3月合宿 八幡平

2006年度山行No.49 3月合宿八幡平(企画者 安達)                                
面子
��L安達 小畑 工藤 福村 山森 
��小松 白濱 塚越 長谷川 
��EW秋山 FH藤井



○ 計画段階での行動予定
3/9(金)上野=盛岡▲0
3/10(土)盛岡=安比高原スキー場―西黒森―大黒森―茶臼山荘▲1
3/11(日)茶臼山荘―環状サブコースー茶臼山荘―陵雲荘▲2
3/12(月)陵雲荘―モッコ岳サブ-八幡平―後生掛温泉▲3
3/13(火)後生掛温泉―焼山―トキワ沢左岸滑降―トロコ温泉
3/14(水)行動用予備日

○ 実際の行動記録
��雪が深い、視界がないなど条件が悪いため、時間は多くかかっている。           次に八幡平を企画する人はあまりこのコースタイムを参考にしないで欲しい。)
3/9(金)上野=盛岡▲0
3/10(土)7:37盛岡=9:07八幡平スキー場=(リフト)=10:40大黒森―11:40茶臼山荘―(茶臼岳ピストン)―12:20茶臼山荘―13:10黒谷地湿原―15:10八幡沼付近-16:10黒谷地湿原―16:40茶臼山荘▲1
3/11(日)終日停滞▲2
3/12(月)終日停滞▲3
3/13(火)11:00茶臼山荘―12:00黒谷地湿原―14:20陵雲荘▲4
3/14(水)6:30陵雲荘―10:30大深温泉―11:10後生掛温泉
後述するように今回の合宿では、2日目に春の嵐が本州を直撃、その後強い冬型となる最悪の気象条件の中入山した。天気の良い10日中に八幡平を越えようと試みたものの、源太森を越えたあたりで視界が悪化、またあるだろうと予想していた工作もほとんどなく、RFが非常に困難になったため茶臼山荘に引き返した。その後は予報通り吹雪が続き、限界上でしかもRFの難しい八幡平を越えることが難しく、茶臼小屋で11日、12日と2日間丸々停滞してしまうこととなった。13日、風雪の緩んだ頃合を見計らって出発、GPSを頼りに、陵雲荘に到達する。14日、この日もGPSを頼りにルートを探しながら八幡平西面を下降、2P程進んだところでロングの竹ざおべた打ちルートに合流し、後生掛温泉へ下山した。
○ 行動
3/9
上野12時集合。上野には安達秋山藤井の3人しかいない。毎冬お馴染みの東北線で北上。電車の中で見た予報では、10日:概ね晴れ、11日:発達した日本海低気圧による春の嵐、12日:強い冬型、13日:冬型残る、14日:冬型の緩み始め、となっていた(実際合宿中にとった天気図もこの予報通りであった)。予定通りの計画で進むと11日と12日は全く行動できず、茶臼小屋で足止めをくらう可能性が高い。そこで確実に縦走ができるように入山口を変更し、八幡平スキー場から入山してその日中に八幡平を越えて後生掛温泉に下山することにする。6P弱の行程で時間的な無理もないだろう。忘れ物は特になし。20時頃盛岡着。工藤は新幹線でやってくる。下界装は持ってこないよう連絡したのに、白濱が英1の辞書と教科書をもって来る。ちなみに盛岡にはデポできる場所はない。ロッカーは3日経つと中身を回収されてしまうそうだ。船形の竹ざおは仕方なくボッカすることにする。盛岡は栄えているので寝床を探すのにも一苦労である。駅前で寝ようとすると警備員らしき人に注意される。その後色々あって正々堂々駅前で寝る派とこっそり地下道で寝る派に一時分裂したが、結局皆地下道で寝ることになった。下界はなにかと煩わしい。
3/10
朝山森と駅前の松屋で牛丼を食べた。八幡平ロッジ行きのバスへ乗って八幡平スキー場へ向かう。1時間ほどでスキー場着。山森が本ザックで日帰りすることに対してブーブー文句を言う。リフト券購入。大黒森へ上がるには第二、第三リフトのリフト券を買えばよい。15分も歩けば第一リフト上まで行けるからだ。一年は初の本ザックリフトだが途中で落ちたりするようなことはなかった。大黒森着。ややガスがかかったような天気。最初からシールを付け、大黒森から茶臼へ向かう。土曜ということで人が多い。4パーティー位いたか。プレートがしっかり付いており、切り開かれているため迷いようがない。プレートは大黒森を1番、茶臼山荘を80番としてその間80個付けられている。茶臼山荘につくと視界が晴れ、青空が広がる。このときはまだ時間の余裕があったので茶臼岳をピストンすることにした。茶臼岳から八幡平方面を望むが、だだっぴろくRFは難しそうだった。環状コースは格好のスキー斜面に見えた。シールを外して茶臼山荘へ滑降。今から思えば合宿中シールを外したのはここだけだ。そのまま黒谷地へ向かう。視界は相変わらず良いが、ここからは適宜赤布、竹ざおを小畑と工藤に打ってもらいながら進む。黒谷地湿原は視界さえあれば迷うことはないように思える。藤井がこけまくっているので荷物を抜く。シールトラブルが何回か起きる。源太森取り付き点である194番のプレートは小松が容易に見つけ、そのままプレートを辿って進む。源太森に近づくにつれてプレートの間隔が広くなりRFが難しくなってくる。段々ガスってきて視界も無くなってきた。この辺で工藤に言われてGPSのスイッチを入れるが、衛星からの電波がうまく入らない。源太森ピークには石棒が立っている。それを右手に見て八幡沼方面へ下る。少し行くと1つプレートが現れたので正しいルートを行っていることが分かったが、次のプレートが見当たらない。ガスがかかり、視界が悪いので、はぐれないようのびていたトップを戻す。何とかして八幡平を抜けたかったが、この視界では今日中に抜けられる確証はない。明日は嵐がやってくるので陵雲荘にも泊まれない。そこで茶臼山荘に戻るためのリミットを設定し、その時間まで竹ざおを密に打ち、退路を確保しながらRFすることにする。RFといっても工作もなく現在地も精確に把握できない状態である。リミット間際になってGPSに現在地が表示され、八幡沼の北岸にいることが分かった。このままGPSを見つつ進んでいけば八幡平を抜けられそうな気もしたが、リミットが来た以上、茶臼山荘に引き返す。結局八幡平を越えることはできなかった。明日は荒れるので終日停滞とする。
