2014年5月6日火曜日

残雪スキー 黒部

残雪黒部スキーFB

面子 4CL坂田、松岸、宮崎 3sL大橋、村瀬 2EW高辻、FH藤原

双六岳での集合写真


5/2()新宿=新穂高温泉
 新宿都庁バスターミナル2230集合。12月合宿の時に比べると閑散としている。誰かトラーゲンで来る輩がいると思ったら、藤原が無駄に長いストックを予備ストックとして外付けして来ていた。絶対にストックを流すまいと決意する。バスの出発間際に坂田さんが到着。トランクが一杯になり、ザックは車内の空席に置くことになる。2310出発。

5/3() 晴れのち曇り時々雨
新穂高温泉620700デポ地720745トラーゲン組む758835わさび平小屋849935新道分岐9501033 1600m付近 10:451200奥抜戸沢先12151300 1900m付近 13:1514:05 B.C.
 中央道は混雑していたが、上高地を経由しなかったこともあり、予定より1時間早く530に新穂高温泉に到着。雲一つない空が広がり、はやる気持ちを抑えつつ出発を600として準備をする。かなり人は多いが、スキーを持っている人は少ない。デポは林道の途中にすることにし、トラーゲンを組む。ここで前山さんを電話で起こし、入山連絡を入れる。相変わらず村瀬は準備が遅い。運動靴を持って来なかった高辻は初めから兼用靴をはく。トイレが少し下った観光案内所にしかなく、時間がかかる。結局出発はバス到着から50分後になる。
 雪がある程度続き始めたところでデポを作り、シールを付けて板をはく。ただし、坂田さんのみトラーゲンのまま。ここで藤原が水を1発でよいところを、2発歩荷していたことが発覚。「水2発は当然」と、頼もしい限りの発言をするが、今日のところは捨てさせる。しかし続いていると思った雪はすぐに途切れ途切れになり、シール歩行が難しくなる。結局すぐに再びトラーゲンを組み、わさび平小屋でまた板をはく。だが、その後のデブリ帯の通過にも手間取り、また一度板を外したりしたので、新道分岐まではトラーゲンで進むべきだった。早くも高辻が辛そうにしている。しかし今日は先が長い。
 沢筋から延びるデブリを乗り越えるようにして、小池新道を登り始める。西側に雲が広がり始めた。上方からの落石に注意しつつ、足早に通過させるようにする。何度か地響きがし、揺れを感じることもある。地震なのか、それとも揺れる程の雪崩・落石があったのかと不安を抱きつつ安全地帯を目指し進む。穂高方面で何かが割れるような甲高い音がしたときには心臓が止まりそうになった。下山後知ったことだが、この日飛騨地方では小規模ながら地震が相次ぎ、ロープウェイは運行を見合わせていたらしい。
 ここまで2年会は緩んで崩れやすい雪を相手にシール歩行に苦労しており、特に高辻の疲労がかなり色濃い。今日の目標は双六小屋であるため、高辻からはエキボと本体を、藤原からは竹竿を抜く。しかしそれでも高辻のペースが上がらず、さらに大缶を抜く。デブリ帯の通過に手間取ることを恐れ、一時トラーゲンを組ませたりもする。1900mでのたるみ直前でsLの左のクライミングサポーターが破損。前線の通過により空気が一気に冷え、一時雨が降るが、5分程度でやむ。大ノマ乗越の方は雪庇が張り出し、雪崩跡も見られたため、弓折岳直登ルートを取ることにする。他のパーティーも全てそちらをルートに取っていると思ったが、乗越から滑ってきた人に聞くと、乗越を登っている人もいたらしい。ここで再び雨足が強まる。大橋が晴れ男説とは何だったのか。隊のペースが上がらない中、弓折への登りが曲者で、sL含め転倒するものが続出。特に高辻の消耗が激しい。坂田さんはさらに荷を抜き、サイトをせめて弓折岳まで上げることを主張するが、荷を抜いてもペースが上がっていないこと、かすれるような嫌な音の咳をしていることを考慮し、2000m付近の沢筋から少し外れたところでサイトすることにする。
到着後すぐに雨はやみ、夕方には雲一つない空が広がる。西穂や焼岳、乗鞍などが良く見える。夕食はクリームシチュー。ルーがあることに感謝。非常においしく、sLは米を食べるのを忘れる程だった。電波が入るため、天図を見たり、ヤマテンのメールを確認したりする。決して水づくりをサボっていたわけではありません()4日は好天だが、5日には日本海低気圧が来る模様。ここをB.C.として明日はサブで双六を打ち、5日に下山、帰幕時間によっては明日中にサイトを下げることとする。高辻の熱を測らせておくと、平熱が35℃台のところ、369分の微熱がある。明日には高辻の体調が回復していることを期待して、宴会はせず、水づくり終了後すぐに就寝。

