2006年 山行No.48
プレツアー黒姫山・佐渡山 (2/23-25)
作成:工藤
OB1:前田
3:安達、L工藤、福村、山森
2:小松、白濱、塚越、長谷川
1:HW秋山、EF山岸
2/22(木)
藤井が受験で不参加、唐木が足の痛みで突如不参加となり、11人でのプレツアーとなった。立川駅に集合して黒姫駅へ。Lだけ先に黒姫駅についてタクシーを予約しておいた。話しかけたタクシーのおばちゃんがやたらと元気で、「生きて帰ってきてくださいね!」何度も言われる。駅を出て左側にある通路で駅カンをする。
2/23(金) 曇りのち雪
6:05黒姫駅出発 6:47鳥居川大橋を出発-7:30林道分岐7:42-8:26新道分岐-8:39 1530mサイト場着 9:43-10:33 1760m 10:43-11:32外輪山 滑降開始11:49-12:41サイト場
6時にタクシーと待ち合わせをしていたので、皆5時半頃に起きる。最近はメンバーのほとんどがエピでラーメンを作ったりして食べていて、今回も同じ傾向。6時出発のはずが、長谷川の準備が妙に遅く、5分遅れて出発した。20分ほどで登山口の鳥居川大橋に到着する。おばちゃんが、また「生きて帰ってきてくださいね!」。体を気遣ってくれたり、激励してくれたり、優しすぎてうっとうしいくらいだった。長谷川が足にうおのめが出来ていて痛いと、軽く切れ気味。
デポ品を駐車場近くにまとめ、スキーをはいて早速行動開始。途中、林道分岐まであと3分の1というところで左に紛らわしい分岐があるが、林道分岐まではずっと道が切り開かれていて、迷いようがない。林道分岐には情報どおり「登山道」の看板があり、ここで最初のたるみをとる。長谷川の足の痛みは麻痺してきたらしく、特に問題は無い様子。分岐からちょっと歩いてから、林道から外れて尾根上の登山道に入る。木に白いテープが巻かれているが、そこら中にあるので目印にはならない。一応、安達に赤布で工作してもらう。赤テープ、プレートがあるという情報にも関わらず、そういったものはまるで見当たらなかったが、地図を見ながら尾根上を進めばRFの心配は無い。新道分岐にも看板があり、そこを右へ進みしばらく行くと、1530付近でサイト予定地に着く。どこでサイトしても大して代わりは無いが、雪洞を作る予定だったので、それにほどよい場所を2年に探してもらい、B.Cを設営する。テントを立てている間に雪が降り出してきた。外輪山まで行って戻るか、残りをずっと雪訓費やすかで議論になるが、ノリで外輪山まで行くことにする。
始めのうちは斜面が比較的緩やかなので簡単だったが、途中から斜面が急になると、クラスト気味の斜面で皆転ぶ。特に秋山がよく滑っていた。たるみでクトーを装着することにする。稜線右側はやはり雪庇が出ているので、登る際は注意が必要だろう。雪は相変わらず降り続けており、視界があまり無い状態だが、尾根が狭いので特にRFで問題になることはないだろう。2P弱で外輪山上に到着し、シールをはずして今年度初の滑降開始。雪が降り積もったおかげで、斜面は滑るのに若干マシになっていた。山岸が噂通りにやたらとスキーがうまくてびっくりする。途中で雪が一時的に止む。特に問題になるところもなくサイト場に到着する。
ちょっとたるんでから、この日は雪洞作成と埋没訓練をすることにする。1年と、昨年雪洞を作っていない2年の長谷川小松は雪洞を作っている間、ジジィはテントの周りに溝を掘ったり、埋没訓練用の穴を掘ったり。埋没訓練では秋山と山岸が埋没を体験。秋山は足を伸ばした状態で入ったまではいいが、掘り出すのに異様に苦労して時間がかかり、かわいそうだ。埋めてからの皆の豹変振りが怖い。続いて山岸は、空気穴を埋めてやってみる(頭の部分に十分な空間は作っておく)。
