2012夏合宿南ア道隊



面子:OB1菊池さん(三伏峠まで) 3L伊藤 成田 2H竹尾 W前山 sF松岸
F三宅 E宮田 1一山 大橋 高市 高辻 成瀬 鳩貝 茂木

8/2() くもり  アプローチ 新宿=甲府=広河原
 12:30に新宿駅中央線ホーム集合。Lは不覚にもカード麻雀を持って来るのを忘れた。成田と松岸のTシャツがかぶっていた。佐藤さん、松尾、水野が見送りに来てくれた。佐藤さんの差し入れのスイカが重い。松尾の差し入れはカルピスや宇宙食のバニラアイスなど。高尾で前山が合流。前山はW装のトランプを持って来ていない。ちなみに確信犯である。電車の中で成田と打ち合わせ。6日の天気がどうも悪そうなので、3日で広河原から三伏峠まで行く方針にする。菊池さんとは甲府駅で合流。これで全員そろった。ジャンタク2台で広河原へ向かう。代金は計35000円。歩いて広河原山荘に向かう。テン場代は500円/人。虫スプレーが無くて困っていた竹尾を鳩貝が助ける。佐藤さんのスイカをみんなで食べた。テントを張り、早めに就寝しようとしたら、前山がケータイ、三宅が財布をジャンタクに忘れたと言い出した。テント周辺を探しても見つからないので、広河原山荘の衛星電話でタクシー会社に確認してもらう。この時は、忘れ物は無かったと言われたようだ。
 ケ―タイ・財布が無いのは心配だが、明日入山なのでとりあえず就寝。高辻、前山、松岸、三宅はオカンした。

8/3() 晴れ→くもり
≪1日目にして早くも南アの主峰北岳に登る≫
広河原小屋5:025:25分岐―(たるみ10)6:40第二ベンチ6:507:35白根御池小屋7:45(たるみ10)(たるみ10)10:11小太郎尾根分岐―(成瀬たるみ10)11:03北岳肩の小屋12:1112:28両俣小屋分岐―12:49北岳13:3014:20北岳山荘

 ワカ天の撤収が早い。なんだかはりきっている宮田に体操をさせ、1分間スピーチは一山。4:30出発の予定だったが、出発前にもう一度前山のケータイと三宅の財布を捜索する。が、見つからないので、5時ちょい過ぎに出発。いいペースで進み、白根御池小屋に到着。水は蛇口から出てくる。天気は晴れで、日差しが強い。小屋を出て、草スベリに突入。急登できついが順調に進む。途中、大樺沢の雪渓を登っている人影が見えた。限界上はいい景色。甲斐駒や仙丈が見える。小太郎尾根分岐を過ぎてしばらく経ったところで、成瀬がきついそうなので荷物を抜こうとしたら、水の無駄ボッカが判明。持たなくていいはずのポリタン1発に加えて、自分用の水を1L持っていた。出発前にもっとしっかり確認するべきだった。成瀬の荷物を軽くして出発。北岳肩の小屋に到着する。今日のサイト地である北岳山荘の水場は往復1時間半かかるそうなので、肩の小屋の水場で水を汲むつもりで、1年や2年を行かせたが、水がちょろちょろとしか出ていなくて、汲むのに相当な時間がかかるらしい。仕方ないので水は北岳山荘で汲むあるいは買うことにして、北岳山頂へと向かう。山頂は眺望良し。登山客もいっぱいいる。松岸と三宅の差し入れのフルーツ缶を開ける。記念撮影をして、出発。北岳山荘に着く。水は結局買うことになった。100円/Lであった。
 サイトは外サイト。茂木はコッヘル+大根1本をふられてやはり不服だったらしい。ちなみに大根は4日の夜に登場する。夜はビーフシチュー。トマトペーストを入れるのだが、鳩貝と茂木(群馬人2人。以下G2と略す。)はどうも嫌そう。聞くと、群馬人はトマトが食べられないとのこと。蓜島さんは平気で食べているではないかと指摘すると、「蓜島さんは格が違いますから。」「高崎だもんな。」と言われた。外サイトをしているとガスってきた。この、「午後になるとガスが迫ってくる」という現象は今回の合宿のほぼ全ての日に共通していた。ビーフシチューは美味で、G2もなんだかんだで食っていた。サイト後、前山のケータイと三宅の財布が見つかったと報告が入る。前山が自分のケータイの番号に電話をかけたところ、タクシー会社につながったそうだ。やはりジャンタクに置き忘れていたらしい。一同ほっとする。夕日を見ようとして多くの人が稜線上に出ていたが、ガスっていてよく見えなかった。成田はブロッケン現象を目撃したらしい。夜になると、星や甲府の夜景が見え、きれいだった。2日の面子に加えて竹尾がオカンした。