5/4()  快晴
B.C. 5:10610 2420m付近の台地 6:257:15 7:258:15 双六小屋 8:359:30 2811p 9451015双六岳山頂10:4010:55出合112512:25 2650p 12:401310樅沢ドロップポイント13301335 2550m付近 13:4514:30ドロップポイント14:4015:40双六小屋下15501645弓折手前p 16:551705弓折岳17:1517:40B.C.
 今朝は34半。しかし手際が悪く、着火に数分かかる。朝食はTCR。今年の冬山はぬるい小屋泊が多く、テント泊が少なかったからか色々と時間がかかる。わかっていたことだが、34半にすべきだった。前日の雨のせいかひどいクラストで、スノスコを掘り出すのに時間がかかったりする。初めからアイピケトラーゲンとするが、2年会と村瀬がストックをデポして行こうとしたりする。快晴の空の下、sLは機嫌を悪くする。
 藤原トップで出発。鏡平まで直進しようとするので、適当なところで弓折岳へ方向を変えることを指示する。後ろの方で4年会が「1本西寄りの沢に入っている」と言って惑わせようとしてくるが、そのまま進む。しかし、早く東の尾根に乗れというオーラに負けて、ルートを外れて右の尾根に乗り、2420m付近の台地上の地形でタルミ。高辻の体調は回復したようで良かった。正面に槍がそびえ立つ。上から見ると、ここや、鏡平周辺にはサイト適地が広がっていた。もう少しB.C.を上げるべきだったかと後悔。弓折岳に上がると、遠く中アまで見渡せる。広い稜線で、いくらでもテントが張れそうな稜線がしばらく続く。対岸の双六カールは非常に快適そう。アップダウンを繰り返した後、小屋に向けトラバースを開始。途中、バックルを緩めすぎていた高辻の靴が脱げる。小屋前で方針会議。坂田さんは黒部源流行きを強く主張するが、そうすると時間的に双六カール滑走は厳しく、滑れてもカリカリになってしまっていること、また源流に行ってもトンボ帰りになってしまう可能性が高いことを懸念。結局今回は双六カールの滑走を楽しむこととする。その代わり、樅沢も滑ることにする。とはいえ、昨晩のうちに岩苔乗越のリミットを予め切り直すなどしておくべきではあった。
 ここからはシール登降をさせようとするが、トラーゲンの方が早いというCLの主張に負け、トラーゲンのまま双六岳を目指す。スキー山行のはずが担いでばかりで申し訳ない。双六岳へはトラバース気味に登る方が楽だと言ってあったが、トップの藤原はトレースを追って直登を開始する。トラーゲンではその方が楽だったのかもしれないが、何か一言欲しかった。とはいえ、すぐには注意しなかった自分も要反省。ここから三俣蓮華の陰に遠く黒部源流が見え隠れする。2811p周辺には雷鳥の仲睦まじそうなつがいがいた。ここでのタルミで坂田さんの出発が遅かったが、今山行ではいつも通りのことだったので、あまり気にも留めずに進む。坂田さんが呼んだ気がして後ろを振り向くも、そのまま進んでしまう。しかし双六山頂で話を聞くと、実はこのとき坂田さんのアイゼンが修理不可能に破損したらしい。
 山頂から見ると、樅沢、双六カール共に雪質の良さげな広い斜面が広がっている。今がベストと見込んで、双六カールを滑ってから再び登り返して樅沢も滑ることとする。五郎カールにも行きたかった。記念撮影をしてから、双六カールへ滑り込む。始めはやや急で、まだ雪が固いが、すぐに非常に快適な滑走が楽しめるようになる。正面に槍を望みつつ、めいめいにシュプールを描いて一瞬にして双六小屋への沢の出合に出る。やはり藤原はうまい。高辻も何度かこけていたが、良く滑れていたと思う。出合でシールをつける。ここでのタルミでダラダラしてしまう。今山行ずっと思っていたことだが、いつも出発が遅い。sLに威厳が無いのは承知しているが、「あと3分」を何度言えば聞いてもらえるのやら。
 双六小屋での帰幕リミットを1500に設定し、樅沢を目指して再び双六岳方向に登る。小屋はショートカットして、2650pへと直登する。sL含め皆双六カール滑走に満足してモチベーション敗退の危機に襲われるが、折角なので行きましょうという藤原の声と、モチベーション敗退を強く嫌う坂田さんの後押しもあって双六岳北東面のトラバースから樅沢の滑走点を目指す。1pで戻ることとして、空身で滑走開始。トップには5分弱滑走したらシールを登り返すことを指示。しかし少し目を離したすきにトップの藤原が勢いよくどこまでも滑って行こうとするので、あわてて笛で止めようとする。しかしそれも届かず、村瀬に何とか追いついてもらう。この大斜面を前にはやる気持ちもわかるが、後ろのことも気にかけておいて欲しい。もっと具体的にどこそこまでと指示すべきだったと反省。ここの登り返しで隊がかなり消耗してしまう。
 滑走開始点の少し手前まで板を担いだ後、小屋を目指して再び滑走。小屋下のトラバース開始点まで行ってからアイピケトラーゲンとする。結局リミットに間に合わず。少し急ごうとするも、ペースが上がらない。ここまで元気だった藤原もさすがに疲れた模様。ハイマツの穴にはまる人も多く、疲労がさらに増す。アイゼンが必要なほどではなかったが、坂田さんのアイゼンが壊れたと聞いたときにこの時間までは行動せず、双六カール滑走だけで帰っておくべきだったと反省する。途中sLは回収した竹竿を放置してきてしまう。弓折岳からの今日最後の滑走は固くなった斜面。特に最初は狭くかつ急で、2年はトラーゲンを組ませることも考えるが、結局B.C.まで滑走することにする。なかなか滑りにくい斜面であったが、なぜか村瀬はここが一番楽しかったと言っていた。
 日本海低気圧の接近する翌日に下山することとし、夕食はメニューを入れ替えてみそバター煮+ちらしずし。みそを入れすぎて辛くなってしまう。自分のペミカンが消費されないことになり、高辻は不満そう。疲労のためか藤原は食欲がない。差し入れの缶詰が消費されなかったのは初めてだと坂田さんが驚いていた。翌日は下山するだけということで57とする。じじ天では宴会が開かれていたが、若天はこの日もサイト終了後就寝。

