2017年6月28日水曜日

藪トレ 帝釈

新しい藪に行きたかった。上越はいつも行っているし、南アは去年行って大満足。
地図帳を眺めて南会津が目に留まった。ここにしよう。
幻の「日本最高所水準點」引馬峠
企画・記録:久保 
参加者17
OB3 *坂田さん *三宅さん 4*柏嶋さん CL*村田さん
3 *梅宮 sL*久保 *田嶋 *張 *中津
2 E今本(2) F勝木(5) H坂田(4) *曾根田 W幕内(5) 1 浦中 仲渡 橋口
* は藪sL/L権者、()内は本山行前トップ日数、アプローチはOB車、村田車、キャラバン




6/23(金)快晴
~満天の星空がお出迎え~
19:45本郷=檜枝岐=1:03馬坂峠、OB2時半過ぎ着?

 全員本郷集合で、19時出発にしたが車の用意が遅れてしまった。5限を削って来てもらった勝木には申し訳ない。今山行の核心はアプローチで、OBの到着が我々の朝の出発に間に合うか不安だった。東北道で雨に見舞われた。馬坂峠までの林道は未舗装だが、フラットで非常に走りやすい。峠には車が10台ほど。梅宮のauは入ったがSoftBankは入らない。トイレは木造で美しい。息をのむような満天の星空で、オカン組はさぞ気持ちよかっただろう。

6/24(土)晴れ、のち高曇り
~野鳥のさえずりと森の香りに心洗われる~
4:40体操 4:45出発~6:10三段田代6:257:18台倉高山7:458:50 1955p手前コル(1880m付近)9:0810:21引馬山手前(1970m10:3910:54引馬山~11:15引馬峠(以下sub装)11:4512:52孫兵衛南峰2つ東隣の2010p 13:0413:20同じく1つ東隣の2010p~イモる~13:57孫兵衛南峰14:3315:55 1915p先コル16:1116:38引馬峠▲ 21:30過ぎ就寝

出発を4:30にしたが、寝不足による体調不良者が何人かおり、トイレに駆け込んでいた。出発も遅れた。先頭に指名した今本は未明に来た林道を下ろうとする。声をかけると今度は帝釈山への登山道に入ろうとする。本気で間違えているらしい。日本語の標識はちゃんとある。
 台倉高山への道は非常に感じが良い。森に入るとすぐに甘い香りと透き通るような野鳥のさえずりに包まれた。南アや北アの15002000m帯の森林の匂いとよく似ている。樹種はツガやトドマツが多い。鳥はコマドリ、ホトトギス、カッコウ、ジュウイチ、ヒガラ、メボソムシクイ、キビタキ…挙げたらきりがない。道の両脇にはオサバグサが小さな白い花で彩を添える。隊の歩みが遅いので、私と三宅さんは頻繁に立ち止まって樹上の鳥を探した。
三段田代は雰囲気がいい

 三段田代に着いたのは出発から90分後。早速のロングピッチに不満続出。ゆっくり歩いてるから長め切ったよと言うと、遅い理由を考えろと返された。すみません。皆も鳥の声に耳を澄ませながら歩いているものと勘違いしてました。橋口の荷物を抜こうと伝えると、2年会全員がハイエナのように群がって荷物の取り合いが始まった。本当に元気な奴らである。今本は水5発を持った。勝木のカリマーザックは荷物を詰めすぎていやらしい形に膨れ上がった。対して橋口のザックはセミの抜け殻のように背中に引っ付いていた。
 台倉高山(2067m3△、三角点名は『帝釈』)は周囲が開けて展望が良い。燧の頂は雲に隠れていた。空も晴れて気持ちいい。
Yabu Heil!

 集合写真を撮ってYabu Heil ! 藪入りして3分も経たないうちに「ふみあとが見つかりました」。がっかりしたが、薄いシャクナゲをかき分けるとすぐにササの2m密藪に突入。ここから標高にして100mほど、ササをつかみ滑るようにしてコルへ。ササはネマガリにしては細い。チシマザサ? 何だか、藪の様子も南アに似ている。
 コルは藪がないものの沼が至る所にある。今本が盛大にハマってキャーキャーうるさい。1年会は落ち着いて行動できている。ワンゲル的には新鮮な山行だ。沼にはまらないよう、草やコケが生えているところをうまくつないで通過する。次のたるみでも腹痛や不調を訴える隊員が多く、時間が延びる。睡眠不足山行でよくある現象?
 この先1938pがある稜線は勝木が見てくれた。本隊は福島県側を進んだ。藪が無く歩きやすい。途中で本隊も稜線上にでたが、尾根上は1.5mのササが生えていた。
気持ちのいい林が続いた