8/4() 晴れ→くもり
≪間ノ岳、農鳥に登り、白峰三山を制覇≫
北岳山荘4:355:07中白根山5:176:05間ノ岳6:287:19農鳥小屋7:368:11標識8:218:50農鳥岳9:009:31標識9:5110:24農鳥小屋10:40(たるみ10)(雨具さがし10)12:35三国平12:4513:15熊の平小屋

 朝は二郎くん四世。完成度はかなり高く、考案者の三宅がガッツポーズするほどのものだったが、二郎アンチにはきつかったようで、菊池さんや成田は苦労していた。特に成田の機嫌が露骨に悪くなっていた。はたして冬山で「二郎くんファイナル」は実現するのだろうか。4:35出発。朝焼けが美しい。中白根山は眺望◎。二郎くんの犠牲者は思ったより多く、菊池さんと成田以外にも竹尾や宮田が気持ち悪さを訴えていた。間ノ岳で記念撮影。農鳥小屋へと向かう。トラバース道の分岐から小屋までの距離が思ったより長かった。農鳥小屋のおじさんはやはりクセがある。明日の行程が長いので、農鳥岳は希望者のみピストンすることにする。菊池さん、成田、一山、成瀬が小屋に残ることになる。菊池さんと成田に水汲みを頼み、農鳥ピストンに出発しようとすると、小屋のおじさんが宮田に風向きを聞いてきた。俗に言う農鳥クイズである。ここ4~5日は東風が続いているが、これは異常なのだそうだ。確かに、今回の合宿中は気圧配置が変で、天気図から天気を予想するのが非常に難しかったように思う。農鳥岳目指しSub装で出発。南に登りきると農鳥岳への標識がある。そこに荷物をデポして空身で農鳥岳に向かう。岩場が続く。おそらく西農鳥岳は3051のピークなのだろうが、登山道は巻いている。農鳥岳山頂も眺めがいい。記念撮影をして戻る。農鳥小屋への下りで、登って来る人とのすれ違いに時間がかかった。農鳥小屋に戻る。菊池さんと成田は暑すぎて昼寝できなかったらしい。Sub 装を本ザックに戻す。大根が茂木から一山に移ったが、それでなぜか茂木がパッキングに苦しんでいた。どうやら茂木の大根は負の体積を持っていたらしい。熊の平小屋目指して出発。ガレ場のトラバースである。途中成田が写真を撮ろうとしたが、スケールがでかすぎていい写真が撮れなかったそうだ。農鳥小屋を出てから最初のたるみで、竹尾が雨具が無くなったと言う。農鳥小屋に置き忘れたのではと竹尾は言っていたが、一応小屋を出る時忘れ物が無いか確認はしたし、誰かが間違ってパッキングしてしまったのだろうと思った。広めの場所まで進んで、みんなでザックの中を調べたところ、大橋が持っていた。農鳥小屋まで戻らずに済んで安心した。樹林帯に入り、熊の平小屋に到着。水がじゃぶじゃぶ出ている。
菊池さんの差し入れのゼリーを作ることにしたが、準備不足・思考力不足によりかなり苦労した。夜はけんちん汁。他の野菜を切り終わった後、なぜか大根が丸々残っているのが見つかる。あれほど話題にのぼっていたのに…。けんちん汁はチーム富山(高辻&成瀬)の味付けが良かった。茶飯はコーヒーだった。山の上で飲むコーヒーもいいものだ。1年会はサイト後もテントに入らずつっ立って井戸端会議をしていた。ちなみに内容は、G2の地元ネタに周囲がのっかっていくというものであった。合宿中ずっとそんな感じだったので、群馬恐るべしと言わざるを得ない。G2が群馬や茨城を南東北連合だとか言っていたので厳重注意。東北は福島までです。この日オカンしたのは高辻、前山、松岸、三宅、宮田。

