残雪 船形山

2006年度山行No.50 残雪期山スキー船形山(企画者 白濱)
メンバー
��年L安達 福村 山森 
��年sL白濱 W長谷川 
��年EFH秋山




◎3月14日(水)曇時々雪 山中では雪
盛岡駅~古川駅
八幡平から盛岡駅に下山。山道具関係の装備は安達さんに買いに行って貰い、他の人は行動食やF装を揃える。最終一本前の電車で古川駅へと向かう。途中の乗換えで多少どたばたしてしまった。八幡平の疲れからか、電車内では皆よく眠っている。
古川駅に着き、皆でコンビニと寝床を探す。近くにコンビニはなく、歩いて15分ぐらいのところにJUSCOがあった。駅は確かにでかいのだが、駅も駅周辺も開発中といった印象を受ける。寝床は駅の外の暗がりに適当に決める。駅を閉めるのを少し待ってもらって水を汲む。迷惑千万。タクシーを5時に呼び、就寝。雪のちらつく寒い夜であった。
◎3月15日(木)下界は晴、山中は三光の宮下では晴、山頂に近づくにしたがって吹雪
古川駅510~(タクシー)~620内水面水産試験場640~720旗坂平~830(800m)740~830鳴清水840~930三光の宮1000~1105升沢小屋1120~1210千畳敷1220~1250船形山山頂1325~1420升沢小屋1435~1530三光の宮
皆適当な時間に起床する。睡眠時間が4時間しかなかったので眠い。この時Lポリに穴が開いていることが判明する。途中にコンビニに寄ってもらい水を買う。タクシーから船形山は見えるが、上のほうは雲に覆われていて見えない。天気のよいときは山頂小屋まで見えるそうだ。水産試験場までは1時間で10320円也。
水産試験場前に着いて、デポをして出発。ラッセルを覚悟していたが、それほどでもなく足首程度。春の嵐の直後とあって入山者は他にいない。林道を少し歩くと登山口がある。そこから赤布を追って進んでいく。旗坂平の下の急登は夏道に沿うかキックターンを多用して登る。皆特に苦労はしていない。地形を見つつ赤布に従っていくと鳴清水。そこからはRFポイントなのだが、赤布にしたがっていけば問題ない。三光の宮から北東に伸びる尾根の北側に雪庇があるのが1100mのコルから見える。それに注意しながら登っていくと三光の宮。三光の宮付近はどこでもサイト可能。
サブ装を作り、船形山へと向かう。升沢小屋までのトラバースルートには赤布が打ってあり、それを追って進む。しかし、それほど密に打ってある訳でもなく、数種類の赤布が混在しているので、迷走気味である。高度計を見つつ、トップがルートをはずしそうになるときは適当に注意する。雪が降っているが視界は良好。そうこうしている内に升沢小屋に到着。升沢小屋は去年建てられたばかりなのでとてもきれい。少し長めにたるんだ後、山頂へと向かう。山頂へは沢の中をいく夏道沿いではなく、その左岸の尾根上を行く。1300mで限界上となり、右手に大斜面が見える。千畳敷で雪はひどくなり、視界は200mあるかないか。千畳敷までは藪がちらほら出ていたのだが、その先は何もなくなったので竹竿に切り替える。稜線上に出ると風が強くなる。切れている西側斜面に注意しながらだらだらした稜線上を進んでいく。小屋の手前で一瞬晴れ間が覗く。小屋がはっきりと見え山頂が輝いている。まさに一瞬の出来事でその美しさをカメラに収めることもできない。山頂小屋はえびのしっぽに覆われている。小屋の内部はきれいで薪ストーブもある。小屋にスキーを置いてすぐ裏手の山頂に行く。山頂は強風。各々写真を撮った後、早々に小屋に戻り、まったりする。
少し長めにたるみ、下山を開始する。2番のプレートまでシールをつけたまま下る。安達さんはシールなしだったが意外といけるそうだ。そこからシールをはずし、滑降にはいる。登ってきたルートをそのままたどる。八幡平ではろくな滑りができなかっただけに楽しい。しかもパウダーときて最高である。しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎ、升沢小屋に到着。そこでシールをつけサイト場に戻る。来たときのトレースはかすかな跡を残してほとんど消えていた。途中サイト地までのルートが一望できる地点があったので、秋山に現在地を聞くが、わかっていない様子。その先も秋山をトップに進ませるがどうも頼りない。赤布だけを追い、地形をまったく見ていないように見受けられた。それでも一度通ったルートとあって来たときよりは早くサイト地に到着。
テントを建てるがやはり6人でテント二張りは多い。少し風もあり、結構大変だった。一方で夕飯はレトルトカレーだったので楽だった。水作りを早々に済ませて宴会。長谷川が途中で気分が悪くなり一足先に寝る。テントを出ると風も収まり下界の夜景が見え、星空が広がっている。明日の好天に期待し就寝する。
