2007年11月24日土曜日

初冬企画・常念岳

初冬企画常念岳FB(山行No.48 企画:長谷川)

○メンバー:4小畑、L工藤、安達、3H木村、小松、白濱、塚越、sL長谷川、2EW山岸、F秋山
○ 1/25000地形図:「上高地」「焼岳」「信濃小倉」「穂高岳」

去年の初冬企画で行った爺ヶ岳からは剣岳が西の空を占有していた。槍穂高も片隅に見えていたのだが、圧倒的に存在感があったのは剣岳だった。そこで今年の初冬では、雪を冠った槍穂高連峰を心行くまで眺めたいと思い、この企画を出した。
当初は新穂高から西穂高に登ることも考えたのだが、やはり独標から先が自分たちには手に余ると思い、槍穂高連峰の東側を走る常念山脈で出すことにした。計画では、槍穂高を横目で見ながら常念蝶稜線を縦走し、初冬の上高地に下るというものであったが、ハプニングにより常念ピストンで終ってしまった。しかし快晴の空の下、念願の雪を冠った槍穂高連峰の眺望を楽しむことができ、大いに満足している。






11月22日(木)夜は快晴
各自特急あずさ、高速バス、鈍行を使い、豊科駅へ。自分は南豊科駅で下車し、豊科駅まで歩く。左手には、雲一つない明るい月夜の下、常念山脈がそびえ連なっているのが見える。
松本からの大糸線最終が到着後全員そろう。駅のそばにある南安タクシーの事務所まで歩き、そこの二階にある会議室で寝させてもらう。タクシー会社の方によると、昨日の午前中まで雪が降っていて、明日三股まで車で入れる保証は無いとのこと。天気予報によると、23日は移動性高気圧に覆われ晴れるが、24日は日本海を小さな低気圧が通過し日本海岸を中心に天候が崩れそうとのこと。25日は再び高気圧に覆われ晴れる見込み。内陸に位置する常念岳では日本海低気圧によりそんなに大きく崩れることは無いだろうとは思っていたが、念のため明日は常念岳南の標高2512地点先の樹林帯まで進むつもりで行くことにする。
11月23日(金)快晴、ほとんど無風
6:35三股駐車場(ゲート)発―6:50三股―7:25(タルミ)7:35―8:35(タルミ)8:45―9:50急登終わり近く(タルミ)10:00―10:00急登終わり―10:30標高2207地点―10:45標高2207地点先の隠れピョコ付近(ワカン付ける)11:00―11:45標高2355地点(タルミ)12:00―(途中10分程アイゼン装着のため止まる)―13:15(タルミ)13:30―14:00前常念▲1
5:45頃小型タクシー3台に分乗し出発。須佐渡キャンプ場の少し先にゲートがあり、今回は開いていたが、12月に入り本格的に雪が積もると閉まるとのこと。須佐渡辺りから積雪が見られる。林道上にも雪が残っており、それが凍結して時々車が滑るのがわかる。しかしゲートのある駐車場までタクシーは入ってくれた。小型1台で豊科から4860円。駐車場には既に乗用車が3台止まっていた。駐車場にはトイレがあるが、水は使えない。この辺りで積雪5~10cm。
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三股駐車場にて
ゲートを越えて林道を15分程歩くと三股。四阿があり、そこに登山計画書提出ボックスが設置してあるが、最近数ヶ月間は取り出していないだろうと思われるほど計画書がたまっている。
四阿を通り越し、鉄橋で沢を渡ると左に蝶ヶ岳への道を分け、右側の尾根に取り付くように登りが始まる。先行パーティーのトレースがずっと夏道沿いに続いており、それをたどる。途中迂回路が左から入ってくるが、そちらにはトレースがついていなかった。
徐々に登りは急になり、暑くなる。木の根を乗っ越すような箇所では、新雪により少々滑りやすくなっており歩きにくい。周りはモミ・ツガ・ヒノキ科等の針葉樹とダケカンバの混交林。
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急斜の途中にて
ずっとトレースは夏道を追っていたが、稜線少し手前で先行パーティーに追いついたので、今度は自分たちがラッセルする。この辺りで積雪30~50cm。標高2207地点先で膝まで埋まるようになったので、ワカンを履く。
標高2355地点少し手前から低木帯となる。場所によっては深く雪の中にはまってしまうので、トップは少々手間取っていたようである。標高2355地点より上が限界上。東側の展望が開け、浅間山や八ヶ岳、富士山、南アルプスなどが見えるようになる。ここで天気予報を聞くためにタルム。天気予報によると、明日の中信地方は、午前中は晴れ、昼過ぎから雲が広がり、場所によっては雨が降るところもあるとのこと。今までラッセルにより読みよりかなり時間がかかっており、今日中に標高2512地点先の樹林帯まで行くのは厳しそうである。上級生の間で話し合った結果、とりあえず今日は前常念で13:00にリミットを切ってそれまでにたどり着けない場合は前常念にて泊まり、明日は昼までに蝶ヶ岳の限界上部分を抜けられるようにリミットを設定し、それに間に合わない場合は今日来た道を引き返すことになった。
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標高2355地点付近より望む八ヶ岳と富士山
さっきまで先を行っていた登山者たちは日帰りなので、標高2355地点辺りで引き返したようである。標高2355地点より先は岩が露出するようになり、その間の雪の上を縫うように進む。しかし雪は1m程積もっているので、ラッセル状態であった。途中大岩下を左にトラバるような部分があり、そこから先はワカンを履いたままだと危険ということで、ワカンを脱ぎアイピケに替える。この辺りから常念蝶稜線越しに穂高の荒々しい山体が見えるようになる。
