雪訓 谷川岳

報告が遅くなり、申し訳ありません。2019.12.13-14に行った雪訓谷川岳の報告です。
快晴の谷川岳

記:浦中

参加者
OB4 大橋、4 CL勝木、3 sL浦中、2 sF今田、sEsWsH下平、1 H須藤、F中村、西田、W西村、E三田

12/13()晴れ、積雪50cm(天神平)
東京=(電車)土合
大橋さん以外は高崎で合流。ここで諸々の忘れ物が発覚した。
中村のお玉・しゃもじ(普通に忘れた)、西田のペミカン(学生会館に置き忘れ)、そしてなんと三田の45天本体は高崎線の折り返し電車で東京に戻ってしまったという。今回は事前に何回か注意したのだが…。
戻っても45天には追いつけないので、方々に連絡を取って解決を図る。OB2の村田さんに車を出してもらう案などもあったが、結局黒瀬が池袋で45天を回収して、大橋さんに渡してもらうことができた。ペミカンも重城のファインプレーで無事にリーチされた。やれやれ。
土合で水を全発汲んで就寝。とても快適だった。
いつもの階段
12/14()快晴のち15時過ぎから雪積雪45cm(天神平)
土合7:508:10土合口駅(ロープウェイ)天神平駅 9:059:27 BC 10:1510:30雪訓場所15:25〜〜15:37BC
早朝に大橋さんが合流。共装の受け渡しを行い、体操して7:50に出発した。土合駅の時点で明らかに去年より雪が少ない。今年は特にトラブルもなく天神平に着き、ビーコンチェックをして歩き始める。天気は快晴で、山頂に足が向かいそうになるのを堪えるのが大変だった。
足が滑って山頂に行ってしまいそうになる天気
雪が少ない上にトレースがしっかりついててあっさりとBCに到着。サイト地は夏道から一段降りた平地にした。午後から天気が崩れる予報だったので、整地してテントを立てるだけでなく、溝掘りやトイレ作りも先に済ませる。テントの割り振りは上級生と1年会が均等になるようにした。BCから雪訓場所までも、テントを立てているうちにトレースがつけられていた。
予定より10分ほど遅く雪訓開始。雪訓については最後にまとめた。雪訓の最後の最後で雪が降り始め、すぐに本降りに変わる。
テントに入る頃にはタワシで雪を落としてもすぐに積もるような有様だった。先に諸々の準備を終わらせておいて良かった。モスで暖まってサイトはビーフシチュー。バターが効いててうまい!水作りを教えながら行って宴会をして就寝。朝掘った溝は埋まってしまっていたので、寝る前に掘り直した。夜中は稜線上の風が轟々と音を立てていた。

12/15()小雪のち曇り(限界上は強風、ガス)、積雪55cm(天神平)
BC 7:157:30 雪訓場所 8:428:52 BC9:18 熊穴沢避難小屋 9:4310:43 1780m 11:0011:37 熊穴沢避難小屋12:01 BC 12:3012:45雪訓場所 13:4814:07 天神平

5:156:45のはずが、サイトも撤収も遅い。サイトは40分くらいかかるし、撤収・パッキングにもかなり時間がかかっている。結局出発は7:15になってしまった。日曜の天気は回復基調なので、谷川登頂の望みをつなぐためにリミットギリギリまで雪訓を行う。ここでは一年会にSABを教えた。雪が少なかったので、ピッケルを刺したら地面に埋め込まれてしまって抜くのに苦労した。一年会全員に体験してもらってから谷川岳に向かって出発。
昨日に引き続き雪は少なく、トレースもしっかりついている。読みを大幅に縮めて熊穴沢避難小屋に到着。ここでアイピケ、目出し帽、ゴーグルをつける。須藤は腹の調子が悪いとのことだったが登れるようなので先に進む。限界上に出てもしばらくは風も視界も問題なかった。良いペースで標高を上げていく。しかし1750mあたりから視界が怪しくなり風も強くなる。気をつけて歩けばよろめくことはないが、須藤のペースが落ちているように見えた。タルミの際に聞くと、まだ腹の調子が悪いらしい。このまま登れば風も視界も悪化するのは確実なので撤退。途中、10数人とすれ違った。
あっさりとBCに戻り、本ザックを作らせるがここでもパッキングが遅い。20分でやれと言ったのに30分近くかかってしまった。冬山初回ではあるが、もう少し急いで欲しい。リミットまでは十分に時間があるので追加で雪訓を行う。せっかく人数がいるので、普段はやらない搬出訓練を行うことにした。詳細は後述するが、なかなか快適な搬出だった。雪訓場所からの下山は、他のパーティの邪魔にならないようにしながらソリやスコップで滑ったりしながら降りる。新雪で滑りは悪かった。
土合口駅で大橋さんと別れ、現役は水上のふれあい交流館で風呂に入り高崎で打ち上げをして解散。

(雪訓練について)
ワカン着脱:4回行った。西村は紐を短くしすぎて苦戦していた。他は概ね問題なかったが、まだ3分を切れない回があるのでコンスタントに素早くつけられるようにしてほしい。
アイゼン着脱:4回行った。雪が靴裏で団子になるため、みんな苦戦していた。本来はこんな雪質でつけることはないのでもう少し速くできるだろう。遅い人で3分程度。
アイピケ歩行:直登・直下降を3分、トラバースを10分、ダイヤモンド歩行を35分程度行った。つま先の向きなどは問題ないが、耐風姿勢を取るのがまだ遅い。左右両方で素早くできるように。今後はクラスとした斜面で実践する中で無意識にできるようにしてほしい。
滑落停止:雪が柔らかく滑りにくかったが、基本の形はある程度できていた。アイゼンを地面から浮かせることと、脇を締めてピッケルを胸元に固定することを意識してほしい。次回は立った状態からできると良いだろう。
ビーコン訓練:10回行った。個人個人で動きに差はあるが、声はよく出ている。雪が浅かったため簡単になってしまったので、次回はもっと掘る練習をしてほしい。
SAB:2年会には流動分散を使って支点を取るところからやらせた。肩がらみで引き上げたり降ろしたりして最後に衝撃荷重の体験もしてもらった。1年会には支点作成は実演して見せるだけにして、肩がらみをメインで体験させた。また、ピケを横に埋め込む支点作成も2年会にはやらせた。
搬出:山の中での搬出はやったことがなかったので、今回の余った時間を活用してやってみた。フライの上に半分の幅に折った銀マット、その上に空のザック(雨蓋にものを詰めて枕にした)を敷いた。傷病者役のsLは靴を履いたまま足を雪袋に入れて、シュラフ・シュラカバに入った。フライを敷いてから編み上げが完了するまで30分強かかった。搬出は雪訓斜面上の平らな所を5mほど引きずってから斜面を降ろし、また上まで持ち上げて78分。斜面では今田がSABによる確保を行った。
搬出された感想としては、想像よりもだいぶ快適だった。冬用シュラフがクッションになったのが良かったのだろう。搬出時には掛け声などで左右のタイミングを合わせないと、傷病者が左右に振られてしまうので注意が必要。また、確保用具11セットとマップケースの紐を使ってギリギリだったので、人数が少ない場合は確保用具が足りなくなる。




総評
谷川岳のピークを踏むことはできなかったが、訓練としては充実した内容になった。限界上ではアイピケ歩行を使ったり、強風の体験ができたので良かっただろう。一度に教える量が多くなってしまったので、1年会はよく復習して知識や技術を定着させてほしい。

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