藪トレ白毛門

企画:茂木
面子:3一山、高市、高辻(2)CL立峻、豊島、鳩貝(2)(廣長)、村瀬、sL茂木、2EH中村(3)FW藤原(0)1柏嶋、西川、野原、八嶋(1年は全員初)

sLはグンマ人である。よって藪トレの白毛門を出すのは至極当然のことである。土合の階段を上ると、そこにあるのは果たして地獄か天国か・・・

土合の階段
 


6/20()東京=土合

0930ごろ主将(理物)の廣長氏より不参加の旨承る。今回は大橋大先生以外三年会が一堂に会するはずだったので残念。土合への終電は渋谷1717。あまり湘南新宿ラインに明るくない一年会が「前より5両は籠原止まり」に引っかかることを期待したが、二年会がきちんと誘導していた。土合の486段の階段はトレ1回にカウントしてよいと思う。高崎辺りから同業者の集団がいて、中村が「威森松山」云々という言葉を聞いたらしくどこの人か気になっていたが、土合の直前で聞いてみたら慶応ワンゲルさん(8)だった。なんとルートが丸かぶりしていた。サイト予定地すら同じである。同じコースを行ってはRFの訓練にならぬということで協議した結果、慶応さんは逆ルートで入山してくださるといってくれた。逆ルートはとてもきつそうだったので本当に申し訳なかった。土合には2040頃到着した。終電間に合わない組(タクシー組:高辻、豊島、鳩貝、立峻、西川)2330水上集合で来ることになっていたが、立峻は携帯を持っていないのでEFチェックが完了できなかった。EF担当の二年生には翌日のトップを頑張ってもらいたいのでsLが一人で待ち、他の者は寝かせることにした。2315頃、高辻さんから「2330水上着の列車(2両編成)に乗っているが、立峻がいない」との第一報を受ける。彼がいないとこの山行は成立しなくなるのでsLは焦った。もう一本後の終電にいるかも知れないのでタクシー組にはとりあえず水上で待機してもらった。0011に終電で立峻が現れたとの連絡を受け一安心。入山連絡。タクシー組は0040頃土合に着いた。みんな疲弊しきっていた。立峻は集合時間を勘違いしていたとのこと。sLの連絡も不明瞭な点があったので少し反省。0100頃就寝。慶応さんの他にも何組か駅カンしていた。
 

6/21()曇り時々晴れのち雷雨のち晴れのち雨

土合0435-(道迷い+タルミ2)-0722松ノ木沢の頭0735-0825白毛門0900-(タルミ1回+探し物40)-1121 1526p-1200 1350コル1215-1245武能倉山(本隊は右から巻く)-1308 1460p 1325-(雷退避行動1350-1450)-1505奥粟沢手前コル▲1