3/11
終日停滞。まったり過ごす。午前中は思ったより荒れていなかった。昼に環状コースへ向かう人たちが山荘に入ってくる。彼らは30分くらいで出て行った。明日も強い冬型になるので八幡平をこえるのは難しそうだ。明日はとりあえず日の出出発のつもりで準備し、小屋付近の視界や風の程度で出発するかどうか決定することにする。出発できれば14:00を前進リミットとし、それまで八幡平を抜けようと試みることにする。
3/12
結局昨日よりも天候は悪化し、小屋の外に出ることも厳しい。正午を回った時点で終日停滞とする。明日は外に出られないような天気なら小屋停滞、限界上の八幡平へ向かうことは出来ないがある程度行動できそうなら環状サブ、天気的にそれほど問題なければ八幡平へ向かうことにする。(下山して焼山方面へワープする案は棄却された)
3/13
��1時に視界がある程度回復したので八幡平越えを試みることにする。面子が行動中ばらばらになるのを恐れ、隊列を決め、後ろの人が前の人を常時確認している状態にし、トップは伸ばさないようにする。茶臼山荘を出発。初日と比べると藤井の動きはしっかりしている。青空が一瞬見えたりしたが基本ガスで風も強い。黒谷地湿原から小畑と工藤に竹ざおを打ってもらう。GPSのスイッチも入れておく。黒谷地は先日付けた赤布のおかげで特に問題なく横断できた。雪が深いので時間がかかる。源太森付近で秋山のシールが外れたりする。リミットまで時間がないので急ぐ。源太森から難しいRFが必要である。遠くの樹木がうっすらと見えるので、視界条件は一応クリアしているのだろうが、特徴のない平地が続くばかりでRFの仕様がない。天気のいいときは源太森から陵雲荘がみえるらしいのだが。そこでGPSをトップに渡し、GPSに表示される現在地をたよりに、陵雲荘を目指すことにする。もちろん、GPSが使えなくなった状態に備えて竹ざおを密に打って退路を確保し、茶臼山荘に戻るためのリミットを切って前身した。天気は回復傾向にあるので、今日は陵雲荘で泊まるのもよしとし、リミットまで陵雲荘を探す。だが陵雲荘にとまることは茶臼山荘で停滞している間に考慮すべきであった。陵雲荘からは連絡先に電話を入れられなかったので、大深温泉か茶臼山荘のどちらかに泊まっていると思っている藤田に余計な心配をかけてしまった。申し訳ない。もう少しで陵雲荘というところで藤井のシールが剥がれる。時間の余裕がなかったので2年と福村山森に竹ざおを渡し、先に小屋を探してもらう。福村達の打った竹ざおを安達小畑工藤秋山藤井で5分ほど追う形になった。5分後、トップが小屋を発見する。追いかけていた5人もすぐ合流。一同健闘を称えあう。この日は陵雲荘泊。
3/14
視界がいまひとつなので出発を30分遅らせる。今日もトップにGPSを持たせ、MAXは越えたのだが退路確保のため竹ざおを打ちながら進む。起伏があるのでシールはつけっぱなしにする。樹氷がちらほら聳えているが、ガスっていてあまり見応えがない。今日進む区間も尾根が広く、プレート、工作も発見できない状態なので現在地を把握するのが極めて困難。GPSなしでは正しいルートを見出すのは厳しい。GPSをもとにRFして広い尾根を下っていくが、低温下でGPSを使用したためか、GPSのバッテリーが切れてしまい、高度計を元に進むことになる。正直このまま下って行っても現在地を把握する術がない以上、危険である。竹ざおを打ったルートを戻って八幡平スキー場に下山することも視野に入れる。たるみ中GPSの電池を交換すると現在地が表示され、一般ルートの200mほど南にいることが判明する。そこで北へ向かって少し進むとロングの竹ざおが打たれた正規ルートを発見できた。ちらほらプレートも確認。あとは竹ざおを追っていけば下山できるので一安心である。最後比較的急な斜面があり、そこでシールを外して滑降し、大深温泉着。大深温泉からは雪の積もったアスピーテラインを下っていく。全体的に下りなのでシールは付けなかった。後生掛温泉でシーハイルをして合宿終了。そのまま歩いて大沼温泉へ向かい風呂に入ってからタクシーで帰る。
まとめ
今回は視界の無さ、地形が平坦なことから、GPSに頼ってRFせざるを得なかった。ただGPSは今回のように突然バッテリーが切れたり、あるいは故障したりすることもあるので、そうなったときのことを考えずに闇雲に用いると危険である。今回はMAX通過後も竹ざおをうち、戻るためのリミットを切って進んでいたので、安全面では問題なかったと思う。

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