8/5() 晴れ→くもり→雨→くもり
≪塩見岳を経て、三伏峠に到達≫
熊の平小屋4:415:13「安倍荒倉岳まであと1分」―(たるみ11)5:58竜尾見晴―(たるみ10)7:07北荒川岳7:227:29キャンプ場跡―(地図入れ替え5)(たるみ10)8:45北俣岳分岐8:559:28塩見岳10:0311:08塩見小屋11:1811:37ゴーロ―(たるみ10)13:00 2498コル13:1013:45三伏峠小屋

 朝はそうめんもち。量が多い。菊池さんや成田はもちろんLも食べるのに苦労した。明るくなってから出発。菊池さんがパンツを外付けしている。「安倍荒倉岳まであと1分」の標識を過ぎ、最初のたるみで大橋が靴ずれを訴える。テーピング処置をする。新蛇抜山は東を巻いていた。北荒川岳に到着。遠目から見るとイモピークに思えた北荒川岳だが、実際は前に塩見岳、後ろに間ノ岳・農鳥がでっかく見える爽快な山頂だった。塩見岳に向かう。途中の水場は確認せず通過した。北俣岳分岐までの急登は、ザレた急坂で怖く、消耗する。北俣岳分岐から塩見までの道も怖そうなので、たるみをとることにすると、1年会から「え~」という声が上がる。君たちは元気だな。たるんだ後出発。両側が切れて道が細いところがあるので注意。塩見岳の三角点は西峰にあるが、実際の高さは東峰の方が上である。山頂でフルーツ缶と前日作ったゼリーを放出。アゲハ蝶が飛んでいた。塩見の下りに入る。急な岩場であり、落石注意だが、ゆっくり下れば大丈夫だろう。雨の日は通りたくないけれど。登って来る登山客とのすれ違いに時間がかかった。60分の読みは正解だったようだ。塩見小屋でたるむ。宮田の頭頂部から黄色い汁が出ていると話題になる。日焼けのせいらしい。成績優秀な宮田の頭脳流出は避けたいところだ。三伏峠目指して出発。12:08のたるみで1年に地図読みを聞く。あまり分かっていないみたい。無事三伏峠に到着。
 デポ品を回収するが、三宅のデポ品が1袋足りない。小屋の人に言って藪隊の分の段ボールを開けさせてもらうと、そこに入っていた。デポ山行三伏峠隊の怠慢であり、はなはだ遺憾である。三伏峠の水場は地味に遠いが、水量は豊富。外サイト開始。夜は寄せ鍋だが、なぜか銀マの上にペンネが出ている。「これ出したの誰?」「どうせ前山だろ」と言われた前山が「僕じゃないよ(怒)」とキレる。結局そのペンネは他の人が出したものだった。が、その後、乾燥マロニーをふられていた前山が取り出したのは・・・ペンネだった。「あ、ペンネだ。」と前山。「え?何これ?」「いや、店員に乾燥マロニーありますかって聞いたら、ペンネ売り場に連れて行かれて……これなのかなって……」マロニー事件発生の瞬間だった。たぶんこの合宿中一番笑った。サイト中に翌日菊池さんと一緒に行く分離隊を誰にするか決める。1人は前日農鳥をひよった成田で、2年会でもう1人行ってくれる人がいないか聞くと、即座に前山が手を挙げる。「罪の償いをしたいので…」とのこと。いや、普通の乾燥マロニーを買ってくるよりよっぽどいい仕事をしたよ君は。さて、寄せ鍋だが、松岸がネギ嫌いなので、どうネギを入れるかでもめる。結局松岸の分を先によそって、その後ネギをコッヘルに入れた。寄せ鍋は美味かった。17:00ごろ雨が降ってきたが夜には止んだ。3つのテントそれぞれで宴会をする。成田と菊池さんが怖い話をして竹尾を怖がらせていた。
8/6() くもり時々雨
≪三伏峠に停滞。菊池さんと分離する≫
(本隊)終日停滞
(分離隊)三伏峠小屋6:25(たるみ7)7:55鳥倉登山口8:45(たるみ13)10:35三伏峠小屋

