2010年度山行No.6
GW沢トレFB
面子:4広瀬 3L鈴木 長崎 2EW配島(養成4日) FH松崎(養成1日) 1ジョゼフィーヌ(初回者)
日程:5/1~5/4
自分の今年度の初企画であり初養成。大雲取谷と小雲取谷での沢中泊、奥多摩でもレベルの高い唐松谷巳ノ戸谷と日陰名栗沢の初見下降等、盛り沢山の企画だったが、結局どの沢も完遂できずに終わった。まだまだ養成前半なのに少しハイレベルすぎたようだ。
4/30(金)立川=奥多摩▲0
立川駅に集合。遡行図と予備審議資料を本郷に置き忘れてしまっていたので、他の面子に頼んでリーチした。
本来は今日中にタクシー+徒歩で林道奥まで入る予定だったが、油断して予約をせずにいたら京王タクシーの営業所が閉まっていた。というわけで奥多摩駅でオカン。思えばこの遅れが後々まで尾を引くことになった。
5/1(土)大雲取谷下部
奥多摩=6:48東日原7:00~9:00日原・唐松林道分岐(デポ)9:40~9:50唐松橋~10:50小魚留滝下~13:35小魚留滝上13:45~14:35たるみ14:45~17:30BP▲1
始発のバスで東日原まで行き、そこから二時間の林道歩き。すでに皆萎えかけているが、ジョゼフィーヌさんはずっと元気である。林道分岐で食料などをデポして出発。唐松橋から沢床に下降するところでトップがなんだかイモい。大木支点で右岸・橋の上流側から手がかり+巻結び。巻結びがなかなか効かず時間を食ったらしい。自分は巻結び自体不要だと思った。小魚留滝の手前の滝下の微妙なトラバースでジョゼフィーヌさんがスリップ。岩を乗り越して手がかりで降ろした。
さて、核心の小魚留滝の右巻きだが、結構怖かった。ここまでのイモさから二人に任せては時間がいくらあっても足りないと思ったので、自分も判断に関わった。滝の手前からルンゼをかなり登り(TR松崎)、微妙に踏み跡っぽいところをTRのあまりで安全地帯までFixを自分が張り、そこからさらにリードFix(トップ蓜島、ビレイ鈴木)。最初は安全地帯から蓜島が懸垂を試みたが、下のほうが怖いらしく中断して登り返してきた。松崎の初心者ケアが足りず、ジョゼフィーヌさんに不平を言われた。
トップが工作を回収している間に焚火を熾してタルミ。蓜島マシュマロありがとう。
しばらくはゴーロ歩きが続く。巨大淵は記録よりだいぶ縮小しているらしく、泳げなかった。その先の小滝で手がかりを出そうとするが、ジョゼフィーヌさんがフリーで登ってきてしまった。簡単なところではありがちな勘違いだが、意思疎通不足は要注意。
幅広滝は左TR蓜島、3mCSも左TR蓜島。支点に迷走しており、細すぎる木で流動分散しようとしたりハーケンを打ったりしていたが、結局ルート真上の突起岩から取った。蓜島は確保位置が微妙になるのでは?と思ったらしいが、基本形でやれば別に問題ない。
蓜島が処理している間に松崎が2条5mCSを工作(左TR)。倒木2本から流動分散していたが、やり方を知らなかったらしいので教えた。末端処理忘れ。TRの張りがゆるい。
ゴルジュは左岸の残置を使ってトラバり、出口の小滝で蓜島がTR。スタンス指示で十分だろう。1m程度の小滝で蓜島が立ち木支点でスリング手掛り。このあたりから今日のサイト場が心配になり始める。
この後もゴルジュっぽいが、トップは水流中を避けて左から巻く。TR→Fix→手掛りという判断。工作の間に長崎を偵察に出してサイト場を探してもらったところ、水流に降りずに尾根状を超えたところにサイト適地があるとのこと。ということで、はじめのTRのみ利用し、上半分はTR+手掛り。手掛りが下部で引っかかり、使いにくかったらしい。
サイト場のことで必死すぎて天図を取り忘れたが、どうせ高気圧が居座るにきまっている。今日の遅さを考慮し、明日は大雲取谷の完遂を目指すことにする。
サイトと焚火をし、少し宴会した。長崎差し入れのホイル焼き(リンゴ、ジャガイモなど)が新鮮でよかったが、エコ(略)。
5/2(日)大雲取谷上部(小雲取出合でエスケープ)
6:30▲1~8:55小雲取分岐9:20~10:00大ダワ林道10:25~10:40崩壊現場上~11:40崩壊現場下~12:05長沢谷13:05~13:30デポ地~13:40サイト地▲2
昨日遅くまで行動したので56半。少し緩すぎる気がしないでもない。
7m幅広滝はよくわからない。2mトイ状は蓜島が左巻き、松崎が右巻きを見る。右を手掛り×2で処理。松崎末端処理忘れ。
