2008年5月26日月曜日

飯豊 烏帽子山

個人山行:飯豊 烏帽子山

面子:EF福村(OB1)、山森(OB1)、W前田(OB3)、LH松野下(OB3)

入山期間:5/23~5/26

マイナー12名山攻略企画第5弾!ということで飯豊の烏帽子山を企画。面子集めと日程調整に難航したものの、幸運にも4名のメンバーが集まり、ワンゲル的な準備を経てのワンゲル的な山行になった。



5月22日(木)
各々アプローチで新発田に深夜集合。駅近くの地下道で寝る。個人的には2年ぶりくらいの駅カンだがよく寝られた。
5月23日(金) 晴れ
加地川治水ダム4:45~岩岳6:30~蒜場山9:00~1065mコル12:10~高立山15:15~稲葉の平16:50▲1(12P)
タクシーでダムまでアプローチ。8000円くらい。ダム付近は見るからに夏山な感じで緑緑しい。
蒜場山までは特に問題ない道歩き。雪もほとんどない。鎖場も問題ない。途中で福村と山森が喧嘩を始める。福村の将来に関する話であったが、いつも議論になるとこんな感じらしい。
蒜場山から薮入り。山頂からは烏帽子や大日岳まではっきりと見えている。久々の薮なのに、地図もあまり見ず、コンパスも切らずに、尾根が繋がっていそうな方向に歩き出したら、あろうことか蒜場山から北に延びる稜線に進んでいた。しばらくして山森と前田に間違っていることを指摘されリカバーする。しかしリカバーしたと思い込んでいた尾根も間違い尾根であったことに気がついたのはもっとずっと後である。かくして間違い尾根(地形図の「蒜」の字のすぐ北にある稜線)をガンガンと下っていった。さすがにげろげろ。もう福村山森も喧嘩どころではない。さらにその尾根の1200m付近からは北の方向に引き込まれる。おかしいことに気付いて、1200mまでリカバー。ここで初めて自分たちの間違いに気付き、正解尾根が谷を挟んで南東にあることを知る。まったくもって情けない。地図読みができなくなっている自分に結構へこむ。一方、間違っていたにせよ、間違いを指摘するなど、山森の成長を実感する。3,4年の間に成長したものだ。
というわけで、おおいもりをしたわけだが、幸いにも谷を横切ることが可能そうな場所だったので、トライし、成功する。間違い尾根を登り返していたら精神的・体力的・時間的にかなり厳しかっただろう。谷への下りは雪がついており急で滑落したりしながらも、問題なし。途中、雪渓の間から水が汲める場所があり、ポリタンが少なかったこともあり、補充する。ポリタンが少なかったことに関しては、前田と福村がかなりの危機意識を持っており、何度も文句を言われた。個人的には残雪がどこにでもあるのだから最悪止まって水作りをすればいいと思っていたのだが、互いの意見はなかなか相容れなかった。正解尾根に上がるときに福村が手がかりを出す。結局このおおいもりで2時間くらい余計にかかっただろう。はじめの時点でしっかり地図とコンパスを使っていたらこんなことにはならなかっただろう。
正解尾根は、潅木薮だが割りと薄く、ふみ跡や切り開きがある(チェーンソーによる切り開きもあってなんだか複雑な気分になる)。1065m先のピョコもRFポイント。樹林の中なので、尾根の延び具合が分かりにくく、先ほどの自信喪失もあり、ためらいながら慎重に進む。以降は、細い所には薄いふみ跡あり。残雪を使う所はほとんどない。薮トレみたいだ。アブが大量でうざい。ただしブナの原生林であり素晴らしい所である。途中で天図ダルミをはさみつつ、稲葉の平に着く頃には昨夜の寝不足もあってみんなお疲れだったので、水が汲めるところを探して幕営とする。雪の上でのサイト。焚き火もやったがあまり適した場所がなく、単なる虫除け焚き火だった。福村はたまずれで痛そう。この時はすごい疲れたと思っていたが、その後の3日と比べると平和なものであった。山森のウイスキーを少し飲んで寝る。
5月24日(土)晴れのち曇り、夕方から雨
▲4:30~丸子カル7:20~11:20烏帽子山12:05~1410mコル16:00~1614m手前1500mコル17:40▲2(13P)
