山行No.13 沢sL企画入川谷
◯奥多摩入川谷本谷・布滝沢
◯メンバー:4安達(3日のみ)、工藤、3木村(3日のみ)、L塚越、sL長谷川、2秋山、1広瀬(3日のみ)、森谷
◯ 1/25000地形図:「武蔵御岳」「武蔵日原」「奥多摩湖」「原市場」
この谷を企画したのは、沢自体が養成向きだということが第一ではあったが、この谷の斜面に存在する廃村峰に惹かれたことも大きい。
自分にとっては、企画とトップを両方ともする5本目の沢(要は沢L認定5回目ということ。自動車免許取得に例えるなら、今まで4回卒検に落ちたといったところか)。さて、結果は如何に?
6/1(金)
21:30に拝島駅集合。古里駅で降りる。古里駅は無人駅のくせに、綺麗な便所や登山計画書提出ボックス、駅前にはコンビニや手頃な定食屋、青梅街道を奥多摩方面に少しいったところに交番もあり、大変便利な駅だ。その日のうちに入川谷沿いの林道を採石場を過ぎた橋のところまで行き、そこで寝る。ここには自販機があり、携帯も入る。しかし広河原(林道終点)まで行くと携帯は通じない。
6/2(土)曇り時々晴 入川谷本谷遡行(「東京周辺の沢」の遡行図参照)
4:35出発―4:45広河原(デポ設置)4:55― 5:30布滝沢出合―7:15外道滝先の堰堤上(タルミ)7:30―8:30柳ガマ沢出合(タルミ)8:40―11:45速滝上―13:20作業道に出る(沢装解除)13:40―14:50峰集落跡(タルミ)15:10―15:30布滝沢出合(沢装にする)―16:10広河原▲1
4:30出発。今日のトップは秋山と自分。最初から沢装にして行く。10分程林道を歩くと広河原に出る。広河原は文字通り広場になっていてサイト適地。キャンパーも来るらしく、たき火の跡がたくさんあった。ここにデポをする。広場の奥から上流方向に向かい、明瞭な道が延びており、それをたどると、水のない河原までの全ての堰堤を簡単に巻ける。水の無い河原から布滝沢出合までは平凡で時々明瞭な踏み跡が現れたりする。布滝沢出合を過ぎると、ゴルジュ帯(オキの倉骨)に入り、小滝や釜が連続するが、特に悪場はない。オキの倉骨中にある堰堤では、右端に初心者用の手がかりを出した。ここで自分がザックを少々滑落させる。堰堤の少し先の小滝では左側にTRを出した。
外道滝は、かなり手前から滝上の堰堤の上まで右側をFIXで通した。ザイルを2本使った長いFIXだった。秋山はここで環の占め忘れをした。銚子滝では左側を秋山確保でTR。
銚子滝を越えてしばらく歩くと速滝が現れる。速滝は大きな二段滝で、皆で滝下まで見に行く。塚越は下段を途中まで空身で登り、意外と行けちゃいそうみたいなことを言っていた。確かにリードで登るのは面白いかもしれないが、今回は左側を大きく巻く。一旦柳ガマ沢に入り、右手に岩場が見えてくる辺りで、右側の尾根にFIXで入る。秋山と自分は一旦速滝下段の落ち口まで降りて、上段を下から眺めた。上段左壁が登れそうに見えたので、秋山に少し登ってもらったが、高度感があるところで少々難しい箇所があるそうで、戻って来た。結局尾根上を登って、懸垂なり何なりで速滝上の沢床に降りることにした。尾根上に出てすぐのところに、岩をよじ上る箇所があり、そこでまずTR。その後要所要所で手がかりを出し、残置ロープのあるスラブ状の岩場へと出る。この岩場は滑落するとどこまでも落ちていきそうで、少々気を使う。ここでTRを出した後も、TRを2~3回繰り返して尾根上をよじ登る。ここら辺はザレているので落石に注意。大岩に挟まれた小岩を越えたところで、ダブルの懸垂を行って沢床に降りた。
速滝の全容
速滝の上段
速滝から二俣にかけてTRや手がかりを何度か出した気がするが、記憶に残っていない。特に問題のある箇所は無かった。
二俣に出ると塚越と森谷を残して、秋山と自分で先を見に行く。二俣で左の方を行くと、また二俣となる。二俣の間の斜面をしばらくよじ登ったところで、秋山が作業道を見つけた。ザイル手がかりを二度程出して、初心者に作業道まで登ってもらう。
