沢L養成 奥秩父 小室川谷

2010年度山行No.16 沢L養成小室川谷FB

面子:3L鈴木 長崎 2EW蓜島 HsF松崎 1F松尾
日程:7/17~18
遡行図は東京周辺を使用。
お楽しみ企画のつもりだったが、全体に水量が多く、S字峡で壮絶にイモったせいで最近稀に見るトレ山行になってしまった。

7/16(金)曇り
立川=奥多摩=三条新橋▲0
立川集合で奥多摩からタクシーで三条新橋へ。この時間帯は大型が呼べないらしく中型2台に分乗した。なぜか僕がブーイングを食らう。下界訓練やって就寝。雨がぱらついていると思ったら木から落ちてきているだけのようだ。

7/17(土)はれ
4:25出発~4:51入渓点~5:508m滝下~6:40タルミ7:00~8:15S字峡下~13:10松尾沢出合13:20~16:00天図デポ~16:30小室淵下(本隊と合流)~17:05小室淵上~17:25中の沢出合~17:30サイト適地▲1
4:15発の予定だったが長崎が出遅れ。小室への下降は本流との分岐より手前に「小室向」という標識があり、これをたどればよい。明瞭な登山道をたどって入渓。はじめはゴーロが続き平凡な感じ。3m4m滝は右巻きをTR(松)→手掛り+巻結び。後半の工作は不要。TR解除から誘導まで初心者を確保したいならセルフビレイでよい。8m滝は右壁を2段TR。このあと松尾が岩の乗り越しで転び、メガネがゆがんだのでたるんで修理。
手前に淵をもつ5m滝は水流が強く、泳いで突破できなかったので淵を左から手掛り→手掛り+巻結びで巻き、滝本体はハーケン2枚打って右壁TR(蓜)。S字峡下に到着。赤布が打ってある。

S字峡だが、入口が見るからに突破できないので、トップ二人は初めから右岸高巻きに入る。後で聞くと最初の滝だけ小さく巻くルートは把握してなかったそうだ。
高巻きはわりと大変で、まずTR(蓜)でドロドロのルンゼを上げ(松崎流動分散ミス)、残りのザイルでFIX(蓜)、それを初心者が通過しているうちに松崎トップ、長崎ビレイでリードFIXしてさらに高度を上げる。松崎が革手袋をもってなかったので長崎は軍手でビレイしていた。この工作のあたりから完全にイモルートに入ったので参考にしないでほしい。小沢を横切って10mほど上がったところでFIXを終え(ザイルが無くなった)、ルンゼをTR(蓜)で上げる。ホールドが細かい根っこしかないので手掛りも欲しい。最後に懸垂×3(松→松→蓜)で沢床に立った。上部はトラバース懸垂が続いて怖かった。松尾が一回足を滑らせたが、怪我がなくて安心。
これだけの工作(5時間かかった)をして滝は二つしか巻いてない。二段目の滝は自分からみると直登できそうに思えたが、他のメンバーによると無理だろうとの判断だった。S字峡出口の滝は手掛り+巻結びだが誘導がイモい。トップは松尾の動きを見て口を出していたが、スタンスホールドは指差しするなどして指示したほうがよい。
松尾沢出合でタルミ。ここは小屋跡か何からしく、ビバーク適地である。
このへんから時間が押し始めた。2m滝はTR(蓜)→ロアーダウン、次の2m滝はTR(松)したが不要。あれで落ちてどうなると言うのか。このあたりでトップの初心者ケア(普通に歩いている時)の疎かさに対してイライラしていた自分は時間的な焦りもあってつい怒鳴りつけてしまった。
4m(CS)滝は左のルンゼから入って手掛り→FIX→懸垂で右岸巻き。思ったより苦労した。小滝でTRを出し、蓜島と自分を天図デポして残りは16:30に停止する前提で先行させる。この時の方針指示がイマイチ一貫性がなくて少し混乱させてしまった。天図プロットを終えたら石門を駆け抜け、あっという間に小室淵を工作している本隊に追いついた。

小室淵だが、松崎が釜を左から泳いで左壁をへつって左水流を直登、巻き上部からザイル手掛りを出して松尾を泳がせてゴボウで初めの滝を突破。松尾がゴボウにかなり苦戦したので蓜島がスリングで引っ張り上げた。そのあと同じザイルでTRして左巻き道に上げ、手掛り二回出して巻き終了。松尾が消耗していたので少し荷を抜いたら結構高速化した。その後小滝のトラバースで手掛り。
中の沢付近でビバークすることにして(ちなみにここまでもBPはいくつかあった)、長崎を五分間偵察に出すと素晴らしいサイト適地を見つけてくれた。このあたりは適地が点在している。

