2013年3月26日火曜日

三月合宿(至仏山~尾瀬沼)


三月合宿 至仏山~尾瀬沼
記:松尾
4高梨*3成田*L松尾*2鈴木啓、松岸、水野(不参加)、三宅、宮崎、1H大橋、F廣長、E村瀬、W立峻
至仏山登頂!!

好天のもと、至仏山とムジナ沢、尾瀬沼への縦走を楽しめました。
 三月合宿の場所として、八甲田と尾瀬のうちどちらにするかで長い間迷っていた。両者とも20年前までは部内の三月合宿の定番コースだったが、最近はあまり行かれていない。記録を眺めていると、尾瀬の至仏山と燧ケ岳というメジャーな山をつなぐルートが、成功した例は少ないながらも魅力的に思えてきた。また、1月に雲天に出向いた際、OBの方にも至仏山北東のムジナ沢を強く推奨された。当初は尾瀬沼に入って燧ケ岳を往復し、縦走して至仏山とムジナ沢を楽しむという計画を立てていた。しかし、アヤメ平から鳩待峠や山ノ鼻へのRFが難しいというのと、至仏山方面の方が豊富なルートがあって楽しめそうであるという理由のため、至仏山を往復して尾瀬沼へ至るルートに変更した。これにより悪天の日でもアヤメ平方面へ出かけたり、悪沢岳へ出かけたりして停滞することなく行動できる。
部内には尾瀬に関する一昔前の記録はたくさんあるが、最近の、それも今回と同時期の記録が少なかったので、法政ワンゲルの方にたくさんの資料を提供してもらった。
プレツアーは東北での縦走ということでできるだけ遅い時期にずらして好天を期待したが、最低限の雪訓はできたものの悪天(なんと初日は雨!)のため縦走できず不満なままの帰京となった。またプレツアーを三月までずらしたため、合宿を三月後半という遅い時期から動かせなくなり、若手OBの方の都合に合わせることができなくなって、L権者がギリギリ行動できる人数である三人となってしまった。L権者のうち一人が不調になって合宿が終わるという悲しい事態となるのか、はたまた好天をもたらしてくれるのか。

3/20()下界は曇り アプローチ(東京=沼田)
20時に上野に集合し、所用で急遽不参加になった水野から装備を受け取る。集合時間になっても、電車が出発してからも村瀬と立峻は来ない。村瀬からは終電でリカバーするとの連絡があったが、立峻とは連絡がつかない。もはや合宿に来ないのではと思っていたが、沼田の待合室にいた。どうやら集合の30分前に上野に着いたが、駅員の「特急を使わないと沼田には行けないよ」という言葉を信じて特急でアプローチしたらしい.^^;。遅刻した村瀬と、用事があった高梨さんが終電で沼田に到着後、連絡事項だけ伝えてすぐに就寝。下界は風が強かった。

3/21()曇り時々雪 戸倉から鳩待峠へ
4:00沼田=5:00西栗橋手前6:006:45清水沢6:55(ビンディング修理10分+休憩20)9:30津奈木橋-10:40ショートカットした後の林道上11:0011:50鳩待峠BC1
林道をショートカット中
4時に沼田駅にタクシー(大・小1台ずつ)を呼び、戸倉へ向かう。大型は2万円、小型は15千円。車では1時間半ほどかかると事前に言われていたが、夜明けの道路は信号がフリーパスなので5時に西栗橋前のゲート(尾瀬戸倉スキー場へ向かう道路との分岐)に着く。当然暗い。しかも寒い。一部が早すぎるとブーブー言っていたが、準備が遅いので出発した時には日の出の時刻を過ぎていた。
出発してすぐ雪崩の跡を見つける。笠科川沿いの林道には、雪崩の危険がある所にはスノーシェッドが設置されているので比較的安全に通れるが、その代わりスノーシェッドの中は雪が途切れているところもある。幸い、今回は風でシェッド内に運ばれた雪により一度もスキーは脱がずに通過できた。清水沢を過ぎたあたりでビンディングのソール長が固定されない1年がおり、修理に10分ほど費やす。途中、沢がデブリで埋まっており、スキーを外して通過した箇所があった。足を痛めた1年がいて遅れているが、この日は鳩待峠で行動を終える予定だったので荷物を抜いてゆっくり歩く。津奈木橋付近には道路標識があり、ここから九十九折の林道が続くので津奈木沢左岸を進んでショートカットする。電柱を追って行くのが正解ルート。事前情報通り林道に上がる所が急で、キックターンができずに苦戦したので、ツボ足で登ってザイルで荷物を引っ張り上げ、1年生にはそれを手がかりとして登ってもらった。林道に上がった所でテルモスを飲みつつ長めの休憩。その後は緩やかな斜面に九十九折の林道がついているのでショートカットできる。地図を見れば分かるが、戸倉から鳩待峠や大清水へ向かう林道は幅が大きく難所はほぼない。
鳩待峠到着!

