面子:3 坂田、LsE宮崎、2 WH廣長、1EF大西
企画者 宮崎
慶応ワンゲルが撮った写真を見てどうしても行きたくなった化穴山。
そこは灌木藪が一帯を覆っているが頂上付近だけは嘘みたいに草原が広がっているという。
途中水場がなく一人4発、人によっては5発持って歩きましたがその負担に見合うだけの達成感と満足感を得られたと思います。情報提供していただいた慶応ワンゲル様、忙しい中わざわざ参加してくださり完遂に一役買った皆様本当にありがとうございました。
化穴山直下に嘘みたいに広がる大草原、先に見えているのは甚六山
9/11(水) アプローチ
坂田以外は夜行バスで鶴岡までアプローチ。坂田は個人山行から直接電車で鶴岡に向かった。また廣長は高速バスの乗り場に行く途中の電車に携帯電話を忘れてしまい、大西の携帯を使っていろいろ連絡を取っていたが結局所在不明のようだった。
9/12(木):曇りのち雨:泡滝ダムから大鳥小屋へ
鶴岡=泡滝ダム10:40~11:35冷水沢吊り橋11:45~?七曲手前?~?大鳥小屋
高速バスが鶴岡8時着だったので大和交通のタクシーを9時に呼んで泡滝ダムまでアプローチする。タクシーが来るまで鶴岡で荷物のリーチしていた。坂田はガッシャという新しいザックを買ったらしくひたすら自慢される。フレームがそもそもないためフレームが壊れることがないすぐれものらしい。4人で鶴岡~泡滝ダム間が\18500かかり早々にLはマネーショックを受ける。泡滝ダムで入山の準備をしていると今度は大西が携帯をタクシーの中に置いてきたと言う。この山行が終わったら誰も携帯電話が使えない状態になるのではないかと割と真剣に危惧したが、グダグダ準備していると一旦帰ったタクシーが引き返して携帯電話を届けてくれた。大和交通さんありがとうございました。
大西トップで出発!したが5分も歩かないうちに道端でヘビがカエルにかみついているところに出くわし見物するために隊が止まる。弱肉強食がまさに目の前で起こっている様に坂田と廣長は知的好奇心が抑えきれないようでカエルがもがいてバッタンバッタンするたびにデジカメのシャッターを切っていた。結局8分くらい休止していたが坂田としてはもっと止まってカエルがヘビに噛みつかれて力尽き息絶えるまでの一部始終が見たかったそうだ。大鳥小屋の手前で雨が降り出し小屋に着いたときは本降りになっていた。小屋サイト\1500/人かテントサイト\500/人か迷うも雨の中サイトして下がるモチベーションのことを考えて勇気の小屋サイトをする。管理人さんはどこかへ出かけていたのか小屋にはいなかった。自分達の他には宿泊者がいない気楽な小屋サイトでパットマクワを食べた後、神経衰弱をしたり差入れを食べたりのんびりして過ごした。そういえば坂田はマップケースを省略しポケットの中にジップロック入りの地図を入れて持ち歩いていた。
9/13(金):曇り時々晴れ:大鳥小屋から1446Pを過ぎて化穴山へ
大鳥小屋5:10~5:30三角池5:35~6:00 1110m付近6:10~7:00 1180m付近7:10~7:55 1400ピョコ8:05~8:50 1446P 9:00~9:55 1350コル10:05~10:55化穴手前1400m付近11:15~11:27タルミ11:37~11:55化穴山