2条の滝(4m幅広?)は遠くから支点をとって右TR蓜島。このあたりはサイト適地が点在している。
小雲取分岐に着いた時点で「サイト後、ジョゼフィーヌさんを終バスに間に合うよう送り届ける」ためのリミットが厳しいので、林道へのエスケープを決める。出合の少し上のガレをTRし、上部はフリーで大ダワ林道に出る。過去とは違うルートだがどうにでもなる。
沢装を解除し、いざ下山、と思ったら歩き始めてすぐのところで登山道が盛大に崩壊している。なんてこった。強引に行くことはできなさそうなので、巻くことにする。巻きの途中でメットとハーネスを着けさせたが、本来巻く前から着けさせるべきだった。初心者は手掛り×2で登り、フリーでトラバース、手掛りで沢状地形の底に降ろし、そこからはフリーで無事登山道に復帰。工作の間にもガラガラと音を立てて崩壊が進んでいるので、かなり焦って松崎を急かしたりした。本当に怖かった。巻いている途中で計5人とすれ違ったが、ここより下に崩壊地はないとのことで一安心。
長沢谷の河原でたるんだが、ここで水が豊富なうちに自分の差し入れの素麺を作ろうという話になる。ザルがないので冷やすのが大変だったが、思いのほか美味であった。また持ってこよう。
あとは何事もなく林道に復帰し、反省会をして、林道が広くなったところに引き返してサイト。小雨が降り出したのでツェルトを張りつつチロリアンブリッジを教えた。天図をとってもらったところ、特に天候が悪化する予兆がなかったので、長崎と広瀬さんをつけてジョゼフィーヌさんとお別れする。残りの三人はしばらくぐだぐだした後、集めておいた薪で盛大に焚火。分離隊の二人は八時半ごろ帰ってきた(4時間の林道歩きである)。お疲れさまでした。マシュマロを焼いたりして一層中身のなくなった話をして就寝。
5/3(月)唐松谷(野陣滝上から撤退)
6:00▲2~6:10唐松橋~8:40野陣滝下8:55~10:40野陣滝上~11:50下降開始12:05~13:15野陣滝上~15:00連瀑帯下15:10~4:003mCS下(天図)4:20~サイト場▲3
45半の予定だったが、松崎が寝坊して4半6になってしまった。今日は長崎が初心者役。蓜島のハーネスがねじれている。予定では稜線泊なので本ザックである。唐松橋まで歩き、少しトラバースしてから手掛りを出して入渓。最初の3mCS?では二人とも左岸を巻きはじめるが、地形的に明らかに右岸のほうが楽なので戻す。TR蓜島→手がかり。
次のゴルジュ。全体に倒木がかぶさっている。蓜島松崎ともに右巻きをし、初心者はTR→Fix→手掛りで通したが、直登が明らかに容易である。松崎は僕が直登を始めたのを見て右を巻きはじめたらしいが、それなら僕のルートがどうだったか工作する前に聞くべき。
3mくらいの2条滝を蓜島が右水流中TR。倒木支点だったが支点の環閉め忘れ。小滝で左を手掛り。はじめスリングで出そうとしていたが、あの距離ならザイルでいいだろう。
野陣滝手前の連瀑帯はそれなりに難しく、初心者はTR。松崎も詰まっていたのでTRのザイルを手掛りに使う。
野陣の滝は難しいことをトップに念押ししておく。まず下段は蓜島が左壁を直登し、突起岩から支点をとってハーケン1枚をランナーにとってTR。松崎は手掛り使用して下段を登り、続けて上段を直登。かなり時間がかかったが、無事登り切った。よくやったと思う。上段は大木支点でTR。ちなみにこの間、広瀬さんは筑波大の人たちの後を追って大高巻きをしていた。
野陣滝のすぐ上の5m滝は左水流中TR配島→手掛りトラバース。自分は右から行って詰まり、手掛りのお世話になってしまった。申し訳ない。
さらに3m滝の左のガレを松崎がTRしてタルミ。時間的に厳しい。初心者を消滅させれば完遂も可能だが、養成を進めるほうが優先度が高いのでここから下降開始する。広瀬さんは巻きの最後に手を切ったらしいので、初心者役はここから広瀬さん。
ザイルのセンターマークが取れてしまったらしいので、テーピングで直させる。
3m滝は松崎、5m滝は左岸を蓜島が懸垂。松崎のセットが遅く、蓜島のセットが終わってもまだ懸垂が始まっていない。ザイルが絡まったらしいが、横着してザイルを畳まなかったのが悪い。
野陣滝は連瀑帯上部とあわせて松崎がダブル懸垂。セット遅い。連瀑帯のあたりは水流が強く、広瀬さんが転んだりして肝を冷やした。安全性を考えると連瀑帯は別の方法で処理したほうがよいだろう。また、長崎がATCを流したので自分のを貸した。