 引馬山(1982m3△、三角点名は『腕蔵』)に着いたとトップから知らせが来たので、三角点を探すように伝えるとすぐに見つかった。なぜか、本隊も全員三角点を見てから峠に向かった。私の三角点好きがうつったのかな。
 FB2年会から話を聞く限り橋口の体力が心配だったが、果てることはない。一度も足を止めることなく峠まで到着。よかったよかった。
 引馬峠(1896m2□)に着き、幻の水準點を探すように伝える。すぐに見つかった。周囲にピンクテープが付けられている。峠は明るい疎林で野鳥のさえずりが響き渡り、気持ちのいいところだ。テントが張れそうなスペースも随所にある。すぐに、sub装に切り替えて孫兵衛ピストンする意向を伝える。何となく、隊がお疲れムード。どうしても孫兵衛に行きたいので、急かして出発。水を余分に持たせておいてよかった。
原生の匂いが強い

 この先も薄いササと藪なし樹林帯のミックスだった。ちょっと触れればバタンと倒れるような立木が多く、原生の匂いが強い。倒木の上にはコケが厚く覆い被さり、新たな幼木が枝葉を伸ばしている。RFが順調に進んでいるかと思いきや、孫兵衛南峰1つ東隣の2010pの下りでトップ3人全員が右に落ちた。なかなか戻ってこない。
 孫兵衛南峰に着いたのは13:57。リミットは孫兵衛出発が14:10、天図が取れた場合14:30。孫兵衛山までの読みは40分。隊の消耗で今までのタイムがずいぶん伸びてしまっているので、ほぼ不可能。…と考えつつ、あたりを見回すとみんなザックの上で寝てる。こりゃアカンわ。梅宮がボソッと「ヤマテンでは午後雷だよ」。泣く泣くカットすることにした。孫兵衛はこの辺りで一番山深く、3△があるだけに残念。時間に余裕ができたのでダラダラとたるんで、引馬峠に引き返す。
孫兵衛南峰で引き返した

 消耗しきった隊の歩みは遅く、三宅さんと私は後ろの方でネマガリタケノコ掘りに励んだ。タケノコのある場所とか掘り出し方のコツがつかめるようになってくると、あまりに夢中になり過ぎて、気づけば2人だけということもあったので反省。
 峠に帰ってきたのが遅かったので、1年会と34年会にサイトを任せて残った人(2年会と中津・久保)で水汲みに行く。北に進むと急にネマガリの激藪に突っ込み南ア深南部の黒山を思い出した。すぐに藪なし樹林帯に入り、沢を発見するが雪に覆われていたため、下流へ進む。枝沢が3本ほど合流したところで、汲みやすい場所があった。峠から歩いて6分で信頼のできる水場である。
 夜のメニューはシチューで、クリームよりビーフの色が濃い。藪恒例のやわらぎも。「分配できですか?」の文句を「配膳は御済みでしょうか?」と丁寧にしたが、誰も反応してくれない。宴会は19:30からで、7天の威力を発揮するところだが、あまりの熱気に何人かは体の大半を外に出していた。
 三宅さんから極上の帝釈産ネマガリタケが塩ゆでにて振舞われた。固い皮を3枚ほど剥くと美味しくてやわらかい。他にも瓜じゃないほうのスイカやスルメ、ウインナー、スナック菓子、梅酒、ウイスキーなどが出てくる。Soft Drinkも種類が多かった。気づいたら21時半だったので、そろそろ寝る準備をする。
 翌朝は34半と伝えると6時まで寝たいとか8時出発にしたいとか言う不心得者が数人。山の朝にゴロゴロするのは大嫌いなので却下。樹間から星が見えた。

6/25(日)高曇り、薄日、帰りに雨
~ラーメン餅は引馬峠で新たなる進化を遂げた~
3:00起床4:27出発~5:04引馬山巻く~5:30 1938p南コル 5:456:51 1895p 7:06 8:39台倉高山9:0510:17三段田代10:3211:30馬坂峠(空身、橋口デポ)11:5012:13帝釈山12:2612:49馬坂峠=燧の湯14:5517:25打ち上げ19:2023:30上野

