2013年1月3日木曜日

2年冬山 甲斐駒・仙丈


2年冬山 甲斐駒ケ岳・仙丈ヶ岳
OB4 木村 OB1 L鈴木 3 sL成田 松尾 2 F坂田 H水野 W三宅 E宮崎

甲斐駒には行けなかったものの、仙丈のピークに立ち初日の出も見られ、なかなか贅沢&充実だった正月企画。



2012/12/30() 午後に二つ玉低気圧が通過。気温は高めで、下界では雨。
東京駅=伊那市駅
東京駅と吉祥寺駅の2か所に集合して終電アプローチ。発車時間になっても松尾が来ないので焦る。先頭車両集合にしていたが、きっと電車がどっちに進むのかわからなくて、先頭と最後尾を間違えているのだろうと思ったら、案の定最後尾に乗っていたww。三宅が引越しの激務のせいか風邪気味らしいので、念のため電車内で体温をはかってもらう。37℃だったが本人曰く平熱が37℃くらいらしく問題ないそう。甲府に着くあたりで坂田のスパッツ忘れが発覚。急いでスマホでググって登山用品店を探すがどこも2000閉店で開いているところはないようだ。幸い坂田はヤッケだったので、内側をガムテープで留めて対処することにする。坂田は「北沢峠で、下山する登山客(女の子)からスパッツを借りる」とか言っていたが、さすがに貸してくれる人はいないだろう。岡谷に着くころに今度は三宅の予備食忘れが発覚。コンビニでサトウのごはんを買って代用する。
伊那市駅に到着し、木村さんと合流。早めについていた木村さんによると、かなりの強雨だったらしく、さらなる積雪量の増加が心配される。伊那市駅は駅カン適地があまりなく、タクシー会社(伊那つばめタクシー)に泊めてもらえないか交渉すると、駅近くの伊那バスターミナルの職員用駐車スペースが雨を避けられるので、そこで寝てくれと言われる。どうやらバス会社のほうに話を着けてくれたようである。感謝。
予想天図によると、冬型が一時的に緩み高気圧の張り出しがある1/1が最大かつ唯一のチャンスのようなので、確実にピークを打つには初日にサイトを上げてもいいかも、というような話をしつつ就寝。今年は例年よりかなり積雪が多く、2週間前には仙丈で2人が亡くなる遭難事故も起きていたため、いろいろな不安が頭をよぎる。

2012/12/31() 明け方は小雪。河原では晴れ。標高を上げるにしたがって曇り。時々雪が降る。
伊那市5:30=戸台6:557:50白石堰堤手前8:008:50たるみ9:0010:00丹渓山荘10:3011:20たるみ11:3012:20たるみ12:3013:00北沢峠14:0014:40仙丈2合目▲1
朝起きると寒く、雪がちらついている。予約していたジャンタクで戸台に向かう。時間は1時間くらいで、約14000円。デポ品を預かってもらえないか運転手さんにお願いすると快くOKしてくれた。ありがたい。戸台は年によっては雪がないこともあるが、今回は一面真っ白で雪多さを物語っている。木村さんはストックを共装と思っていたようで持ってきていなかった。
はじめは戸台川の右岸を行く。気が滅入るような河原歩きかと思いきや、奥には目指す甲斐駒が望め、雰囲気もよく意外に楽しい。小さな渡渉を幾度となく繰り返すが、それも石を伝っていけばそれほど問題でない。第2堰堤以降赤テープは豊富。右岸から左岸に移る個所(地図のRFマーク)は、水が全く流れておらず気づいたら渡渉が終わっていた。途中のたるみで鈴木さんのキジペ忘れが発覚し、悲惨なことに4日間キジが打てないことが確定した。丹渓山荘手前の渡渉地点には長さは2-3mの丸太橋がかかっている。
丹渓山荘の中でたるむが、廃業小屋のため中は荒れ放題になっている。幕営スペースには3張くらいテントがあった。八丁坂は一部凍結しているようだったのでここでアイゼンを着ける。松尾のアイゼンが空中分解して焦ったが、なんとか直ったのでほっとする。八丁坂は九十九折の急登で疲れる。東大平は平坦な樹林だが、赤テープがベタ打ちしてあり迷う心配はないだろう。大平山荘の少し手前でビーコンを付ける。北沢峠に出ると、なんと車が走っている。見てはいけないものを見てしまった。
予定通り駒仙小屋にB.C.を設置してもよかったが、今日の天気ではトレースが山頂まで達している保証もなく、明日絶対にピークに立ちたかったので、サイトを2合目まで上げることにする。水はsLと松尾、鈴木さんで駒仙小屋テン場横の北沢に汲みに行き、満発にする。重くなった本ザックを背負って再出発。2合目の標識があるコルまで進むが適地がなく、100mくらい引き返してサイト。年越しうどんを食べて、紅白を聞いたりしてぐたぐたする。三宅が不味いと評判の鬼ごろしを一人ひとパック「配給」する。この後も鬼ごろしは大分ひどい扱いを受けていた。木村さんは差し入れの濁り酒を取り出しては「デデーン」と効果音を付ける。夜になると風は次第に弱まり天気の回復が期待される。甲斐駒方面に昇る月がきれいであった。2012年を振り返りつつ就寝。