 朝は45半。宮田は殺人鬼になった夢を見たそうだ。すき焼き丼は多いがうまい。バスに乗るのにちょうどよさげな時間に分離隊が出発。松岸が「ネギの哲学」をしにジジ天に乗り込んできた。ネギへの対処法を話し合った結果、「人を好きになればいい」という結論が出た。詳しい論証は哲学者の宮田に聞いてください。ラジオでロンドン五輪のニュースを聞く。水泳のメドレーで男女ともメダルをとったらしい。10時ごろ、菊池さんから無事分離下山したとのメールが届く。その後分離隊の成田・前山が戻ってきた。成田が「腹減った~」とぼやくと、行動食の消費に手こずるみんなが沸き立った。
 昼のわさび茶漬け、夜のカレーともにおいしかった。天図を見ると、低気圧という低気圧がすべて日本から離れていっている。これは幸運。1年会はG2を中心に1日中賑やかにトランプをしていた。ちなみに、「オカン遂」という言葉が生まれたり、「stationery(文房具)」のつづりを前山だけが当てたり、Lが成田を誤ってトイレに閉じ込めたりしたのもこの日である。

8/7() 晴れ→くもり
≪荒川小屋まで一気に進む。≫
三伏峠小屋4:42(水汲み10)5:28烏帽子岳5:386:07前小河内岳6:176:45小河内岳7:017:50大日影山手前8:018:09瀬戸沢の頭―8:36板屋岳8:469:19高山裏避難小屋9:5010:50小広場11:0111:38森林限界11:50(大橋たるみ5)12:50荒川前岳13:1513:19前岳中岳分岐―14:10荒川小屋

 朝はゆばと大根のミートソース。ゆばの存在感の無さに泣いた。竹尾が成田よりも早く食べ終わった。茶飯はダブル砂糖で、ハチミツのような甘さ。この日から1年会にもトップをやらせることにする。朝方はガスっていたが、、烏帽子岳に着くころには晴れ間が見え、虹も発見した。前小河内岳、小河内岳といいペースで進む。これは今日中に荒川小屋まで行けるのではないかと思い、高山裏まで行ってみんな元気だったら荒川小屋まで行くことにする。ただこの時「今日悪沢ピストンもする」と不用意に言ってしまったので後々もめることになる。小河内岳からは高辻トップ。速い。大日影山手前でたるんだが、松岸と三宅は2599ピョコ手前だと思っていた。大日影山は東側を巻き、板屋岳に登る。高市のトップも速い。板屋岳山頂は樹林帯。いいペースで高山裏避難小屋に到着。雲が少し湧いているが、青空が広がっている。小屋の主人に天気について聞いたところ、「今日はこんなもん。明日は分からん。」といわれたので、今日中に荒川前岳の上りを終わらせてしまおうと考え、荒川小屋まで行くことにする。高山裏での水汲みは松岸と三宅に行ってもらう。往復20分くらい。水量豊富だそうだ。避難小屋を出る。クサリ場は一人ずつ慎重に行けば大丈夫。一山が小広場の場所を間違える。どうやら前山にだまされたらしい。小広場からの登りで成瀬がきつそう。荷物をさらに抜く。高辻が成瀬のシュラフや着替えやF共装などを持ってくれていてなかなか重そう。森林限界からはカールの登り。スケールがでかい。かなり急で消耗する。カールを登りきると荒川大崩壊地。ガレの縁を通る怖い場所が複数ある。途中、トップの竹尾が怖がっていたので三宅に代えたりもした。荒川前岳に到着。ガスっている。悪沢岳の方もガスっているし、思ったより上りに時間がかかってしまったので、明日の朝悪沢をピストンすることにする。ただこの時「明日はピストンのあと百間洞まで行くつもり」などと言ってしまったので後の火種となる。風が吹き寒いが、せっかくのピークなので長めにたるむ。Lが雷鳥の親子を発見。ヒナがピイピイ鳴いていてかわいかった。荒川小屋へと下る。疲れていたためか、下りの道がかなり長く感じた。
 荒川小屋で、明日の方針についてもめる。成田は悪沢ピストンだけにすべきと言っていて、隊の疲労度を考えるとLもそれでいいと思ったが、三宅「縦走感が薄れる」松岸「明日も荒川小屋に泊まるんだったら今日は高山裏に泊まればよかった」「1度来た道を戻りたくない」「百間洞まで行くって言ったじゃないですか。それができないのなら悪沢は切った方がいい」前山「悪沢行かないとかありえないでしょ」などの意見が出た。結局は悪沢ピストンのみという方針にしたが、松岸は不満そう。夜はビビンバ風炊き込みご飯とわかめスープ。Lのビビンバは米:コンビーフ=1:1くらいだった。どんな分配をしたらこうなるんだ? 就寝前に、竹尾から熱が37.1℃あると言われる。とりあえず無理はしないようにと伝える。