埋没の後、若者は雪洞作成で忙しいのでジジィでサイト。雪洞には長谷川?と山岸、秋山が寝ることになり、1日目は終了。
イグルーも。
2/24(土) 雪時々曇り、後晴れ
5:00起床 7:15出発-8:13たるみ8:23-9:16外輪山9:26-10:30黒姫手前10:40-11:00ピーク手前鞍部-11:06鞍部先(+弱層テスト)11:31-11:45ピーク11:50-12:02鞍部と頂上の中間12:15-12:25鞍部(トラーゲン解除)12:32―(途中でシール解除)―13:46外輪山(+弱層テスト)14:00-15:22サイト場より下のルートに復帰-(+シール解除)-15:44サイト場到着
5時起床。気圧の谷が去って今日は晴れると思いきや、朝から普通に雪が降っている。朝サイトはラーメン餅のはずなのに妙に時間がかかっていた。この日はサブ装で黒姫ピークを目指すが、予定より15分遅れて出発。1日目に続いてまた出遅れ。
前の日と同じルートを進んでいくが、バーンの上に新雪が積もっており、前日に引き続き皆よく滑っている。特に秋山が辛そうだが、2年もちょこちょこ転んでいた。苦労した秋山は、シールのきかないスキーにうんざりして何度か歩いたりしながらどうにか外輪山上に到着する。
外輪山への登り。
外輪山上は始めちょっとだけ左側(北側)に雪庇が出ているが、途中から右側(南側)にかなり雪庇が出ているが、左側の林の中をぬって進めば特に問題なし。前田さん曰く、05年の残雪ほどではないらしい。
外輪山。
ピーク手前の鞍部に着くと、目の前に無木立の大きな斜面が広がるが、ここはスキーを履いたまま左側の林の中を進む。斜面を越えるとまた急斜面があり、ここで弱層テストをする。上から手首で5cm(新雪)と90cm。スキーをデポして空身つぼ足で斜面左を登ることにする。ピークからはあまり視界が晴れず、小黒姫が見えたり見えなかったり。あわよくば小黒姫も行こうと思っていたが、狙うには2P弱早くこの地点に着かなければならず、今回はどうしても無理があると確信した。テルモスを飲んで即退散。
ピークにて。
スキーデポ地までつぼ足で下って、鞍部までの残りの下りはトラーゲンでつぼ足。鞍部からは若干下りだが、地味にアップダウンの繰り返しがあるのでシールをつけたまま外輪山上を進む。外輪山途中の下りが少し急になったあたりでシールを外し、木立の中を滑る。角度が変わってサイト場へ滑り出す地点に着いたときには、今回初めての晴れ間が見えた。1日目は視界がないので尾根上をスキーで滑ったが、今回は沢状地形へ向かって滑るルートを取る。弱層テストをしたものの、木立があり雪崩の心配はない。2年2人をトップに出し、他の2年2人が1年2人を見る感じで滑り出す。快晴と、ごちそうパウダーでなかなかの斜面。1年も満足そうで、誰かの奇声まで聞こえてくる。目的の尾根に乗り上げ、尾根先の沢状地形が消える地点を目指すが、皆が思っていた地点よりさらに下を滑っているのではと思い、進路を右に取って登山道とぶつかる地点を目指す。まもなく登山道にぶつかったが、サイト場より下へ滑っていたことが判明して、シールをつけ斜面を数分登り返す。トップではしっかりとお互いにコミュニケーションを取ってRFをしていたようだが、今回は全体の考えが実際の地点よりずれていた。
サイト場について16時近くになっていたので、この日は長谷川に天図を取らせ、秋山と山岸はビーコン訓練をすることにする。その間に数名で夜サイト。遅くまで(21時頃?)まで話し込んで、今日は就寝。1年2人はこの日も雪洞泊、ずいぶん気に入ったご様子。
2/25(日)快晴(朝と夕方だけかなり冷え込んだ)