白毛門手前

出発前にL装に高度計がないことが判明したが、村瀬の高度計を借りることで解決。慶応さんは0400出発とか仰っていたが、結局我々と同時に出発した。山の家の横で彼らとお別れして白毛門を目指す。しかし、悲しいことに道区間のはじめのところで東黒沢沿いに15分ほど進んでしまうという大失態を犯した。たくさんいるジジイどもは全然気づかなかった。地形図をよく見れば明らかだが、勘違いを起こしていてわからなかったようだ。ただのクソジジイの集まりだった。おかげで30分強無駄にした。白毛門への登りはやはり急。立峻が大橋大先生の「差し入れ」のスイカを歩荷してくれていたが、どうもかなり重そうなので見てみると我々の予想をはるかに超越した大玉スイカだった。こんなものを寄越す大先生は鬼だという意見で一致した。高辻さんにスイカ係を交代したが、中村がどうしても持ちたそうだったので持ってもらった。白毛門まで景色はそれなりによかったが、虫が多くてこれからの藪中がさらに酷いことになると容易に推察された。白毛門で鬼が寄越したスイカを食べた。おいしいが多大な犠牲を払ってまで山で食うものではない。藪入り前のまだ生気がある状態で記念写真を撮っておいた。ここまでは楽しかった。藪入り直後なぜか本隊は稜線右側を誘導され歩きにくかった。1550m辺りの雪渓の少し上でたるんで15分くらい歩いた後、八嶋から財布をなくしたようだとの報告を受ける。時間がきつきつでは無いこと、先ほどの雪渓が目視で確認できる位置にあることを考慮し、トップを止め、本隊と合流させ、高市、村瀬、八嶋、sLで財布探しに戻った。見つからないと思って本隊の所に復帰しようとしていると高市が発見したという。すばらしい。本隊に報告すると「おおー」との反応が返って来た。藪中での落とし物は基本的に探しに戻らないし、まず見つからないので注意して欲しい。1526pから1350コルへの下りはRFポイントだが、トップはほとんど迷わずコルまで到達できた。武能倉山への登りではsLがややばててのろのろしてしまい申し訳なかった。本隊はピークを通らず山頂より20m下辺りを右から巻いたが、一山、立峻、鳩貝、中村はピークを見に行った。立峻はなぜかリカバーに手間取っていた。1460pに向かう途中、遠くで雷鳴のような音がするのを聞いたので振り返ると谷川岳方面が暗くなっていた。このままではまずいと思い、1460pのタルミを短くしようとしていたらトップの方から鬼だ何だと言われた。君聞かずや今の雷鳴、君見ずや後方の暗雲。あと1ピッチでサイト予定地なので、せかしてなんとか行動を開始したが、少しすると大粒の雨が降り出した。いよいよまずいと思い、退避しようか思案していると光がわかるくらい近くに落ちたので咄嗟に「稜線外れて各個安全確保して!」と指示を出して退避した。sLからトップまで少し距離があったため情報が素早く伝わらなかったようだった。これほどはやく雷に追いつかれると思わず慌てて指示を出すことになってしまったのでよくなかった。退避中には地響きが伝わるほど近くに落ちたこともあり、皆少し死を意識したと言っていた。AsL、村瀬、柏嶋、西川、B:高辻、立峻、藤原、野原、八嶋、C:一山、D:高市、豊島、鳩貝、中村という4つのかたまりに別れて退避することとなったが、どのタイミングで安全と判断して合流するかわからず、また稜線の左右両側に分かれたため合流に手間取った。ABのところに早いうちに合流できたが、また雷が鳴ったので少し待機して、Cを合流させ、最後にDと合流したときには最初の退避指示から1時間くらい経っていた。2014年版雷レポートには「被害を最小限にするためバラバラで避難する」と書いてあるが今回は小グループごとでの避難となってしまった。安否確認と合流のしやすさからいえばこちらがよいが、この判断がよかったかどうかよくわからない。やはり原則に従った方がよいかも知れない。今回はたまたま比較的安全なところに退避できたが、近くにそういう場所がないかも知れないので夏期にLを務める人はもう一度雷に関して勉強する必要があるだろう。最後の雷鳴から15分くらい経ってから行動を再開し、すぐにサイト予定地に着いた。途中から晴れ間も見えた。慶応さんは既に到着していた。お互い無事でよかった。南の水場に水汲みに行ってもらった。すぐの所に水が出ていたそうだ。しかし、これは先ほどの雨によるものかも知れないとのこと。中サイトでサイトを始めたらまた雨が降ってきた。豚汁の味噌が少ないと思ったが、高血圧気味のsLにとっては健康志向の薄味も悪くない。肉を全部片方の鍋に入れるというミスがあったらしく、肉が入っている方はもう食べ始めていたが、カロリー計算上よくないので、魚肉ソーセージで代用しようとしたら一山が叫びながら拒否してきた。慶応さんの迷惑になるからでかい声で叫ばんでくれ。ドビーの悲痛な叫びは無視して魚肉ソーセージ投入。サイト地は虫が多い。これでも昨年よりはましらしい。sLのテントの住人たちは疲れ果てて早く寝たが、他では宴会をやったらしい。立峻の差し入れのコーラをいただき1900頃就寝。夜中はずっと雨。

6/22()雨のち曇り

1 0500-0535奥粟沢山0545-0630廃道分岐0640-(タルミ1)-0800?赤沢山(本隊は巻く)-(タルミ1)-09101180p-(タルミ1)-1040土合