8/8() 晴れ→くもり
≪悪沢岳ピストン。野生の藪隊に出会う≫
荒川小屋5:26(たるみ10)6:26前岳中岳分岐―6:30荒川中岳6:407:25悪沢岳9:3010:14荒川中岳10:2411:05荒川小屋

 前日の疲れにより、ほぼ全員熟睡したようだ。前山はテントの快適さを知ったらしい。ちらし寿司がうまい。前日熱があった竹尾と疲れている成瀬を小屋にデポして、悪沢ピストンに出発。お花畑でたるむ。成田がきつそうで、「酸素が足りない」「ヘモグロビンが足りない」としきりに言っていた。荒川中岳を通過し、大きな悪沢岳に向かう。岩場を登ってゆくがそれほど怖くない。悪沢山頂は360度の眺望で、天気も良く、気持ちいい。2時間ほどたるむことに決定。高辻が嗜好品のじゃがりこを出す。一山はなんと数Ⅰの過去問を解いていた。富士山方面には雲海が広がっている。宮田と成田が塩見方面で新歓用の写真を撮ろうとしていたが、構図が難しいそうで四苦八苦していた。一山が宮田ポーズをするがなんか違った。岩の上で2年会が気持ちよさそうに昼寝をしていた。9時半に悪沢を出発。中岳から荒川小屋へ下りる途中で、なにやら大人数の集団が登ってくる。あの白いTシャツと赤いズボンの、体操のお兄さんみたいな格好のやつは・・・谷川!?―――――藪隊との遭遇であった。みんな元気そう。野呂のヒゲは期待外れだった。藪隊も今日荒川小屋に泊まるらしい。道隊はお先に小屋に戻る。小屋にデポされていた持留に出会い、みんな歓喜する。特に前山はうれしそう。持留に、藪隊でここまで何か面白いことがあったか聞くと、「坂田がジャンピング土下座したくらいですかね。」と言われる。なんだそれは。男どもが悪沢に行っている間、竹尾と成瀬がコッヘルを磨いてくれていた。ありがたい。そのきれいなコッヘルを使ってポップコーンを作る三宅であった。カレー味でうまい。差し入れのゼリーを作ることにしたが、水の量を間違えたり容器が無かったりしてまたもや苦戦する。持留の力を借りて何とか完成した。夜はコーンクリームシチュー。濃厚でおいしい。道隊がサイトを終えたころ藪隊が戻ってきた。酸素が少ないせいか鈴木啓が妙に饒舌になっていて、道隊の面々は心配した。藪隊のポリタンが足りないようなので道隊の余りを2つあげた。藪隊に出会って一番驚いたのは、松尾がオカン否定派に回っていたことだった。宮田が「松尾さんがどんどん常識人になっていてびっくりです」と言っていた。Lは藪隊の麻婆豆腐を食べさせてもらった。うまかった。
 16:00から天図大会を行う。茂木はやはり上手い。前山の天図が藪隊の上級生にたたかれていて、前山がけっこう落ち込んでいた。道隊・藪隊合同で集合写真をとったが、一山は歯磨きに行っていて写れなかった。ごめん一山。竹尾は小屋でばんそうこう10枚を100円で買っていた。また、成田がダブルパウを連発したためかパウが足りなくなったので、藪隊からパウを10個もらった。道隊と藪隊の上級生が談笑するのを聞きながらLは就寝。藪隊は明日から毎日根性日らしい。大変だねぇ。


8/9() 晴れ→くもり
≪赤石岳登頂。ハーモニカを聞く≫
荒川小屋4:385:02大聖寺平5:125:54小赤石岳の肩6:046:16小赤石岳―6:28赤石小屋分岐―6:42赤石岳9:009:17裏赤石9:22(一山たるみ25)10:10大斜面下コル―10:35百間平11:0011:28百間洞露営地