今日から大鳥小屋から化穴山を経由して以東岳までと22P+一泊分の水を背負うので一人4発+共ポリ1を持ち大鳥小屋を発つ。共ポリを振られた我らが強者廣長はノリでもう一発水を汲み重さに少し青ざめていた。三角池まで道で三角池から25mほど引き返した尾根から取りつき藪入り。最初のピッチでは6発持っている廣長はほっといて大西から水を抜く。化穴山まで赤布やテープあり。また藪入りして始めのほうは踏み跡か獣道らしきものもあった。1400ピョコまでの植生は太めの灌木帯だがあまり密生していないため本企画の藪の中では薄め。このため2P目にして坂田は早くも余裕のムードを出していた。進んで3P目のタルミで自分のパウ忘れが発覚。坂田とのリーチとの伝達がうまくいかず勝手に坂田が自分の分までパウをリーチしていると思っていたのが原因だった。とりあえず藪漕ぎのほとんどの区間でパウは足りそうであり、いざとなったら予備砂糖を使えばいいかと判断してそのまま進む。1400ピョコは見晴らしがよく気持ちがいい。1400ピョコから背丈ぐらいの低灌木帯になり少し濃くなったように感じる。森林限界だが1400から先と考えてよいと思う。1446Pも見通しがよく化穴方向の縦走路や以東岳方向の縦走路が一望できた。以東岳の1339Pを過ぎたところからさき草原帯になっているようで明日の行程へ期待が膨らんだ。1446Pのすぐ先にテント一張り分くらいの長方形のスペースで灌木が生えていない個所があったがだれか刈り払いをしたのだろうか。1446Pから化穴山までも植生は基本的に低灌木帯。しかし1446Pからの下りの途中に胸ぐらいの笹の中だがテントが張れそうな場所があった。稜線上は化穴山まで灌木帯だが1400mから少し進むと北側斜面は化穴山まで続く草原帯が広がっているのでこの草原の高速道路を利用して化穴山まで進む。坂田が積極的に右に散開して見つけてくれた。北側の草原帯が現れる少し手前に1400mの稜線上から南側にかけての草原が出現するのでこれを目印にするとよいかもしれない。草原上はサイト適地多数。読みよりだいぶ早く余裕のムードしか感じられなかったので化穴山の手前で無駄にたるんでしまった。最後の化穴山直下の急斜面も灌木帯には入らず適当に登り化穴山に到着。頂上も草原で気持ちがいいが少し凸凹しているので甚六山方向に10分ほど下った草原帯でサイト。読みでは化穴山がぎりぎりサイトMaxだったがハイペースで来ているため読み替えれば下ってもサイトMaxは満たすと判断した。このサイト場は疲れてのんびりしている大西と自分を尻目に坂田と廣長が元気に動いて探してきてくれたもので二人に感謝。サイト地から沢の源頭にかけて広大な草原帯が広がっていて感動する。坂田はここを「天上の楽園」と名付けようと提案していた。水が余裕で面倒だったので沢で水が汲めるかどうかの確認はしなかった。ただ沢から水音は聞こえなかったので相当下りないと発見できないのではと思う。ガスが出て寒かったので中サイトにした。坂田の置物感がひどい。サイト後はテントの外に出て日の入り直前までのんびり過ごす。また日の入り後は坂田のもつ煮や洋ナシをいただいた。自分が参加した夏合宿和賀隊ではこのような時間がほとんどなかったので個人的には大満足。
9/14(土):曇り後晴れ:化穴山から以東岳方面へ縦走、1510付近でサイト
サイト地5:05~化穴山5:20~6:10 1350コル6:20~7:10 1446ピョコ7:20~1300コル~1340m付近~10:20小法師先の池塘11:05~11:50 1393P 12:00~12:20 1393P先のコル13:10~13:55 1510m付近
サイトを終えると水が余分に3発あったので捨てる。昨日のペースが速かったためだったがかなりもったいない気がした。水は今日のうちに以東岳まで抜ける13P分の読みで持ち、一人2発となる。途中でサイトするときは池塘で水を汲むことにする。化穴山を通過して下りも先の高速道路を利用。ガスっていたため化穴山直下の急斜面は多少難儀しながら下りた。あっさりと2Pにして1446Pに到着。ガスが取れて化穴山がくっきりと見える。1446Pから小法師の下りは今までよりも濃く感じたが下りだったせいか1Pにしてコルまで到達。コル~小法師~1393Pまでが本企画で最も濃く感じたところではないかと思う。