沢sL認定 日光外山沢川緑沢

◎沢sL認定 日光外山沢川緑沢FB(山行No.37 企画:長谷川)

◯メンバー: 3木村(被養成者)、L長谷川、白濱、2秋山(被養成者)、山岸(N)、1広瀬(N)、大城(初)
◯1/25000地形図:「男体山」

毎月第一土曜は山行に参加できない木村を養成するために7月に立てた企画である。
当初は表丹沢でお茶を濁すことも考えたが、折角だから楽しい山行にしたいと考え、木村に行きたい山域を聞いたところ、「日光がいいんじゃない?東武は運賃が安いし」との答え。白山書房「関東周辺の沢」のページを繰ったところ、日光周辺で日帰り遡行できる沢としてこの沢が見つかった。
結局7月第一週末には天候不順で行けなかったが、10月第一週の三連休の日曜日と月曜日を使い、五色沼避難小屋泊まりで緑沢遡行と日光白根山登山を行うことにした。






10/6(土)
木村以外の6人は14:30に東武北千住駅集合し、15:00発区間快速東武日光行きに乗り東武日光へ。東武日光で湯元温泉行きのバスに乗り換え赤沼茶屋へ行く。東武日光~赤沼のバスは1350円。当初「東武は安い」と言っていた木村は、バイクで関越道、沼田、金精峠を経由し赤沼茶屋にやって来た。まあ事故りさえしなければ、一向構わないのだが…。ここで木村が三つ道具を忘れてきたことが判明するが、緑沢はそんなに難しい沢でなく、秋山の持ってきたハーケン・ヌンチャクで十分足りるだろうとの判断からそのまま入山することにする。
今晩は赤沼茶屋お向かいの四阿で寝る。寝る前に木村・秋山に仮固定と自己脱出を教え、大城には初心者用下界訓練を行った。この秋一番の冷え込みだったらしく、とても寒い。おまけに国道120号は真夜中でも意外と車の通行が多く、なかなか寝付けなかった。鹿の鳴き声が寂しげに響き渡っていた。
10/7(日)晴  
4:40赤沼出発―5:35入渓点(沢装作り)6:00― 7:07庵沢出合―7:20緑沢と外山沢の出合(タルミ)7:30―7:50F1下―8:30F2下―9:10緑滝上(タルミ)9:25―12:00沢抜け・天狗平(沢装解除)12:20―12:35前白根山(タルミ)12:55―13:05(天狗平にてラーメンを食す)13:50―15:10湯元
4:00起床。山岸持参の温度計は0.6℃をさしている。4:40出発。四阿のすぐ脇から戦場ヶ原に向かう遊歩道を行く。遊歩道は林道並みにしっかりした道で、分岐には道標もついている。外山沢に行くには小田代原に向かって進めば良い。小田代原を通る頃から周りが明るくなり、バックの山並みと手前の平原が朝霧に包まれて神々しい雰囲気を醸し出している。この風景を撮るために多くの人がカメラを構えて列をなしていた。自分もデジカメでこの風景を撮ろうと試みたのだが、悲しいかなカメラの扱いに習熟していないため、いい写真を撮ることができなかった。
弓張峠のヘアピンカーブを越えてすぐのところから再び遊歩道に入る。この遊歩道は現在ツタメ沢に架かる橋が壊れていて通行止めであり、入口にロープが張られているが、外山沢はツタメ沢の手前にあるので難なく歩ける。ミズナラの巨木やカラマツ林の間を少し歩くと入渓点の木橋。ここで沢装にする。
入渓してからしばらくは、ゴーロ歩きが続く。沢幅が広いため水流が分かれているところもあるが、太い方を行けばよい。
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ゴーロ歩き
庵沢との分岐では水流は庵沢の方にあり、緑沢の方は水が涸れたゴーロとなっている。緑沢の方には小さなケルンが幾つか積まれている。涸れたゴーロを少し行くと、再び水流が現れ、外山沢と緑沢の出合となる。緑沢に入ると右側に大きな火山性の岩が出てきて、ゴルジュのような渓相となる。沢床には倒木がたくさんあり、歩きにくい。
それを越えるとすぐにF1(25m)が現れる。F1は、表面がのっぺりとした一枚岩といった感じである。F1の直下で左側から沢が入ってきている。F1とその沢の間に小さなルンゼがあり、そのルンゼを登り、右側に向きを変えて登るとF1落ち口及びF2(20m)すぐ下に出られる。大城には、ルンゼでTRを施し、右側に登る部分ではザイル手がかりを出していた。
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F1(25m)
F2は三角形をした綺麗な滝で、水流右側を登る。高度感はあるが、ホールドスタンスがしっかりしており登りやすい。大城にはTRを出す。
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F2(20m)
F2上は火山地帯のナメとなっており、明るく綺麗である。この沢の雰囲気は、表丹沢のような渓相と奥秩父のような樹林をベースに、若干の上越的要素(草の付き方)と火山地帯的要素(ナメ、岩)を加えた感じである。
緑滝は二段となった大きな滝で、水流が背後の青空に映えて気持ちいい。この滝を木村・広瀬・白濱は直登したが、その他は緑滝手前で左側の尾根に上がり(このときザイル手がかりを出した)、尾根上の比較的明瞭な踏み跡をたどって緑滝落ち口に出た。
3135.jpg 3137.jpg緑滝
緑滝より上では水流は細くなる。途中2~3mの小滝でハーケン1枚と薮を支点にTRを出していたが、あそこはフリーでも大丈夫だったろう。水は伏流したり湧きだしたりを繰り返すが、だいたい二段15m辺りまであるとして良い。
三段6mはTRで通し、二段15mもTR&最上部ザイル手がかりで通す。この辺りの雰囲気は、白濱曰く「開けたモミソ」だそうだ。
二段15mより上は急斜ではあるが、そろそろ色づき始めた木々の間を、薮漕ぎもガレもなく快適につめる。途中二俣となるが、右俣に小さなケルンがありそちらに行く。稜線に出て反対側に少し下りると天狗平に出る。
明日は天気が悪そうなので、日光白根には行かずに、前白根で引返して今日中に湯元まで下ることにする。天狗平に荷物をデポして空身で前白根に行く。前白根からは、日光白根や五色沼は勿論、男体や女峰などの表日光の山々が一望できた。
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前白根にて日光白根山をバックに
天狗平まで戻り、サイト用に持ってきたラーメンを作る。ワンゲル沢山行では珍しいのんびりとした時間。ラーメンを食した後は湯元までの道を下る。道は急斜であり滑りやすい上に、倒木が覆い被さっていて歩きにくかった。湯元に着くと、秋山は早々にバスに乗って帰って行ったが、他はスキー場で豚汁を作って打ち上げ。白濱・山岸・自分は温泉旅館「ゆの香」で入浴してから帰った。日帰り入浴700円。湯元温泉~東武日光までのバスは1650円。
○ まとめ
沢自体は、コンパクトにまとまっている中にいろいろな要素が混じっていて面白い。沢中の大きな滝三つが沢自体にメリハリを付けており、養成に手頃であると言える。沢初回者でも十分連れて行ける。ただ今年九月頭の台風によってか、渓相が若干荒れ気味なのが惜しい。
直前に西ゼンや御嶽鈴ヶ沢といった楽しい沢に行って、沢贅沢病に冒されている木村・白濱・自分の感想は「まあ、普通の沢かな」。沢に行くのが久しぶりである大城・山岸の感想は「楽しかったです」。
何はともあれ、ワンゲルで普段行く沢とは少し違った感覚が味わえる沢である。

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