沢L養成 入川谷布滝沢


L養成 入川谷布滝沢                          記:松尾

面子:4松崎 3桑原 L松尾 2F松岸 E三宅 NW坂田 H前山1初廣長

遡行図は「奥多摩の沢123」。
五月祭の裏の沢L養成。なぜ入川谷本谷に行かなかったかは後述。




5/18()曇り

立川=古里―広河原

 21:00立川発青梅行の電車に乗る。古里は無人駅だが、駅前にセブンがあって便利。広河原の手前には渡渉点があったので、靴を脱いで渡った。この渡渉点は車でも渡れるようで、翌日下山してきたときには車もあった。下界訓練では前山のロープワークに不安を感じたので、トップ二人とL権者とでかなり入念に教えた。桑原曰く、前山は「理想初心者」なのだとか。

5/19()快晴

4:35広河原-5:20布滝出合-6:10三段滝下-10:05三段滝上-11:00作業道下11:15-12:30三段滝上-13:50三段滝下-14:30布滝出合-15:20広河原

 4:30発としていたが少し遅れた。デポ品は腐敗した車の近くに置いて出発したのだが・・・。最初のゴルジュはパスして右岸の明瞭な巻道を行く。堰堤6個を越えた後は癒しの渓相。布滝を鑑賞し
た後、左の尾根上を越える際にザイル手がかり、その左の沢床に降りる際にスリングによる手綱手がかりを出す。最初の手がかりは問題ないのだが、次の手がかりは240スリングを4本使った上に歩きにくいのでザイルでFIXを張るべきだった。ここからは仕事道を行く。最初から仕事道を使えば工作は不要だった。

 25mTR三宅。この次の三段滝でリード訓練の予定だったので、ザイル三道具を松岸から借り、たるみの言伝をして三段滝の工作を見に行く。F2F3は右巻き、F4は右壁を登った。過去の記録ではクライマー用TRの支点としてF2上でハーケンを打っていたのだが、F4上まで行けばちょうどよいところにしっかりした立木があるので、それを支点にした。リードはクライマー三宅、ビレイヤー松岸。三宅にはハーケンの打ち方から丁寧に教えた。松岸は支点の取
り方を忘れていたり、立ち位置が悪かったりしたので直させた。F2は下から見ると突破できそうだが、水をかぶる上ぬめっているので登攀自体が難しい様子。ハーケン2枚打ったところで水に濡れて消耗した三宅が滑落。TRのおかげでちょっと落ちただけだった。上部がぬめっていてどうしても突破できないらしいのでいったん降ろす。結局ここでのリード訓練はパスしてトップ二人にはF3下まで巻いてもらった。僕はハーケン回収ついでにTR確保してもらって直登したが、TRがなかったら無理だった。次のF3はクライマー松岸、ビレイヤー桑原。三宅はしばらく休ませた。松岸は水流左を無事突破したが、支点を取るのが遅かった。近くによい支点がなく、ハーケンを打つかどうかで迷っていたらしい。練習の意味もあるので、迷ったらとりあえず打とう。また、登攀時にヌンチャクのビナを釜に落としたが、ゴーグル持参のLが回収した。打ったハーケンは桑原1枚、松岸2枚。その間に三宅が回復したのでランナーの回収をやらせた。また、下でおとなしく待っていた坂田にご褒美としてF2TRで直登させてあげた。初心者は二段TR手がかり(下松尾、上三宅)。廣長の登攀力は目を見張るものがある。前山もいきなりの難しい登攀ではあるが頑張っていた。F4は支点を変えて右壁を松岸TRの後ロワーダウンで沢床まで。

 そのあとは小滝が連続するが平凡。途中で手がかりを出すべき所が一か所あった。二俣手前のゴルジュ中2mCS滝は三宅が水流中を突破してTR手がかりで通した。回収の際、手がかり用のロープが岩に引っかかっていたらしく、三宅がクライムダウンして回収したらしい。ごめんなさい。石積み堰堤下の仕事道に着いてたるみ。また、前山がザックを落としかけて一同「あっ」とリアクションしたのに、当の本人だけ何のリアクションもなかった。

 今回は行程が短いこともあってここから下降する。最初のゴルジュ中2mは懸垂三宅。細流下の滝で手がかりが必要だったが、フリーで通したので注意する。その次の3m(二条幅広)はスリング手がかりを出してあっという間に三段滝上。三宅は左岸をFIXで通せるとか言って長い距離トラバースしていたが、FIX通過は時間がかかる上、下降距離が短いということを意識すべき。結局F4上からFIXで左岸の岩場まで、そこから懸垂でF2上までということになった。三宅はすでにF2上からの懸垂をセットしており、松岸一人だったので時間がかかった。懸垂2回で三段滝下まで降り立つ。初心者の懸垂下降が遅かった。ここは左岸をダブル懸垂で一気に下れるのでは、という声があったが、木がそこそこあったので、引っかかって回収が面倒なダブルよりもシングルを複数回に分けて下降した方が早い。二段5mも右岸を懸垂。Lはここで滑り台ができて満足だったが、坂田がでかい蛙を捕まえてLに差し向けてくるので激萎え。「僕に蛙を差し向けるような12年は沢に連れて行かない」ということをここで明文化しておく。少し下って右岸の仕事道を使って布滝下まで下り、そこで水をくむ。

 来たのと同じ道を通って広河原に着くと、釣り人のおじさんが複数名いて僕らに気付くなり車で走り去った。サイトするかと思ってデポ品を回収していたら、閉めていたはずの僕のバックが開いている。他にも各自のビニル袋が破られているなどの異変に気付く。前山のシュラフが松岸の荷物に入っているとかもう不思議。確認していたら他にもダウンの袋がない、ブキの袋がない、ビールがない、などなどなど。とりあえずサイトを始めたのだが、小缶が二つともなくなっていることが発覚。貴重品には目もくれず、ただただ人の嫌がることだけをする心狭き者たちである。みんなこんなところで寝たくないとかデポしたくないとか言っていた。幸いL缶と桑原持参のカス缶があったのでそれでサイトして帰ることにする。鈴木が合流してから野菜たっぷりのポトフを食べ、たき火しながら宴会して18:30頃撤収した。マシュマロ嫌いの松岸がF装マシュマロを持参しておりF装として定着したようだ。この日はあいにく中央線の工事の日で、僕は帰宅するまでに人が密集している中を何度も電車を乗り換えた。ただただ疲れた一日となった。



まとめ

布滝沢はリード訓練を目的として企画したが、F2ではリードが出来ず残念だった。今回はリード初回で時間がかかったが、通常だと遡下行しても時間があまるかも。入川谷は巻きの踏み跡が明瞭であることから分かるように、釣り人が多く入渓しておりトラブルもたまにあるのだとか(今回のようにしょうもないものを盗んだり車に悪戯されたりとたちが悪い釣り人がたまにいるそう)。今回はデポ品に登山計画書を貼っていたので、それを見て犯行に及んだのかもしれない。今後釣り人が多数入渓しているような沢に行くときは、対策を考えた方がよいだろう、なかなかいい案が思いつかないが。


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