次のピッチでは次の高速道路開拓を狙って小法師手前1330m位から北に落ちて草原をつないでトラバースしようとしたところ斜度が急でトラバース困難になり適当なところで登り返すことになった。特に坂田は下に落ちすぎてしまい急な草地を登り返すことになりすごく消耗したらしい。全員稜線に復帰して小法師山を目指すが坂田と大西が南に落ちてしまう。稜線上は廣長が猛スピードで藪を漕いでいて二人が落ちたところからだいぶ先のところで1393Pへの稜線を発見した。大西だけリカバーさせて坂田はそのまま行き小法師山南西の沢上を見つけ1393Pへの稜線に復帰。大西は結構消耗気味で早く稜線上に戻せばよかったと反省。多少イモったものの読みよりだいぶ早く進んでおり坂田が小法師山先の池塘を発見しそこでたるむ。そういえば地形図に書かれている池塘のうちたまたま通過しなかったのか小法師手前の池塘は発見できなかった。大分今まで速いペースで来ているので途中でサイトするにしても水を汲む必要がなく隊には余裕の空気が流れた。池塘の周りにはモウセンゴケが群生しているなど生き物が豊かに生息しており楽園のような場所だったので40分くらいたるんでいた。かつて新歓用クリアファイルに使われたような構図の写真も撮る。池塘から稜線上は一瞬笹で薄くなるがすぐに灌木帯に入る。先にも記述したがここから1393Pまでは比較的濃い。日も高く暑い中藪を漕いでおり結構消耗した気がするので1393Pでいったんタルミ。自分と大西は熱中症予防のラムネを坂田からもらった。1393P先のコルは広大な草原が広がっておりしばらくたるむ。坂田はまたズレがだいぶひどくなっているようで歩くのもつらそうなため回復を待って50分ほどたるんでいた。下着やズボンが乾いたことを目安に出発。1400m~1500mにかけてそびえる笹壁をラッセルする。うまく灌木帯を避けながら稜線左にある草原帯に乗るのがコツ。大西、廣長のラッセルが速く疲れた。20分ほどで笹壁を登りきるとあとは以東岳まで続く草原帯。かと思いきや灌木で覆われたピョコが出現。しかし試しに背丈が低そうなところを進んでみると膝下くらいまでしかなく特に問題なかった。廣長はこのピョコを左の草原帯を使って巻き登り返そうとしたところ笹で鼻付きして鼻血を出す。結構血がでておりヘルボのガーゼを使って止血。また口周りを洗うのにLポリを使った。また坂田の股ずれしたところを洗うためにもLポリを出した。サイトはこのピョコを越えたところで行うとして廣長はサイト中には止血に専念してもらう。坂田が積極的に米を炊いていてLは感動した。サイト後廣長の血が止まったようなので天図は廣長に書いてもらった。天気図をみると台風が接近してきて明日以東岳から泡滝ダムに下山するか、本ルート通り縦走するか悩む。ラジオの天気予報によれば15日から天気が崩れ16日に上陸するらしい。この日は煮え切らない態度のまま方針を決めず就寝してしまった。
1510付近5:05~5:10 1556ピョコ5:25~5:50以東小屋5:55~6:00以東岳6:15~7:05先峰7:10~7:42狐穴小屋7:55~8:30寒江山8:40~9:20竜門小屋9:35~10:30西朝日岳10:40~11:45大朝日小屋11:55~12:05大朝日岳~12:20大朝日小屋13:00~タルミ2回~16:10古寺鉱泉