 朝は皿うどん。市販の1人分の量なので非常に少なかった。この日から体操も1年。一山に体操をやらせ、出発。快調にとばす。大聖寺平でご来光。強い西風が吹く中、赤石岳山頂に到着。広々としている。宮田がコーヒーを入れるが、1年会はあまりコーヒーが好きでないようだ。赤石岳避難小屋で水が不足しているらしいので、水を4Lほどカンパしに行く。すると、御礼として、避難小屋のご主人夫婦が、ハーモニカを吹いてくれたり、ポップコーンを作ってくれたり、望遠鏡をのぞかせてくれたり、リンゴをくれたりした。まさに至れり尽くせりといった感じで、心からお礼を言う。三宅と高辻は「山が好き、酒が好き」と書かれたバンダナを買っていた。ご主人によると、裏赤石という眺めの良い場所があるらしい。地図でいうと3080mピョコである。赤石岳を出て、裏赤石の下で地図読み。さすがにみんな合っていた。空身で裏赤石に登る。聖岳がそびえ立っている。テンションの上がった宮田は踊っていた。一山と茂木は雲海に向けてキジ打ち。聖岳をバックに写真を撮り、下りる。ここで、一山のコンパスが分解し、非常用パックから予備コンパスを出させるが、コンパス交換やパッキングに手間取る。ガレ場を過ぎ、百間平に到着。爽快な場所で、長たるみすることにする。竹尾と宮田は「今合宿で一番気持ちいい」と言っていた。百間平を出発するとガスってきた。百間洞露営地に到着。テン場は指定制で、3つとなりあった場所が良いと言ったら、2~3人用テントのスペースを割り当てられた。まあ張れたからいいか。
 夜はフジッコとツナ缶の炊き込みご飯と卵スープだったが、卵スープは乾野が多すぎて乾野煮込みとなっていた。乾野のブドウ糖のせいで甘ったるかったが、味見をしたG2は「味が薄い」としか言わなかったので、彼らの味覚を疑った。天図は電波があまり入らずうまく書けなかったので、他大の人に見せてもらう。九州と北海道に低気圧、日本列島北方に高気圧がある。この先の天気が全く予想できない。天気のいいうちに茶臼小屋まで到達したいので、翌日の方針を、「成瀬空身でOR1、2を無視して聖岳まで進む。そこでケータイで天気予報が見れるかチェック。11日の天気が良ければ聖平小屋でサイト。悪ければ茶臼小屋まで行く(ただし聖平で消耗者がいないか確認。聖平12:00出発をリミットとする)。」のように決める。根性日になることが予想されるので、松尾の差し入れのアミノバイタルを配り、気合いを入れる。

8/10() 晴れ→くもり→雨
≪聖岳に登り、茶臼小屋まで到達≫
百間洞山の家4:435:23百間洞下降点5:335:47中盛丸山―6:05 2630mコルー6:20小兎岳6:307:04兎岳7:147:38聖兎コル―(たるみ10)8:53聖岳9:3310:06小聖岳10:1610:42薊畑―10:55聖平小屋分岐11:12(地図読み5)12:00岩頭12:1112:38南岳―13:00上河内岳の肩のちょい下13:1013:13上河内岳の肩13:2413:38奇岩竹内門―14:12横窪沢分岐点―14:19茶臼小屋 

 朝はナポリタン風スープパスタ。成田が竹尾にまた負ける。明るくなるのを待ち出発。登りはトップがいいと竹尾が言うのでトップをやらせる。いいペースで、中盛丸山、小兎岳を通過し、兎岳に至る。光岳が見える。いよいよここまで来たか。三宅は三角点までキジ打ちに行っていた。兎岳を後にし、聖岳に向かう。ガレの縁が数か所あるが、落ち着いて行けば問題ない。ひたすら登り、聖岳到着。眺め良し、天気良し。ピークに立つとそれまでの疲れなど吹き飛んでしまった。三宅・松岸・前山は奥聖まで遊びに行く。ドコモでウェザーニュースをチェックすると、11日の降水確率が90%だった。このため、茶臼小屋まで一気に進んでしまうことにする。成田のデジカメの調子が悪いので、茂木の写真機で集合写真を撮り、聖岳を下りる。聖の下りは急なザレ場で、前山が何度もこけていた。ちなみにこの日の前山はかなり疲れている感じだった。小聖岳、薊畑分岐点を過ぎ、聖平小屋への分岐に着く。ここで、トイレに行きたい人だけ聖平小屋に行ってもらう。聖平小屋のトイレは水洗だそうだ。茶臼小屋目指して出発。シダ植物が目につくようになってきた。原生林が近付いているのか。南岳、上河内岳の登りはきつい。上河内岳の肩でたるみ。ガスっていて風が強い。三宅が1人で上河内岳に登っていた。あとは茶臼小屋まで下るのみ。森林限界が思っていたより低く、横窪沢分岐点前後も限界上だった。
そして、茶臼小屋到着。またここに来られるとは。感動の瞬間である。デポ品を無事に回収した。宿泊の申し込みをすると、小屋の人が茶と和菓子をくれた。また、たまたまいた京都府立大のワンゲルの人たちからスイカをいただいた。ここは天国か? まさか合宿で2回もスイカを食べるとは思ってもいなかった。小屋の人に今後の天気を聞くと、「明日の天気はそれほど悪くない。明後日は悪い。」とのこと。よって、「明日は光岳をピストンし、明後日下山する」という方針に決定。テントは3つ並んで張れる場所が無く、ばらばらに張った。夜はスパムマシのミネストローネ。うまい。成田が差し入れのフルーチェを作った。19時半ごろ雨が降り出したが、夜中には止んだらしい。 