前常念の間近で自分もトップに出たら、塚越からは「sLは後ろで隊の様子を見るべき」と言われ、小松には「自由過ぎる」と言われ、秋山には「何故前にでているのか分からない」と言われた。これも沢L認定を5回も受けた後遺症か。以後は最後尾に引込むことにする。
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前常念への登り
前常念のピークからは穂高を始め、立山連峰、白馬方面、八ヶ岳、富士山、南アルプス、中央アルプス、恵那山、蝶槍をはさんで左に御嶽山、右に乗鞍焼岳と中部日本を代表するような山々が総ざらい見える。しかし槍ヶ岳だけは常念岳のかげに隠れて見えなかった。
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前常念から望む穂高連峰
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前常念より。右から乗鞍、蝶槍(手前)、御嶽、大滝山(手前)、恵那山
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前常念にて
前常念のピークのすぐ下に避難小屋がある。屋根が少し顔をのぞいているだけで、ほとんどが雪に埋まっていた。白濱が雪の中から入口を掘り出し、中を偵察。石造りの意外としっかりとした小屋で、広さは中で4・5天がぎりぎり2張り張ることができるぐらいである。今晩はこの中でテントを2張り張ろうと話していたところ、重大なミスが発覚した。ゴア天本体を振られていた秋山がゴア天フライを持ってきてしまい、ゴア天フライを振られていた工藤さんが別のテントのフライを持ってきてしまったのだ。要はテント本体が一つしかないのである。今晩は小屋の中で1張りテントを張ってその中で5人寝て、残る5人は小屋の天井と出入口をフライでふさぎ、テントなしで寝ることになった。
小屋の中でサイトしているときに単独登山のおじさんがやってきた。今晩はこの小屋で泊まるつもりだったらしいが、小屋内の混雑状況を見て、外でテントを設営し始めた。本来は人数の多い自分たちのテントが小屋外に出るべきであったのだが、そのことを申し出ても「いいんですよ」と言われてしまい、申し訳ないと思いつつ小屋内に留まる。
夕飯のキムチ鍋を食した後は、豊富な差し入れを手にしばし歓談。このようなときにいつも話題の中心にいるのは工藤さんである。
前常念ではauが入る。
11月24日(土)終日快晴、風あり
6:30出発―6:55常念乗越へのトラバリルートとの分岐の少し先(秋山のアイゼン修理)7:05―7:30(タルミ)7:40―8:00常念岳(タルミ)8:20―9:10前常念(撤収)9:50―10:35標高2355地点(タルミ)10:50―11:50急斜面途中(タルミ)12:00―13:00三股駐車場
4:55起床、6:30出発。6:00過ぎから外は明るかった。空が白んでいくに従い、眼前の常念・穂高の色が、濃青色からピンクそして橙色へと刻々と変わっていく。こういった色の変化は雪山ならではの美しさであろう。昨日と同様露出した岩の間を縫うようにラッセルして進む。
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朝日に染まる常念岳
常念乗越へのトラバースルートとの分岐(道標あり)を少し過ぎたところで、秋山のアイゼンのネジがなくなってしまい、針金で修理する。
最後に急斜面を登ると常念岳頂上に着く。最後の最後まで常念岳のかげに隠れてその姿を現さなかった槍ヶ岳とやっとご対面。八ヶ岳や富士山、南アルプスなどの東側の山々は見えず、奥穂高にも雲がかかっていたが、今日も快晴の空の下心行くまで眺望を楽しむ。さすがに風はあったが、耐えられない程ではない。テントを忘れていなければ今日通るはずだった蝶ヶ岳までの稜線は、常念からの下りが急であり雪がしっかりついていて、岩の露出もある。実際行くとなれば気を使うところであろう。
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槍ヶ岳とご対面
名残惜しいが常念を後にしてもと来た道を下山の途につく。前常念にてテントを撤収し、木村の携帯(au)で南安タクシーに三股14:00で予約を入れる。
標高2355地点まではアイピケで下り、そこから先はつぼ足で下る。標高2207地点から先の急斜はツヅラ状についたトレースを無視して、皆シリセードで下る。しかし下部の方では雪が溶けてぬかるみ化している箇所があり、トレースを追わざるを得なかった。三股周辺は、昨日の朝はすっかり冬景色だったのに、今日は雪が溶けて晩秋に後戻りしていた。
駐車場に13:00着。タクシー到着まで時間があったのでサイト用の余った食材でクリームシチューを作る。三股駐車場では携帯が通じる(au)。
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1日で晩秋に戻った三股駐車場
タクシーで豊科駅まで行き、反省会だけして、解散。各自鈍行か高速バスにて帰京。木村は松本から特急しなのに乗って岡山に帰っていった。
今山行での反省点から、以下の点を制度変更することになった。
・ 冬山Eの負担を減らすため、ビーコンの管理は本郷で行う
・ 本審前にエキップチェックを済ませておくようにする
・ アイゼンの予備ネジをEボックスに常備しておく

1 件のコメント:

  1. 「本審前に~」は変更というか確認だよね。
    三股駐車場で携帯が通じる、といっても
    ちょっと高台にある休憩所に登らないとだめでした。

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