバー。水野は引越しの準備とかでオール新幹線アプローチ。福島に着くと強風で東北線が止まっていたので奥羽本線経由の山形周りでリカバー。途中でL含め複数名のジフィーズ忘れとお玉が1個ないことが発覚。途中駅で調達する。山形で2時間ほど休憩。1年、2年、上級生の3グループ別々に行動していたが、なぜか全員が次郎系ラーメン屋に集まった。3日目の天気が良さそうなので、明日はOR1と雪訓をして、2日目で田代平山荘に泊まり、3日目に本ルートを縦走することにする。田沢湖駅で水野・宮崎と無事合流。夜は物凄い風で、菊池さんはシュラフの防水袋が飛ばされて、夜ひとりでローソンに袋を買いに行ったらしい。松尾はフライ袋が飛ばされた。

3/10() 非常に発達した低気圧が通過。午前中雨のち霰のち雪。
田沢湖駅=国民休暇村=大釜温泉~孫六温泉11:5012:45 p940 13:0513:20孫六温泉▲1
~17:00サイト地にて支点作成・SAB・アイピケ・埋没・雪洞
朝起きると(予想はしていたが)まさかの雨。バスで休暇村まで移動したものの依然雨。雨の中の行動は今後に支障が出るだろうということで、休暇村の軒下で雪に変わるまで停滞とする。L激萎え。


休暇村の日帰り入浴は11時まで開かないそうで、菊池さんたち4人は大釜温泉へ。ついでに孫六温泉に偵察に行ってもらい、温泉の少し上でサイト適地があるのを確認してもらった。今日はほとんど行動できそうになかったので、孫六温泉にテントを張って、シール登行の練習を少ししてあとは雪訓をすることにする。10時ごろようやく雨が霰に変わってきたので、大釜温泉へ移動し温泉組の4人を上がらせて、孫六温泉へ向かう。サイト地は温泉から丸見えだが仕方ない。
テントを設営したらp940までシール登行の練習に出かける。ここ数日の雨の影響で斜面は固くクトーを付ける。最初の急登で1年生は苦戦。始めてのシール登行でこの急登はきつかった。急登は始めだけであとは比較的登りやすい。P940でテルモスを飲みシールを外して滑走。

サイト地に戻ったら雪訓メニューをこなす。1年はレポートをちゃんと読んでないのか、2年がちゃんと説明していないのか、スノーボラードって何ですかとか言っていた。埋没訓練では立峻が奇声を発していた。怖いのでやめましょう。廣長は埋められて気持ちよかったと言っていたので、再度深く埋めたら空気穴用ゾンデをしきりに動かすので急いで掘り出す。雪が重く苦しかったようだ。みな埋まった時の恐ろしさを分かってくれたようでよかった。その後1年生は雪洞づくり。2年以上は水野が先日の雪崩講習会で習ったというVコンベルト・ベルトメソッドでの掘り出しを実践してみたが、あまり上手くいかなかった。講習会では結構速く掘れたそうなので、今後時間があるときに練習して導入してもいいと思う。雪洞のチェックなどをしていたら就寝が22時ごろになってしまった。



3/11() 冬型。寒気流入。雪。稜線上風強し。
孫六温泉6:307:30 900m 7:508:40 1050m 8:5010:15田代平山荘10:351350m撤退~12:00田代平山荘▲2 ~14:00までビーコン訓練
4:00起床の予定だったが雪洞から戻ってくるのが遅く4:10くらいにようやくサイトが始まった。朝食は面の湯で加減がよく食べやすい。外に出ると新雪が3-40cm積もっている。三宅がゾンデがありませんというので雪に埋もれてしまったのかと思って探すが一向に見つからない。すると三宅が「ザックの中にありました」。朝からなんという大ポカww。そんなこんなで1時間の出遅れとなってしまった。さすがに遅い。最初の急登は本ザックということもあり大苦戦。1年生はトラーゲンでもよかったかも。廣長・立峻には一部スキーを脱いで上がってもらった。宮崎・三宅がクトーを着けていなく苦戦していたので着けさせるが、装着が遅い。途中三宅がバテ気味だったので共装を抜く。熱はないけど体調があまり良くないらしい。P940先の一旦下る尾根は細く小さい雪庇が出ていた。1020mくらいの尾根が広くなったところでトップが左のほうに進むので修正する。こういう場合はしっかり角度を切って進んでほしい。


1150mあたりからは樹林が濃くなってきて登りにくい。雨のせいか樹氷は見られなかった。途中水野のシールトラブルもありなかなか山荘に着かないが、あと少しなのでロングピッチを切って進むことにする。田代平に出ると広い雪原で視界もあまり良くないので小屋が見えない。後ろで竹竿の準備などで手間取っていると、トップが散開している。視界が悪くても75°で進めば必ず小屋が見つかると審議で説明していたので、無暗に散開せず角度を切って進んでほしかった。視界の悪い状況で散開するのは危険。実際75°で進むとすぐに小屋を発見できた。さすが東北、立派な小屋だ。