5/5() 雨時々曇り
B.C. 6:40730秩父沢手前745830新道分岐845936笠新道入り口付近9481040新穂高温泉
 五時起床。しかし高辻はフライングして30分前から起き出して準備をしている。その甲斐もあって今日はすぐにサイトが開始される。サイト開始直後にあられが降り出す。今朝はぎょにそスパゲッティ。今度はバジリコを入れすぎて辛くなっていた。ぜひ藤原は完成形を目指して研究を重ねてください。sLはすこし熱っぽい気がしたので念のため体温を測ると37℃ある。まあ、今日は下山するだけなので問題はないだろう。今朝はテキパキと準備ができて予定より早く出発する。クラストしているが、秩父新道はすぐそこだということでスキーを履いて出発する。トレースが固まって斜面に凹凸ができていてかなりうっとうしい。始め斜度があるため、横滑りで小池新道を目指す。しかし高辻はこける回数が多く、荷をあらかじめ抜いておくべきだった。尾根を乗り越えて新道に合流するのが一番楽なルートだったようだ。新道に合流するまでかなり時間がかかり、そこで高辻の荷を抜く。少し先で藤原がうらやましそうな顔で高辻を見ていたらしい。
 ゆっくりと新道分岐目指して滑っていく。藤原が危険地帯で止まっていることがあったので、すぐに安全地帯へ移るよう指示する。途中雪のないデブリ帯の通過では板を担いで下る。しかし少し登れば雪がついているのは明らかだったので、そちらを通すべきだった。ここで宮崎さんが濡れた石に足を滑らせ、つき足をしてしまうが、大丈夫とのこと。最後は板を担いで逃げるように分岐の橋へと向かう。
 ここからは林道をトラーゲンで進む。途中デポを回収し、運動靴に履き替えると一気に楽になった。ヘロヘロになりながら、観光客であふれる新穂高温泉に到着。松本まではジャンタクを予約。固定料金のところを観光案内所のおばちゃんに乗せられて値段交渉するも、全くの不発。29400円。ここで、3日は地震が相次いで発生していたことを知る。観光案内所の上の温泉に入り、タクシーの到着を待つ。その間に黒部五郎の方で7人パーティーが遭難したらしいということで取材を受ける。実際はすぐに連絡がついたらしいが、下山連絡を既に入れておいたことに安心する。松本駅のからあげセンターで打ち上げ。。坂田さんだけ在来線で帰り、ほかの6人は空席が少なかったため、学年で分かれて高速バスで帰る。中央道の渋滞はひどく、2年会が新宿に着いたのは午前1時前。山手線の最終には間に合ったが、渋谷からはタクシーに乗る羽目になってしまった。

まとめ

 今山行は本当に色々と考えさせられるものとなった。やはり様々なレベルの部員を連れて行く企画としては、黒部源流は正直なところ難易度が高く、現役で行くとしても上級生山行か、トレをしっかりと積ませる必要があった。それでも好天の下、双六岳だけでも打つことができ、心ゆくまで滑走を楽しむことができてよかった。本気で挑むためには軽量化の徹底を図るなどすべきであった。チャンスがあれば、次こそは黒部源流を滑りたい。

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