2013//1/1()元日 冬型が一時的に緩み晴れ。昼前からガス。のち晴れ。
仙丈2合目6:206:50初日の出7:107:35大滝の頭7:458:30小仙丈急斜面手前で弱テ8:45~小仙丈岳9:109:30岩場先のコル9:4010:35仙丈ヶ岳山頂!10:5511:35岩場手前のコル11:4512:35大滝の頭12:5013:20仙丈2合目14:0014:25駒仙小屋▲2
あけましておめでとうございます。朝起きると雲一つない快晴でテンションが上がる。新年のあいさつをして、お雑煮をいただく。美味。ヘッデン行動のパーティーが数組通過していく。月明かりを頼りに6:20に出発。トレースが期待できたのでワカンはデポし、アイゼン&ダブルストックで行く。雪質は重く積雪量も多いので、ノートレースだったら相当しんどかったであろう。初日の出を見るため樹林が開けたところで止まる。雲から顔を出した金色に輝く太陽に一同感動。北岳のバットレスが金色に染まっている。2013年もいいことがありそうだ。ショータイムが終わったところで出発。大滝の頭でストックをデポし、アタック装備に切り替える。



森林限界に出ると風は強く非常に冷たい。今まで経験した冬山とは、明らかに雰囲気というか空気感が違うのが分かる。天気が荒れれば人間など簡単に死ぬんだろうと思う。例年であれば小仙丈までハイマツが見えるはずだが、今年は完全に埋まっておりべったりと雪がついている。所々クラストしているところもあり、アイゼンが気持ちよく利く。小仙丈手前の急斜面で弱テをする。斜面は距離は長くないが、一番上の急なところでおそらく40°くらい。トレースはまっすぐ直登している。弱テは3つ作ったが、手首で5-15cm、腰で35-40cmであった。手首の弱層がかなり顕著だったので方針会議。トレースを外して、左側の尾根に乗ることも考えられたが、状況が分からないし雪崩れたときの範囲が広そう。木村さんは、5-15cm程度の弱層なら踏み抜ける可能性が高く、層の厚い吹き溜まり部に侵入しないよう注意すれば大丈夫だろう、という意見。危険度は低いと判断し、念のため10mくらい間隔をあけて通過することにする。


気温が低く足先が冷たいが、次第に風が弱まりピークゲットが見えてくる。無事小仙丈に達すると、雪をたっぷりまとった小仙丈カールが威圧感を持って迫ってくると同時に荘厳さを感じる。仙丈のピークへと続く痩せた雪稜はこれぞ雪山といった感じで雰囲気満点だ。



小仙丈から降りるところは小さな岩場になっており慎重にこなす。稜線の南側には小さい雪庇が続いている。コル手前の岩場はほとんど雪で埋まっておりやせ尾根になっているが、岩が出ているよりむしろ通過しやすかった。コルからの上りは稜線を少しはずして右斜面を辿るとの情報だったが、雪が多いため直登する。ここも念のため間隔を開けて通す。尾根上はクラストしていて少々岩っぽいが問題ない。急登を登りきると仙丈のピークが間近に見える。ピーク手前の二つのピョコ間のナイフリッジが恐ろしげだ。1つ目のピョコはトラバースする予定だったが、雪が多いため直登。問題のナイフリッジはトレースがあったこともあり、通過自体は比較的容易である。ただし、アイゼンを引っかけたり、強風であおられて転倒すれば「はいそれまで」である。今回はガスのため下があまり見えなかったが、カールのそこまで見えるくらい晴れていたらもっと怖かったかもしれない。ナイフリッジをこなしたら、20mくらい急登を登って、ついに仙丈のピークに到着である。厳冬期3000m!!



テルモスを飲んで記念撮影をする。20分ほどたるんだ後、下りも気を抜かないよう隊に喝を入れて下山。下りも風は弱く助かった。小仙丈の下りはガスられたらRFが相当大変だと思う。ヤマレコに上がっていた記録によれば、12/31に吹雪でルートが分からなくなり、雪洞を掘ってビバークした人がいたそうだ。冬山の下山は早いもので2ピッチちょっとでサイト地に到着。すぐに撤収して駒仙小屋に向かう。元旦からかなり充実した一日であった。
夕飯は肉じゃがだが、トマトペーストを入れたので、うまいが味は完全にハヤシライス。赤飯は芯飯になってしまし、かみ砕くのにあごの筋肉が攣りそうだ。夕食後は鈴木さんのおせちを頂いたり、甘酒、御汁粉、濁り酒を飲んだりして正月気分を味わう。差し入れが被ったりして食べるものが多く、ほとんど飯トレ状態であった。鈴木さん曰く差し入れは「囚人のジレンマ」。駒仙小屋はラジオはあまり入らないが、小屋で天気情報はチェックできる。ただし更新は朝6時の一回のみ。