サイマス松崎。松尾は米を量る術がなかったらしく、450gの袋のまま持ってきた。晩飯のカレーはおいしかったが、茶飯は砂糖の味しかしなかった。松尾は砂糖を量って来なかったらしい。皆疲れているし焚火も一向に点かないので、珍しく宴会もせずに就寝。そういえばL装に入れていたラジオがなぜかビニール袋の外側にあり、ご臨終してしまった。

7/18(日)快晴
4:40▲1~6:20雨乞い滝下6:50~8:304段30m滝上~10:50ジャヌケ沢出合11:00~13:15Co1800タルミ13:30~14:33稜線15:00~15:22大菩薩嶺~15:50タルミ16:00~16:22丸川峠~16:52タルミ17:02~17:50裂石
34半にしたが、だいぶサイトが早かったので30分二度寝した。しばらく暗かったし普通に3半4半でよかった。今日撤退するとなるとS字峡の通過が厳しいので前進するしかないが、Maxは通過してないのでかなりの緊張感をもって出発。長崎は役割を完全にトップ補佐に固定してもらった。
遡行図の滝マークでTR、8m滝で左TR(蓜)、7m滝で水流中TR。Max通過リミット2時間前に雨乞い滝下に到着。思っていたよりずっと大きく、迫力のある滝である。一安心して新歓用に釜に飛び込む写真を撮影。

長崎、蓜島、松崎、松尾が順に飛び込んだが写真には全て飛沫しか写らなかった。最後に自分も飛び込んだが、メガネが吹っ飛んでしまう。20分ほど捜索したが見つからず、諦めて遡行を再開。このとき探してくれた人たちには寒い思いをさせて本当に申し訳ない。

雨乞い滝で釜に飛び込むLの雄姿
自分の視力は下がったが、遡行しているうちに慣れた。

雨乞い滝の巻きは思ったよりも悪く、手掛り→FIX→懸垂で通過。手掛りは初め誰も通ってないところを通そうとしていたので修正。
4段30mは2段目上まではフリー、3段目は長崎がスリング手掛りを出して巻き、4段目は残置のある右壁をTR(蓜)。ちなみにこの間松崎は右を高巻いていた。これらの滝はどれも豪快で、全体にナメ床が続いて素晴らしいところだが、時間的な焦りからあまり楽しむ気になれない
4m5mは2段TR。上段と次の小滝で手掛り。支点を小滝上の倒木から取ったためにザイルの長さが足りずイモイモしている。トップは5m滝の手掛りを省略しようとしていたが、こういうときはザイル末端にスリングを接続すればよい。ということで自分が手掛りを延長した。実際、5m滝は手掛りが必要だろう。次の5m滝は右フリーだが微妙。滝上で岩の乗り越しのためにスリング手掛り。

2段20m滝はTR×2で右巻き。12m滝は右をへつってTR。このとき自分が釜にドボンし、首にかけていたテレビーのビデオカメラがご臨終してしまった。どうしよう。
ジャヌケ沢出合でタルミ。12m階段状は下部TR→上部手掛り。遡行図最後の滝マークのところでTR+スリング手掛り。
このあとはガレと倒木の沢をひたすらつめるだけかと思いきや、倒木のかぶさった小滝でTR、水枯れ手前の滝で2段TRと意外に忙しかった。水枯れはシダの生い茂ったあたり。水を汲んだあとは完全に源頭の雰囲気で、適当なところで沢筋を離れて踏み跡をたどる。稜線に出ると甲府盆地が眼前に広がり、素晴らしい展望の中で沢装解除。カメラがご臨終しているのが残念でならない。このあとは大菩薩嶺を越えて下山。何度か下級生に地図読みを聞いたが、僕以外の地図が濡れて判読できず、話にならない。皆予備地図出してください。最後の林道で蓜島が珍しく遅れていた。よほど疲れたのだろう。

裂石バス停前のそば屋で打ち上げと反省会。松尾は蕎麦を註文した後行方不明になり(遠くの公衆便所で着替えていたらしい)、完全に蕎麦がのびていた。バカである。そういえばメガネを注文してもらおうと思って自宅と連絡を取ったら度は低いがスペアがあるとのこと(自分は忘れていた)。幾許かの同情を受けていた僕はブーイングを一身に受けることとなった。

まとめ
S字峡での壮絶な高巻きが後々まで響いた。自分の企画では遡行図に書き込む情報は(トップに考えさせるため)ある程度削っているのだが、今回はやり過ぎだったかもしれない。
小室自体は素晴らしい沢だったが、いかんせん時間が押していたので全然楽しめなかったのが残念である。いつかリベンジしたい。

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