◎3月16日(金)三光の宮より下は晴れ、上に行くと吹雪。
三光の宮615~745蛇ヶ岳756~810升沢小屋までのルート上小沢を横切る地点845~930三光の宮1010~1055900m1105~1210内水面水産試験場
4時半起床。朝はマーボーラーメンもち。うまいが辛い。テントはつぶして出発。ワカンが必要かと聞かれるが、必要ないと思い、デポらせる。蛇ヶ岳をうちORを使って降りることにする。少し行くと船形山、蛇ヶ岳の山頂が見える。しかし、日本海側から雲がせり上がって来ており、天候の悪化を予感させる。蛇ヶ岳までは左の急斜を見ながら、尾根上を行けば良い。赤布はない。途中山森さんがキジ。15分ほど止まる。上部のクラストしてきた所でクトーをつけるが、秋山のクトーがなかなかつかず10分ほど止まる。この間に天候は悪化し、山頂付近は吹雪に包まれていった。山頂手前には窪地があるがそれは北側から巻く。吹雪の山頂でシールをはずし、さっさと下る。ピークから真北に進路をとる。どこでも下れるのだが、1209の沢の左岸上部に雪庇を昨日見ていたので、そちらに行かぬよう注意する。蛇ヶ岳のピークで高度計をあわせ高度計に注意しながら下り、1230m付近になった所でトップをとめる。見覚えのある地形で、すぐに赤布が見つかった。ここでシールを再びつける。楽しくはあったが、あまりにもあっけない下りだったので登りかえして今度は来たルートを下ろうと提案する。皆不満そうだ。しかし、ここで長谷川のシールが片方完全に死ぬ。テーピングで固定しようと思うが、度重なるシールトラブルとシールの着脱により個装のテーピングは底をつき、頼りにしていたヘルボも安達さんが忘れるというアクシデントにより、不可能となる。ここからトラバってサイト地まで行くぐらいなら片足で行けるということで、蛇ヶ岳に向かうのはやめて帰ることにする。しかし再び痛恨のシールトラブル発生。今度は秋山のシールが両方とも死ぬ。結局秋山はつぼ足で自分と安達さんでスキーをトラーゲンして帰る。ワカンをデポったのはまずかった。
サイト地に到着後、撤収。サイト地では携帯が通じたので、その間にタクシーを呼ぶ。秋山が割とうまく滑れていたので、読みより確実に早く下れるとみて、かなり早い時間に呼ぶ。くだりは秋山トップで下らせるが、又も地図読みがイモい。やはり、赤布しか追っていないようだ。さらに、本ザック滑りということでサブ装の時と勝手が違うのかよく転ぶ。思ったよりペースが上がらない。途中週一で船形山に来るというおじさんとすれ違う。トレースがついて秋山の地図読み訓練ができなくなってしまい少し残念。900mで秋山の靴擦れを治療する。11時半にタクシーを呼んだのだがこの時点で11時。絶望的である。強気で読みすぎた。旗坂平までは順調にきたがその下の急斜で秋山が転びまくる。ここら辺にくると雪が重くなり滑りにくい。さっきのおじさんが下ってくる。三光の宮から引き返してきたらしい。話を聞くと先日の春の嵐の前まではまったく雪がなく、もう滑れる状態ではなかったと言う。我々は嵐の直後のかなりいい状態のときに入山したようだ。八幡平では苦しめられたが、ここでは感謝しておこう。600m付近で秋山を待っていると長谷川がどんどん先に行ってしまう。おそらく末端まで行ってしまったのだろう。タクシーを待たせていたので、ほっといて先に行ってもらう。登山口あたりで登り返してきた長谷川と合流する。末端に下りるとやはりタクシーはもう着いていた。読みより早く下れたのは確かだが、結局40分も待たせてしまった。
慌しくタクシーに乗り込み、仙台駅へと向かう。延滞料を取られるのではと心配したがそんなことはなくほっとする。11520円也。仙台駅で飯を食い解散。八幡平との接続でかなり疲れる山行だった。
まとめ
船形山までの升沢小屋ルート上は赤布と標識があり、迷うことはないだろう。限界上は斜度がゆるくルートをしっかり選べば雪崩の危険性もほとんどない。山スキーの入門レベルとして最適な所。
今回は八幡平との接続のためかシールトラブルが続発した。テーピングでとめるのは一時しのぎのものでしかない。実際すぐにシールははがれるし、そのたびに隊は止まる。シールの着脱にも時間がかかる。シールをテーピングで止めるようになったらすぐにノリを張り替えるべき。また、山行中にそのようなことにならぬよう、1シーズンごとにノリは張り替えるべき。

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