8/11() くもり→晴れ→くもり→雷雨
≪光岳ピストン。予想外の晴れで百名山7戦全勝≫
茶臼小屋4:515:00横窪沢分岐点―5:14茶臼岳―(地図読み5)5:26仁田池5:365:49希望峰―6:04鞍部―(たるみ11)6:52易老岳―7:32三吉平―(たるみ10)8:17イザルヶ岳分岐―8:25光岳小屋―8:37光岳9:349:45光岳小屋9:5310:00イザルヶ岳分岐―10:07イザルヶ岳10:1710:22イザルヶ岳分岐10:2710:52三吉平―(たるみ11)11:49易老岳―(たるみ10)12:37鞍部―12:58希望峰13:3213:47仁田池―14:01茶臼岳14:1014:19横窪沢分岐点―14:25茶臼小屋

 朝起きると、空には月と、星が1つ。ガスが出ている。さすがに今日は晴れないか、と思いながら、海鮮卵雑炊をいただく。おいしいが量が多い。成瀬を小屋にデポし、最後の百名山、光岳に出発。茶臼岳の下りで地図読み。数人合っていた模様。OR5は行きは無視する。ペースが速い。いくらSub装とはいえ、エアリアの読みがゆるすぎる気がした。もうすぐ易老岳というところで、松岸と宮田のザックが濡れているため、たるみをとる。2人ともplatypusに穴が開いていた。仕方ないのでパウ水にして、飲みきれない分は捨てるように言うと、宮田が1Lくらい飲んでいた。三吉平から沢状地形を登っていくと、何かがおかしい。これは・・・晴れている!? テンションの上がった我々は一気に光岳山頂まで登りつめた。山頂はやはりイモいが、まあそれはいい。光岳も晴れで、奇跡の百名山7戦全勝という結果になった。光石まで行って眺望を楽しむ。
超気持ちいい。写真を撮ったりしてのんびりしていると、登りで何度か抜かしたり抜かれたりした単独行の女性がやって来た。写真を撮ってくれないかと言われ、撮らせていただく。「じゃあ次はこれも写してくれる?」と言って、彼女が取り出した紙には、「100座達成!」の文字が。みんな驚き、「おめでとうございます!」と祝福する。聞くと、登山を始めたのは40歳過ぎで、当初は百名山にはそれほど興味はなかったが、気がつくと70座を超えていたので、100座達成を目指すようになった、とのこと。その日のうちに下山するらしく、「ドライマンゴー置いておいたわよ」と言って、「百座のおばさん」は去って行った。我々も、9時半過ぎに光岳を出発した。光岳小屋へ行く途中で、竹尾が木に頭をぶつけメガネの鼻当てが目に入ったと言うので、小屋で少し休む。どうやら回復したようなので進む。イザルヶ岳は広々とした山頂で、眺望抜群。藪隊が作ったものと思われるケルンがあった。山頂で「百座のおばさん」からもらったドライマンゴーをいただいた。イザルヶ岳から下り、茶臼小屋へ戻るが、帰りがけっこうハードだった。希望峰に到着。仁田岳は希望者だけ行くよう指示すると、Lと成田以外みんな行った。若いもんは元気じゃのう。仁田岳山頂では、聖岳から光岳までの稜線が全部見えたらしい。と、ここで、雷のゴロゴロという音が聞こえた。まだ雲は来ていないが、怖いのでやや急いで進む。ラストピーク茶臼岳で記念撮影。雨がポツポツきたので早めに出発する。無事茶臼小屋に到着。ガスがどんどん広がってくる。茶臼小屋の人に天気を聞くと、「明日は雨」と言われた。
 多少の雨なら下山できるだろうと思ったので、一山のケータイで翌日12:00にタクシーを予約する。サイトが始まる前、高辻と三宅がチヂミを作っていた。Lも食べさせてもらったが、うまい。成功だ。サイトは15:30開始。三宅がチヂミ作りに熱中していたため、松岸が働いていて大変そうだった。外でサイトしていたが、16:00ごろ雨が降ってきて、テント内に撤収。雷も鳴っている。夜は八宝菜だが、スパムが多すぎてもはやスパム丼だった。雨は降り続き、三宅はジジ天でチヂミを量産する。差し入れのワイン・梅酒やつまみを回し、各テントで宴会。鳩貝が「伝書鳩貝」として連絡役を担っていた。18:55から、Lは小屋のテレビで天気予報をチェック。12日の南アは「くもりか霧一時雨か雷雨」とのこと。静岡市もオール50%で「くもりのち雨」だった。明日こそ雨か…と覚悟する。ジジ天ではチヂミトレが行われたが、前山と成田は途中で寝てしまったため、残りはLと三宅で食べた。三宅がオカンしに行くのを見届けた後、就寝。