結局今日中に末端まで下りることにして、以東岳で古寺鉱泉までのリミットを切り、リミット以内だったら縦走、オーバーしたら泡滝ダムへという判断にした。少し明るくなってから出発し1556ピョコで日の出を見るために止まる。予想に反し展望がよく生暖かい南風の中、乳房雲みたいな雲を太陽が真っ赤に染めながら昇っていった。坂田に言わせればこれらはすべて荒天の兆しらしい。1556までの池塘は割と小さく大人数で水を汲むとなくなってしまいそう。以東小屋まで灌木を漕がず草原をうまく使って登ることが可能。以東岳に着きリミット内だったので縦走を決める。まだ視界は良く化穴山から大朝日岳まで臨めた。ただ風が強くこれからの天候は少し不安。水はまだ余裕があったので以東小屋では汲まず狐穴小屋で汲むことにする。7:10から雨が降り出すが視界はよくこれからの縦走路がはっきり見える。しばらくは視界がよく雨は降っていたが小雨が強くなったり弱くなったりしている感じだった。トップの大西が割と急いで進んだので読みよりも早く狐穴小屋に到着。水を汲むついでに狐穴小屋の管理人さんと少しお話をする。自分たちが東大ワンゲルと名乗ると管理人さんは3年前に訪れた夏合宿の隊のことを覚えてくれていた。藪漕ぎをして縦走し小屋前でもオカンしたことが特に印象に残ったようだった。西朝日岳までは雨の中であっても展望も良く稜線歩きが楽しめた。西朝日岳からガスが下りてきて視界がなくなったうえに風雨が強くなった。ずぶぬれになって大朝日小屋に着き、大朝日岳を空身ピストン。記念撮影をして速攻で小屋に戻る。小屋で坂田の洋梨と自分のこんにゃくゼリーを食べる。大朝日小屋でパウ水が尽きたが熱中症になりそうな天気ではないので予備砂糖を出すことはしなかった。小朝日岳は巻いたが大朝日小屋から古寺鉱泉まで地面がぬかるんで滑りやすいせいか疲れているせいか読みと同じくらいのペースで進む。大西、坂田は股ずれがひどいらしい。古寺鉱泉で日帰り温泉に入ろうとしたところ宿泊者が利用するからと断られる。また衛星電話を借りてタクシーを呼ぼうとしたところ小屋の人がタクシー会社に親切にも電話して下さり、わざわざ靴を脱いで屋内に入る手間が省かれたのであった。それでも恐る恐る水を恵んでもらいに行ったら快くポリ3発分水を下さり感謝。タクシーが着くまで1:20ほど時間があったのでもらった水を使って茶飯とFの水炊きを作る。快くコッヘルを出した大西のノリの良さに感動した。茶飯は4人で2リットルの水にあるだけの砂糖と紅茶をぶち込む。いままで雨と風で寒い思いをして暖かく甘いものに飢えていたのだ。サイトしているとタクシーが来て相当焦る。いそいで完成させて分配し運ちゃんが見ているところで急いで食べる。紅茶は相当濃いうえに甘くおいしかったが500mlは多く途中で若干気持ち悪くなった。タクシーで古寺鉱泉から左沢駅まで\14440。温泉は左沢まで徒歩2kmのところにあるテルメ柏陵健康温泉館に入った。坂田の股ずれが相当ひどく下界での歩行が困難になったそうなのでタクシーをまた呼んで移動した。左沢駅~温泉まで\1080。温泉は一人\300。ずれたところが相当しみるようでずれている人は湯船にあまり浸かれず気の毒だった。打ち上げは山形の中華料理屋さんで行い翌日の始発で東京に帰還した。Lは山形駅に山行を記録したメモ帳を忘れそのままなくす。
まとめ
水を一人4発歩荷し金銭的にも大きな負担がかかったが天候にも恵まれてそれに見合うだけの満足感が得られる山行だったように思う。天候がよかったせいか通過したコースについてはRFに苦労する印象はなくどちらかというと体力勝負といった感じの藪漕ぎだった。藪の濃さとして自分はそれなりに濃かったように感じたが坂田廣長に言わせれば物足りなかったとのこと。藪はほとんど灌木帯でネマガリダケがなかったのが印象的だった。読みを相当辛く読んでいたため水は4発も必要なかったが結果的にはサイトに余裕が持ててよかった。また台風接近のときの縦走判断は意見が分かれると思う。道区間の縦走は標高差も少なく楽しいので今度晴れているときのんびり歩いてみたい。記載してあるコースタイムは坂田がデジカメの写真により復元してくれたものでほぼ正確なものだと思います。
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