ゴルジュは巻かずに手掛り、3mCSは右岸巻きを手掛りで上げて手掛りで降ろす。ちょうど4時だったのであわてて蓜島に天図をとってもらった。林道への登り口に手掛りを出して(松崎はなぜか行きと違うルートをとった)終了。昨日より下のほうにあるサイト適地(道より一段降りたところにある平坦地)に移動して、サイト。予定より一日はやく終わることが確定したので、皆心なしかホッとしているようだ。長崎が股ズレで苦しんでいる。しかしクラムチャウダーに魚介が入っていないのは有り得ないだろ、松崎。
焚火して酒飲んで玉ねぎとかジャガイモをホイル焼きしたりして就寝。
5/4(火)巳ノ戸谷(悪場途中でリード訓練後撤退)
4:35▲3~5:10デポ5:30~5:40下降点~6:20出合~6:35大滝下~7:10大滝上~8:10F2下4m滝下(リード訓練開始)~10:30F2上下降開始10:40~11:55大滝上~12:20大滝下12:30~12:45出合~13:25下降点~13:30デポ地14:00~15:00東日原
34半。長崎が股ズレに苦しんでいるので、下降点~出合でリード訓練だけすることも視野に入れつつ出発。仕事道分岐の先にある大木置場のような場所にデポして沢装をつける。今日は初心者役は広瀬さん。昨日暴走した報いである。
「3km」の看板のところから、スリング手がかり→懸垂×2ですんなりと出合に降り立つ。松崎の懸垂が初心者用のセルフビレイと交差していて嫌だったので直させた。
大滝までは特に何も出さないが、トップは濡れるのを嫌がってイモい。片方はもっと伸びましょう。大滝は右巻き。蓜島が去年通したルートを見たが、松崎と長崎がより小さく巻ける踏み跡を発見したので、そちらをTR。しばらく歩くと忌山の悪場に到着。2mCSと5mはまとめて倒木支点でTR松崎。ザイルダウンにやる気がない。ザイルゆるい、屈曲している、ATCから手を放すなどなんか知らんが最悪だった。倒木の下に犬の死体のようなものがあって気持ち悪かった。その上の4m滝は左ルンゼをフリーだが、蓜島の誘導がイマイチ。この間に長崎はリード用のTRセットのためF2上まで巻く(左ルンゼ)。広瀬さんもここからF2上まで初心者縛りをなくして滝上に先行。
リード訓練ではまず松崎にハーケンの打ち方を教えてから松崎トップ、蓜島ビレイヤー。F2下の4m滝左壁から登る。ランナーはハーケン2枚と残置3ヵ所から。アンカーをハーケン一枚から取ろうとして長崎が立ち木との流動分散に訂正させたが、ハーケン穴にタイオフしていたり環を閉め忘れていたり、流動分散自体が間違っていたりと色々ひどかったので、自分が新たにバックアップを取っておいた。
この時点でリミットに間に合わないので下降開始。長崎がTR支点を回収しに行ってうつ伏せ滑り台をしていた。悪場は滝壺=落ち口なんだから死にかねない。
さて、下降だが、まずF2上から上段の4m滝上まで右岸ルンゼを松崎が懸垂。セット遅く、初心者が懸垂セットする地点までの移動が怖い。こういうところはきちんとL権者の補助を頼みましょう。本当は下の4m滝もまとめて降ろすつもりだったらしいが支点をだいぶ上から取ったせいか長さが足りず、下の滝はフリーになった。
5m滝と2mCSは蓜島がまとめて懸垂しようとしたが長さが足りず、下4m滝の落ち口をトラバって左岸の立ち木から懸垂。ここの移動は初心者フリー不可。5m滝の落ち口で待機させて懸垂をセットさせ、振り子トラバースさせるのが理想だっただろう。
大滝はTRの支点のあたりからダブル懸垂。最初シングルでやろうとしていたが、ザイルが足りなくなるだろうと思えたので直させた。実際ぎりぎり足りなかった。
あと、大木があるのにわざわざ細い木を支点にとるのはどうかと思う。
その後は何も出さずに出合まで。途中で自分が釜に飛び込んで見せたが、蓜島が写真を取り損ねたので空しい気分だった。
下降点まではTR×2+スリング手がかり。デポを回収し、反省会しながら東日原まで歩いて奥多摩で打ち上げして解散。お疲れ様でした。
まとめ
どの沢もこの時期のトップにはややオーバーレベルだった。水量も全体的に多く、もっと暑い時期に行ったほうが楽しめただろう。また、隊運営が緩すぎたこと(タクシーの件や起床時間の遅さ)も完遂できなかった原因であろう。
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