万太郎本谷

山行No.17  沢企画 万太郎本谷
企画者 白濱
面子 4L白濱 H塚越 E木村 3F秋山

前から行きたいと思っていた万太郎本谷。夏合宿の偵察の裏で暇な上級生が集まり、企画として出すことが出来た。夏合宿で大変な時期にもかかわらず、執行の方々にはご迷惑をおかけしました。




7/20(土)晴れ
900(土樽駅)―940(北トツカサ沢出合▲0)
Lはすでに現地入りしていたので、土樽駅で木村、塚越、秋山を待つ。木村がエキボを忘れたらしいので、新幹線でくる塚越に必要なものを急ぎ調達してもらい何とかする。
合流し入渓点に向かう。北トツカサ沢出合辺りの広いところで寝る事にする。塚越が地図資料一式忘れてきたらしいので予備地図を与え、遡行図を書き写してもらう。L山行で皆なんかたるんでいる。
7/21(日)晴れのち曇り夕方一時雨
0450(▲0)―0530(2mナメ滝)0540―0608(川棚沢出合)―0630(オキドウキョウの瀞上)0640―0750(3mナメ滝)0800―0815(雪渓)―0850(一の滝上)0900-0950(三ノ滝下)1010―1110(1300m)1120―1140(1380m二俣▲1)
適当に起きて450発。露で装備が濡れている。左岸に林道は続いているが、北トツカサ沢の堰堤上から入渓。広い河原を歩いていくと、真ん中が割れた堰堤が現れる。左岸の林道はここまで続いていた。
ゴーロを歩いていくと、次第に基盤岩が顔を出し、エメラルドグリーンの淵を作っている。美しい。4mナメ滝は右岸を伝っていける。泳ぎたければ泳げばよい。その先もナメ床、ゴーロを繰り返し、花崗岩と水流の作る造形美を楽しむ。
そのうち換気口が見えてくる。これを見落とすことはないだろう。少し行ってオキドウキョの瀞となる。泳ぎを期待していたが、それほど泳がずに越えることが出来る。というか泳いで直登しに行こうとはとてもじゃないが思えない。右岸のバンドを伝い、少し泳いで左岸のバンドに登って、そのまま左岸を巻いていく。踏み跡もしっかりしている。
井戸小屋沢を分け、ゴルジュの中の4mを右から登ると、空気がひんやりとし、雪渓の気配が漂う。ついに来たかと腹をくくる。見えてきた雪渓はTHE雪渓って感じで堂々としている。先はどうなっているか見えない。とりあえず右岸に取り付く。最近出来たのであろう踏み跡がある。塚越が先頭になり、RF。30mほどトラバースすると雪渓の切れ目が見えてきた。フリーで降りることが出来、ほっとする。目の前にオオグリ沢が出合い、F1、F2も同時に巻いたことを知る。後ろではF1、F2を腹に抱えた雪渓が轟音を響かせる。くぐるなんてありえない。
ここから一の滝までは大きな釜を持ったナメ滝が連続し、心が躍る。8mの手前の3mナメ滝でちょうどいいのでたるみ、ラジオを聴く。夕方所により雷雨との事なので、早めにサイト適地に着きたい所。
小滝をこえ、一の滝。写真で見るより大きく、威圧感がある。気が向いたらリードしようかとも考えていたが、急ぎたいし一目でやめる。左岸のリッジ状になっている所から取り付くとしっかりした踏み跡にぶつかる。容易に巻いてきれいに落ち口に出る。でも工作するとなると厄介かも。ちょっと行って二の滝。右壁が容易に越えられる。
イシクラ沢が近づいてきた頃、木村が右岸に赤布を発見する。サイト適地発見。だがそれほど広くない。時間も有り余っているので、先に進むことにする。
小滝を越えていくと目の前に三ノ滝沢が見えてくる。三ノ滝沢と三ノ滝の間にもう一つ滝があり、最初それが三ノ滝だと勘違いし、その難易度にびびった。しかし、実際の三ノ滝は確かに登れると思える滝であった。一旦止まってどうするか相談する。とりあえず取り付き、フリーでいけるか見ることにした。ザイルを持った木村と秋山が取り付く。二人の動きを下から見ていると高度があり、ケツ穴がしまる思いがする。はらはらしたが二人とも無事に越える。