予報では雨だが、クボテンを確認してみると晴のようである。フライもテント内側も全く濡れておらず快適。夜露も降らなかったようだ(オカンしときゃ良かった)。
 朝サイトは45天が3:307天が3:35に完了。メニューの割に遅い。で、気になるメニューはトマトラーメン餅。これを口にした瞬間、各テントから驚嘆の声が上がった。非常にうまい。汁が多くのど通りもよい。もちろん味も良くできている。さすが、勝木。私の人選が利いた
 撤収は4時。3分後に7天、4分後に45天、7分後に6天が撤収完了。冬山面子が多い45天は早かった。1年会のパッキングやキジ打ちで時間がかかり本隊は4:27に出発。周囲を確認するとゴミが少しと藪メガネが落ちていたので回収した。出発して数分すると橋口が急にザックの荷物を出し始めて本隊ストップ(3分ロス)。藪メガネがないらしい。さっき拾ったのを渡す。勝手に止まらず、ちゃんとLに報告してください。
 引馬山へは往路と同じルートを通すようにとあれだけ言ったのに、トップはシャクナゲ藪に我々を招待する。藪「トレ」をしようというのか?次第に巨岩がゴロゴロと出てきて本隊はよじ登りながら行く。東からうめき声が何度も聞こえる。三宅さんが尾根に忠実に乗ってピークを目指しているようだ。結局クライミング難度の高さに敗退した。疲れた顔で「一日の体力の半分を使った」。次々と現れる岩に橋口がかなり消耗してしまった。トップに「行きと同じルートを通せ」と伝えたが、「この先にも岩壁があります」などと見当はずれな答えが返ってきた。昨日は岩なんて一つも見なかったぞ。一晩で巨岩がにょきにょきと出てくるワケないだろ!しっかり散開してくれよ。
 橋口はアクセルを踏むことなくアイドリング状態でそろそろと進む。かといってサイドブレーキを引くこともなかった。段差や倒木を越えるのに時間がかかった。引馬山を巻いてすぐの1938p南コルでたるみ。この辺りから小雨がポツリと降ってきたが、ゴアマが必要ない程度で、気にならない。
雪渓の回廊が縫うように続く

 コルから先は樹林帯の中を縫うように雪渓の回廊が続き、23年会は子どものように走る。4年会やOBもスキーのように靴で滑ったりしている。1年会が一番大人びていた。
藪は濃いところでこれくらい

 とりとめのない1895pでもう一度たるむ。ここからまっすぐコルへ降りて、大きな大きな台倉高山を目指した。トップは往路よりも藪の薄いところを通してくれたが、本隊のスピードが上がらず時間がかかる。ピンクテープがジグザグに密に打たれていた。藪抜けの知らせが全く回って来ず、もどかしかった。山頂も近づいたころ、どうやら3年会が先に藪抜けをしたのではないかという憶測が飛び交う。「なにやってんだ」と村田さんは怒り気味。
燧ヶ岳と平ヶ岳

やおら、灰色の天から一条の光が差し込み、それがますます眩しさを増す頃、トップ藪抜けの声が聞こえた。順調に中継、本隊と続き、今シーズン最後の藪トレは終わりを見せた。山頂に着いた頃には青空がのぞき、燧・平が岳・日光白根・男体女峰・高原山・那須…と山岳展望が楽しめた。標高1500m以下は雲海に隠れ、昨日よりもずっと視界がいい。誰よりも先に藪抜けをしたズルい3年会たちはポップコーンやカルピスなどの差し入れをたくさん用意して待ち受けていた。ありがとう。
燧バックに藪抜け後