天気のいいうちにできるだけ進むべく日の出から出発。稲葉の平は地形がややこしく、丁寧に地図を追って雪を拾いながら進む。丸子カル手前の1310mピョコからはこれからのルートがはっきり見える。烏帽子は他の山に比べてなぜかやたらと黒々としていた。雪を拾えたのは丸子カルまで(雪は大体進行方向右側についている)で、そこから先は雪無しのゲロ薮となる。カンカン照りで夏合宿のよう。福村には「この残雪山行は詐欺だ」と言われる。何かの花粉が飛んでいるのか、前田以外の3人はくしゃみを連発していた。途中で山森が強く鼻をかみすぎて鼻血を出す。烏帽子直下はゲロゲロの笹薮。
そして烏帽子鞍部にたどり着く。せっかくなのに自分以外は時間と水のことを気にして南峰には行かないと言ったが、ここは自分がごねて強行。空身で行けばすぐに着く。南峰は最高にいい所。なんと桜が咲いていた。東側が絶壁で、頂上の雰囲気も含めて屋久島の障子岳を思い出させる。山頂に赤布を付けて満足満足。気分は最高である。
さて今度は大日岳の薮抜けを目指す。ただし鞍部から北峰までがかなり濃い。植生は烏帽子直下から、笹+潅木となり高い木が無くなっている感じに変わった。山森は絶望的な濃さに心が折られている。前田は水の少なさにかなり焦っており、節約のためにひとり雪を食べている姿が痛ましい。北峰からの下りは複雑だが見通しがいいので問題ない。ガスっていたらかなり難しいだろう。この下り付近の雪渓の切れ目で水が汲めた。前田が献身的に働く。この先もゲロい薮が続く。山森が遅いので水を抜く。マグソ穴峰先は東側のガレを使って少しワープ。そしてようやくMAX。今までの遅さからして本来のMAXはもっと手前だろう。自分はヤブコギストハイでなかなか気分が良かった。
17時頃から雨が降り始め、雪渓のある鞍部で幕営とする。風雨はどんどん強くなり、前田と二人で矢筈のことを思い出す。水作りして、酒飲んで、寝る。ここでは電波が入った。「テントごと全層で雪崩れないかね?」なんて言い合いながら寝る。
5月25日(日)雨
▲8:10~キンカ穴峰9:10~実川山11:10~西大日岳12:25~大日岳13:15~御西小屋15:10▲3(7P)
3時に起きると風雨が強くて、行動できなさそうなので、もう少し寝ることにする。悲観的な前田は、いきなりリミット切れも熟慮した食料計画を披露する。あまり寝られなかったのかと心配になる。
次に6時半頃に起きてみると風が収まっており、出発することにする。サイト場から先、いきなりものすごいゲロ笹薮。福村曰く「小人になった気分」がするほどに背が高い笹である。ただ個人的にはこのゲロ笹に包まれ懐かしい気分に浸っていた。2Pそれを漕いだ後は、南に雪渓が出てずっと拾いながら歩けて高速移動。ただ、雨はずっと降ったままで、風は強いし、視界はないし、寒いしでたるむ気も起きない。昨日とはえらい違いである。ひたすら雪上を進む。そしてようやく長大な蒜場尾根が終わった。
しかし今回のハイライトの一つであるはずの感動の薮抜けも、視界がないし、雪の上を歩き続けたので、全然実感がない。ひどく損をした気分である。大日岳付近では風がかなり強いし、視界は20mくらいである。登山道は雪の下だし、ガスガスだし、結構気を抜けない。案の定、大日岳の下りで北の尾根に引きずり込まれ、全員で焦る。すぐに気付いてリカバーできたからよかった。ホワイトアウトの中をコンパス頼りに下る。御西小屋までも道が出ていたりいなかったり。道区間なのにえらく真剣に地図を読みながら、何とか小屋に辿り着く。皆かなり疲労していた。まったく毎日色々あるものである。
小屋に入り、生還した感があったが、皆全身ずぶ濡れでえらく寒い。茶飯を何度も飲み、濡れたものを乾かす。小屋はかなりきれいで、電波もギリギリ入る。夜は水作りの後、酒を飲む。福村を中心とした恋話で盛り上がる。皆、思い思いの場所に大小キジを打ちまくり少しマナーが悪かったと反省。山森にいたっては自分のゴアマに打ってしまい、ひどい風雨の中、自分のケツよりゴアマを拭く時間のほうが長かったらしい。
5月26日(月)曇り→晴れ→雨
▲5:00~飯豊本山6:10~頂上小屋6:40~切合小屋8:30~三国小屋10:50~地蔵山12:00~中十五里13:50~御沢小屋14:40(9P)
朝はやはりホワイトアウトで視界は20mくらい。皆、冬山のフル装備で出発。道を探しつつ雪上を歩く。1P目は福村のペースが遅い。飯豊本山に着く頃はたまに青空が見え出す。頂上小屋で山森がまたずれの治療。その後種蒔山までは道や雪を快適に進む。そこからは、稜線が細く、雪が拾えないくらいに壊れかけているが、道が出ていないという状況のために、所々薮を漕ぐ。鎖場もいくつかあった。山森は踵の靴連れでペースが上がらない。