作業道に出て左に行くと、川苔山登山道に出る。作業道と川苔山登山道は歩きやすい道だった。登山道をしばらく行き、峰の方に下る。峰集落には民家の廃屋は一軒しか見当たらず、ちょっと期待はずれ。でもいたるところに落ちている茶碗の残骸や石垣、貯水槽など、当時ここに人が住んでいたことを示すものが散在している。峰には柳田国男が帝大生のときに訪れたらしい。そのときは羽田方面に浮かぶ船の帆が見えたそうだ。今は、多分離村後に植林されたと思われる人工林に覆われていて、展望は利かない。
峰集落に残っていた廃屋。民家の廃屋で残っていたのはこれ一軒しか見当たらなかった。
屋敷跡と思われる。貯水槽の跡などがある。
墓石群?「無縁」の文字がある。
帰りは峰集落から広河原に降りるはずが、道を間違え、布滝沢出合の方におりてしまう。平凡とはいっても、一応沢の下降なので、ヘルメットをかぶり、沢足袋を履いて、広河原まで戻った。
広河原に戻ると、塚越と工藤さんは自販機のあるところ(携帯の通じるところ)まで歩いて、緊急連絡先への途中経過の報告と、今晩から合流する木村たちへの連絡をしにいった。
夕飯のキムチ鍋を食べた後は盛大なたき火。差し入れも豊富だった。21:30頃に木村、安達さん、広瀬が到着した。
6/3(日)曇り時々晴 布滝沢遡行(「奥多摩の谷123」の遡行図参照)
4:55広河原出発―5:30布滝沢出合(布滝見学)5:45―6:30三段滝下―(一段目リード練習)―8:30一段目リード終了―(二段目リード練習)―9:30二段目リード終了―10:00全員二段目上に―10:30三段目上(タルミ)10:40―12:30作業道に出る(沢装解除)12:40―(作業道)―13:20入川谷オキの倉骨中―13:40布滝沢出合―14:20広河原
昨日の入川谷本谷で、自分は沢Lが取れそうだったので、今日のトップは秋山と木村。布滝沢出合までは昨日と同じところを行く。布滝は出合からすぐのところにあり、水量が多くスリムで格好いい滝である。この滝は、出合から入川谷を少し上流に行ったところを横切っている作業道を使って巻く。巻き道はしっかりしている。
布滝
二段5mは右側を秋山確保でTR。
三段の滝場ではリード練習をした。一段目は木村ビレーで、秋山がトップ。秋山はリードが初めてなので、自分がTR確保を行った上でのリードだ。一段目上には、最終支点として適当な木や岩が無いので、ハーケンを3枚打って最終支点とした。このとき同じリスに2枚のハーケンを打ち、その2枚を打ったリスから岩はがれた場合、はがれてしまう部分にもう1枚のハーケンを打ったのは不可だと塚越に言われた。しかしこのハーケンはとてもしっかり刺さっていて、抜くのにとても苦労した。このハーケンを抜く際に塚越が額に少々怪我をした。二段目は秋山ビレーで木村トップ。水流のすぐ左側を登っていた。二段目のリードが終った後で、初心者2人を手がかり&二段階のTRで二段目上まで上げる。ちなみに一段目と二段目はリードなんかしなくても、左側からも右側からも簡単に巻ける。三段目は右壁をTRで登った後、確保したまま振り子で落ち口までトラバース。
リードの練習風景(三段滝場二段目)
三段滝上からは簡単な小滝が続き、要所要所で手がかりやTRを出した。石積堰堤手前の2m滝では秋山が左壁、塚越が水流中、木村が右壁を登り、結局初心者は水流中をTR&手がかりで通した。
石積堰堤の上で作業道が横切っており、今回はそれを左に行くことにする。作業道は、最初は斜面をトラばっているが、途中で尾根上に出ると尾根を下り入川谷のオキの倉骨の中に出る(具体的に言うと昨日手がかりを出した堰堤の100m程上流側)。ここからは沢中を下る。途中の堰堤では手がかりを出した。小滝で一年生がクライムダウンするのに詰まったところでは塚越が実演指導していた。オキの倉骨を抜けると後は平凡で、昨日のようにすたすたと広河原まで下った。林道と青梅街道を古里駅まで歩き、古里駅前の定食屋で打ち上げて解散。
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