8/12() 晴れ
≪さわやかな下山。畑薙大吊橋を渡り合宿終了≫
茶臼小屋4:485:11樺段―5:23「水呑場」5:336:06横窪沢小屋6:206:43中の段―7:15ウソッコ沢小屋7:258:15ヤレヤレ峠8:258:50茶臼岳登山口8:569:30ゲート

 雨は夜中に上がったらしい。朝メシはとりもち雑炊~合宿完遂の味~。今までまずいとりもち雑炊しか食べたことが無かったが、今回は美味しかった。出発前に、大缶5小缶1を茶臼小屋に寄付する。段ボールは燃やしてくれたらしい。ありがたい。茶臼小屋の人達は本当にいい人達で、優しさが身にしみた。「2,3年後また来ます」と言ってしまったので、1年会の皆さんよろしく。いよいよ南アに別れを告げる出発。途中の沢状のところで宮田が1mほど滑落する。けがはないようで良かった。天気は悪くない…というかむしろいい。日が差している。いいペースで横窪沢小屋に到着。デポ山行の時とはうってかわって、青空が広がっている。デポ山行の時出会ったバイトの女性はまだいて、声を掛けてくれた。小屋の方が出してくれたお茶を飲み、出発。地バチに刺されるもの多数。成田がやたら心配していたが、大丈夫そうなので進む。ひたすら急な坂を下る。よくデポ品を持ってこんなところを登ったものだ。ウソッコ沢小屋へ向かう途中の階段・つり橋が整備されていた。ヤレヤレ峠に向かう途中で例の赤い物体(デポ山行FB参照)を確認。人の死体ではなくただの木だった。デポ山行時の我々は南ア南部の魔物に取り憑かれていたのかもしれない。ヤレヤレ峠でたるむ。まさにやれやれという感じだった。合宿最後のピッチは三宅トップで出発。畑薙大吊橋に到着。1年会は平気で渡っているが、竹尾は怖がっているようだった。「晴れている時にここを渡れて本当に良かったです…」と言っていた。もう合宿も終わりか、と思いながら畑薙大吊橋を渡る。おのおのゲートまでの長い林道を歩いた。
 空が青い。セミが鳴いている。ゲートから少し奥に入ったところで天突きをした。タクシーは予定通り12時に来て、静岡駅まで2時間半の長い道のりを行く。山道がひたすら続き、南アの深さを改めて感じた。駅前まで来ると、人の多さや、立ち並ぶビルや、自動車が走る様子に妙な感覚を覚えた。そうか、下界に戻ってきたのか。駅でタクシーから降りる。2台で56000円。夏真っ盛りの暑さに驚いた。駅から出ている無料シャトルバスに乗り、温泉に行く。思ったほど手の甲の日焼けはしみなかった。打ち上げを駅の近くの牛角でした後、解散。


まとめ
合宿中雨具を一度も使わなかった者5名、全日オカンしたもの2名。この数字が示すように、非常に天候に恵まれた合宿であった。大きなけがもなく無事に終えることができて、ホッとしている。元気な1年会やボッカ力のある2年会には本当に助けられた。9泊10日という長丁場。歩いて食って寝るという単純作業の繰り返し。いろいろ考えたり笑ったり感動したりしたはずだが、終わってみればあっという間だった。みなさんお疲れ様でした。この合宿が1人1人の心に残るようなものであったなら幸いです。

1 件のコメント:

  1. 宮田くん、合宿中に俳句を作ったそうですが…

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