鳩待峠に着いて山荘前にテントを立てる。ここで2泊する予定なので風を防ぐために雪のブロックで周辺を補強した。ここ鳩待峠までは4月中旬を過ぎると車で入れるようになるので、ようやくスタート地点に立てた気分だ。しかし3月後半はアプローチが面倒な分入山者も少ないので静かな尾瀬を楽しめるのでこれはこれでよい。3日目に使う予定だったペミカンが破裂しているらしくメニューを変えてこの日はチーズと鶏肉のトマト煮。さっぱりしていておいしい。適当に宴会をして20時過ぎに就寝。

3/22()晴れ、山頂でも快晴微風 鳩待峠~至仏山~(ムジナ沢)~鳩待峠の周遊
5:40BC6:40 1867p7:00(たるみ15)8:10オヤマ沢田代-(アイピケトラーゲンたるみ20)8:55小至仏山-9:30至仏山9:50(弱層テスト+方針の話し合い+滑走準備35)(ムジナ沢)11:15山ノ鼻11:50(水汲みたるみ20)13:55BC2
1867pへ向かう
 
 4時起床5時半出発の予定だったが、トイレに行く人が多く出遅れる。最初は緩いので樹林の切り開きの中を進み順調に高度を上げる。1867p前の急斜は短いながらも滑走が快適そうな斜面。雪崩の心配がある場合も東側の樹林をつなげば大丈夫だろう。
1867pにて
 
 トップのキックターンの角度が1年生には急すぎたようで、少々苦戦する。登り切った所でサングラスを付ける。1935p下の2つの崖はどちらも右を巻くが危険はない。その先で尾根に復帰し、クトーを付ける。悪沢岳を巻いてオヤマ沢田代へ。今合宿最初の雪原で、快適に通過する。小至仏山手前でアイピケトラーゲンに切り替える。クトーをつければスキーでも通過できるだろうが、滑落のリスクやかかる時間を考えてアイピケを選択した。小至仏山はスキーで通過するなら東側をトラバースすることになるが、雪が締まっている時は滑落注意。アイピケの場合は直登した方が断然早い。東側に雪庇があるのではと思っていたが、実際は全くなかった。小至仏山からは夏道に合流し、そのまま至仏山頂へ。こんなに楽にピークが踏めるとは。
至仏はもうすぐ!

 この日はサブ装で、この後の行程も体力の消耗次第では時間がかかると予想されるので、ピークには長居せず、アイピケのまま少し下る。20mほど下った所で弱層テストをしてみる。風で雪が吹きだまっているところはスパッと切れるが、飛ばされているところはガチガチで安定している。とりあえず尾根上を滑って、傾斜が緩くなる2100m付近でトラバースしてムジナ沢の右岸に入る。右岸は雪が吹きだまっておらず、安全と判断できたのでそのまま滑り出す。審議で配った地形図のルート通りに滑った所、最初はクラストで苦戦したが次第にザラメとなり快適な滑走となった。斜度もちょうどよい。天気が良いので下の方は雪が重くなって板が滑りにくいが、1年生が上手に滑ってくれて読みの半分以下の時間であっという間に山ノ鼻へ。ポカポカ陽気で気持ちいいので大休止。
ムジナ沢から尾瀬ヶ原と燧
山ノ鼻周辺の雪原


 山ノ鼻の多数の建物の前を過ぎ、最初の渡渉地点へ。沢は埋まっていないが、スノーブリッジはしっかりしていて問題ない。この後も所々渡渉地点があるが、いずれも安定したスノーブリッジがあり、容易に通過できた。途中容易に水が汲めそうな場所があり、1年生がなるべく水作りしたくないと言うのでそこで水を汲む。鳩待峠の前で沢の右岸に上がる箇所が一瞬急だったので1年生はスキーを脱いで通過(このあたりはスノーモービルのトレースを追ったが、ない場合も電柱沿いに進めば鳩待峠には着く)。山ノ鼻-鳩待峠間の中では、このあたりのみ沢が完全に雪で埋まっていた。
 鳩待峠に着くと何故かニンジンと思しきものが散乱している。この日使うはずのペミカンを雪に埋めていたのだが、どうやらそれがカラスに食い荒らされたようだ。夕飯の具材が丸々1食分なくなるのはつらい。この日と翌日の夕飯のメニューを交換し、明日の夕飯の具材には差し入れや行動食の中で使えそうな物を入れることにした。ハヤシライスを食べて茶飯を、と思っていたら1年が塩茶飯を作っていた。何も合宿で新しい試みをしないでほしい笑。一応飲んでみるが生暖かい海の味で飲める代物ではない。明日は本ザックでの縦走なので各自差し入れを放出して軽量化に努める。19時半頃に就寝。