2013/1/2() 前線を伴った日本海低気圧が通過し強い冬型に。上部は強風。昼前から雪で、B.C.でも風雪強い。
駒仙小屋6:357:40仙水峠7:508:30森林限界手前8:40~9:30駒津峰山頂9:359:50たるみ10:0010:50仙水峠11:0011:40駒仙小屋▲3
朝起きると10cmくらい雪が積もっている。甲斐駒方面は晴れ間も見えるものの、仙丈方面は完全にガス。雲の流れが速く、強風が予想される。今日はほとんど登山者はいないようだ。
駒仙小屋からは前日にできたトレースを頼りに進むが、新雪が積もったせいかたまに潜る。仙水小屋までの2回の渡渉地点は特に問題ない。途中ロープが設置された岩場が一か所ある。仙水小屋を過ぎゴーロに出ると風が強く、上部の強風が心配される。少々ロングピッチを切って仙水峠でたるみ。ここでアイゼンを着ける。ここからは樹林の急登で、赤布を打ちながら進む。トレースがなければラッセル地獄だろう。
森林限界の少し手前でストックをデポし、アタック装備に切り替える。樹林を抜けると西からの強風がひどい。気温は高めなので指先などは冷たくなく、それほど身の危険は感じない。稜線東側には雪庇が張り出している個所もあった。標高を上げるに従って風が強くなってきたので、下りのことも考えて撤退を決めるが、凍っていたゴーグルを外すと駒津峰のピークはもうすぐであるので、さっさと打ってから帰ることにする。ラスト30mくらいは凄まじい風で、耐風姿勢をとりながらじりじりと前進する。風が強くなるにしたがってアドレナリン全開となる。ピークに着くとなかなかの達成感で、みなテンションが上がる。急いで記念撮影をしてすぐに下山開始。


風がひどく樹林に入るまで時折耐風姿勢を取る。このあと何度か坂田のアイゼンが外れる。樹林に入って風が弱まったところでほっと一息つき、たるんでモスる。ストックを回収した後は特に何事もなくB.C.まで戻る。ロープ設置の岩場でアイゼンがあったほうがいいと思ったので、結局B.C.までアイゼンは着けたままであった。
早めに帰幕したので三宅の甘酒と御汁粉で温まる。夕飯はハヤシライスであるが、宮崎はにんじんとじゃがいもとおろし金ですり潰してペミカンに入れたらしい。本気で意味が分からない。じゃがいもをすり潰してカレーやハヤシライスに入れる家なぞ日本全国探しても宮崎ぐらいであろう。皆に大バッシングされていたが、宮崎はすり潰しても味は同じという持論を展開していた。いや、そういう問題じゃなくてさ…。時間が有り余っているのでジジ天はトランプしたりお昼寝したり。夕方からぐだぐだと宴会をはじめる。差し入れを渡すたびに若天はテンプレリアクションをしてくる。木村さんの豚の角煮が絶品だった。売れ残り鬼ごろしはようやく消費されたようだ。明日も強い冬型が続くようなので、甲斐駒再アタックは諦め明日下山することにする。20:30ごろ就寝。

2013/1/3() 冬型。昼前から雪が強く降る。伊那市内まで来ると晴れ。中アもガスの中。
駒仙小屋6:35~長衛荘7:00~途中アイゼン装着10分~8:10丹渓山荘8:309:15たるみ9:2510:10たるみ10:2011:00戸台
駒仙小屋で電話を借りる予定だったが、6:30になっても小屋の人が起きてこなかったので、長衛荘で借りることにする。大平山荘から少し行ったところから丹渓山荘までアイゼンを着けた。河原歩きでは、前日は雨が降ったのか凍結している個所が多く少々面倒だった。戸台に早く着いたので、反省会をしつつ、ウイスキー入りダブル砂糖茶飯を作って温まる。この時、登山指導詰所にスノーソーがひとつ置いてあり、松尾が入山前に忘れていったことが発覚した。また、顔をよく確認すると、sL含めみな頬の一部に軽い凍傷を負っていることが分かった。凍傷の程度は軽く、小さかったので3-4日で治った。完全防寒していたはずだが、やはりアルプスの気象条件は厳しいということか。
この後は、高遠さくらの湯で汗を流し、名物のローメンやソースかつ丼を食べた後、再びタクシーを頼んで伊那市街に向かい、バスターミナルで木村さんとお別れして、残り7人は中央線に乗り込み帰路に着いた。fin.


まとめ
雪が多い&あまり予報の良くない中、仙丈のピークに立てたのは非常に大きな意味があった。雪たっぷりの仙丈は予想に違わずいい所でした。仙丈の雪稜歩きと駒津峰の強風はとても良い経験になり、中々充実した山行となった。今回は正月トレースに助けられたが、今回の積雪量を考えるとノートレースだったらラッセルや雪稜歩きのルート取りなど難しかったと思う。今回秋に偵察に行ったが、偵察しておくと心理的にも楽なので、ある程度のところに行こうと思ったら(ルート工作とかがなくても)偵察に行っておくとよいと思います。
山行中にも遭難事故があったようだが、大きな事故や手足の凍傷などもなく無事帰ってこられて何より。

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