最後の部分が少し難しいらしいので手がかりを出す。しかし、向きが大変悪く、使う気になれない。いい場所に残置はあったし、もっとよく探すべし。人のことは言えないが、トップから長い間離れるとやっぱり衰えるようだ。
上段はバンドを伝って右の沢を詰め、しっかりとした踏み跡をトラバって落ち口に出る。人が入っている沢だけあってルートは分かりやすい。
ここからは薮が降りてきて特に面白いところもない。サイト地を探しつつ進む。やけにピッチが早く、疲れる。サイト適地も見つからず、二俣まで来てしまう。
サイト適地を探すために各々散るが、いい所がない。何とか寝れそうなのは二俣からちょっと上がった所か、ちょっと下がった右岸の薮の中ぐらいだった。
夕立に備えて薮の中にツェルトを張る。笹を押し倒し、4人分の寝床を確保する。木村と秋山にはその間サイトをしてもらう。サイトが終わった頃にぽつぽつと降り出す。荷物を運び込み、実際寝てみると笹の弾力が意外と心地よく、快適に感じる。
雨は数時間でやんだ。このまま寝ても良かったのだが、久しぶりに沢中泊するのだし、せっかくだから焚き火をする。木村が雨から守ってくれた薪を使う。やっぱり焚き火はいいもんだ。空には厚く雲がかかり、明日はガスピークかと思いつつ就寝。
7/22(月)晴れ
��▲1)0340―起床0510―0550(1700m)0600―0630(肩の小屋)0710―0725(オキノ耳)0735―0750(肩の小屋)0800―0850(ラクダの背)0900―0950(1200m)1000―1040(天神平)―1100(土合駅)
少し寝坊する。しかしサイトはそつなくこなす。さすがL山行。天気もよく、稜線が見える。しかし、ここでLの眼鏡が壊れる。片方のレンズが外れてしまった。仕方ないので眼鏡なしで登る。視界5mぐらいなので少し苦労する。というか眼鏡関係なくペースが速い。さすがL山行。
1540辺りで沢の向きが変わると水枯れとなる。笹に覆われたスラブっぽいところつめて行く。これぞ上越のツメ。薮漕ぎも無く快適と言いたい所だが、ぶよがうざくて止まっていたくない。前を歩く木村の頭の上にわんさかいる。自分にもいると思うと不快極まりない。
最後は踏み跡をたどり、肩の小屋の少し下に出る。肩の小屋で沢装解除。肩の小屋にくればぶよもいなくなるかと思ったが、そんなことも無く、うんざりする。
空身になってピークを目指す。ピークからは万太郎本谷が一望でき、感慨に浸る。いまいちまとまりに欠ける記念撮影をして下山にとりかかる。肩の小屋のおじさんに下山にどのくらいかかるか聞くと60分という驚愕の数字を口にした。絶対無理。
下山路はそんなに楽なもんじゃなく、特に上部は鎖場が多く、気が抜けない。しかも日が差してきてクソ暑い。1400mでようやく樹林帯に入り、一息つく。たっぷり140分かかって天神平に到着。大勢の観光客が迎えてくれた。今日が連休であることを実感する。
休むのもめんどいので一気に土合まで行く。土合もいつもよりは人が多かった。モグラ駅を見たいという人がいた。
後はいつものとおり土合で反省会をして、赤羽で打ち上げし終了。
まとめ
今回は雪渓と三ノ滝に特に気を使った。しかし、雪渓に関して言えば、8月以降に行けば気にする必要はないだろう。三ノ滝は今回はフリーで行ったが、リードの方が安全なのは間違いない。怖い場所には残置ピンがあったので、リードをしてもそれほど時間はかからないだろう。他に落ちて怖いところは無いので、L権者>Nぐらいの縛りをつければ慣れたNなら連れて行けると思う。
ただ、本谷全体を通してサイト地に乏しく、また、分かりにくいので、情報はしっかりと集めたほうが良い。

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