3/23()曇り、昼前から晴れ 鳩待峠からアヤメ平を経由して尾瀬沼へ抜ける
5:25BC7:10横田代7:258:10 1969m先コル8:308:35アヤメ平-9:05富士見峠9:2510:10白尾山10:4011:05セン沢田代11:2512:15皿伏山12:4013:05タソガレ田代へ向かう尾根上標高1800m辺り13:3013:45正解ルートに復帰14:1014:40大清水平-15:50大清水平-15:50尾瀬沼山荘16:3016:50長蔵小屋◭3
 
アヤメ平
 3時半起床。テントから出ると雲が広がっており小雪がぱらつく空模様。山荘裏手の斜面が急な上にクラストしていたのでクトーをつけて通過。登り切った所で休憩し、クトーを外す。トップと話し合って、角度を切りつつ夏道を探すことにする。ところが最初、なかなかマーキングが見当たらない。雪に埋もれているのかと思い、90度の向きに進もうと話していると赤ペンキを見つける。赤布ではないので信頼できると思ってそれをたどる方針にするが、夏道自体がぐにゃぐにゃについているようで余計に時間がかかってしまった。次回は夏道を無視して横田代方面へ角度を切って進んでみてもいいだろう。資料では横田代-富士見小屋間を森林限界上としていたが、樹林がないのは横田代の雪原マークの区間のみで距離にして1kmほど。それ以外は赤布で事足りた。この地域の森林限界は、悪沢岳や燧ケ岳を見る限り2050m辺りにある。至仏山へ至る夏道の森林限界が1650mと低いのは、至仏山が植物の育ちにくい蛇紋岩でできているためのようだ。ちなみにLはここまで高度計が示す高度を信用しきっており、1750mから1969m先コルまで現在地を低く見積もり過ぎていたので反省。後ろを振り返ると横田代から続く崖を視認してようやく誤りに気付いた。ポジティブに考えればこれは気圧が徐々に上がっている証拠でもあり、実際徐々に太陽が姿を現すようになる。1969m先コルで休憩。足が痛くて遅れている1年生がいたが、今日は頑張ってもらうしかないので、行動食で釣って進む。アヤメ平を過ぎた後に見える雪庇とそれが崩壊したさまは荘厳。やはりこの下の林道は通りたくない。
白尾山

 富士見小屋を過ぎた頃には満点の青空。富士見峠で長めに休憩した後、白尾山へ向かう。白尾山は巻いてもよいのだが結局登頂した。樹林帯だが展望はなかなかよい。不要な水を数発捨てた後、西の沢状に入って滑走開始。滑りやすい程度に樹林が生えていて意外と快適。1821mピョコは右を巻いてセン沢田代へ至る。ここで再びシールをつけて皿伏山へ。地図上では急だが、雪が緩んでいることもあってシール登行は楽。山頂は樹林に囲まれているのだが、一応ぐんま100名山なので長めにたるむ。案の定H先輩の話題になる。シールを外して滑走。シールの付け外しが多いとシールトラブルが続発するかと思い、なるべくシールはつけたまま進もうと考えていたが、やはり少しでも傾斜があるときはシールを外して滑った方がかなり早い。

正解ルートへ復帰
 途中角度が浅くなりすぎ、タソガレ田代へ至る尾根(ルートの北側)に乗ってしまった。沢をトラバースすることも考えたが、見た感じ急そうなのでシールをつけて15分弱登り返す。正解ルートに復帰して休憩し、シールを外す。14時近くなので、そろそろサイトの時間にすべきだったが、尾瀬沼山荘で水汲みをしたいのでさらに先へ進むことにする。
大清水平到着

 無事に大清水平に着くと、燧ケ岳がより一層近くに見える。晴れているので荘厳だ。大清水平からは三平峠へは向かわずにトラバースしつつ傾斜を落とし、尾瀬沼へ降りるルートを探す。最後が急だったので1年はスキーを脱いで通すが雪が緩んでいるので危険はない。尾瀬沼へ降り立つといよいよ完遂が見えてきて感動がどっと押し寄せて来る。ついにここまで来たのだ。視界がよいので長蔵小屋と尾瀬沼山荘両方が樹林の陰に見え隠れする。天気図の時間も近づいているので、急いで尾瀬沼山荘へ向かう。Wの立峻は遅れているので宮崎に天気図を描いてもらい、その間皆で取水口を探す。ところがそれらしき物が見当たらない。ここで水を汲めることを前提にしてここまで水を捨ててきたのでショックだった。気象通報が終わった後出発。
尾瀬沼から見る燧