朝かなり暗かったので0430発だとまだ暗くてダメかと思い、0420撤収で出発を少し遅らせる指示を出したが、0430でも平気だったようだ。カルボナーラに入っている魚肉ソーセージはやはり不評。慶応さんは0450発。さんざんな天気なのに本ルート完遂を目指すとのこと。その精神力の高さに敬服。私なら来た道を戻ると思う…。ご無事をお祈りいたします。出発前に八嶋が藪メガネをなくしたというので中村にE装の予備メガネを出させたら整備不良で使えなかった。中村はメガネをしているので中村の藪メガネを貸すことで対応。奥粟沢山まではラッセルと指示したつもりだったが、きちんと伝わっていなかったようで、トップと本隊が少し離れることがあった。ここは今山行で最も濃かった。西川が藪漕ぎに苦戦していた。廃道分岐への下りでは岩稜付近で右に落ちすぎたようだった。高市とsLは岩稜を見に行ったが、落ちそうになって恐かった。廃道分岐付近では村瀬の本隊誘導がなぜか稜線を外して右に流されることが多く、本隊が無駄に蛇行した。スキー好きなせいで低い方へと行くのだろうか。赤沢山手前コルでは水の消費量が著しく低いので、軽量化のため一年会の水を捨てさせる。登り始めて少しするとトップから赤沢山に着いたとの報告が来て、はやいな、すごいなと思っていたら手前のピョコと間違えたとの訂正が来た。昨年も同じ間違えをしたらしいので、今後ここに来る人は注意して欲しい。山頂には高辻、立峻、中村が行ったが、本隊は山頂20m下辺りを右から巻いた。1180p手前辺りでトップがRFに自信が無く止まってしまった。反省会でも出ていたが、自信が無ければとりあえず先へ伸びるなり散開するなりして確認しに行くようにするとよいでしょう。1180pからの下りはトップが尾根を正確に捉えてくれた。途中には前日に慶応さんがうっていったとみられる金縁の赤布があった。800mより下はやはり急で気をつけなければならない。尾根の左の沢状に本隊が進もうとしたとき西川が派手に転げ落ちてかなり危なかった。幸い無傷であったが、本隊誘導は一年会の技量も考慮してルートを取って欲しい。本隊の途中にいた藤原が尾根上を下った方がいいと指示する直前だったらしいので、不運としかいえない。落石を起こしやすいため尾根上も下りにくいが、沢状の所は慣れていないと難しいらしいので、今後も確保用具を使わないなら尾根上を行くようにすべきである。地図で取ったルートと寸分違わぬ正確さで下ってきたトップはすばらしいと思うが、今後この土合山の家裏手までの最後の下りのルートについてはもっとよい道を探した方が無難であろう。土合では鳩貝が藪嫌い仲間を増やそうと一年会に感想を聞いていた。企画者のsLも史上最低の山行と認める今山行で藪好きになる者がいたらちょっと頭がおかしいとしか言えない。土合から水上までは1108のバスで行った。610*14はちょうど払えた高辻さんに立て替えてもらった。水上駅で下山連絡。昨年行ったという温泉に行ったらまだ開いてなかったので、近くの空き地で反省会をして解散。ほとんどの人は少し離れた温泉に行き、駅前で打ち上げをして1456の列車で帰った。慶応さんは無事完遂できたであろうか。

 

まとめ

藪トレとして割り切った山行になることは想定済みだったが、それを超越してしまった。ひとえにsLの不徳のいたすところである。先週の三国峠でにわか藪を経験し、藪の何たるかを勘違いした一年会にこそ今山行に参加して欲しかった。トップはRFがすごくよかった。だからもっと自信を持って欲しい。中継は途中トップの方針をきちんと把握していないことがあったが、注意したら直ったのでいいと思う。一年はもう少しはやく漕げるようになろう。金を奪われかけ、命も奪われかけさんざんな目に遭った参加者の皆さんは今後巡り会うどんな山行にも対処できると思う。無事に帰ってこられてよかった。

 

2 件のコメント:

  1. どうも。先日白毛門にてお会いしたKWVの者です。こちらも無事貫徹しました。登りで藪があり、また下りで縦走路を使えるため読図が容易であることを考慮すると、逆ルートの方が実は楽かつ簡単なのでは、と思います。
    以下お礼と質問?です。
    行程中、メンバーが落とした地形図を拾ってくださってありがとうございました。土合駅にて回収することができました。実は、途中で銀マットを回収しこちらで保管しているのですが、心当たりありませんでしょうか?
    もしそちらで紛失した方がいらっしゃれば、お届けしたいと考えております。お返事お待ちしております。

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  2.  コメントありがとうございます。CLをしていた陳と申します。
     銀マットについてですが、おそらく僕が落としたものと思われます。あのような汚い銀マットを回収して頂き恐縮に存じます。差し支えなければ次のワンゲル交流会のときにでも持ってきていただければ幸いです。あるいは処分してくださっても構いません。
     よろしくお願いします。

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