5:00起床 7:42出発-8:52林道分岐(+サブ装)9:15-10:25たるみ10:35-10:40南コル-11:29佐渡山山頂(+弱層テスト)12:12-13:22林道分岐 雪訓(支点作成+アイピケ歩行+SAB搬出) 大橋到着18:02
起床は5時。夜中はずいぶん寒く、朝も寒すぎて指が痛いほど。始めの2日間が暖かかっただけに、ようやく冬山の厳しさを感じた。テントの撤収やら雪洞の解体やらで、出発までかなりの時間がかかってしまった。ポールが凍ってなかなかたためないし、皆パッキングに苦労していた。特に長谷川は120lザックにも関わらず、それでも荷物をはみ出すほどの量だった。結局出発したのは起床から2時間半以上後のこと。
この日はまず林道分岐まで下り、そこでサブ装を作り佐渡山を目指すことにする。本ザックでのスキーに秋山が大苦戦し、転んでは起き上がるのが辛そうだ。ようやく着いた林道分岐でサブ装になり、サイトを想定してテントやシュラフを乾かしておく。今までにないほどの快晴だ。
林道分岐からは左の分岐を進み、沢を渡るとまもなく乗り上げるべき尾根が見える。地形図上では尾根左から乗り上げる感じになっているが、尾根右側、沢のすぐ右岸にトレースがあるというのでそちらを進む。トレースをたどってすぐに尾根に乗り上げることができた。あとは細い尾根上をさくさく進む。前方に目的の南コルが見えてきたところで角度を変え、そのままコル北の斜面を目指し、南尾根へ乗り上げる。
南尾根への登り。
南尾根から佐渡山を望む。
尾根上は細く、右側に情報どおり明瞭な雪庇がある。左側の林をぬってどんどん進む。右を向けば、前日登った黒暇山、登れなかった小黒姫山が見える。快晴で展望も良好。読みのほぼ半分のペースでピークに到着する。朝は猛烈に寒かったのに、この時は暑くてテルモスが飲みたくないほど。あれだけつまらないと酷評された山でも、晴れればなかなかのものだ。ゆったりと展望を満喫して、時間もあるので弱層テストをする。
山頂から黒姫。
下りはもと来た尾根を雪庇に注意しながら下り、角度を変えて南コルを目指す。なかなかグッドな斜面で皆興奮気味。特にRFに困ることもなくスイスイ進む。何事もなく、あっという間に林道分岐に到着。
少したるんで残りの雪訓(支点作成とアイピケ歩行)を始める。2班に分かれてまずは支点作成。バーにフルーク、ボラードにずた袋、スキー板とついでに半マストでの懸垂下降もやった。そのまますぐアイピケ歩行をやって、予定の雪訓は終了。次の日はあとSAB搬出をして下るのみ、となると予定よりだいぶ早く終わったこともあって日暮れまでまだ2時間ちょっとあり、この日のうちに帰れてしまうという空気になる。議論になるが、Lが決を採ってみると、6対5でその日のうちに下ることにするが、口論になる。
早々に本ザックの準備をして、安達を被搬出者としてスキー搬出を作る。作っている間にもだいぶ気温が下がり冷えてきた。SABははじめ長谷川が確保する形で始め、次に山岸、秋山の順で進めていく。1年は山行前にあまり理解できていなかったようだ。
暗くなる中の搬出。
一巡したところですでに暗くなっていたので、ヘッドランプを準備して早々にスキーで下ることにする。暗い中の斜面をボーゲンで下り、末端の大橋に到着する。緩やかな斜面だったものの、ヘッドランプでの行動はちょっと怖かった。
あとは出歩品を回収してタクシーで黒姫駅へ向かい、解散する。先にタクシーで着いた長谷川、小松、山岸はすぐに電車に乗って消えていた。Lもそのまま電車で帰り、残りは駅に泊まって翌日帰京したようだ。
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