 長蔵小屋に着くと急いでサイトの準備をする。明日どうするかについてだが、今日は一日中行動して疲れたし、下山のことも考えると足を痛めた1年生を無理やり燧ケ岳に連れて行くのは避けたい。そもそも燧は至仏が打てなかった時のノーピーク山行を防ぐために取ったルートだったし、ムジナ沢の滑走を含む至仏の周遊と鳩待峠から尾瀬沼への縦走をいずれも快晴のもとで行えたのですでに満足感があった。また、明日は日本海に高気圧が近づくものの、南岸に停滞前線があるので視界条件的に登頂が難しいだろう、といった諸々の理由で、燧はあきらめて明日帰ることにした。夕飯は前記の通りペミカンをカラスに奪われたので、ビーフシチュールーに差し入れとして肉類を加えたものだった。お腹が満たされないLと宮崎はさらに予備食も食べた。明日ガスってくれたら後ろ髪が引かれることはないので、そうなることを願いつつ最後の宴会をして21時ごろ就寝。

3/24()曇り 燧をあきらめて帰る
6:10長蔵小屋-6:30尾瀬沼山荘-(ビンディング修理10)7:00滑り出しのコル7:15(トラーゲンたるみ20)8:15一ノ瀬-8:30大清水9:10(たるみ15)11:00ゲート
冬路沢

 4時半起床。外を見ると見事にガスっていて燧どころか尾瀬沼すら見えない\(^o^)/。この日も出発準備が遅い1年がいて出遅れる。尾瀬沼山荘を過ぎた所で大橋のビンディング(マーカー)の様子がおかしいが、マーカーを使っている高梨さんに見せた所あっという間に直してくれた。滑り出しのコルで休憩し、シールを外して滑走開始。冬路沢は疎林帯で上部のみ快適な滑走、下部は沢床が狭く快適とは言えない。早朝で雪質も安定しており安全に通過できたが、直前に降雪があった場合は雪崩の可能性もある。そもそも結構急なので、登りは別のルートも考えた方がいいだろう。一ノ瀬の直前で川のすぐそばを通過する所があり、落ちたら危険なのでトラーゲンで通過する。5分ほどで切り抜け、すぐに一ノ瀬へ。ここから大清水まではあっという間。1時間読んでいた所がわずか15分足らずだった。事前に調べる必要はあるだろうが、この時期なら除雪は大清水までのようだ。
ついに大清水(除雪終了点)!

 全員集まった所で感動的なシーハイルをし、スキーを脱ぐ。バイクがあったのでもしやここまでタクシーが入れるのではと期待して電話してみたが、ゲートが開いていないので無理だろうとのこと。よって戸倉から少し入った所に2時間半後にタクシーを呼ぶ。ここからのトラーゲンが本日の核心だと思っていたが、運動靴だと速い速い。高梨さんと大橋が誤って運動靴をデポってしまい、兼用靴でがしゃがしゃ歩いていた。立峻がこれまでとは別人のようなスピードで歩いてくれたので読みより早くゲートに着く。すでに来ていた大型と後から来る小型に分かれ、大型に西栗橋のデポ地に寄ってもらってデポ品を回収する。2日前のペミカン同様、カラスに荒らされているのではと不安だったが無事だった。埋めていたデポ品がむき出しだったので、合宿中にだいぶ雪解けした模様。1時間半ほどかけて沼田駅へ。駅前のとんかつ屋「山彦」に直接出向いてワンゲル盛り11人前を予約し、駅から歩いて10分ほどのスパリゾート「ゆにーいく」へ。汗を流した後、駅に戻って皆で山彦に向かう。ワンゲル盛りの量はやはり多く、3年二人は間食できずに1年に協力を請う。1950円なので、OBの方にいただいた差し入れ1万円でほぼ補えた。今後の天候など諸々を考慮し、松岸の接続企画は一度東京に帰ってから行くことにする。電車に揺られて19時には東京に着いた。最後まで歩きとおした1年生、トップとして頑張ってくれた2年生、そして14日目が悪天、23日が好天という絶妙の天候配置により、充実した最高の4日間だった。
 
打ち上げ
まとめ
至仏山の周回コースにしても、鳩待峠から尾瀬沼への縦走にしても1日で終えられるので三月合宿のレベルとしてちょうどよいと思った。全体を通して樹林帯であっても木が密に生えているところは少ないので、サイト適地がそこら中に転がっている。燧ケ岳は今回無理やりルートに取ったが、スキーの滑走コースとして快適なのは北面の方なのでそちらに抜けるのも面白いと思う。至仏山の方にはワル沢というメジャーな沢があり、そこもルートに取れば鳩待峠をベースとしても楽しめるだろう。


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