 台倉高山からの下りもペースは上がらなかった。三段田代では雪の丘の上でたるんだ。その後もゆっくりと進み、
11:30に馬坂峠に着いた。ここから帝釈田代ピストンはさらに4時間ほど必要で、今までのピッチが1.5倍ほど伸びていることを考慮するとなかなか厳しい。ここに戻ってくるのは夕方だ。さて、どうしようか。
橋口に体力を尋ねると不安そうにしていたので単独デポすることにした。檜枝岐観光協会のスタッフが何人かいるので何かあっても大丈夫だろう。帝釈は空身ピストンにする。出発は1150分でトップは…と言い終わらないうちに、何人もの隊員がダッシュし始めた。猟犬を野に放ったみたいだ。秩序も何もない。結局、真面目な隊員数名でまとまって後から付いて行った。エアリアで50分かかる帝釈を「まさか(・・・)」「馬坂(・・・)峠」からハントするとは思わなかった。
真面目部員の先頭は張で丁度良いペースで歩いてくれる。木道や階段が続き、樹には説明版が掛けられている。人気の山なのだろう。田嶋は休みなくしゃべり続けていたが、次第に口をつぐみ始めて、限界限界!と言い始めた。真面目部員は23分で山頂に着いた。
走って帝釈登頂!

-----------Mt. Taishack 着順】-----------
1坂田さん 2浦中 3今本 4中津 5仲渡 6勝木 7梅宮 8幕内 9曾根田 10以下 真面目部員
OB坂田さんが堂々の1位で、2位はなんと1年会の浦中。幕内曾根田はザック持ちで、梅宮は皆のザックを駐車場の端に寄せてから出発というハンディを背負っている。中津は途中参加。
帝釈山(2060m2△)山頂では、ウリ科の植物を皆でおいしく食べて、写真を撮ってちゃっちゃと下山。私は下りに飛ばすのは大嫌いなのでゆっくり歩くように命令する。トップを募ると今本、坂田、曾根田、田嶋などが名乗り出た。今本はアホみたいに飛ばすので田嶋を指名。こちらもちょうど良いペースで、同じく23分後に峠に到着。素晴らしい。
峠の駐車場で荷物を車に詰め込んでいると雨が降ってきて、次第に本降りになった。ぎりぎりセーフ。帰りに入った燧の湯(500円)は湯がヌメって気持ちよかったが、一度に8人しか洗えず、藪臭を放つ裸の列ができた。

…以上が山行FBだが、打ち上げも強烈なものだったので記しておこう。

~史上最大の打ち上げに部員が苦しむ~
 バカでかい天丼?をうどん・そば付き980円で提供してくれる店があると聞き、後先考えずにそこにしようと即断。栃木県矢板の西にある、風流な名前の店だ。
 店は幹線道路沿いではなく、わき道を山の方へ入ったところにある。梅宮中津組がチャレンジメニューを選んだ。時間がかかるそうなので先に反省会をしておく。注文から40分くらい経つと店から道を開けるようにと御触れが来て、常識外れな大きさのかき揚げ丼が運ばれた(というより普通のかき揚げ丼でさえ大盛り3人分くらいのボリュームである)。
 私は所用ができて途中で店を出たので詳細は知らないが、チャレンジメニューは部員全員で手伝ったにも関わらず余ったので持ち帰ることにしたらしい。山行中に開放されなかったヘルボに数多くの部員が群がり、胃腸薬と満ポリが回された。各自一つポリ袋を持って車に乗り込む。車内で出されると面倒なので安全運転で行く。時間が遅いので、上野で解散。持ち帰りのかき揚げは橋口が受け取った。




最後に


行動方針
ワンゲルの慣習とは異なる、自分好みの(自分勝手な)形式をとった。
【たるみは主要地点】…50分しか体力が持たないのはよくない。たるみなしで歩ける時間を長くすることで根性がつく
【たるみに15分】…行動食を慌てて食べて出発よりも、ゆっくり山を楽しむ方がいい(リミットとかを気にしない状況下)

まとめ
 コピー企画は嫌いなので普段行ってないところにしたかった。藪はワンゲル的には濃くなく、RFも迷うところは少なかった。湿原や樹林帯など、普段の上越藪トレでは見られない風景が多い。藪や樹林の様相は南ア深南部に似ている。展望やお花畑など魅力が多い山域だが、アプローチが難。

このルートを考えている方へ
【アプローチ】非常に時間がかかる。かなり難。
【林道】福島県側から入るのが無難。今回栃木県に問い合わせたところ、川俣檜枝岐線(馬坂)は不通で、田代山林道(猿倉)は7月下旬開通見込みとのこと。
【車】馬坂峠は20台以上駐車できそう。福島県側はフラットな未舗装で走りやすい。
【水場】引馬峠から福島県側へ6分の水場は信頼できる。
【藪】全体的に薄い。
【RF】難しいところはない。






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