余市岳

長い長い北海道企画も余市岳で幕を閉じます。
スキー場が興ざめですが、アクセス良く風格のある山でした。

どっしり構えた 余市岳
参加者 4藤原 3川原 CL村田 2梅宮 sL久保 H中津 西山 1勝木 EW幕内

 記 久保


3/29(水)余市岳 →☼
 稜線はやや風強し 気温は低くない 視界良し
塩谷駅▲0=小樽築港駅8:309:30マウンテンセンター10:2010:45ゴンドラ山頂駅10:5011:25朝里岳11:3512:35最低コル(クトー付)12:4513:40余市岳14:0014:30最低コル(つぼトラ)~手前ピーク(板はく)~15:10(シール付)~15:50ゴンドラ山頂駅16:0516:30マウンテンセンター16:45=小樽築港駅

   「余市岳 行くよ一番 最後には」

 29日は下界停滞にするつもりだったが、直前になって30日の天気が悪くなる。予定を変更して間を空けずに入山とする。山頂直下の急斜面での雪の状態が心配なのでピストンする意向を皆に伝えておく。
 スキー場行のバスが遅いこともあって、前泊は塩谷駅で駅カンする。乗降客はほぼおらず、待合室も広いためよく眠れた。欠点は水道が出ないことと便所が汲み取り式ということくらい。朝は一応起床コールをかけたが誰も起きない。西山が食材を買ってきてくれていたのでラーメン餅を作る。予報に反し青空広がる清々しい朝だ。なんだか山行がうまくいく予感がした。
 すべての荷物を持って小樽築港駅へ移動するが、近代的な建物でデポ適地がなくロッカーを使った。スキー場行のバス(無料!)はかなり大きく高速バスサイズ。乗客も少なく一人あたり2席分をいただいてぐっすり眠る。
 スキー場に着くと雪がちらついて雲行きが怪しい。気温は高めである。覚悟はしていたがスキー場からの入山は気分があまりよくない。完全にリゾート化されていてsLが最も嫌う場所の典型例だった。登山者向けの窓口があったが、ゴンドラを往復分(2000円)買わなければならないらしく、おまけにスキー場内のシール登高禁止、場内外へはゲート通過厳守…を言い渡されてしまった。今年からスキー場のルールが厳しくなったようで面倒なことも増えた。スタッフによると5日前にも雪崩があったらしい。カード(500円)作成のため、全員の顔写真を撮られ個人情報を聞かれタイヘンだ。このせいで時間を大幅にロスしsLは早くも萎えてしまった。
 ゴンドラに乗り込むとき山頂駅は視界良しとの記述を見て一安心した。600mを楽々と稼いでしまって申し訳ない。体操はsLが南ア深南部で考案した新形式(トトロ伸びろ)を導入、締めはテムレス踊り。勝木をトップにするが準備にもたついていた。ゲートのパトロール員にカードを見せて場外へ。(あらかじめ話し合っていたことだが)周回は諦め、代わりに朝里岳を経由しよう。広大な緩斜面が広がり、ガスったらかなりやばそうだ。東屋から竿をたくさん挿していく。こういう時は特徴的な木をしっかりと覚えておくのが良い(登山研曰く)。1年にもこのことを伝えてから出発させればよかった。我々が歩き出すとみるみるうちに晴れ間が広がり、皆も上機嫌で進む。余市岳は想像を超えてでっかくゴツイ。北西斜面はかなり急そう。

飛行場と呼ばれる緩斜面

 朝里岳(3△、1281m)はとりとめのない丘で、朝里が丘とでも名付けた方がよさそうだ。これでも余市三座の一つである。風が強い。トップの勝木が「朝里岳ですか?」と聞いてくる。間違ってもいいので自信を持って発言してください。キリがいいのでたるみ。フルグラのつぶつぶが口に入る前に風に持って行かれる。ここから余市岳へは向かい風気味になるので目出帽が安心。

朝里が丘とでも名付けた方がよさそうだ

 余市岳に近づくにつれ最低コルから急傾斜が続くことが分かった。さらに上部の狭い尾根は雪庇が張りだして処理が面倒くさそうだ。先行のスノボーはこの尾根の上部から雪庇を気にすることなく南東面に滑り出していた。
 最低コルでクトーをつけてたるむ。南東面には雪庇がずっと続いている。勝木先頭で2年会をサポートにまわす。竿の一部はデポ。出発してから梅宮がクトーをつけ忘れたと言って、大急ぎで付けていた。いやらしい尾根は右巻きで樹林帯上部を進むことにする。幸いクラストしている所はなく、シールとクトーが効いて歩きやすかった。後ろからもスノボー3人ほどが来ていたがバテ気味。西山は靴と脚の故障で歩くのがキツそう。


余市岳を臨む

 余市岳(1△、1488m)はだらんと伸びた緩斜面の先にあった。実はここだけの話、北海道企画での最高地点である。青空広がり羊蹄山も見えた。シールとクトーを外して、ゆっくりモスる。ちょいと昼寝をしてから下りたい気分だ。モンスターになった山頂標識の前で集合写真を撮る。

余市岳山頂

 板を履いて行きのトレースに忠実に滑る。尾根を巻いた個所と最低コル上の急斜面でもたつく。ここで、川原さんと幕内が衝突したようだがsLは見えない場所にいた。事故があったらすぐに教えて欲しかった。コルでシールを付けるように指示したが、トップの勝木は「ツボで行きます」。ちょっと上がってまたスキーを履くが緩斜面すぎてなかなか進まない。途中でシールをつける。幕内は何でもないところで急に2回も倒れる。脚が心配だ。
 飛行場の緩斜面は本当に億劫だ。帰りもシールでないと進まない。モービル野郎が朝里岳へ走って行った。後味を悪くしてしまう。ゴンドラの最終が15:45なのでsLは焦っていたが、皆ゆっくりと歩いている。疲れてるみたい。
 山頂駅からはゴンドラを使って降りようとしたが幕内が大丈夫というのでゲレンデを滑る。滑りにくいことこの上ない。下でシーハイルをして何事もなかったかのように帰る。sLはセンターで下山手続き。デポ品が係員に回収されて見当たらないなどのハプニングがあったが何とか定刻2分ほど前に無料バス(要予約)に乗り込む。これで交通費が浮いた。乗客は多く我々の荷物の大きさに運ちゃんは顔をしかめた。中津が隣の乗客に「まだホテル予約してないの?」「どこで寝るの?」「ビバーク??」と質問攻めにあっていた。
 小樽築港駅に着いた後は小樽に移動し、銭湯らしき銭湯に入る。そしてニセコ・羊蹄・余市を結集させたジンギスカン打ち上げをして大満足。10日分の肉を食べた気がする。各自寝場所を探して彷徨い、sL塩谷駅(マイホーム)に何人かを招いた。

まとめ
 風格がある山で登りごたえがあった。小樽からのアクセスが抜群であり、ついでにもう一山というときに丁度いい。スキー場は興ざめだがそれ以外は申し分ない。初トレースと1△が魅力だった。余市三座縦走も楽しそう。
 積丹余別から急きょ変更した企画だったが、(疲労とアプローチを考えると)余市にして正解だった。








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