三国岳からの岩稜は雪がなく、鎖はあるが快適に進む。地蔵山は巻き道が隠れていたので、直登する。血の池でタクシーの予約をする。よく晴れていて、残雪歩きは気持ちいい。長坂をがつがつ下っていると再び雨がぱらつきだす。ともあれ、長い山行も終了。すばらしい達成感である。御沢小屋で軽く天つきをやる。なんと福村は初めての天つきだったらしい。
沢で少し水浴びして、タクシーに乗る。少ない電車にギリギリ間に合うとのことで急いでもらう。4000円くらい。電車では、高校生の帰宅時間に重なり、女子高生から面と向かってくさいくさいと言われる。まるでサリンでも撒かれたかのようにハンカチで鼻口を覆っていた。女子高生が大勢でいたからであろうが、こうもあからさまに面と向かってくさいことをアピールされたのは初めてであり、申し訳なさを通り越して可笑しかったが、ちょっと凹んだ。
会津若松で風呂に入り、打ち上げる。この疲労感と開放感、久々だ。そして空腹感も。いろんなものを食いまくる。郡山から新幹線に乗り、あっという間に帰京。そして解散。
まとめ
おおいもり、最強ゲロ薮、水不足、雨薮こぎ、ホワイトアウトなどなど色々なことがあってなかなかにハードな山行であった。薮軍手から目出帽まで使い、春夏秋冬の山を全部味わった気分でもある。
当初は2泊の予定だったが、GWより薮がかなり出ていて読みよりも大幅に時間がかかった。ある程度の薮は予想していたが、それ以上のゲロ薮だった。結局、最終ピッチ数は41Pで、MAXは烏帽子くらいでB900・F1050という感じかな。
ポリタンが少なかったのは反省点である。共同装備はほとんどワンゲルからレンタルさせてもらった。ありがとうございました。ただ、無線を持って行かなかったのは不安材料であった。
コースの所感であるが、危険箇所はほとんどないので、体力と行く時期が成功の鍵であろう。あと、始めのおおいもりはなかったにせよ、烏帽子まではRFも結構難しい。ただし個人的にはGWに行くよりも、薮という意味でレベルが上がっていて、やりがいあるという点においてちょうど良かった気もする。
福村とかに言わせると、こんだけ辛い山行は現役でもなかなかないとのこと。山森曰く、今年のワースト山行になるだろうとのこと。前田は疲れた様子だったが、博士のいい切り替えになったとのこと。まあみんなそれなりに達成感を味わい楽しんでくれたと思う。いかんせん烏帽子は深くて難しくてやりがいがあった。山行中誰にも会わなかったのもいけていた。個人的にとても行きたい山に行けて大満足である。みんなありがとう。特に福村は準備ありがとう。装備を貸してくれたワンゲル、遭対の長岡さんもありがとう。

5 件のコメント:

  1. いけいけの松野下さんに、うつうつの前田さん、無駄に気苦労する福村に、ゴアマにキジをつける山森。現役時代とあまりに変わらないんで、笑えました。

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  2. 載せてくれてありがとう!FBの場があると記録を書く甲斐があって嬉しいです。
    次は、赤倉岳か丸山岳か群別岳あたりに行きたいと考えてます。
    刃物とか、下津川~巻機とかもやりたいなー。
    ��Kくん、たしかにみんな変わってないね。サバイバル登山とかやってたらまた話を聞かせてね~。

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  3. 記録ありがとうございます。
    刃物は来週部の企画で出すのでFBお楽しみに。
    あと今年の夏合宿は平巻ですよ。

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  4. ��木村
    刃物いいな~。矢木沢に下るんだね。ザック落とさぬように笑
    俺は下~巻だけ秋薮ででも行こうかなー。

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  5. 山谷@1981卒です。平巻って今はどのくらい踏跡があるのだろう。僕が現役の頃は、平~大水上は薮、丹後~巻機はうすい踏跡だったのだが。

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