田代平山荘に着くとガスが晴れて時折乳頭山方面が見える。


南東に延びる尾根の北東側には巨大な雪庇が確認できた。三宅も荷物を抜いて楽になったようだったので、最大熊見平までサイトを伸ばすことにする。大休止を取ってエネルギーを補給し出発。


昨日の雨の影響で完全にアイスバーンになっている。トップがブッシュのない方へ進んで行ってしまったので、ブッシュのあるところへ戻す。どのくらい雪庇が出ているかはわからないので、ブッシュより外側には行かないようにしてほしい。尾根上は歩きにくかったので、尾根を外して右側を歩いた。途中で大橋が転倒して5mほど滑落。斜度は緩かったのですぐ止まったがヒヤッとした。また、廣長のシールが死ぬ。菊池さんがテーピングで補強。Colltexの吸盤式は新雪に弱いそう。次第に風雪強まり、視界が200mを切るようになってきたので敗退を決める。アイスバーンの斜面は滑れる状態ではないので、シール・クトーを付けたまま下った。昨日は雨が降っていたというのに、今日は寒気が入った冬型で真冬の様相だ。油断していたら顔がかなり冷たくなってしまった。


小屋に戻ってテルモスを飲んでからビーコン訓練。30cmの新雪の下には、雨で固まったかなり硬い層があって深い位置に埋めることはできなかった。1年生は大分ビーコンになれたようだったが掘るスピードが今一つ。最近はほぼ全員にデジタルビーコンが行き渡っているので場所を特定するのは容易。今後の課題として、Vコンベルト・ベルトメソッドなど効率的な掘り方を習得する必要があるだろう。
その後は快適な小屋サイト。立峻は雪洞泊でほとんど眠れなかったらしく頭痛がするというので、テント内に寝せておく。幸い熱はなかった。水作りが終わったら、差し入れを放出して楽しい宴会タイム。ちなみに1階では圏外だが2階で立つと辛うじて電波が入る(au) 明日は天気が良ければ縦走することにする。結局寝るのは21:00ごろになってしまった。

3/12() 冬型解消。高気圧の勢力下。濃いガスのち晴れ。
田代平山荘8:108:20田代平入口8:309:40 930mコル 9:5510:40(?)大釜温泉
小屋の掃除もあるので35半。外に出ると、風は弱いものの視界が非常に悪い。縦走の目安の6:15になっても晴れないので縦走は諦め、8:30までリミットを切って回復すれば乳頭山をピストンすることにする。日が昇ればじきに晴れるだろうと思っていたが2時間近く経っても一向にガスは切れない。視界は100mを切るぐらいでアウト。早く降りたいという意見に押されて8:30を待たずあきらめて帰ることにする。無念。
田代平の入口でテルモスを飲んでシールをはがし、いよいよ滑走開始。と思いきやトップがあらぬ方向へ進んでいく。始めは樹林が濃く苦戦。地形図1178mはどこかよく分からないので、目印には使えない。この辺りは尾根が広く初見滑走は結構難しいと思う。途中トップが左に落ちすぎたので修正。赤布に助けられた。次第に日も差してくる。新雪をまとったブナに太陽が降り注ぎキラキラと輝く様はため息が出るほどの美しさで、Lはひどく感動した。1100m1000mは素晴らしいブナの疎林で快適ツリーラン。あっという間だったがとても楽しかった。


930mコルで練習もかねてトラーゲンを組む。モンベル店員水野のZERO POINTのバックルが壊れてしまった。男女岳が見えたので全員トラーゲンで記念撮影。P940でトラーゲンを解除し、消化試合をこなして孫六温泉に着。大釜温泉まではスキーで行けた。大釜温泉でシーハイルをして、休暇村の温泉に向かう。休暇村は、無料でネットが利用できありがたい。温泉からあがったらビール。最高。田沢湖までバスで戻り打ち上げをして、新幹線・夜行バス・鈍行組に分かれ帰路に着いた。


まとめ
天気に阻まれ縦走できなかったのは至極残念。最終日にツリーランが楽しめたのはよかった。
快適な小屋があり、ブナ林が綺麗で、いい温泉もあり、山スキーのフィールドとしては最高の環境だが、東北北部の脊梁山脈ゆえ3月でも好天が少ないので、天気の良い日を狙ってお楽しみ山行で来るのがいいだろう。

Vコンベルト・ベルトメソッド参考URL
前の人の足元を下げるのが基本。平地で埋没深さの2倍、25°斜面で埋没深さと同程度の距離から掘る。
真上から掘るのは、埋没者の呼吸を妨げるためやってはいけないらしい。

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